広中和歌子FaxNews第29号(2002年6月25日)
日韓共同開催のサッカー・ワールドカップに国中が湧き、連日テレビに釘付け。
久しぶりに日本人としての一体感を感じたのではないでしょうか。
《サッカー・ワールドカップに思う》
経済も政治も混沌とする中、サッカー日本代表は一次リーグを1位で突破、決勝トーナメントに駒を進め、トルコと闘うまでに活躍してくれた。オリンピックがどちらかといえば、総花的(?)なら、サッカーW杯はサッカーだけに絞っての国と国との勝ち抜き戦、いやがうえにもナショナリズムをかき立てられる。国際政治の舞台ではイスラエル対PLO、インド対パキスタンなど戦争の危機をはらんでのにらみ合い、小競り合い続いているが、スポーツを通じての戦いの、なんとさわやかなことか。各国の代表を暖かく迎え入れた地元の人々の心配りもサポーターの応援も素晴らしかった。
日韓共同開催ということで日本と韓国の関係がぐっと近くなったことも嬉しい。戦前、戦中の経験から韓国の人たちの抱く日本へのわだかまりの深さは、被害者の立場として当然なのだが、今回のサッカー共催を通じてそれが少しでも軽減されればと希う。現時点で韓国がベスト4入りしたことも快挙である。今夜の結果が楽しみである。
それにしても素晴らしかったのは日本チーム!4年前のフランス大会とは何たる違いか。選手達の持つ可能性をここまで引き出してくれたトルシエ監督のリーダーシップには頭が下がる。鈴木・稲本・森島・中田など得点してくれた選手、それをアシストしてくれたメンバーの人達、そして相手の得点を最小限に抑えてくれたGKの楢崎、日本国民の期待に応えて、本当によくやってくれましたね!ありがとう!
それにひきかえ、おそまつなのが日本政治のリーダーシップ。日本には世界に誇る資金も人材も技術もあるのに、それらが活かされていない。自民党の長期政治で活路が見出せない以上、政権交代しか手はないではないか。そしてその"鍵"を握っているのは民主主義の国では有権者の皆さん以外にないのだということ!そうした思いを込めて、去る6月13日、東京で民主党躍進パーティーが3,000人を超える人々の参加を得て盛り上がり、自由党の小沢党首、社民党の土井党首らもかけつけて、政権奪取を誓い合った。
《韓国の経済回復から学ぶ》
1997年、タイを皮切りにアジア各地を襲った通貨危機で韓国も大きな痛手を受けたことは当時大きなニュースとなっていたが、その後3年を経て、韓国経済がすっかり立ち直りを見せていることは意外と知られていない。そのことに興味を抱き韓国大使館を訪れ、経済担当者から話を伺ったり、幕張のアジア経済研究所のセミナーに参加したり、そのテーマでの専門家から事情を聴いたりした。アメリカのアジア経済を専門とする経済学者、M・ノーランド氏によれば、韓国の経済の早い回復は@経済の規模、Aしがらみのない政治、Bグローバルな教育を受けた人材が豊か、Cそうした人達を任用する柔軟な社会的、政治的土壌があること、とのことであった。
経済の規模については、小さい経済は影響も受けやすいが、回復も早いという。経済危機後政権交代した金大中大統領は、しがらみのない中、IMFの忠告を受け入れ、思い切った対策をとれたとのこと。
人材については、韓国では大臣はもとより政策、行政、企業の中枢での人材登用が日本よりずっと果敢に行われている。また、企業家精神も盛んで、企業や銀行を解雇された人達がベンチャー企業を立ち上げたり、海外に渡って次の機会を模索する冒険者も少なくないという。
もっとも日本でも戦前、戦後は人々は否応なしにベンチャー精神を持っていたものだ。しかし世の中が安定するにつれて、人々の心も、社会のしくみも硬直化してきたのかもしれない。しかし、今回のサッカーで活躍した人達、それを応援する若者達を見ていると、日本にも何かが起こり始めているのかもという予感を感じ始めている。
《党首討論ようやく開催》
私が自民党の池田行彦氏と共に委員長を務める国家基本政策委員会での小泉総理と野党党首の討論は、総理に他の国会日程がないことを前提に衆参交互に開催される。今国会は総理出席の予算委員会が予定を超えて度々開かれ、また、重要法案審議で総理の本会議や委員会出席が求められ、さらに海外日程とも重なって、衆議院で1回しか開催されなかった。そして会期末の6月12日、参議院でようやくとり行われた。アフガニスタン問題、中東問題、瀋陽事件、印パ問題等重要な国家基本に関わる課題が山積し、総理と野党党首のディベートがこれほど求められている時はないのに、この委員会が度々開かれないのは実に残念である。