広中和歌子FaxNews第12号(2001年1月30日)
景気の先行きも生活の見通しも寒々しい中、寒中お見舞い申し上げます。
21世紀の幕開けは、日本では決して明るいものとして迎えられませんでしたが、近年、途上国を訪れる度に、私はそこに暮らす人々の生活レベルをかつてのわが国の暮らしと重ね合わせ、ある種の懐かしさを憶えると共に、現在の日本がどんなに豊かで恵まれた国であるかを改めて痛感します。あの戦後の日本のように貧しい現在のカンボジアやベトナム、あるいはネパールのような国が、50年も経つと日本のように経済成長を遂げることができるだろうかと考え、その答えは決して明るいものとは思えない中、何が日本をこのように発展させたのか考えずにはいられません。
確かに冷戦の最中、西側先進諸国が日本の経済に特化する政策を許容したこと、また朝鮮半島やベトナムでの戦争特需が経済発展の引き金になるという、日本にとっては運に恵まれたこともあったでしょう。そして、日本の文化、教育レベルの高さもありましょう。
しかし何といっても、このままの日本では駄目だ、飢えと貧しさから脱却したい、という人々の真摯な願いと努力が、今日の豊かな日本を築いたのだと思います。
最近、NHKの「プロジェクトX―挑戦する人達」(毎週火曜、夜9時15分より)を熱心に観ている者の一人なのですが、YS20の完成にしても、ロータリーエンジン実用化に成功したのも、東京タワーを打ち立てるにしても、携わる人達の熱い思いと執拗な努力があってのものと頭が下がります。こうした日本人の成功体験が21世紀に活かされない筈がないと確信します。
今のところ企業の倒産件数や失業率は高く、金融・財政問題など難題は山積していますが、かつてアメリカで1970年代から80年代にかけ約20年間続いた不況の中に暮した経験をもつ私には、日本の厳しさはまだまだという感じです。しかし、いよいよせっぱ詰まった時、必ずや日本人は立ち上がるでしょう。個人として、企業として、あるいは国全体として。そしてその兆しはそろそろ見え始めているのではないでしょうか。
最近の外務省官僚による機密費流用問題、KSDにからむ収賄等、さすがに我慢強い日本人でも、呆れるのを通り越して静かに怒りが国全体に浸透しているのではないでしょうか。その怒りはまず選挙による投票行動に示されることでしょう。それだけに今の政権に代わるべき民主党を中心とする野党のあり方が問われています。私達は今度こそ国民を失望させるわけにはいきません。
≪参院選は学校が夏休みに入ってから≫
選挙といえば、今年7月が参議院選挙です。3年前の参議院選挙を千葉選挙区で闘った者として私ははっきり憶えているのですが、その選挙の年は国会の開会が早まったのです。その理由は、投票率が上がるよう選挙の投票日が子供達の夏休み前に設定されるという配慮からでした。
しかし、今年は選挙の年なのに1月31日という異例の遅い開会です。これは現政権が国政選挙の投票率が上がらないことを望んでいる、つまり「国民は寝ていてくれればよい」という気持ちの表われではないでしょうか。
というわけで、1月中国会は休会。しかし、その間決算委員会など一部の委員会は開催され、外務省、KSD問題等の追求が始まっているし、私もEU議員を交えた国際問題調査会やアナン国連事務総長を囲んでの会談に参加したり、民主党の予算部会や経済問題調査会、先端科学産業調査会主催の「21世紀創造的科学立国を目指してのシンポジウム」など、数々の勉強会に出席しています。また、国連大学やJETROでも国際会議が開かれ、昨年から今年にかけての重要な国際的テーマである「貧困」について、前国連難民高等弁務官の緒方貞子さんや元国連事務次長の明石康氏のお話を聴く貴重な機会を持つ等、忙しく過ごしています。
≪環境庁が環境省へ≫
省庁再編が行われ、多くの省庁が合併する中、環境庁は庁から省に昇格、権限も厚生省の廃棄物部門を統合して予算は一気に約2.5倍。その環境省誕生を祝う会が1月24日に憲政記念館で開催され、私は元環境庁長官の一人として招かれました。いただいた資料によると、環境庁30年の歴史の中で、なんと38名もの長官が存在したとのこと。一人平均10ヶ月以下の任期で、他省庁の大臣の場合も似たり寄ったりですから、日本の大臣ポストは仕事ができないように仕組まれているとしか言いようがありませんよね。
≪第151回国会開会前日≫
本日1月30日、4野党共同によるKSD疑惑追及集会、衆参両院議員総会が開かれ、現与党の政官業癒着の実態について、国会内外の活動を通じて国民に認識を深めていただくことを確認しあった。