広中和歌子FaxNews第31号(2002年9月10日)
《ヨハネスブルグ・サミットに参加して》
リオ・サミットから10年。その間約束された温暖化問題をはじめとする様々な課題に世界がどう取り組んだかが問われる会議であった。実体は環境劣化はますます進行し、貧富の格差は拡大、エイズなどの疾病、水質や衛生等、問題が更に広がり、顕在化してしまっている。
こうした難題を前に、ヨハネスブルグ・サミットでは各国政府は今後具体的にどう取り組むのか、そして、約束したことをいかに実行するのかが求められている。サミット会議場周辺ではNGOの「Act!(実行に移せ)」のプラカードが目立っていた。
治安が悪いといわれるヨハネスブルグだが、道路、オフィスビル、住宅、商店など都会としてのインフラはまさに先進国そのもの。しかし、かつてヨハネスブルグに金やダイヤモンドが発掘された時代の名残りの黒人居住区、SOWETOやその周辺に広がる電気や水のない劣悪なスラムは南アの抱える大きな問題を示している。白人と黒人(アジア系含む)の人口比率は1対9、失業率40%以上、HIV/エイズ感染者25%〜30%。それでも国土は日本の3倍、人口は1/3。地下資源も豊かで産業インフラもある。94年以後民主化されたこの国で、黒人人口が植民地時代からの白人支配を乗り越えて、いかに力を発揮できるかが問われている。
各国政府団、議員団、国際機関、専門家、NGO等々、6万人と予想された参加者がそれぞれ遠く離れたサントン・サミット会場からウブンド村、 ウォータードーム、ナズレックに分散する会場を行ったり来たり。全体像がなかなか把握できないのは大きな国際会議にありがちなこと。
私はGEA(地球環境行動会議)の一員として、JapanDayの催しに参加する他、IPU(列国議会)やGLOBE(地球環境国際議連)のメンバーとして様々な場で発言の機会を持った。こうした議員交流で得たものは政府とは異なる、それぞれの国の国民を代表する生の声であった。温暖化問題では京都議定書に反対するブッシュ政権の立場について、アメリカの議員達は共和党、民主党を問わず疑問を表明していた。アメリカは多様な国だということを改めて実感。
IPUの会議では「持続可能な開発―人間の安全保障の基盤」というシンポジウムの議長を引き受けたが、アフリカ各国議員の発言は、貧困、教育、飲料水、HIV/エイズなど重い課題を先進国がどう受け止め、支援してくれるかについてであった。
日本政府は途上国へ教育支援として約20億ドルを、感染症対策イニシアティブには30億ドル、南部アフリカの農業支援には3000万ドルの支援を約束した。日本は再生可能エネルギーに関しては数値目標を付すことに反対するなど温暖化対策に後ろ向きとも受け取れたが、途上国支援では頑張っている。
多くのNGOが世界各地から参加していたが、私も地球憲章推進日本委員会の事務局長という立場でも、日本によってこの秋国連に提案される「教育10年」の中で「地球憲章」が環境教育の一環として取り入れられるよう、働きかけを行った。「地球憲章」がサミットの政治宣言の中に取り入れられるよう地球憲章委員会のS.ロックフェラー氏等と頑張ったが、その精神は取り入れられたものの、「地球憲章」という言葉は最終稿で落ちてしまったのはかえすがえすも残念。
首脳会議に出席した首脳達に対して、マスコミが最も注目していたのは環境の主要テーマではなく、イラクへの武力攻撃の可能性についてであった。イギリスのブレア首相の一時間余にわたるインタビューを現地のテレビで聴いたが、記者からの質問のほとんどがイラクに対するアメリカの攻撃の可能性と、それについてのイギリスの対応についてであった。イスラエルのペレス氏に対しても、メディアの強い関心が集まっていた。21世紀の地球を環境劣化から守るための様々な方途を語る場で、第三次大戦への引き金にもなりかねない中近東の情勢が重苦しくのしかかる会議でもあった。戦争こそ最大の環境破壊であり、罪のない人々の命を奪い、貧困に陥れ、苦難を強いるものであることは言うまでもない。
《民主党代表選挙》
ヨハネスブルグに出張していた間に、民主党代表選挙の出馬予定者が8人から4人に絞られていた。帰国早々、NGO主催の横路、菅、鳩山、野田四候補による討論会が行われていた。四人ともそれぞれに真摯に雄弁に出馬の弁を語り、甲乙つけ難いように思える。しかし、私は鳩山氏の人柄を信頼しており、野党という難しい立場で民主党の党勢拡大に貢献されたことを考えれば、続投は当然だと思っていた。そんな中、私は「鳩山政権を実現する会」会長に推挙され、代表選の始まる9月9日、早速街頭で多くの仲間と共に、鳩山代表の応援に馳せ参じた。投票は9月23日、党員・サポーターの皆様にも代表選へのご参加を心からよろしくお願い申し上げます。