広中和歌子Fax通信 第86号 ( 2007年10月16日


一ヶ月の政治空白の後、逆転参議院でいよいよ予算委員会審議が始まった!

   

 

《福田総理誕生》

安倍総理の突然の辞任により国会再開は自民党総裁選後の10月5日に。その間、民主党は党の役員人事、国会での所属委員会の割り当てなどを行うとともに、参議院選挙で国民の皆様にお約束したことを実現すべく数々の議員立法に向けての政策勉強会を開催してきた。今国会では、私は環境委員会、ODA特別委員会、国際・地球温暖化調査会に属し、党務として引き続き南関東ブロック代表として、民主党常任幹事会に出席する。

福田総理の所信を受けて衆参での代表質問、予算委員会での質問がようやく始まったが、参議院選での自民党の敗北を受け、福田総理のスピーチも答弁も不気味なほどに低姿勢。与党はアフガン支援のテロ特別措置法は早々とあきらめ、新法で対応しようとしているが、先が読めないのが現状である。

過去3年間、調査会長として取り組んだ経済産業雇用調査会では、ニート・フリーター・非正規雇用問題や地方と都市部の格差、また成熟化する経済社会の中での高齢化問題、より好ましい働き方などについて参考人から話を聴き、国内外を視察し、メンバー間で意見交換を行った。そしてその結果は参議院本会議における“ワーク・ライフ・バランス”決議となって結実した。この決議がいかに日本社会の中で定着していくかは今後の課題である。その前提としての雇用格差の是正、安心して受けられる医療、介護、そして信頼できる年金があることは言うまでもない。

 

《ノーベル平和賞》

ノーベル平和賞が3年続けて広い意味での環境部門に貢献してきた人に与えられた。一昨年はアフリカで植林運動を指導したワンガリ・マータイさん。昨年は貧しい人達に小規模融資を行うマイクロクレディット運動の推進者モハメド・ユニス博士。そして今回は気候変動の実体を調査し、訴えてきたIPCC(地球変動枠組機構)の学者達と“不都合な真実”のアル・ゴア氏。彼らと私は地球環境問題を通じて様々な場面で行動を共にしてきただけに実にう  

れしいことである。ゴア氏とは彼が上院議員時代からGLOBE(地球環境国際議員連盟)で一緒に活動し、彼が副大統領、私が環境庁長官の時には環境問題で話し合った。大統領選でブッシュ氏に敗れてからは本来のライフワーク、地球環境問題に一途に取り組んで来られた。“不都合な真実”の映像を通じての地球環境への訴えは冷戦後地域戦争に明け暮れる世界のあり方に軌道修正を迫っている。正にノーベル平和賞にふさわしい貢献である。

IPCCについては、その議長パチャウリ博士の学者としての業績のみならず、ニューデリー市にあるTERI(エネルギー資源研究所)の所長としての行政手腕が評価される。IPCC議長として環境問題にかかわる多様な分野の学者・研究者を束ね、気候変動の実体、将来起こり得る地球の危機などについて各国政治家、自治体、市民等に実証的に説得し続けてきた。今年の8月、インドで博士とお目にかかったが、今月は日本でGEA(地球環境行動会議)の会議で基調講演をなさることになっている。直接おめでとうと申し上げるのが楽しみである。

 

《ICETTを訪問》

三重県といえば、伊勢志摩国立公園で知られるように歴史、文化、自然が有名であるが、戦後のある時期からは「四日市ぜんそく」で知られる公害県というイメージが消し難い。先週、その後の四日市を知るべく訪れたところ、案内されたのがICETT(国際環境技術移転研究センター)。まさに公害体験の負の遺産をプラスにかえ、アジア途上国を中心に公害防止技術の移転を行うという施設。平成2年の設立以来74カ国1820名の研究者・実務者を受け入れ、泊り込みでの研修を行っている。またこちらからも現場に出向いて技術を教えているという。公害が地域の問題から地球規模に広がる昨今、ICETTのこのような活動こそ日本が自信をもって行える国際社会への貢献である。こうした活動が大きく広がり成長していくことを切に願っている。ちなみに四日市市は経済発展著しく、その反面公害問題を抱える天津市と姉妹都市の関係にあるという。