広中和歌子FaxNews第6号(2000年8月10日)
昨日8月9日、「鳩山由紀夫と共に民主党政権を作る会」が結成され、私は会長に推された。民主党の代表選挙に向けて鳩山氏の支持を固め、民主党政権奪取に向けて結束するのがこの会のねらい。
民主党は、2年前の参院選とこの度の総選挙で、ホップ、ステップと躍進したが、いよいよ次の参院選は、ジャンプ、飛躍の時である。
しかし自民党はただ手をこまねいているだけの政党ではない。民主党がこれまで訴えてきた大型公共事業の見直しにも、自民党は前向きに対応すると言っている。言行一致を国民と共に民主党も切に望んでいる。
≪そごう問題に思う≫
先月、グローバル・フォーラム(伊藤憲一世話人事務局長)主催の「日中対話」セミナーに出席した。
私はこうした国会の外のセミナーにも時間が許す限り積極的に参加する議員の一人だが、そこでは講師の話もさることながら、コーヒー・ブレイクなどで折々の時の話題について、エキスパートである他の出席者から忌憚のない話が聞けることが有り難い。
折しも「そごう問題」にからむ債権放棄プランをめぐって、国民の税金が使われることへの世論の批判が高まる中、自民党幹部はそごうグループに民事再生法の適用を選択させたばかりだった。しかし、私としてはモラルハザードを避けるという視点からのその決定について、少なからぬ懸念をもっていた。特に取引先の中小金融機関や仕入先への影響で、再び経済不安が起こらないかという心配だった。
コーヒーブレークの時間に早速、このテーマについて、知り合いの著名な経済学者に伺ってみた。「この際、損失を最小にしようという経済合理性より、国民感情に配慮したんでしょうね」というお答え。そこでもう1人、ある大銀行の元頭取にも同じ質問をすると「つぶれるものはどんどんつぶしたらいいんです」ときっぱり言われる。これまで銀行再編の中で生き残ってきた、そしてこれからも生き残れる大銀行の自信が、彼の表情にありありとうかがえた。
その日から2週間、株価は日々下がり続け、円安傾向にも歯止めがかからない。そごうグループが法的整理を余儀なくされたことで、不良資産をかかえるゼネコンや他の流通大手にも影響がでることが、日本経済の先行き不安の材料になっているのだ、とマスコミは解説していた。
しかしそうこうするうちに、そごうの債権放棄には断固応じなかった新生銀行が、準大手ゼネコンのハザマへの債権放棄を決定した。欧米流の株主優先の経営への世論の風当りが強いことが、新生銀行をして、なしくずし的に他行との共同歩調をとるべく妥協を強いられたようだ。
いずれにせよ、こうした終始一貫しない不良債権処理では日本の金融と経済再生への道は険しい。
≪女性と年金≫
数週間前、民主党の副代表として連合の女性会議に出席。男女共同参画社会の実現に向け、民主党の具体的政策を求める質問があり、女性の年金、特に国民年金の第3号被保険者問題について考え方を聞かれた。
第3号被保険者とは多くの方に聞きなれない言葉だと思うが、サラリーマンや公務員などの被扶養配偶者、つまり妻が対象で、主婦の無年金をなくそうという主旨で昭和61年4月に導入された制度である。しかも、その主婦はパートで働いていても一定の収入以下であれば、配偶者特別控除の適用を受けて独自で税金も年金も払う必要はない。
年金問題については過去数年間、国会でさんざん議論されてきた。この第3号被保険者制度についても、これからの少子高齢社会を迎える中、「世帯単位」の年金の支払いや受給を「個人単位」に変えるべきであるとか、年金を払わない専業主婦が、働いて税金、年金を払ってきた女性と同様に年金を受取るのは不公平だという意見が、特に女性議員の中から多かった。
社会制度審議会は年金の給付と負担は世帯単位から個人単位に移行すべきと勧告しているし、民主党としてもその方向を目指してはいる。しかし、長い間アメリカで専業主婦をしている間、アメリカの税制や年金が個人ではなく家族が単位であったことの恩恵を充分受けた者として、私の思いは複雑である。日本だけが家族中心主義ではなく、アメリカの税金や年金の体系も家庭にいる主婦の役割を大切にする伝統にのっとったものであったし、現在もそうだということ。しかし、そうした年金や税制にもかかわらず、働く女性が増えており、専業主婦優遇制度では女性を家庭につなぎとめられないということも事実なのである。
私は帰国後働き始めたが、自分自身の税の申告をした時の思いは忘れ難い。税金や年金を払うだけの仕事をもてる喜びは、なにものにもかえがたいと思うからである。