広中和歌子FaxNews第21号(2001年10月29日)
テロ関連の報道に明け暮れる憂鬱な毎日ですが、美しい紅葉の季節は確実に訪れてきています。
《同時多発テロ》
去る9月11日、アメリカで発生した同時多発テロを受け、アメリカはビンラディン氏を首領とするアルカイダテロ組織と、それを匿っているタリバンに向け、空爆を開始。それから、既に四週間が経つ。その間、アメリカ国内には炭疽菌事件がマスコミや政府関連施設などあちこちで発生。アメリカ人を底知れぬ恐怖に陥れている、とアメリカに住む友人が語っていた。
テロ攻撃に対応し、国会ではテロ対策特別措置法案、自衛隊法改正などが上提され、衆議院での特別委員会審議を経て、参院では外交防衛、国土交通、内閣の三委員会での合同審査となった。私も外交防衛委員会のメンバーとして参加。民主党としては、このテロの関連三法案の審議入りの前から十数回、全員参加で勉強会を開き、長時間にわたる意見の集約を行ってきた。結果として、自衛隊の派遣に際しては国会による事前承認が必要であることとし、修正案を出し、申し入れをした。しかし、結果は与党三党に一蹴されてしまった。小泉総理ご本人は、自衛隊派遣にはできるだけ多くの政党の賛成を得ることが望ましいと発言しており、民主党の考え方に理解を示していると見られていただけに、実に残念な結末である。
与党三党は参院選で勝利に終った今、予定通り小泉さんを"やとわれマダム"の地位に貶めようとするのか。構造改革の先行きが思いやられる。
本日10月29日、参議院本会議でテロ関連法案は与党三党の賛成で成立する。
アフガンの地形は7000m級の山々を含む急峻な山並みが連なり、テロリスト達が容易に匿われる地勢である。テロリストをどのように効果的に捕らえることができるのか、この戦争がどういう方向に発展し、どのくらい長期に続行されるのか、不明のままである。日本が行う後方支援、難民救済は、人道支援とばかり言っていられない。武器を持った偽装難民がいるということだし、戦争行為が後方に広がるリスクもあるという。
国会の外では、今朝も団扇太鼓のトントントンという音と、デモ隊による演説、そしてシュプレヒコールが続いている。
《環境会議》
テロ関係の国会活動以外にも十月は環境関連で忙しい毎日だった。GEA(地球環境行動会議)の国際会議で、私は温暖化防止について問題提起。続いてインドのTERI(エネルギー資源研究所)の日本支部設置を記念して環境、貧困、技術移転をテーマとするシンポジウムで講演。更にJネットというテレビに出演。京都議定書など環境問題について幅広く語った。
そして、一昨日10月27日には杉並区の山田浩区長のイニシアティブによる「環境博覧会すぎなみ2001」に招かれ、基調講演を行った。杉並区では区としてISO14001を取得。環境での先進区を目指し、頑張っている。環境問題の「今を知り、明日を考え、足元から行動する」を標語に、高井戸市民センターでは小学生の環境にやさしい行動の発表会や多くの企業の展示など興味深い企画で盛り沢山。私としても教えられることが多かった。私が現在関わっている「地球憲章」も一つのブースを与えられ、展示した。
こうした忙しい合間をぬって、紅葉を愛でるため、東北は蔵王へ。美しい山並、木々の間に立ち、過去50年間戦争のない平和な日本の有り難味を噛み締める。それに引きかえ、アフガニスタンの人々は何とも気の毒だ。国土は20年間戦場となり、ここ3年は干ばつにも見舞われ、月の表面のように荒涼たる土地に住む一般市民。彼らの頭上に今日も弾が飛んでくるかもしれない。
《日本EU議員会議、東京で開催》
テロ関連の三法案が参議院で可決された直後、衆議院の委員会室で開催されているEUの議員達との会議に参加。テーマは外交安保、政治情勢、経済・社会の動き、ロシアやアジア等周辺諸国の状況、地球環境問題、開発援助など幅広く時の話題を2日間にわたって討議する。
今回で22回目。外交問題では当然のことながら、話題はテロ問題に集中。ヨーロッパ議員も、わが国会議員同様、多様な政党を代表し、その意見も異なる。アメリカのこれまでの中東政策の問題点、タリバンに武器を供与してきた事実、そして最近目に余る一国主義など、アメリカ自身に問題ありという意見がある一方、どのような理由にせよ、テロは絶対に容認できないこと、世界中が協力して対応しなければならないという意見、しかしながら、テロに対して武力を行使することの効果への疑問、多くの民間人に犠牲を強いている人道問題等々。
いずれにせよ、テロリズムという新しい敵に対して、国際社会は試行錯誤を今後繰り返すことになる。