広中和歌子Fax通信 第61号 ( 2005年5月31日 )


 

田に水がはられ、田植えが始まり、田園の緑が目にしみ入る今日この頃、
お元気でお過ごしのことと拝察しております。


   

《郵政法案》

国会では郵政法案をめぐり紛糾しているが、国民の皆様には何が争点かお分かりにならない方が多いのではないかと思う。民主党としては法案そのものが問題なので、再考、最提出を求め、特別委員会の設置と法案の審議入りに反対している。そもそも巨大な郵政関係の資金が財投に、その一部が国会のチェックの届かない特殊法人に流れ、無駄使いされていることが小泉総理の郵政民営化論の発端であった。しかし、郵政民営化法案の提出過程で、自民党内の大反対にあうと、郵貯、簡保へは政府保証を残し、郵便の全国一律サービスを保証するため、二兆円の基金も与えるという形で妥協を計ろうとしている。その結果、全国に展開する350兆円の資金を持つ、政府保証付きの巨大な民間銀行と保険会社が誕生することとなる。そうなると、地方の銀行や保険会社の多くは倒産、合併に追い込まれることになるだろう。郵便と競合する宅配業の分野でも淘汰と寡占化が進み、更に郵便局が多角経営に乗り出せば、既存の民間業者が困るだろう。まさに民業圧迫である。

といったことで、今回の郵政法案には多くの問題点があり、そのまま賛成するわけにはいかない。

全国展開をする郵便局は地域社会の拠点であることは世界共通の認識である。アメリカやカナダなどでは、郵便は国営のままに、郵貯と保険の分野は
民間へ移行するという形をとった。しかし、そうなると、日本の郵政関係者も与党の郵政族議員も大反対する。いずれにせよ拙速は禁物である。

《日本EU議員会議》

毎年一回EU議員と日本の議員が超党派で集い、それぞれの政治、経済情勢やグローバルなテーマで意見交換を行っている。開催場所はEUではブラッセル、日本では国会で交互に開催される。今年は日本の番で、私も参加した。回を重ねるごとに親しさも増し、かなり率直に発言する。EUからは日中、日韓関係がぎくしゃくしている中、日本はアジアの中で孤立化しているのではないかという痛い指摘があり、第二次大戦後、ドイツが行なってきた真摯な謝罪と取り組みについて改めて紹介された。言われるまでもなく、私自身第二次大戦50年の節目の年、ドイツの例に倣い、謝罪と、戦後の復興支援への感謝、そして平和貢献への誓いを、国会決議という形で表現すべきだと自民党に働きかけ、国会決議が実現したこともあり、思いは深い。EU側からの発言に対し、私は、戦後これまで日本は平和憲法を守り、過去の戦争については幾度となく謝罪もし、ODAの形でアジアの国々への支援も惜しまなかった旨、説明した。そして、これからは反省とか謝罪ではなく、未来に向け、自分達の平和へのコミットと途上国支援を続けるという行為によって判断してほしい旨、発言した。とはいえ、今日の日中、日韓関係をどう改善していくか、悩ましい問題である。領土問題、資源問題が絡めばそれぞれの国のナショナリズムが更にエスカレートし、経済関係にも大きな損失を与えることになりかねない。

《PCB採血調査》

千葉大学の環境生命医学科の森 千里先生の研究室からご連絡があり、ヒトのポリ塩化ビフェニール(PCB)暴露状況の調査に協力して欲しい旨 依頼を受けた。日本ではPCBは1972年に製造が中止されているものの、環境省の調査などでは大人だけではなく赤ちゃんの血液や臍帯からも検出されているという。2003年WWFでは39人のヨーロッパ議会議員などからPCB濃度を計る採血調査を行っており、日本でも同様の調査をしたいとのこと。

採血に先立ち、有吉佐和子の「複合汚染」やオズボン博士らの共著「奪われし未来」を読み、改めて食の安全について考えさせられた。検査の結果は6月に入ってからだという。