広中和歌子Fax通信 第67号 ( 2005年12月6日 )


特別国会終了後、二つの国際会議に出席、更に経済・産業・雇用に関する調査で海外視察を行い新鮮な刺激を受けました。

   

地球憲章+5 オランダ アムステルダム市にて

 地球憲章が西暦2000年、国境を越えた市民の声を反映して誕生してから早くも5年、その間ユネスコで採択されたのを皮切りに、多くの市民団体によって普及浸透が計られてきた。世界の貧困を2050年までに半減させるという国連ミレニアム開発目標(MDG)やヨハネスブルグサミットにおける「国連持続可能な教育の10年」も地球憲章の理念を後押しするものだった。

 その5年間を振り返り、次に行うべき行動計画を考えるのが、今回の会議の目的である。16世紀オランダが世界の海で活躍した時代の栄華を残すアムステルダム市内の王立トロピカル会館には、世界各地から400名が集まり、過去5年間の地球憲章普及の成果を祝うと共に、多彩な経験や教訓を互いに共有した。べアトリクス女王、オランダ首相をはじめM,ストロング氏、バスマヨルダン女王、S,ロックフェラー氏らも参加、今後の更なる発展に向けての努力が確認された。

起草委員として過去10年地球憲章にかかわってきた私は、日本における普及に向けての更なる努力への決意を胸に、帰国した。生態系の保全とその豊かな恵みを未来の世代へ、持続可能な開発と発展、貧富の差をちじめ、公正な経済社会の実現、民主主義 非暴力、平和の文化の構築などがすべての人々と国々の目標になることを目指して、地球憲章への志を同じくする人々と共に、これを日本中に広めていきたいと心に誓う。

 

《PGA議員会議 アイルランド ダブリン市にて》

PGAとは民主的に選ばれた国会議員が超党派、個人として参加する国際的な議員連盟で、これまで国境を越えて存在する様々な政治課題、紛争の未然の解決、人権問題、貧困や環境などの問題を解決するために行動してきた。1979に発足し、ニューヨークに本部がある。

秋葉忠利氏(現広島市長)、柿沢弘治氏(元外務大臣)の後を受け、現在、私がPGAジャパンの会長を引き受けている。

今年のPGA会議のテーマは移民問題。

各国の議員から、それぞれの国における移民問題について話が聞けて興味深かった。折からフランスで移民2世の暴動が起こっており、問題の切実さが増す中、議論は白熱した。

多くの国が植民地時代という過去を引きずり、 現代にその問題が持ち込まれている。安い労働力として移民を受け入れ、だが彼らに自国の人々と同じ待遇、権利を与えず、社会的差別が存在する場合に引き起こされる諸問題について様々な事例が出され、非常に参考になった。

 

《経済の活性化と雇用問題海外調査》

参議院 経済産業雇用調査会として国会閉会中に海外調査を行うことになり、オランダ、イギリスを視察した。EUの労働法制によってパートであろうとフルタイムであろうと同一の労働に対して同一賃金が支払われ、社会保障の面でもパートとフルタイムの差が無いことが最も印象に残った。こうした同一労働、同一賃金の下では、男女とも自由に労働時間が選べ、女性は出産、子育てを機に仕事を止めても、あるいはパートに切り替えても就業上、あるいは再就職の際の待遇面での不利益は無い。又男性の育児参加もしやすい。その結果、女性の就業が増加し、出生率も高くなったという。しかも、託児所の数をふやす社会的コストも減ったという。

 少子高齢社会を迎えた日本で、仕事も家庭も両立できる働き方が切実に求められる中、ヨーロッパの雇用のあり方は大いに参考になる。