○委員長(景山俊太郎君) 休憩前に引き続き、放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件を議題とし、質疑を行います。
質疑のある方は順次御発言願います。
○広中和歌子君 民主党の広中和歌子でございます。
冒頭、NHKの番組に対して、すばらしかった、私にとって印象に残っている番組についてコメントさせていただきます。
「プロジェクトX」というのは最初から私はファンでございまして、特に不況が長期化する中で人々のマインドが非常に、マインドってごめんなさい、人々の心が非常に落ち込んでいる中で、戦後の厳しい時代を生き抜いてきた技術者たち、心を合わせて頑張っているそういう姿、それが私たち日本人に非常に勇気を与えたんではないかなと。こういうことで、こうしたすばらしいシリーズ物を作っていただくということに関してとても感謝申し上げております。
それから、数年前になりますけれども、二十一世紀を迎えるに当たって、いろいろな方がそれぞれ思いを深くしたんじゃないかと思いますけれども、NHKスペシャルの「映像の世紀」あるいは「映像の20世紀」、これは本当に心に残る番組でございました。
特に感心いたしましたのは、海外の映像を借りたりしたんだろうと思いますけれども、非常によくお調べになって、そして組み立てていらっしゃる。そういうことで大変に重みのある番組であったと思います。そして、去年の暮れもまたそれがリピートで繰り返し放送され、私のようにもう一世紀の三分の二ぐらい生きた人間にとっては、経験もあることでございますので、非常に印象深くそれを受け止めたわけでございます。
二十世紀というのはどんな世紀であったのか。科学技術の進歩というのはすばらしいものでございましたけれども、戦争の規模の拡大であるとか、経済発展はよろしいんですが、その負の側面というものも非常にあった。人口爆発ということもあったわけで、そうした二十世紀を考えさせる非常にいい番組であったと思います。
これは非常に教育の点で効果がある映像だろうと思いまして、先ほど同僚議員からNHKアーカイブスのことが御質問になり、もう既に海老沢会長はお答えになったわけですけれども、是非こういうものが貸し出されて教育の現場で使われる、そういうことに対して便宜を図っていただけないかと、そういうふうに思うわけでございます。
この場所に行けば、これ読みますと、自由に見られるということでございますけれども、それを例えばコピーをして、あるいはそれを買い取って、そして学校の先生などが教室でそれを見ながら生徒と一緒に歴史を学ぶといったような、しかも非常に直近の歴史ですよね、それを学ぶこと、それは非常にいいことだと思いますけれども、貸出しとかいうことは可能なのか、あるいはそれをコピーをして持ち帰ることが可能なのか、その点についてお伺いさせていただきます。
○参考人(関根昭義君) 今御指摘のこの「映像の世紀」でありますけれども、これは平成七年から八年にかけまして十一本シリーズで放送したものであります。これまで五回ほど再放送をやっています。
ここの番組で使っている映像でありますけれども、これは時代的にも映像としてはかなり古いものでありまして、世界のおよそ二百のアーカイブ、ここから集めてきた映像で番組を制作していると、作っているということであります。そして、その使用許諾期間というのが間もなく、来年の十二月末でありますけれども、ここで十年間の期間が切れます。当然、私どもとしましては、更に十年間延長する方向で今検討しているところであります。
ただ、この、ここで結ぶ契約といいますのは、あくまでも放送というものが対象であります。仮にこれ、不特定多数の方々にNHKアーカイブスで無料でごらんいただくという場合に全く別の契約を結ばなければいけないと。仮にその契約を結ぶ場合には、放送での契約と違いましてかなりの費用を要するんじゃないかという話を聞いています。
もとより、これ使用期間の延長をした場合には、私どもとしては何回か再放送をやろうということを考えていますので、是非そちらの方で御利用いただければ有り難いというふうに考えています。ただ、具体的には、再放送の期間等についてはこれから検討いたします。
それと、この番組のDVDについては市販しています。これで学校の授業等でお使いいただくこともできるんじゃないかというふうに考えています。
○広中和歌子君 それでは、次のテーマに移らさせていただきます。
NHKの放送時間の中で、国会中継など政治を加工しない形でそのまま、ありのまま審議の模様を家庭に届ける番組というのは大体どのくらい、何時間ぐらいあるんでしょうか、伺います。
○参考人(海老沢勝二君) NHKは国会中継を長い間やっております。民主主義の健全な発展に資するという目的でやっているわけでありますが、これまで年に大体五十回前後放送しております。
平成十五年度は五十一回、百八十二時間四十七分という数字が出ております。一週間に一遍は国会を中継するという計算になっております。
○広中和歌子君 私ども、この国会の中でああいうテレビで映像を撮っているわけでございます。それを夜中にでも、夜中の時間帯でもよろしゅうございますから流していただくというようなことは考えられないんでしょうか。
つまり、今会長はおっしゃいましたけれども、私はやはり国会の、普通のNHKの時間帯の中で、NHK第一ですか、国会中継というのをやっていただくその時間帯というのは非常に限られておりますし、また非常に少ないんではないか。百時間とおっしゃいましたよね、約。一年八千八百時間の中で一%にも満たないと、非常に短過ぎるんではないかと思いますけれども、夜中に放送してもらうことはできないんでしょうか、お伺いいたします。
○参考人(海老沢勝二君) 百八十二時間でありますが、御承知のように、今、総合テレビも教育テレビも二十四時間放送時代になりました。
この二十四時間をなぜやるかといいますと、やはり、いつ日本、災害が起こるか分かりませんので、いつでも大災害、大事が起こった場合には対応できるようにということでやっておりますが、今、この深夜時間帯がNHKアーカイブスといいますか、この古いものを再放送するとか、あるいは教育番組につきましては、学校の先生向けに昼間やった放送を録画してもらうために再放送をしているというようなことで、それぞれの今用途に従ってやっております。
ですから、国会で重要な審議がありますれば、当然そういう御要望があれば再放送というのはできますけれども、これが毎日になりますと、そういう人たちにまた、どういう判断が示すか、いろいろ総合的に検討してはみてみたいと思っております。
○広中和歌子君 国民から選ばれた議員が国会でどのようなテーマでどのような審議を日々行っているかということ、そしてそれに対して政府側がどのような答弁をし、また記者会見を行っているか。これを一切編集せずに家庭のテレビで見られるようといったような状況は、民主主義の国家にとって、国民が政治に関心を持ち、国政を理解し、選挙で自分たちの意見を代弁する議員を選ぶ上で非常に大切だと思っているわけでございますけれども、総務大臣、そして会長にその私の考え方についてコメントしていただければと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) 国会の審議を広く国民に知っていただくということは大変大事なことですし、そういうこと自体は意義があるということに関しては異議は全くありません。
ただ、それを見たくなるかといって、私、ほとんどの方は、私の家族含めてほとんど見たいという人はおらぬだろうなというのが我が家の家庭における実態なんだと自分でそう思っているんですが、そういった意味では、いろんな意味で見ようと思えば見られる状況にあるというのは決して間違っているとは思いませんけれども、ただ、なかなかそれを、何というのかしらね、何となく流していてだれが見るだろうなということからいきますと、かなり限られた、よほどオタクかマニアかじゃないとなかなか見られないんじゃないかなという感じは率直な実感です。
○広中和歌子君 私は、必ずしも強制的に見せなくてもいいんじゃないかと思います。自然に国民が見るような状況、見ようと思ったら見られる状況というものを作るのが大切なんじゃないかと思います。「映像の世紀」のように本当にすばらしく、視聴率を稼げるような番組を作ることも必要ですけれども、国民が見たいときに見られるような状況を提供するということ、それが民主主義の政治体系を持つ国として大切なんではないかと思っております。
アメリカでは、一九七九年、ウォーターゲート事件の後、政治不信の渦巻いていた中で、ブライアン・ラムという人がC―SPANというものを創設いたしまして以来、議会の中継を二十四時間流しております。現在、九百万の家庭でC―SPANを見ることができます。
その視聴率についてですけれども、私は存じませんけれども、かなり多くの人が見ているんではないかと思います。議会中継の合間には、異なる立場の政治家が登場して、教育改革についてとか税制改正、あるいは今の日本であれば例えば医療改革など、年金問題などを国民に分かりやすい形で討議をすると。そして、視聴者からも電話での問い合わせとかと双方向のこともできるんではないか。
そしてまた、それを集めてビデオライブラリーのような形で、こちらでもアーカイブというのが作られておりますけれども、アメリカの場合にはそれは、私が訪ねた場所はウエスト・ラフィエット、インディアナでございましたけれども、そこでちゃんとそれがアーカイブのような形で保存されておりまして、依頼があれば、コストを払えば、つまりダビングのコストとメールの費用ですね、それを払えば希望者にそれが届けられると、そういう形になっているわけでございます。
それを、先ほどNHKの会長は今のシステムの中ではできないとおっしゃるんであれば、国会TVを専用チャネルで見られるような、例えば新たな通信回線を借りてでも日本でやっていただくことができないだろうかと。そのことについて総務省としては前向きに御検討いただき、NHKと協力していただけないかと、そのことをお伺いいたします。コストについてはもう七、八億ぐらいのことでございますから、NHKの総予算からすればもう本当に微々たるものでございます。しかし、効果というのは非常に大きいんではないかと思いますが、いかがでしょう。
○国務大臣(麻生太郎君) 御存じかと思いますが、日本でも平成十年から平成十三年の十二月までC―NETというのをいわゆる放送したと思うんですけれども、これずっとやっておったと思いますが、有料放送でこれをしたんだと記憶をいたしますが、今は一昨年の十二月以降これはやっていないというのが実態であるということは、やっぱりそれだけ需要は余りなかったということを考えないといかぬのじゃないでしょうか。商売としては成り立たなかったということだけは確かだと思うんです。この三年間、三年ぐらいの実績がそれを物語っているとは思うんですけれども。
そういった意味で、今言われたように国会テレビをやりますと、私はイギリスしか知りませんけれども、イギリスにテレビが初めて入ったときに何が一番変わってきたかといったら国会議員が行儀が良くなった、これだけは非常に、それまでは恐ろしく柄の悪いところだと思って見ていましたけれども、テレビが入るとなった途端にみんなぱたっとやじも少なくなるし行儀も良くなると。これはもうそういう効果があったことは確かです。それは現場に、そこにいましたからよくそれは記憶はあるんですが。
そういった意味で、日本でこれをやるといった場合に、どうでしょう。私、そこのところの、流せばというと何で国会議員だけなんだという話になってきて、これはいろんな話をまた呼ぶ可能性があるなと思って、そう一概に駄目ともうんとも言えないところで、なかなか判断難しいんじゃないかなという感じは率直なところです。
○広中和歌子君 ともかく、これはパブリックの、いわゆる何というんでしょう、公共の福利にかなうことではないかと、そういうことで、視聴率が多かろうと少なかろうと、そしてそれが経済的に成り立とうが成り立つまいが、これはパブリックのお金でやる価値があるんではないかということを問題提起させていただきたいわけでございます。
たまたまNHKが公共放送であり、聴視料というものを取っていらっしゃいますので、NHKに協力していただけないか、あるいはまた別の形を模索していただけないか。そして、こういう公共放送が、今は余り視聴率が高くないかもしれないけれども、議員が頑張ることによって全く違った結果が出るんではないか、それが民主主義の向上というんでしょうか、中身の濃いものにつながっていくんではないかと。
そのように私は前向きに考えたいわけでございますけれども、改めて総務大臣、コメントをいただいて、私の質問を終わります。
○国務大臣(麻生太郎君) 平成二年になりますが、今から十四年ぐらい前になりますけれども、衆議院におきまして国会テレビ小委員会というのが設置をされております。そのときに審議をされて、平成七年に時の委員長から試案が提示されておりまして、会社の運営形態は株式会社、国会の広報費として衆参両院から経費は支援、年間四億程度という資料が、その当時委員会の資料というのが出されております。しかし、二年後の平成十年におきます同委員会の基本方針として、希望する放送局に映像を原則として無償提供、放送局に対する資金援助はこれを行わないということを委員会で決めておられるという経緯がありますので、これをやられる場合はもう一回議運やら何やらでもう一回委員会を開催された上で各党会派で決めていただかぬといかぬのじゃないかということだろうと存じます。
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