広中和歌子FaxNews第10号(2000年12月25日)


師走の候、年々一年が短く感じられます。これまで生きた年齢で割るからでしょうか。

 12月1日、第150国会は予定通り(あるいは期待が裏切られたというべきか)終わり、国会は休会となった。その直後、内閣改造が行われ、第二次森内閣が成立。政府は予算編成作業に入り、国会、霞ヶ関周辺には予算がらみの陳情にやってくる人々がひしめいている。いよいよ21世紀を迎えるというのに、相も変らぬ年末の国会周辺の風景である。

 国は国民から集める税金の3分の2を受け取り、そのうちの半分を地方自治体に補助金、交付金等の形で再分配するこの税の仕組みは、経済格差を是正し地域を活性化する上では効果的であった。しかし逆に、地方の自主性を阻み、中央依存体質を生んだ。予算編成時における国会周辺の陳情風景は、まさにその象徴といえるだろう。

 地方分権のかけ声は年ごとに高まり、一昨年には地方分権法まで出来上がったが、肝心の税源は中央から地方に移されぬままである。このことを私も国会質問で指摘したが、宮沢大蔵大臣は、「今は国の財政が厳しい状態なので」という答え。確かに国と地方合わせた借金は年々増え続け、今や700兆円に近づいている。今後もこの不況下で税収が増えず、歳出カットも思うにまかせずという状況では、当分税源移譲は先延ばしとなり、中央による地方のコントロールは続くことだろう。

≪貧困・戦争・環境破壊のトリレンマ≫

 PGA(地球的行動のための議員会議)の国際会議が12月11日と12日、イタリアのローマで開催された。PGAは1978年に設立され、世界98ヶ国1400人の議員から成り、これまで地球規模の様々な問題を扱ってきた。私は民主党の上田清司衆議院議員とともに出席。今年のテーマはG8サミットでも討議されてきた極貧国の債務帳消し問題であった。多重債務国は主としてアフリカの国々(41ヶ国中33ヶ国)。内乱、地域紛争や干ばつなどによる国土の荒廃に加え、農産物や鉱石など原料の輸出の伸び悩みや輸出価格の低下等で、債務支払い不履行に陥っている。

 G7の国々は、そろって債務帳消しに応じることとなったが、日本の場合は、元本・利子を40年のスケジュールで支払えば、毎年の返済額に見合った無償援助をしてあげようというもの。その援助は、衛生、医療、教育といった住民の生活に欠かせないもののために使うという条件付きである。これは相手国に自助努力を促すもので、一見理にかなっているようにみえるが、毎年債務のための利払い費を外貨で用意することもままならない最貧国にとって、仮に数ヵ月後にそれに見合う額を日本円で差し上げますといわれても、使い勝手が悪いことは想像に難くない。結果として、日本がこれらの国々を見捨てることになる可能性は、非常に高い。

 アジア、アフリカの議員の訴えや、EU議員の考え、NGOやIMF、世銀の人々の話を聞き、私自身も日本の立場を説明しながら、更に広がりゆく南北格差がもたらす様々なインパクト、紛争、飢餓、環境破壊、エイズなどの疾病の広がり等、荷の重い課題に押しつぶされる思いであった。しかし、何とか議員同士、貧困問題の行方を国境を越えて監視し、その解決にむけて協力しあうことを誓い合って、ローマを後にした。

 帰国後、民主党から来世紀に向けた抱負を求められた。以下は私の考えである。

 21世紀の日本は経済構造の点でも人口構成の上でも成熟社会へ移行する。医(医療、福祉)・職(職の安定と創出)・住(環境とコミュニティ) の充実した社会を地域主体、住民参加で築き上げると共に、子や孫の世代に自然の恵沢を残すため、持続可能な循環型社会の開発を通じて環境破壊の進行をくいとめる。そして、日本は成熟した国として、世界の平和、環境、南北格差の縮小に、技術、人、資金の面で更なる貢献をする。

〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜

 暮から正月にかけて、娘と息子がそれぞれのつれ合いと子供を連れて帰国する。孫は1歳の男の子と4ヶ月の女の子。私達夫婦に娘や息子が生れた時は、子育てを通して自らの幼児期を辿る思いだったが、今孫を見ていると自分達自身の子育てを思い出し、新米の親たちについ口出ししそうになるのをこらえるのが大変である。

 三世代揃って、我が家も久しぶりに賑わう。皆様には本年一年大変お世話になり有難うございました。よい2001年をお迎えなさいますよう 祈り上げます。

〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜

 12月26日(火)午後9時より、MX(東京メトロポリタン)テレビ「さよなら20世紀…貧困を根絶し、環境破壊を食い止めるにはどうすれば?」に出演いたします。