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《参議院選挙後》
選挙が終って開かれた臨時国会はたったの8日間だけ、政治は休戦ムードである。あれほど盛り上がった年金問題であったが、野党の廃止法案はあっけなく否決され、問題多い政府案がそのまま法律として残された。 折からお盆休みを迎え、国中がアテネのオリンピックと日本選手の活躍に湧いたが、多くの金、銀、銅のメダルを獲得した選手達の笑顔と共に、異常に暑く、長かった夏もようやく終ろうとしている。 この間、八つの台風が日本列島を直撃し、各地に大きな被害をもたらした。水害の多くは高潮と重なったためと報じられるなど、海水温度の上昇と異常気象の関係が気に懸かる。 たまたま来日されたIPCC(気候変動に関する政府間パネル)の議長パチャウリ博士ともそのことが話題となり、人間の行う経済、社会活動の総和が地球環境に及ぼす影響について、更なる真剣な対応が必要だと話し合った。 日本の公害体験を例に挙げるまでもなく、温暖化の対応について、因果関係が科学的に証明されるまで待っていては遅すぎる。早めに手を打つことが災害、被害の予防につながり、コストもその方がずっと安くなる。このことは折にふれ、私も途上国の人々に日本の公害体験として話をしているのだが、CO2最大の排出国アメリカ政府が、京都議定書に依然として否定的であることは、重ね重ね残念なことである。
9月に入っても国会は開催されず、その間私はほとんど毎日といってよいほど、国会周辺で開催される国際会議に参加している。特に東京青山にある国連大学や、六本木の国際文化会館の会議場では、環境問題、貧困問題、人口問題などをテーマに、連日さまざまな会議が開催されており、大いに勉強になる。 最近、シンクタンク等が関心をもって取り上げているテーマとして、日中関係とアジア共同体の課題もある。EUやNAFTAに続いて、アジアでも日・中が中心となってアセアン諸国と共にアジア共同体を作ろうという気運を盛り上げるための企画であろう。兼ねてから、アセアン諸国からそうした発信が されていたし、中国、韓国、インドの最近の経済発展とそれに伴う自信には目をみはるものがある。しかし、肝心の日本はといえば、小泉さんも外務省もアメリカの顔色を伺うばかりで、日本のアジアの中での発信は弱い。 今年の国連総会で小泉総理は日本の常任理事国入りを強く訴えたが、各国の反応は冷たい。イラクから断固撤兵させたスペインのサバテロ首相の演説が大きな拍手を受けたのと対照的だ。第2次世界大戦をひきずっている国連安保理に入り込むことより、日本はもっと別の角度から、世界の中で発言権を増すことはできないものか。 そう思っていた矢先、ある高名な学者から興味深い示唆を戴いた。すなわちG8に中国などを入れ拡大すること。G8サミットの背後には国連のような大きな官僚組織も拒否権もなく、もっと実質的な対話、提案ができるのではないだろうか。中国やインド、そしてエジプトやブラジルも参加すれば、サミットの発信力もぐっと高まるといものである。 安保理入りを果たして自衛隊をより大規模に、より遠くに派遣する義務と責任を負うことより、まずわが国周辺で拉致や麻薬の取引が行われないよう、自らの国を守ることを考える国になってほしい。 《イラク紛争での戦死者と戦費》 イラクでのアメリカ人戦死者1037人、戦費1284億ドル(約14兆円)、イラク民間人の死者約3万人(アルジャジーラネットによる調査)。日本の貢献として、自衛隊派遣延べ2070人(2004年7月現在)その経費403億円。 これだけのお金が途上国の貧困解消や環境問題、教育などにまわせたらどんなにか良いのにと思う。それこそ日本らしい国際貢献だ。日本のODA予算が減り始めているのも気にかかる。 最近、アナン国連事務総長はイラク戦争にからんで、思いきった発言をしている。イラク戦争に突き進んだアメリカを暗に批判し、「現在世界のあらゆるところで法の支配が脅かされている」と指摘している。イラクはアメリカで起こったテロ9.11にも関係なかった。イラクでは大量破壊兵器も発見されなかった。小泉さんも、川口さんもなぜその事実を認めようとしないのだろうか。 |