広中和歌子Fax通信 第79号 ( 2007年1月30日 )


“女性は子どもを産む機械”とは何たる発言。どこの国でも大臣は即刻罷免だ。
さて、安倍さんはどうなさる?

   

《2007年を迎えて》

昨年後半は、学校でのいじめ、自殺がニュースを独占し、年始にかけては家族がからむ殺人、死体のバラバラ遺棄など、血の気もよだつ事件が次々と報道されている。数日前にも、高齢者による万引きの増加が特集されていた。子供にも大人にも高齢者にも暮らしにくい世の中だ、と片付けてしまうことは日々新たなニュースを追うのが仕事のマスコミと違って、政治はこれらをしっかりと受け止めなければならない。

家庭のあり方、教育の失敗、地域社会不在、そしてそうした問題の背後にはこれまで当然とされてきた会社優先の日本社会のあり方と最近の不安定な雇用がある。バブル崩壊から立ち直る過程で終身雇用、年功序列といった日本的雇用がゆらぐ中、正規、非正規、派遣、パートといった雇用の生み出す格差が顕在化し、多くの人が迷い、不安を感じている。それに輪をかけているのが少子高齢社会のもたらす年金医療の不安だ。これらの課題に対して、われわれ政治家は正面から見据え、多角的に考察し、総合的に取り組まなければならない。

そうした中、1月25日に開かれた第166回国会で安倍内閣は教育を最重要課題として取り上げ、民主党は格差是正国会として論戦を挑む。与党、野党で切り口は異なっても、現在与えられた課題の大きさに圧倒されず、解決の糸口を見つけていかなければならない。

私は引続き、経済・産業・雇用調査会会長として、又、文教科学委員会の一員として、グローバル化の中で方向性を模索するわが国の教育、仕事、家庭、地域社会のあり方を考えていきたい。

ゴア米元副大統領と映画=不都合な真実

地球環境問題がいよいよ待ったなしの状況であることを訴えるドキュメンタリー映画〔不都合な真実〕の上映に合わせて来日したゴア元副大統領と、GLOBE(地球環境国際議員連盟)の日本メンバーが会見した。

ゴア氏はGLOBEインターナショナルの元会長、上院議員の時代から鋭い問題意識をもって地球環境の課題に取り組んできた方だ。クリントン政権での副大統領の立場では1997年京都でのCOP3環境会議の最終日に急遽来日し、米国としてCO27%削減案を提案すると共に、日本にも6%の義務の受け入れを納得させた。
私にとってはその時京都でお目にかかって以来の邂逅である。

その間ゴア氏は2000年の大統領選でフロリダ州の票をめぐってブッシュ氏に敗れ、以後大学などで環境問題の講義をされていると聞いていたが、その講義の集大成がドキュメンタリーフィルムとなった。

産業革命以降、増え続けるCO2排出による地球温暖化とそれに伴う異常気象の影響、地球の自然がどう変っていったかをグラフと映像で映し出す。キリマンジャロの雪渓の後退、北極の氷山が海に崩れ落ちるさま、世界各地で多発するハリケーン、洪水、干ばつ、熱暑、寒波などが、ゴア氏の雄弁な説得と共に観る者を惹き付ける。そして、日本は、世界は、私達一人びとりはこの問題にどれだけ真剣に取り組んでいるかが問いかけられる。

日本では京都議定書締結後、各界各層で様々な取り組みがなされてきたことは否定しないが、事実は1990年レベルからCO2は8%上昇しており、従って今後2012年までに14%を削減しなければならない。最大の排出国アメリカが京都議定書に加入していないこと、急速な経済発展を遂げ、CO2排出量の多い中国には、途上国という扱いで削減の義務が課されていなことは大きな問題だが、最近のEU各国の取り組みは実に先進的だ。特に英国政府は先のグレン・イーグルサミットで環境問題を最大の課題として取り上げ、アメリカや日本にCO2削減に強力なイニシアティブをとることを迫っている。

アメリカに関していえば、ブッシュ政権の環境への取り組みはお粗末だが、連邦政府と無関係に環境問題に取り組む上下両院の議員も少なくなく、また、州政府レベルでも京都議定書に賛成する多くの州や都市があり、NGOと共に先進的な環境政策を打ち出している。EUとアメリカが手を組んで環境問題に真剣に取り組み始めようとしている時、日本政府も産業界も一般市民も後塵を拝することがないよう、日本が環境先進国であり続けることを切に願う。