広中和歌子Fax通信 第39号(2003年 5月27日)

イザヤ・ベンダサンは「ユダヤ人と日本人」の中で、
日本人は水と自由と安全はタダだと思っている、と 述べている。



《緊急事態法制》

連休が終わると、終盤を迎えた国会は、個人情報保護法案、緊急事態関連法案など、重要法案が衆議院から参議院に送られ、参議院が審議の主戦場になる。

緊急事態関連法案に関しては、多くの省庁にまたがる重要法案だということで、衆参で特別委員会が設置された。衆議院では民主党の修正案が大幅に取り入れられ、賛成多数で可決成立し、参議院での審議が先週から始まった。
その特別委員会のメンバーに組み入れられた私に早速、質問の機会が訪れた。

そこで、思い出したのが冒頭引用したイザヤ・ベンダサンの「日本人は水と自由と安全はタダだと思っている」というくだりである。

大体、人は有事、災害については、考えたくない。しかし、阪神淡路大震災のように、災害は必ず忘れた頃にやってくる。だから、「備えあれば、憂いなし」なのだが、問題はどれだけ備えれば憂いがないのか、安心なのか、分からない。しかも、安心のためにどれだけコストをかければよいかも分からない。できたら、コストは払いたくない。だから、人は有事や災害は自分とは関係ないと思う。それが戦後の日本人だった。少なくとも最近までは。

しかし、最近水もタダではなくなったように、そろそろ安全もタダではすまない、と考える人が増えてきた中で、この緊急事態法が検討され、国会に上程されている、というところだと思う。

特に、最近のイラク戦争、北朝鮮問題がある。準備のないまま有事になったら、わが国は混乱に陥る。戦後、豊かになった日本には人の生命、財産、都市インフラ、文化財など守るべきものは多い。

有事を避ける、起さないのが一番ではあるが、拉致や不審船の被害に加えて北朝鮮によるノドンが100基、日本に向けられていると知れば、この法律の必要性は明らかである。

民主党は5年前の結党以来、災害を含め有事のための法律が必要だという立場に立っていた。しかし、憲法で保障されている人権が守られるのか、このような法律ができればむしろ戦争が起き易くなるといった不安を持つ人も少なくない。そうした中、今国会中、この法律の是否をめぐり、党内で連日のように討議を重ねてきた。国民保護法制、危機管理庁の設置については与党・民主党合意文書で一年以内に結論を出すということが確認され、人権については修正され、附則に明記された。

私は、@公共の福祉と人権A武力攻撃事態の認定や対処措置の決め方B情報収集の仕組みC米軍との連携Dテロは武力攻撃事態か否かE今後、不審船、麻薬や武器の不正取引、不法な資金の流れ等、より効果的に取り締まれるのか、などについて一時間にわたって福田官房長官や石破防衛庁長官に質問した。

《第24回日本EU議員会議開催》

緊急事態特別委員会と重なる形で、第24回日本EU議員会議が東京で開かれ、そちらの方でも討議に参加することになった。

今回は外交、経済、環境、文化交流といったテーマに加え、高齢化と福祉が取り上げられることとなり、私はこの分野で発言することとなった。その準備をしながら、日本の高齢化社会の現状の厳しさに改めて驚かされた。

高齢化率2000年には6人に一人、17.4%、2025年には28.7%、4人に一人から3人に一人に近づく。そして、2050年には2.8人に一人が65歳以上となる。その原因は長寿と少子化。現在の日本の合計特殊出生率は2001年で1.33%、先進国中最も低い。年間出生数は現在の120万から2050年には67万人に減少。総人口は2006年の1億2774万人をピークに2050年には1億人、2100年には6000万人に減少する。

つまり、21世紀は日本にとって人口が半減する世紀となる。こうした高齢化、少子化社会を福祉の面でどう維持するか、大きな問題である。戦後、高度経済成長の下で、高福祉を低負担で維持できた時代は終わったことは確かだ。

これからは、ヨーロッパ並みの高福祉・高負担に切り替えなければならないが、経済低迷の中、政府も国会も、こうした負担増に踏み込めないでいる。

そうした中、高負担を避けるため、行政が効率の高い最小限のサービスを提供し、また個人も健康であり続けるための努力を行うことが求められている。

政府は年をとっても元気で活き活き暮らせるよう、就業機会の確保、社会参加活動の促進、ゆとりある生活環境、健康づくりを一昨年末閣議決定しているが、その具体的施策は進んでいない。

《民主党の党員、サポーター募集中》

本年も民主党は党員、サポーターの募集、再登録を行っています。ご関心のある方は広中事務所(国会)にご連絡頂ければ幸いです。