第159回国会 本会議
平成16年3月12日 (金)
「地方税法等三法案」
質問要旨
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○広中和歌子君 私は、民主党・新緑風会を代表して、ただいま議題となりました地方税法等改正案、所得譲与税法案、地方交付税法等改正案及び地方財政計画につきまして、関係大臣に質問いたします。
まず、平成五年六月、本院におきまして地方分権の推進に関する決議が行われました。決議には、東京への一極集中を排除し、国土の均衡ある発展を図るとともに、国民が等しく豊かさを実感できる社会を実現していくという理念の下に、国と地方の役割を見直し、国から地方への権限移譲、地方税財源の充実強化等地方公共団体の自主性、自律性の強化を図り、二十一世紀にふさわしい地方自治を確立することが現下の急務であるとうたわれておりました。
この決議の後、地方分権一括法の成立など、一定の成果はございましたが、決議からちょうど十年を経過し、果たして当時理念に掲げた一極集中排除や、等しく豊かさを実感できる社会はどの程度実現されたのでしょうか。総務大臣に地方分権に関する現状認識をお尋ねいたします。
小泉内閣は様々な改革を声高に叫んでおられますが、地方分権改革につきましても、私にはいまだにその全体像が見えません。三位一体改革を新たに付け加え、国と地方の役割をどう具体的に見直そうとするのか、総務大臣及び経済財政担当大臣から明確にお答えください。
以下、法案等の内容に即してお聞きいたします。
まず、今回の法案等の提出に当たり注目を集めた三位一体改革についてお伺いいたします。
改めて確認しておきたいのは、何のための三位一体なのかということであります。地方自治体にとっては、三位一体改革は地方財源のカットが目的の改革であったとは関係者は夢想だにいたしませんでした。補助の対象となる事業そのものを見直すとか、補助金をやめてそれに相当する税源を地方に振り替える、したがって、地方の自由度が増す改革であるとだれでもが思っておりました。しかし、その期待は見事に裏切られたのであります。地方交付税が実質一・二兆円削減され、国庫補助金が一兆円削減されたのに対し、地方に振り替えられた税源はゼロでございます。
確かに、所得譲与税の創設、特例交付金の交付が行われることにはなりましたが、それとて六千六百億円にすぎません。これでは話が違います。そのため、地方の財政運営が極めて窮屈になっております。地方への影響がいかに大きかったか、私がこの一月に所属する総務委員会の派遣で視察した奈良県などからも伺いました。地方交付税に頼っている財政力の弱い自治体が、その予算編成に相当苦労されているとのことでありました。
私は、ここで、三位一体改革とは何であったのか、はっきりとお聞きしたいと思います。総務大臣及び経済財政担当大臣の答弁を求めます。
小泉総理によるこのような掛け声倒れの三位一体改革には、十年前の地方分権決議がどこにも生かされていず、私は失望を禁じ得ません。
これに対して民主党は、独自に編成した平成十六年度予算案において、二十・四兆円のひも付き補助金等を抜本的に見直し、五・五兆円の自主財源と十三・二兆円の一括交付金に組み替えることを提案しております。これにより十九兆円が新たに地方の裁量で自由に使えることになりますが、それぞれの地域のニーズにふさわしい使い道はそれぞれの地域で決めるべきであるという発想からきております。この民主党案と小泉内閣の中途半端な改革のいずれがさきの決議の意図した分権改革にふさわしいかはだれの目にも明らかですが、総務大臣の御見解を求めます。
そこで、三位一体の内容についてもう少し具体的に伺いたいと思います。
まず第一に、当初の片山前総務大臣が経済財政諮問会議に出された案では、国から地方への税源移譲は五・五兆円でしたが、昨年の夏には総理が四兆円の補助金削減に見合う額を税源移譲すると指示し、若干小さくなりました。さらに、年末の予算編成の段階では、今申し上げたように六千六百億円でした。三位一体改革の期限は平成十八年ですが、今後二年間で残りの財源移譲は本当に行われるのでしょうか。それとも、昨年の地方分権改革推進会議の答申のように、税源移譲については先送りをねらっているように見受けられますが、この後も本当に税源移譲を行う気があるのでしょうか。総務大臣の御見解をお伺いいたします。
それにしても、今回の六千六百億円は、税源移譲ではなく、地方譲与税と交付金による単なる税収の移転であります。これらは一般財源であると説明されるでしょうが、決して自主財源ではありません。依存財源である地方交付税を削減しておいて、新たに増やしたのがまた依存財源では全く筋が通りません。税源移譲の目的は、自主財源を増やし、地方自治体が住民個々に御負担をお願いし、納税者の監視の下に地方自治体の責任において事務事業を行うということにあるのではないでしょうか。これでは正に財政のつじつま合わせにほかなりません。併せて総務大臣及び財務大臣にお伺いいたします。
第二に、税源移譲する税目について、当初基幹税目とされておりましたが、基幹税目とは何を指すのでしょうか。総務大臣、財務大臣の御見解を伺います。
また、この基幹税の中には当然消費税が含まれると思いますが、消費税の位置付けについてお伺いいたします。
現在は、消費税の一%は地方消費税として、四%は国税とされております。そして、国税である消費税の二九・五%は地方交付税として地方自治体に交付されているのであります。消費税は地方にとっては安定的で重要な財源でありますが、他方では、将来これを引き上げるとともに、福祉目的税として位置付けるという意見もございます。高齢化の進展などを背景として、今後多額の財政需要が見込まれる中で、十分検討に値すると思われますが、消費税の性格について、総務大臣及び財務大臣の御見解をお伺いしたいと思います。
欧米では、米国のように消費課税を地方税と位置付け、自治体独自で徴収している国がある一方、国が社会保障税として消費課税を行っている国もあります。総務大臣及び財務大臣、経済財政担当大臣は、どういう税目が国税として、また地方税としてふさわしいとお考えなのか、その在り方についても併せてお伺いしたいと思います。
なお、税源移譲に関連し、税収の偏在の問題についても伺います。
将来、税源移譲が進むと、東京のような大都会と地方では税収にどうしても隔たりが出てきます。働き手を都会に送り出して過疎の地域を守っている高齢の住民に対し、住民税の負担を求めても能力に限界があります。税源移譲に際しては、ある程度の格差を許容しつつも、税源の不均等の問題を解消することが求められます。この問題をどのように解消していくのか、総務大臣及び財務大臣の御見解を求めます。
第三に、補助金改革の中身が地方の自主性、自立性の強化につながっていないことも大問題であります。
補助金改革の対象になっているのは、一般財源化しても地方の裁量拡大にはつながらない項目ばかりであります。補助金改革の議論の間、権益温存に血眼となった中央省庁や族議員の抵抗を放置し、補助金改革が骨抜きになるのを座視した小泉総理のリーダーシップの欠如を指摘せざるを得ません。補助金改革が地方の自主性の強化につながっていないことについて、総務大臣、財務大臣の御見解をお伺いいたします。
例えば、義務教育費国庫負担金の退職手当が廃止され、税源移譲予定交付金として地方に交付されることになっていますが、教職員の退職者が今後急速に増え続けることは明らかでございます。この補助金が一般財源化されますと地方財政の圧迫は避けられず、必然的に税源移譲予定交付金が地方税として譲与されるのは先の話となりかねません。他に数多くある補助金の中で、なぜこの義務教育国庫負担金の退職手当が三位一体改革の出だしから選ばれたのか、文部科学大臣に説明を求めます。
また、公立保育所運営費に関する補助金が廃止され、所得譲与税として税源が地方へ移譲されることになっております。しかし、国が施設の設置基準や職員の配置基準といった基準作成の権限を握り続ける限り、地方の自由度は高まりません。基準作りそのものを地方へ任せずには、分権改革は語ることができません。補助金改革が行われる際には、権限の移譲が同時に行われなくては地方の裁量は拡大しないと考えます。今回の措置で地方の権限がどう増えるのか増えないのか、厚生大臣に伺います。
さらに、公立保育所だけが対象で、民間の保育所は対象外になっていることについても、その明確な理由は今もって聞かれません。自民党議員の選挙対策だという声も聞かれております。なぜ民間保育所と公の施設とを区別する必要があるのでしょうか。民間保育所の補助金を一般財源化することで生じる不都合があるならば、厚生労働大臣、明確に御答弁ください。
また、来年度の補助金改革に際しても、民間保育所の補助金を対象とするか否かについても併せて厚生労働大臣からお答えください。
第四に、地域再生事業債について質問いたします。
地方は、今、疲弊の極みにあります。それというのも、地方自治体に権限、裁量を与えず、税源移譲は中途半端なまま、補助金削減を先行させ、交付税総額を抑制する政府のやり方に最大の責任があります。地方自治体から予算が組めないとの悲鳴が上がったことで事の重大さにようやく気が付いたのか、総務省は地域再生事業債の発行条件を緩和し、増発する救済措置を場当たり的に打ち出しました。
しかし、そもそも三位一体改革を標榜し、交付税総額を削減する一方で地方債を増発し、その元利償還金を後年度の交付税で措置するというのは、地方財政をますます複雑なものにするとともに、政策としては全く矛盾しています。今後、このような地方債の仕組みをどのように改革するのか、また維持し続けるのか、総務大臣の御見解を伺います。
さて、私は、地方分権改革については多様性を認めることが大切ではないかと思っております。国の干渉を極力排除するということは、住民自治の尊重、つまり多様性を容認することになります。
私は、若いころ、学生として、主婦として、十余年をアメリカ東部で暮らしたことがあります。このころの記憶をたどりますと、アメリカの地方自治体は誠に多様性に富んでいました。特に、市町村やカウンティーの行政はいろいろな特色を持っていたように思います。あるカウンティーでは、税金は重くても公立学校のレベルが高く、治安が行き届き、環境が整備されているなど、各自治体が住民に対してその税金に見合った魅力を競い合っているようにさえ私の目には映ったのです。
私たちが目指しているのは、地方がそれぞれの地域の特色を生かし、自分たちの裁量、決定権を持つ社会、地域に住む住民こそが主役である社会です。このような地方分権改革は、権限の集中と補助金のばらまきを中心とした政治手法では実現不可能な改革でございます。自民党政治の限界を示すものではないかと私は思います。民主党こそが地域を、日本全体を活性化させる地方分権改革を担うべき存在であるということを最後に強く申し上げ、私の質問を終わります。
○国務大臣(麻生太郎君) 広中和歌子先生から八問ちょうだいをいたしました。
地方分権に関する現状認識と国と地方の役割の見直しについてのお尋ねであります。
地方分権の基本は、国がやるべきことには国が専心して、地方にできることは地方にということであります。平成十二年度の地方分権一括法というのが施行されましてから、地方分権改革は確かな一歩を踏み出したと思っております。
引き続き残された課題もあります。財政の分権、また権限の分権という点であろうと思いますが、これらにつきましては、ただいま国の規制やら関与の縮小等々が今進んでいるところであります。
次に、三位一体改革の目的についてのお尋ねがありました。
三位一体の改革は、地方分権の理念に沿って、財政面において地方の自由度を増し、住民に必要な行政サービスを地方自らの責任で行えるようにしようとするものであります。
平成十六年度におきましては、まず、一兆円の国庫補助負担金の廃止、削減を行うとともに、所得譲与税を創設し、税源移譲も行うこととしたところであります。
地方交付税等につきましては、非常事態とも言えます現下の地方財政の状況を勘案し、財政の健全化を進めるため、歳出を大幅に見直し、その総額を抑制したものでありまして、是非御理解いただければと存じます。
三位一体の改革に関する民主党案についてのお尋ねがございました。
民主党もまた、地方分権、地方財源の充実に積極的でおられることは、誠に心強いことであります。しかしながら、民主党の予算案は、それに対応する地方の歳入歳出の見込みが作成、公表されておりませんので、地方財源が十分に確保されていないではないかという疑問があります。また、補助金の大半を短期間に、しかもあのように大くくりで一括に交付金化するということが適当かどうかという点、税源移譲の具体的な制度設計が示されていないことや、さらに地方交付税の減額が政府案より更に大きいなどの問題点もあると考えております。
次に、税源移譲について幾つかのお尋ねがあっております。
まず、今回、平成十八年度までに所得税から個人住民税へ本格的な税源移譲を実施することを決定をいたしました。十六年度は、ひとまず所得譲与税と税源移譲予定特例交付金を創設いたしますが、これらは使途の自由な地方財源を充実させるものであります。
また、税源移譲は基幹税目で行うこともいたしております。基幹税目とは、税源が普遍的に存在し、そして税収においても中核的な役割を果たしている税と思っております。
税源移譲対象の基幹税目としては、個人所得税、法人所得課税、そして消費課税が挙げられるものと考えております。特に、地方消費税は、今後、福祉、教育等幅広い行政需要を担う税として、ますます重要な役割を果たしていくものと考えております。
次に、国税と地方税のふさわしい税目の在り方についてであります。
租税の基本的な機能は、公的サービスの財源を調達することであります。国税におきましては、これに加えて、所得配分機能、経済安定化機能を有する税目がふさわしいものと考えております。一方、地方税は、地域の事情が様々に異なります中で、基礎的な行政サービスを支える必要があることから、税源の偏在が少なく、税収の安定的な税目がふさわしいものと考えております。
さらに、税源移譲が進めば税収格差が拡大するとの御指摘がありました。
税源移譲を進めるに当たりましては、地方団体間の税収の格差に問題があると、十分な配慮が必要であるということは御指摘のとおりであります。そのために、例えば個人住民税を一律一〇%にする等比例税率化する方式など、偏在性の少ない地方税体系となるよう、具体的に検討してまいらねばならぬと思っております。
それでもなお、地域間の財政力格差が拡大する場合には、地方交付税制度によりまして財源調整を行い、地方団体が十分な行政を行えるようにしてまいりたいと存じます。
補助金改革が地方の自主性の強化につながっていないとの御指摘がございました。
今回の国庫補助負担金の一般財源化により、財源面におきましては地方の自由度が拡大したところであります。しかしながら、地方団体が真に自主的な行政サービスを行いますためには、もろもろの国の義務付けや縛り等々の見直しは必要であります。
今後とも、地方団体の声を踏まえて、所管省庁に対し制度の見直しを働き掛けてまいりたいと思っております。
最後に、地域再生事業債についてのお尋ねがありました。
地域再生事業債は、地域の活性化を支援するために創設したものでありまして、また予算編成が困難であるとの地方団体の声に配慮をし、その元利償還金に対し交付税措置を行うこととしたものであります。
今後とも、地方の実情に応じ、地方債や交付税により支援を行うことは必要であると考えております。
○国務大臣(竹中平蔵君) 広中議員から三問いただいております。重複を避けて答弁をさせていただきます。
三位一体の改革の目的についてのお尋ねでございます。
政府は、三位一体の改革を通じて、地方の権限と責任を大幅に拡大し、もって真に住民に必要な行政サービスを地方が自らの責任で自主的、効率的に選択できる幅を拡大するとともに、国、地方を通じた簡素で効率的な行財政システムの構築を図るというふうにしております。
このため、基本方針二〇〇三において十八年度までの具体的な改革工程をお示ししているところでございます。地方が決定すべきことは地方が自ら決定するという本来の姿の実現に向けて改革を推進してまいります。
三位一体の改革は地方財源のカットが目的なのではないかというお尋ねがございました。
三位一体の改革は、地方の権限と責任を大幅に拡大するということを目的としております。同時に、国、地方を通じた行政のスリム化を進めることは極めて重要であるというふうに考えております。
平成十六年度においても、こうした考え方に沿いまして、国庫補助負担金の廃止、縮減等、引き続き地方が主体となって事業を実施できる必要のあるものについて税源移譲を具体化していく、交付税の改革にも取り組むというふうにしたところでございます。
今後とも、地方自治体を始め関係者の意見も十分踏まえながら、三位一体の改革を加速、強化してまいる所存でございます。
最後に、税体系についてのお尋ねがございました。
基本方針二〇〇三では、三位一体の改革の中で、応益性や負担分任性という地方税の性格も踏まえ、また自主的な課税が行いやすいという点も考慮して、基幹税の充実を基本に、税源の偏在性が少なく、税収の安定性を備えた地方税体系を構築するとの方針を明確に示しております。
こうした考え方に沿って、十八年度までに所得税から個人住民税への本格的な税源移譲を実現することとしたところでございます。
三位一体への対応を行う中で、引き続きあるべき税制の構築に向けて検討を進めることが重要であると考えております。
○国務大臣(谷垣禎一君) 広中議員にお答えをいたします。
私に対するお尋ねは、総務大臣だけでなく、私にも答えよというものでございますので、できるだけ重複を省いて答弁をさせていただきたいと存じます。
まず、十六年度の税源移譲についてのお尋ねがございました。
国と地方の改革を進めるに当たって大事なことは、地域における受益と負担の関係を明確化して、そして地方の行政が住民と向かい合いながら行政を進めていけるような姿を作っていくことではないかと思います。
こうした観点を踏まえて、今後行われる補助金改革と併せて、所得税から個人住民税への本格的な税源移譲を行っていこうと考えております。
十六年度は、御指摘のように、所得譲与税と税源移譲予定特例交付金によりましてこれは暫定的に税源を手当てしているわけでありますけれども、今後、本格的な税源移譲につながることを明確にした上で、使途を特定しない一般財源として地方に配分されるものでありますので、地方が自らの責任で事務事業の在り方について自主的に判断することにつながるのではないかと考えております。
それから、基幹税及び消費税についてのお尋ねがございました。
基幹税の定義はもう総務大臣から御答弁がございましたので、私からは、それに当たるものは、一般的には個人所得課税、それから法人所得課税、消費課税などが挙げられるというふうに考えております。
それから、消費税の福祉目的税化につきましては、これは幅広い観点から慎重に検討していくことが必要と考えておりますが、消費税は、少子高齢化が進展する中で、世代間の公平を確保しながら、増大する社会保障給付を安定的に支えていく上で極めて重要な税であるというふうに考えております。
それから、国税、地方税の在り方についてのお尋ねがございまして、国税はどういうものかと。これはもう麻生大臣からも御答弁があったところでございますが、今後、少子高齢化の進展等によって増大する社会保障給付、これに要する費用を始めとした国の公的サービスの財源調達を安定的に行うという機能のほかに、所得の再分配を図る機能が重要であろうと思います。
一方、地方税につきましては、地域住民がその能力と受益に応じて、薄く広く負担を分かち合っていくということが基本ではないか。それで、さらに、地域的な偏在が少なくて、税収が安定的で、自主的な課税を行いやすいという税体系であることが重要ではないかなというふうに考えているところでございます。
それから、税源の不均等の解消についても、既に麻生大臣から御答弁がございまして、これはまず総務大臣においてお考えいただくべきことでございますが、私どもとしても、今後地方における税収偏在等の実態を踏まえて、地方の自由度と裁量性の余地を拡大するという観点から、いかなる改革が望ましいか、検討してまいりたいということでございます。
それから、補助金改革については、平成十六年度、一兆円程度の廃止、縮減等を行ったところでございますが、その際、事務事業の徹底的な見直しを行いましたが、義務教育費国庫負担制度については、教職員の給与水準等を地方が自ら自主的に決定できる総額裁量制を導入いたしましたし、国の関与を縮減する観点から、農業委員会の設置に係る市町村の裁量を拡大したと、これは必置基準面積の引上げ等を行いました。それから、地方の自主性、裁量性が最大限発揮できるようにまちづくり交付金というようなものを創設したといったことをやりまして、地方の裁量拡大にはつながらない項目ばかりという御批判は当たらないものと考えております。
○国務大臣(河村建夫君) 広中和歌子議員にお答え申し上げます。
なぜ義務教育費国庫負担金の退職手当が三位一体改革の出だしで選ばれたのかと、こういうお尋ねであります。
今回の義務教育費国庫負担法等の改正は、昨年六月の「経済財政運営と構造改革に関する基本方針二〇〇三」等を踏まえ、義務教育費国庫負担金について、義務教育に関する国の責任を適切に果たしつつ、義務教育に関する国と地方の役割分担及び費用分担の在り方の見直しを図る観点から、国庫負担の対象経費を国が真に負担すべきものに限定するために、退職手当及び児童手当に要する経費を国庫負担の対象外とするものであります。
以上であります。
○国務大臣(坂口力君) 広中議員から二問ちょうだいをいたしました。
公立保育所運営費と地方の自由度についてのお尋ねがございました。
公立保育所につきましては、自治体が自らその責任に基づきまして設置していることにかんがみまして、運営費を一般財源化することとしたものでございます。
保育所の基準につきましては、今後とも児童の健康を守り、心身の健全な育成を図るために必要な設備や職員配置を定めました最低基準を遵守しまして、保育を実施していただくことが重要と思っております。
今回の一般財源化に伴いまして、公立保育所と公立幼稚園の相互の連携が容易になること、今後、また総合的に保育所と幼稚園とを同じにした総合施設を造るというような動きもございまして、そうした新しい発想によりまして新しいものを造っていただくということも可能になるのではないかというふうに思っております。
それから、従来の運営費における使途、これも制限を今までしておりましたが、この制限をなくしますので自由度は高まるというふうに思っているところでございます。
もう一点、保育所運営費の一般財源化に関する公立保育所と民間保育所との取扱いについてのお尋ねがございました。
先ほども申しましたとおり、公立保育所につきましては、自治体の条例によりまして設置をした施設でありまして、その管理運営責任は地方自治体にありますこと、そしてその職員は基本的に地方自治体の職員でありますことから、運営費の一般財源化を行っても、必要な財源が自治体によって確保されるものと考えているところでございます。
一方、民間の保育所につきましては、施設の管理運営責任でありますとか職員に関しまして、公立の施設とは異なっていることは今更申し上げるまでもないわけでございまして、政府・与党合意にも基づきまして、民間保育所に関します国の負担につきましては、今後とも引き続き国が責任を持って行うものとしているところでございます。