第156回 武力攻撃事態への対処に関する特別委員会
2003年5月23


○ 安全保障会議設置法の一部を改正する法律案
○武力攻撃事態における我が国の平和と独立並びに国及び国民の安全の確保に関する法律案
○自衛隊法及び防衛庁の職員の給与等に関する法律の一部を改正する法律案

☆答弁者

川口 順子 外務大臣
石破 茂 防衛庁長官
福田康夫 官房長官
矢野 哲朗 外務副大臣

久間 章生 衆議院議員(修正案提出者:自民党)
渡辺 周  衆議院議員(修正案提出者:民主党)

外務省中東アフリカ局長  安藤 裕康 君
外務省アジア大洋州局長  薮中 三十二 君
公安保安庁        町田 幸雄 君
経済産業省貿易経済協力局 細川 昌彦 君
警察庁警備局局長     奥村 萬壽雄 君
防衛庁運用局局長     西川 徹矢 君
 


広中和歌子君 民主党の広中和歌子でございます。 有事とか災害、それに伴う混乱とかカタストロフィー、私たち、考えたくない、ましてや武力攻撃されるなどということは本当に考えたくないことでございます。しかし、災害は忘れたころにやってくると、そのようなことわざがありますように、備えあれば憂いなしということです。

 しかし、どれだけ備えれば憂いがないのか、安心なのかと、これが問題でございます。あり得うべき危機にどれだけコストを支払うか、そのコストというのは分からないわけですから、できるだけそのコストを払いたくないというのが人間の普通の心情だろうと思います。だから、有事や災害など決して起こりっこないんだと、日本ではもう平和憲法があるから大丈夫なんだと、そのように思いたいところです。それが、少なくとも戦後の日本人だったと思います。

 今から何十年か前ですけれども、イザヤ・ベンダサンという人が、日本人は水と安全はただだと考えていると「日本人とユダヤ人」という彼の本の冒頭に書いてありましたけれども、しかし今や日本でも水はただではございません。恐らく安全もただではないんじゃないかと。そういった一連の動きの中で有事法制というのが考えられた。私ども民主党といたしましても、当然こうした法律というのは考える必要があるし、できることなら立派な法律を作るべきだというふうに思うわけです。特に、日本は戦後非常に豊かになったと。人の命、非常に高い、そして戦後築き上げてきた都市のインフラ、文化財その他いろいろございます。そういうものを守るために緊急事態法が作成され、国会に上程されているわけです。

 戦後、冷戦下で日本はどのように守られていたかと。私が申し上げるまでもなく、日米安全保障、そしてGDP一%の軍事費で抑えながら、非常にコストを低く抑えながら自衛隊で日本を守ってきたと。幸い、アメリカは世界一の軍事力を持っている。そのアメリカに守ってもらうために日本側がアメリカに支払ったものは、基地の提供であり、インフラとかマンパワーとか技術、それから思いやり予算。冷戦中そして戦後、アメリカは極東の地に基地を必要としていた。そういうことで、ギブ・アンド・テークが非常にバランスよく保たれていたんじゃないかと思います。

 そして、もしかしたら今でも、アメリカは世界戦略の一環として、日本に基地を持ち、そして日米安保を結ぶことを彼らの国益というふうに考えているかもしれません。利益を共有している間は、この関係というのはいいんですけれども、非対称になったときどうなるかということが心配でございます。

 アーミテージさんがまだ今度のブッシュ政権に入る前にアーミテージリポートというのを出して、日米関係についてイコールパートナーというようなことに触れられているわけですけれども、イコールパートナーというようなことをわざわざ持ち出すのは、アメリカがやはり日本との関係、つまり持ちつ持たれつの関係を再び見直そうとしているのではないかなと思うわけですけれども、日本とアメリカの今の関係というのはイコールパートナーだと防衛庁長官、思われますか。

国務大臣(石破茂君) 何をもってイコールと言うかということだろうと思っております。お互い主権国家同士であるということであれば当然イコールということになるわけでございますが、かつて戦争に敗れ、占領から独立をしという、これはもう日本の経済なんというのは、今委員が御指摘のようにアメリカなんというのは及びも付かなかった。そして、吉田総理の下で軽武装ということがあり、経済を拡大していった。今の経済という点からいえばかなりイコール、イコールとは言いませんが、少なくとも日米安全保障条約ができた当時とは相当に違うと思っております。

 では、そのイコールという場合に、本当に、例えて言えば、先般来御議論がありますように、集団的自衛権というものも認めてイコールというふうにすべきなのかという議論だとするならば、やはり我が国は我が国の事情があるのだということだろうと思います。

 それは、そういう意味で、完璧にイコールとか軍事力でイコールということではなくて、あくまで補完関係、ベストの補完関係というものをどうやって目指していくのかという意味であって、イコールというのはそういうような環境の中においていろいろなことを考え直していこうということだと思っております。すべてのことを対等にとか、そういうことだとは私は認識をいたしておりません。

広中和歌子君 このたびのアメリカの、アメリカを中心とするイラクへの攻撃でございますけれども、我が国の小泉首相はそれに支持を表明された。その理由として、もし日本が攻撃されたらば、アメリカは自分たちが攻撃されたと同じように考えるということで、つまり、同盟関係というのはそういうものであるんだから、日本も当然アメリカの軍事行動に対して支持をするというようなことで参戦したわけでございます。そのとき、国民の七割、八割の人が非常に疑問を持っていた、あるいは反対していた。

 こういうふうに非常にこれからの日米関係、世界の情勢が動く中で微妙になるわけでございますけれども、日本がイラク攻撃を支持をして、そして支持だけで済むものなのかと。どのようなことをすることによって日本はアメリカに対して同盟関係としての義務なり責任なりを果たすことになるのか、そのことについてお伺いいたします。

副大臣(矢野哲朗君) 委員御指摘の、支持をしたからには使命を果たさなければいけないんじゃないかというのは一つの考え方だと思いますけれども、この点で、昨日でありますか、安保理でもってイラク復興に関する決議が採択されました。このことについては、我が外務省としても歓迎する旨のコメントを出させていただきましたけれども。

 我々の復興に対する一つの使命ということで、先般、もう一人の茂木副大臣がバグダッド訪問をしました。その政府ミッションの報告を踏まえて、二十一日、総額五千万ドルの具体的支援策を発表させていただきました。現在までに既に三千二百万ドルの支援を実施しておりますから、都合八千二百万ドルの支援ということが既に表明されたことであります。

 イラク人の生活基盤の再建を優先するとの方針で、また、今回の安保理の決議をもってして国際協調体制の確立がされたというふうに私どもは理解しておりますけれども、イラク人道復興支援に関する国際会議が日本でも開かれたらどうなんだろうななんというような一つのいろいろ提案もさせていただきながら、使命というものを十分感じつつ、最善の努力はさせていただきたいと考えております。

広中和歌子君 補完関係と防衛庁長官はおっしゃいましたけれども、ともかく、アメリカが主導するいわゆる世界戦略の中で、日本が受け身で支持というんでしょうか、援助を約束させられるという状況というのは、多くの日本人にとって非常にフラストレーティングではないかと思います。

 ともかく、日本は自ら守る力を付けていかなければならないと、そして特に、武力攻撃をされるような事態になったようなときには、あるいはそのような事態が起こるようなときには、自ら対応するその力を持たなければならないということで武力攻撃事態法だろうと思いますけれども、この法律でかえって戦争が起きやすくなるのではないかと。あるいは、人権などが制限され戦前戦中の日本に舞い戻るのではないかという不安で、通りなどでデモンストレーションなどが行われているわけです。こうした国民の、一部の国民かもしれませんけれども、危惧に対してどのようにおこたえになるのか。

 民主党は、こうした法律が必要だとすれば、基本的人権は最大限守らなければならないというふうに主張しているわけでございますけれども、この二点についてお答えいただければと思います。

国務大臣(福田康夫君) そもそもこの法律は、法案は、国と国民の安全を確保するという、そのために体制を整備しようという、そういう趣旨でございます。武力攻撃事態を始めとする緊急事態に国全体として的確に対応できるような態勢を構築すると、こういうことが趣旨なんですね。

 そういうことでございますので、この法律が成立すれば、そういうような緊急事態に対して、国民が安心して暮らせる国づくりということにこれから政府としても邁進できるわけでございますので、決してこのことによって不安を醸し出すとかといったような趣旨ではない、そういうところを正確に御理解をいただくように我々としても努めていかなければいけない、そのように思っているわけでございます。

 基本的人権の問題につきましては、これはこの法案においても国民の基本的人権が最大限尊重されるということ、これはもう当然のことでございまして、またその趣旨のことはこの法案の中にも盛り込まれているというふうに思っております。

 民主党においても、そのようなことについて強い御意向を示され、その御趣旨をこの法案に盛り込んだと、こういう経緯もあるわけでございます。例えば、武力攻撃におきまして国民の生命、身体等を保護するためにやむを得ない場合に限って国民の自由と権利に必要最小限の制約が加えられることもあり得るけれども、その場合においても基本的人権が最大限尊重されることであるという考え方です。

 また、その国民の権利義務に関する規定の具体的内容につきましては、そういう基本的な理念に基づきましてこれからの事態対処法制の整備の中で検討をいたしていく、そういう考え方をいたしておるところでございます。

広中和歌子君 有事の際というのは、人権を制限しなくちゃならない、そういうせざるを得ないような状況というのが生まれることが大いにあり得るんではないかと。そういう中で、民主党の求めた修正に対して応じたというのは、ちゃんと整合性が合ってのことなのか、あるいはむしろ不誠実ではないのかなと、そのような気がするんですけれども、もう一度お答えいただければと思います。

国務大臣(福田康夫君) ただいまもお答えしたんですけれども、基本的人権は最大限、最大限尊重するという考えでございます。そして、国民の自由と権利の制約は、あくまでも国民の生命、身体等を保護するためにやむを得ない場合に限り必要最小限の範囲で行われるということで、武力攻撃事態であるからといって国民の自由と権利が無制限に制約されるものとは考えておりません。

広中和歌子君 この際でございますのでちょっと憲法のことでお伺いしたいと思うんでございますけれども、憲法の例えば十三条とか二十二条とか、度々「公共の福祉に反しない限り、」というような限定が付いているわけでございます。この「公共の福祉に反しない限り、」というこの「公共の福祉」とは具体的にどういうことを指しているのかお伺いいたします。

国務大臣(福田康夫君) 公共の福祉ということは社会的共同生活の利益などというような説明がされておりますけれども、その具体的な意味内容は、立法の目的などによって、立法の目的などに応じまして様々でございます。

 今、審議をしていただいておりますこの武力攻撃事態法案について言えば、外部からの武力攻撃を排除することによって国民の生命、財産の安全を確保することが公共の福祉であると理解していただければよいのではないかというように考えております。

広中和歌子君 具体的には、十四条、十八条、十九条、二十一条、この条項においては公共の福祉に反しない限りという限定は付いていないんでございますけれども、私が先ほど申した十三条とか二十二条などに関しましては、私どもが与えられた権利というものは、「公共の福祉に反しない限り、」ということが付いているわけです。これは、何というんでしょうか、数の問題なのか、それとも重さの問題なのか。

 私も、例えば成田の飛行場を造る場合、非常な反対があったわけでございますけれども、公共の福祉という視点があれば当然強制収用ということがあり得るんではないかと思いますけれども、二十数年掛かってもいまだに完全な空港とは成り得ていない、国際空港に成り得ていないと。そういうことを考えますときに非常にこの公共の福祉というのが難しい問題なんじゃないかなというふうに思うんですが、いかがでしょうか。

国務大臣(福田康夫君) いろいろ具体事例を挙げますと難しい問題がある。成田の問題も、単に土地の所有者の利益とかそういったようなこともあるかもしれないけれども、しかしそれと同時に、政治的な情勢とかいろいろな様々な情勢を判断した上でのことだと思います。ですから、保護されるべき法益の大きさとか制約される基本的人権の内容とかいろんなことを総合的に考量の上、個別に判断されるべきものだというふうに考えております。

広中和歌子君 二十世紀を終え二十一世紀を迎えるに当たって、国連が作りました世界人権宣言、あれをもうちょっと見直しした方がいいんじゃないかというような一部の動きがございまして、私もそれに参加したことがあるんですけれども、むしろ人間の責任と義務と、そういうようなことをむしろ一つの憲章にしてやるべきではないかというような動きもあったことを思い出しながら今の質問をしているわけでございます。

 さて、武力攻撃事態に至った場合でございますけれども、武力攻撃の予測というものは、だれが、どういう形で、何に基づき、どういう情報に基づき認定するのかということについてお伺いしたいと思います。

国務大臣(福田康夫君) それじゃ、認定に当たりましてどういうプロセスを踏むかということを申し上げますけれども、武力攻撃予測事態であることの認定に当たりましては、その時点における国際情勢、相手国の動向、それから我が国への武力攻撃の意図の推測などを考慮して、我が国に対する武力攻撃が発生する可能性について客観的に判断することは当然必要なことでございます。

 武力攻撃事態対処法案におきましては、武力攻撃予測事態であることの認定及び当該認定の前提となった事案を対処基本方針に記載することといたしておりまして、その対処基本方針は内閣総理大臣の諮問を受けて安全保障会議が審議をした後、内閣が閣議において決定をすると、こういうふうにしております。

 また、安全保障会議設置法改正案におきまして、安全保障会議に事態対処専門委員会を設置しまして、事態発生時には迅速かつ的確に政府としての対応ができるよう、平素から専門的な調査分析を行い安全保障会議への進言を行わせると、こういうふうにしておりまして、このような仕組みを適切に活用することによりまして的確な事態認定を行うと、こういう手続になるわけです。

広中和歌子君 この専門委員会というのは常設でございますか。

国務大臣(福田康夫君) ただいま申し上げましたように、この専門委員会は常設の委員会でございまして、そして関係各省庁からそれぞれの専門の者を集めて行うと、構成するということになっております。

広中和歌子君 民主党の提案といたしまして、常設の危機管理庁というものが必要だというふうに述べておりますんですけれども、危機管理庁とその専門委員会の、何というんでしょうか、役割の比重というんでしょうか、はどのようなものになりますでしょうか。だれでも、どっちでも。

国務大臣(福田康夫君) 比重というのはどういう意味なのかちょっとよく分かりません。しかし、その前に、危機管理庁そのものがまだできるということではない、その在り方についてこれから検討しようということでございますから、今ちょっとその比較検討というのは難しいのではないかと思います。

広中和歌子君 いや、言葉足らずで申し訳なかったと思います。

 専門委員会というものの占める位置でございますけれども、それで事足りるのかということでございます。それで不十分だから民主党としては危機管理庁というのを提案いたしましたし、またそれは今度の修正案で取り上げられなかったんですけれども、附帯決議として明記されたということでございますけれども、緊急事態が起こったときには、まず大切なのは迅速性とかそういう機能の問題でございます。

 そういう組織をきっちり整備しておくということは非常に大切なんではないかと思いますけれども、お二人に、久間先生とそれから渡辺先生に、それぞれ民主党、自民党のお立場から、この専門的なというんでしょうか、より高い立場の危機管理庁みたいなのの必要性について、そしてこの検討するというふうになっておりますけれども、どのくらいの期間検討なさるおつもりなのか、お伺いいたします。

衆議院議員(久間章生君) この政府原案が国会に出ます前に、与党におきましてもいろんな議論がございました。昨日の舛添議員の質問にもありましたように、与党の中でも御党のようなそういう考え方を述べておる同志もおったわけでございます。

 しかしながら、今度の政府から出てまいりましたのが武力攻撃事態等を中心とした法律でございます。そこで、私どもとしては、今の段階ではこれは必要ないということでやったわけでございますが、民主党さんの方からは、武力攻撃事態等だけではなくて、テロとかあるいは災害とかそういうのを念頭に置いて危機管理庁を常設する、しかも地方にまで組織を作るという形で出されたわけであります。

 しかしながら、災害とか原子力災害、テロとかということになりますと、これまたいろいろと対応が複雑でございますから、今直ちにというわけにはいかないし、特にFEMAを念頭に置いて案を作っておられましたので、FEMAというのはどちらかといいますと災害を中心にやっておりますから、アメリカでも、今度のいわゆるあの大規模な九・一一テロなんかに際しまして、FEMAでは十分じゃないんじゃないかということで国土安全省という省への昇格を考えたわけでございますので、この問題については、全国のいろんな、世界の各国の例なんかをもう少し検討しながら政府においてやっぱり検討してもらって、そういう組織を、今のままではちょっと何かあった方がいいし、今の危機管理監というのは独任官でございまして、大森副長官補の下のスタッフは全部付いているとは言いながらも、やっぱり独任官が一人おるだけでございますから、これでは十分じゃないんじゃないかという意見を我が党でもたくさんの方が持っておられますので、いずれにしましても、これはこれから先、検討課題だということにしたわけであります。

 したがいまして、できるだけ早くしなければならないと思いますけれども、今言いましたように、そういう常設の機関としてどうするのか。先ほど言われましたような安全保障会議との関係も私たちの頭の中にはちょっとかすめまして、むしろあっちの方を拡充して常設機関として置くような、そういうのがいいのかなというようなことも、いろんな折衝の過程では前原議員とも話し合ったこともございますけれども、そういう点で、もう少しこれは時間を掛けて検討さしていただきたいと我が与党の方でも思った次第でございます。

衆議院議員(渡辺周君) 今日、前原委員がどうしても答弁に立てず、私は民主党の安全保障担当の副大臣という立場で答弁をさしていただきますけれども、今の御質疑の中で、久間委員からは非常にちょっと最近の答弁の中に少々後ろ向きのような答弁もあるかとも思いますが、ただ、今回の与党三党と民主党の合意の中で、これは附帯決議よりもっと重い附則として、本法の附則として今回はあるべき組織について検討を進めるということでございまして、当然我々の主張が盛り込まれたものだと思っております。

 この危機管理庁は、やはり阪神・淡路大震災以来、いかに初動態勢を取れるか、そして行政の一元化あるいは意思の疎通をいかに図るかということがかねがねから指摘をされまして、その点、我々としては、この危機管理庁、ただこれは基本法に触れた危機管理庁でございますので、今後危機管理庁設置法を、もし必要となればこれは設置法を当然制定して、当然どのような中身でその組織を作るかということになるわけでありますが、昨日の舛添委員からの御指摘あるいは衆議院の参考人質疑でも、この危機管理庁というものの存在については大変肯定的なこれは意見として幾つか挙げられております。 我々は、行政改革に反することなく、既存の組織を整理統合して、そして予算を膨脹させることなく、これは、ある意味では行政組織の編成の中で考えていかれるかなと思っておりますし、また今後の安全保障の議論の中で私は与党と同じ方向に向かって結論を出せるものだろうというふうに考えております。

 ただ、安全保障的な、軍事的なオプションについて果たしてこの危機管理庁がどこまで対応できるかということになりますと、これは、例えば情報の一元化といいましても、正直インテリジェンスの部分について難しい部分がございまして、そこはやはりテロ対策あるいは災害対策といった、現実に起こり得る蓋然性の高い危機に対応する組織として、我々は常設で考えていきたいと、そのように考えております。

広中和歌子君 大変どうもありがとうございました。 で、最近は例えば、武力攻撃をされる事態よりも、例えば九・一一に象徴されますようにテロのような形、例えば原子力発電所へのテロ行為とか満員な新幹線に爆弾を持ち込むとかといったような、とてつもないそういう災害というのが起こるわけでございまして、これは一日も早く具体的な形で機能する危機管理庁なりそうした安全保障の体制というものを作っていく必要があるんではないかと思います。慎重に慎重にというのが政府のやり方かもしれませんけれども、是非前向きにできるだけ早く作っていただきたいと、そのようにお願いいたしまして、どうも御出席ありがとうございました。

 それで、続けてお伺いするわけでございますけれども、武力攻撃事態を予想するとか、起こってしまったらもう明らかなわけでございますけれども、その情報でございますね、それはどういう形で情報を得ていらっしゃるんでしょうか。防衛庁長官、お伺いいたします。

国務大臣(石破茂君) 情報はどのようなところから入れるかということでございますが、それは当然関係省庁と密接な連携を保ちながら収集、分析評価をするということでございます。これは、要するにどこからどんな情報が入ってくるか、これはもう非常に多岐にわたるわけですね。電波情報もあればあるいは人的情報もあれば画像情報もあればということでございます。

 要は、それを、例えば私ども情報本部というものを持っております。それが分析したものを内閣の方に伝えるということになるわけですが、これは、一元的にどこで管理し分析するかということは必ずしも定まっておるわけではございません。ただ、判断をされる場合に、いろんな情報が交錯をして何が本当だか分からない、こっちから上がってきたことはこう言っている、こっちから上がってきたことはこう言っている、それじゃ判断のしようがないではないかということが起こらないように、きちんと情報の収集、そして分析評価という体制について一元化できるような方向で今後更に議論されることになると思っております。

 これは外国からの情報も含んでのお話でございます。

広中和歌子君 情報本部というのは、どこに属しているんですか。

国務大臣(石破茂君) 失礼いたしました。 防衛庁の中の統合幕僚会議の中にございます。

広中和歌子君 日本では、例えばアメリカのCIAのような情報局というのはないということですね。

国務大臣(石破茂君) アメリカのCIAのようなものはございません。ですから、情報本部ありあるいは公安調査庁あり警察庁あり外務省ありということでございまして、CIA、中央情報本部に該当するような組織を日本で挙げてみよと言われれば、それに該当するようなものはございません。

広中和歌子君 日本の情報収集活動でございますけれども、もちろんこれは行き過ぎがあっては人権侵害になったりいろいろ問題だろうと思いますけれども、どういう方法で集めていらっしゃるのかなと、素人として非常に関心があるところなんですけれども、盗聴とかスパイ活動とか、そういったようなことは、普通小説などで読みますとどこの国でもやっているということですけれども、我が国ではいかがでしょうか。

国務大臣(福田康夫君) 今の御質問の前に、ちょっと先ほどの防衛庁長官のお話、答弁を補足いたしますけれども、情報本部というのは防衛庁にございます。それから外務省にも情報調査局かな、局がございます。部ですか、──国際情報部というのがございます。それから公安とか、いろいろな情報がございます。

 それを内閣で集約するということで、その集約するポジションにいるリーダーというのは、リーダー格の人は情報官、内閣情報官というのがおります。ですから、そこにすべて情報が集約されて、そしてそれを総理大臣に相談すべきかどうかといったような、そういうふうなシステムでやっておるわけでございます。ということでございますから、先ほどCIAの話ございましたけれども、CIAといえば、そういう内閣情報官のところで集約される、そういう機能がCIAに当たるものであるというふうに思っております。

 それから、安全保障、危機管理に関する情報については、可能な限り正確かつ迅速に情報を収集し、的確な分析を行うことが重要であると認識をしております。

 内閣におきましては、そういう意味で、今情報官という話しましたけれども、その下に内閣情報集約センターというのがございます。それで、各種の情報を二十四時間体制で収集し、そしてまた分析をしているということでございます。また、それに最近は衛星情報センターを設置するということもございまして、そこでもって危機管理のための情報収集を主な目的として行っておるわけでございます。

 いろいろスパイ活動とかそういうような話でございますけれども、こういうような内閣を中心として行っている情報収集・分析活動については、これは、これまで法令に従って適正に行ってきているということでございまして、今後ともそのようなことで行ってまいりたいと思っております。

広中和歌子君 法令に従ってやっていただくのは結構なんでございますけれども、しかしながらそこに、省庁の仕組みというのは、あそこに二年、ここに二年というような感じでぐるぐる回っていますよね。果たして、専門家の集団であるのかどうなのかということが問題ではなかろうかなと思います。 ついでに伺いますと、もしきちんとした情報の網というものがあったとしたらば、今私たちが大変に怒り狂っております不審船の問題とか拉致とか、そういった問題ももっともっと早くに分かっていて、そして解決への道筋が作られたんじゃないかなと思うわけでございますが、これは情報なりなんなりの不足からきているんではないかと思うんですが、いかがでしょうか。

国務大臣(福田康夫君) 過去において不十分であるというようなこと、そういうような指摘というのは多々ございます。

 そういうような反省を踏まえまして、近年その体制整備に努めてきたということでございまして、こういう問題は、それは完全ということはないんだろうと思います。ですから、より完全に近付くように日々努力をしていくということではないかと思いますので、またこちら体制を固めれば、相手はその体制を更につくという、そういうようなこともするわけでございますから、そういうことを、追っ掛けっこのようなところございますが、日々これからも大いに注意をしていく、そして国民の安全という観点から鋭意努力をしてまいりたいと思っております。

広中和歌子君 確かに、援護射撃するわけじゃございませんけれども、アメリカの五・一一だって、アメリカのCIAとかそのほか様々な組織をもってしても分からなかったわけですから。

 ともかく、これから私どもは世界じゅうが大変な時代に突入しているんではないか。特にイラク戦争後のテロ、それは世界じゅうにこれから広まるんではないかというような危惧がされます。別にそれをエスカレートさす、何というんでしょうか、あおるようなことを言うつもりはございませんけれども、非常にこの分野においては政府も念には念を入れてやっていただきたいと思うわけです。

 ただ、今度の法律で少しは警戒態勢が強まるのかなと一方思いながら、しかしながら、様々な形で有事が認識されたりすると武力攻撃事態にエスカレートするような可能性があるのかなという心配もないわけじゃないですよね。それについてどう思われますか、防衛庁長官にお伺いします。

国務大臣(石破茂君) 拉致ですとか不審船ですとか、そういうテロ的なもの、それをそのまま有事と認定するか武力攻撃予測事態と認定するかといえば、それは、拉致、拉致はちょっと違うのかもしれませんが、テロとか不審船とかいうものは、ある意味、武力攻撃予測事態というふうに認定されないケースの方があるのではないかというふうに思っております。

 そういうものを我が国に対する組織的な計画的な武力の行使につながるかどうかということで予測事態に判断するかどうかというよりは、これはむしろ海上警備行動でありますとか治安出動でありますとか、そういうものの対応をして、そこの事態の沈静化、鎮圧、排除を図るというものだろうと思っております。

 そういうものが今回の仕組みを作ったことによって武力攻撃予測事態になり、武力攻撃事態になっていく、そういうエスカレーションの連鎖みたいなことを起こすことがないようにこの法はきちんと運用されなければいけない。しかしながら、それが過小評価をして見誤ってしまうというようなこともあってはならないことでありまして、きちんとその事態に応じたような対応をするように法の運用というのは心掛けていくべきものと考えております。

広中和歌子君 今、ちょっと既に絡んでいるものですからお伺いいたしますけれども、テロの定義でございますけれども、例えば拉致とか、それから今まで北朝鮮が我が国に行ってきた様々なことですね、不審船、そしてそこで麻薬を運んでいるとか、そういうようなこと自体は我が国に対するテロ、何というんでしょうか、テロ行為というふうに位置付けてよろしいんでしょうか。

副大臣(矢野哲朗君) 昨日もこの件について幾つか御質問をいただきました。

 アメリカにおいては、テロ支援国認定をする法律が整備されておる、ついては経済制裁というような一つの対応も可能だというふうな法的体制が整えられておりますけれども、我が国としましては残念ながらそういうふうな体制がいまだでき上がっていません。テロという概念も定義付けがされていないということでありますから、今の御指摘、拉致はテロかというようなことでありますけれども、拉致被害者、そして家族会等々からの要請、ひとつ断定をしてくれと、そしてより一層強い政策の展開をしてくれというような要請もあるわけでありますけれども、我が国としては、そういう状況下にかんがみまして、一般的には拉致はテロというふうな表現にとどめさせていただいているのが現状であります。

広中和歌子君 今、何とおっしゃいました、最後のところ、済みません。

副大臣(矢野哲朗君) 拉致は、一般的に言うと拉致はテロというようなことで考えさせて、整理をさせていただいていると、現状であります。

広中和歌子君 本当に国によって対応が随分違うんだろうと思います。

 アメリカで九・一一が起こりましたときに、あれは明らかにテロなんですけれども、ブッシュ大統領はこれを戦争だとすぐに発言なさいましたよね。同じようなことが日本で起こったら、例えば同じ規模というんでしょうか、例えば原子力発電所がやられるとか、想像するだけでもいけないのかもしれないけれども、そのようなことが起こったときに、日本はもうすぐに武力攻撃事態というふうに認定なさいますか。

国務大臣(石破茂君) 九・一一のときに、合衆国大統領がザッツ・ウオーと、こういうことを申しました。これは戦争だと、こういうふうに言いました。じゃ、あれと同じことが日本で起こったら、あるいは委員御指摘のように原発が攻撃されたらということですが、これは非常に議論が難しいのは、その攻撃を加えたものがだれであるのかということも議論されなければいけないことなんだと思っています。

 アメリカが、九・一一に基づく、アルカイダでありますとかタリバンでありますとか、そういうものを自衛権の行使、戦争というふうに構築をいたしましたのは、テロは本来警察権で対処すべきものだと言われております。しかし、警察権を行使しようにも、アフガニスタンのタリバン政権というものがそういうような警察権の介入は認めないんだと、テロリストを育成し保護しエンカレッジするんだというようなことを取っております場合には、これはもう警察権というものは入る余地がございません、物理的に入れない。そこで、タリバン政権という、国に準ずるようなものというものと重ね合わせまして自衛権の行使というような概念設定が可能になったのだということはあるんだろうと思っています。

 じゃ、原子力発電所を攻撃したものが国家による組織的、計画的な武力の行使あるいは国に準ずる団体というものであればこれは自衛権行使というお話に相なりますが、これが例えば個人でありますとか集団でありますとか、国又は国に準ずるものではない場合にそれをどのように判断するのか。しかし、起こっておりますことは戦争と同じ被害が起こっている、しかし攻撃を加えた主体がそのようなものであるというときにこれをどう判断するかという問題だと思っております。

 それは、やはり私どもとしては、国又は国に準ずるものによる我が国に対する組織的、計画的な武力の行使でありという自衛権の行使の三要件、あるいはその前提となります武力攻撃事態の認定ということになりますが、これは、この場合はこう、この場合はこうということを確立的になかなか申し上げるのが難しかろうと思っております。しかしながら、攻撃を加えた主体がそういうようなもの、国又は国に準ずるものであった場合にはこれは武力攻撃事態ということになる可能性が非常に高い、判断をすることになるだろうと思います。

広中和歌子君 今のお言葉にありました、テロであれば警察が基本的に対応するということでございますよね。とおっしゃいましたよね。ということは、あれですか、不審船とか拉致とか、ああいう問題は依然として警察の権限であり、自衛隊、防衛庁は関知しないと、そういうことでございますか。

国務大臣(石破茂君) それは、登場するアクターというか、出てくるのが警察なのか海保なのか、陸上自衛隊なのか海上自衛隊なのかということと、警察権の行使かどうかというのはまた別の問題でございます。すなわち、治安出動にいたしましても海上警備行動にいたしましても、第一義的に出ますのは、警察であり、海上保安庁というものが一義的には出るわけです。テロにいたしましても不審船にいたしましても、まず警察権力、警察でありますがところの警察や海上保安庁が出ます。しかし、それが対処不可能である、警察でも海上保安庁でも対処が不可能である、例えば大変物すごい武器を持っているというような場合には、これは陸上の場合には通常治安出動を掛ける、海上の場合には海上自衛隊に海上警備行動を掛ける。しかし、そこにおいて使われる国家権力というものは、自衛権に基づいて行うのではなくて、それはあくまで警察権において行うものという構成をしておるわけでございます。

 ですから、当然、警察や海上保安庁の能力を超えます場合には自衛隊がそれぞれの法令に従いまして出ることになりますが、そこにおいて行使されるのは自衛権ではないということを申し上げておるわけでございます。

広中和歌子君 実を言うとこういう想像に基づいた質問は余りしたくないんですけれども、武力攻撃事態が起こったとします。そうした場合には、日本が一義的に、日本の軍隊、軍隊じゃない、自衛隊が一義的に対応するのか、それともすぐにアメリカとの協力の下に行うのかということをお伺いいたします。

国務大臣(石破茂君) もちろん、そういう場合には、密接に協議をし、連携して行うことに相なります。しかし、それがどういう事態であるかによりますが、もちろん、日本とアメリカの協議を行って、日本だけで対処できます場合に日本だけでやるということは当然あることだと思っております。しかし、日本に対する攻撃というものは合衆国に対する攻撃でもあるということでございますから、そこにおいて当然協議が行われることに相なりますけれども、当初からアメリカが、日本とアメリカが共同して対処するということには必ずしもならないものと考えます。

広中和歌子君 じゃ、例えば米軍基地が今度は攻撃されるとします。そうすると、日本はどういうふうに対応しますか。

国務大臣(石破茂君) その場合には、アメリカに対する攻撃、アメリカの場合には、当然、アメリカも個別的自衛権というものを行使することになります。日本の場合には、米軍基地は日本の国内に所在をするわけでございますから、当然日本に対する攻撃でもありますわけで、日本は、アメリカ軍基地、日本にございますアメリカ軍基地が攻撃をされました場合には、我が国における個別的自衛権で対応することになります。

広中和歌子君 それでは、ちょっと話題を少し変えまして、五月の二十日というと数日前でございますけれども、アメリカの上院の公聴会におきまして北朝鮮の元技師と元高官が証言されました。その内容というのは、弾道ミサイル開発にかかわったという技師は、その弾道ミサイルの部品の九〇%は日本から来たと言っております。また、それが万景峰号で三か月ごとに運ばれてきたというふうに証言しています。元高官の方は、麻薬の主要な市場は日本であるというふうに証言していると。

 この証言内容についてどのようなコメントを日本政府としては出されるんでしょうか、お伺いいたします。

政府参考人(薮中三十二君) 今、委員が御質問の件でございますけれども、五月二十日に開催されました、これは米国の上院政府問題委員会の財政・予算・国際安全保障小委員会、この公聴会の場でございました。ここで、この公聴会に出席しました元北朝鮮のミサイル技術者という方が、北朝鮮で製造されるミサイルの部品の九〇%、これは三か月ごとに日本と北朝鮮を往復する万景峰号を利用して日本から密輸されたものであるとの証言をしたということは私どもも承知しております。

 また、同公聴会において、この北朝鮮政府当局で十五年間勤務した元政府高官が、北朝鮮は、政府の監督の下、ヘロインとメタンフェタミン、これは覚せい剤でございますけれども、この二種類の薬物をそれぞれ月一トン製造し、中国との国境で、中国、香港、マカオ、ロシアに向けて販売していると。また、日本海等で国際麻薬取引業者と取引をしており、薬物の主要市場は日本になっているという証言をしたというふうに承知しております。

 そして、これらの証言の内容でございますけれども、もちろん日本政府としてこれを確認するということはなかなか困難でございますが、私どもとしてもこの問題の重要性というのは非常に強く認識しております。そして、特に我が国の製品が北朝鮮の大量破壊兵器、ミサイルの開発に転用されることがあってはならないというのは非常に強く認識しているところでございまして、現在、これはもう既に昨年から非常な努力がなされておりまして、こうした問題についての厳しい、関係当局との連携によっての厳しい取締りを行うということをやっておりますし、また麻薬の関係でございますけれども、これにつきましても、北朝鮮の違法行為というのは、これは絶対に許されてはならないということで、関係当局と緊密に連携しながらこうした問題に取り組んでいるというのが現状でございます。

広中和歌子君 こういう事実がアメリカの上院で証言され、そして世界じゅうにニュースとなって配信されているというのは日本にとって全く恥ずべきことだろうと思うんですけれども、外務省としては元々こういうことを御存じだったんですか。それとも、改めてその問題の重大性に気が付いたというところなんでございましょうか。

副大臣(矢野哲朗君) 関係する情報については入手をさせていただいているところでありますけれども、真偽のほどについては、これから最大限努力をして調査をさせていただくというふうな状況であります。

広中和歌子君 公安保安庁はいかがですか。

政府参考人(町田幸雄君) 今、委員の御指摘になられました証言につきまして、私どもも非常に関心を深く持っておりまして、その発言内容の全体を見て正確性なども慎重に検討したいと考えておりますが、しかし、いずれにしましても、北朝鮮が我が国から大量破壊兵器を、破壊兵器関連物資を違法な方法を含めていろいろな方法で入手していることや、それから北朝鮮を仕出し地とする覚せい剤が我が国に密輸されていると、そういうようなことはかねてから指摘されてきたところでありまして、そこで当庁といたしましても、かねてから、こうした合法、不法を問わず、広い意味での日朝間の貿易取引の実態をまず解明し、そしてその日朝間の貿易の状況、これに関与する企業、人物、そしてそれからまた、もちろん違法なものも含めて申し上げているわけですよ、そしてそういう朝鮮総連関係者とか、万景峰92号を始めとする北朝鮮船舶の動向、こういったものについて鋭意調査を行ってきたところであります。 なお、今後とも重大な関心を持って、こういう違法な取引等が行われないように十分努力してまいりたいと思っています。 この関係につきましては……(発言する者あり)

広中和歌子君 今おっしゃったような事実についてはいつごろから意識していらしたんでしょうか。何年前ぐらいからこういうことを御存じで注目をしていらっしゃったんでしょうか。そして、注目しながら、依然として今そういうことが行われているとしたらば、当然、自分たちの範囲を超えるものであるということで、別の行動を危機管理庁などに取っていただかなければならないんではないんでしょうか。お伺いいたします。

政府参考人(町田幸雄君) 北朝鮮の不正輸出問題とか、そういったことにつきましては一九八二年ごろから刑事事件等にもなっておるわけでございます。時々検挙されております。

 私どもも、そういったことについて問題があれば、関係省庁に連絡するとか、そういうことで努力してまいっております。

広中和歌子君 八二年というと、まだ冷戦下ですよね。ココムなんていう、そういうものもあったはずですし、それから、ともかくこれは日本の国民の要するに健康なりなんなりに、それから犯罪にも結び付くし、重大な問題だろうと思うんですよね。

 これが一省庁で関心を払って注目しながらいろいろ対応していらしたということをおっしゃるわけですけれども、どうしてこれが日本の国の問題として内閣がきっちり対応してこなかったのか、お伺いいたします。

国務大臣(福田康夫君) 私も過去のことはよく分かりません。最近のことを申し上げれば、この問題については度々いろいろと指摘をされているところでございまして、そういうような指摘が本当なのかどうかということについては、関係省庁に対して厳しくその点検をするようにということを指示をしております。

 また、内閣官房におきましても、関係省庁を集めまして、もう何度もこの件についての検討を加えております。そういう検討が十分なものかどうか、末端まで行き渡るものかどうか、そういうことにつきましても我々としては非常に大きな関心を持っておりまして、今後十分なる体制を取れるようになお一層の監視をしてまいりたい、我々としても監視をしてまいりたいと、こういうふうに思っております。

 先ほど申しましたように、こういう問題は万全というか完全ということはなかなか難しいんだろうと思います。しかし、その時々の情勢をよく判断しながら、万全に近いように、万全になるように努力をすべきことだというふうに思っております。

広中和歌子君 先ほど言いましたように、九・一一のように突然起こる、多少の準備期間があったにしても起こるテロ行為と違って、これは長い期間掛けて行われていたことでございます。

 一番この中で悲劇的なのは拉致された被害者ではなかろうかと思いますけれども、そうした事実がいろいろうわさされながら何も対応が取られてこなかった、つい最近まで、というようなことは、日本は国として体を成していないんじゃないかと。 私たち国民も平和ぼけかもしれませんけれども、少なくとも日本の政府は平和ぼけじゃないことを国民は期待しているんじゃないかと思うんですけれども、お答えいただければと思います。

国務大臣(福田康夫君) 先ほど私から申し上げましたようなことでございますけれども、危機管理と申しますか、拉致も含めまして、危機管理ということについては、これは正に国民の安全を、これを守るという、そういう趣旨でございます。

 そういう意味におきまして、今回、この有事法制を今審議をお願いしているということでございまして、この法案の中には第二十五条に、今、委員の御指摘なさっているような事態に対しても十分なる対処をするようにと、こういうような条項ございますので、その趣旨に沿ってその体制を考えてまいりたいと思っております。

広中和歌子君 今までのことは今までのこととして、これからでございますけれども、例えば、ミサイルを作る部品の九〇%がほとんど日本から運ばれ、九〇%が日本から運ばれているということに関しまして、今後どのように取り締まっていかれるのか、お伺いいたします。通産省。

政府参考人(細川昌彦君) 輸出管理当局でございます経済産業省としましても、我が国あるいは国際社会の重大な脅威であります北朝鮮のミサイルあるいは核兵器の開発に、結果として我が国企業が関与することがなってはならないと、かように考えておりまして、昨年の四月一日からキャッチオール規制という規制の強化を打ち出しております。さらに、このような制度の整備に加えまして、運用面におきましても、税関あるいは取締り当局との連携を取る、あるいは諸外国との連携を取るという形で規制の実効性を高めるという努力をしておる次第でございます。 こうした取組の結果、先般ございました明伸の事件にございますように、輸出、こういう不正な輸出を未然に防止し得たものと、かように考えております。

政府参考人(奥村萬壽雄君) 警察といたしましても、北朝鮮への安全保障関連物資の不正輸出事件、これは非常に我が国の安全、国益を害する非常に重大な問題だと考えておりまして、これまでも取締りを行ってきております。これまで四件検挙をしておるところでありますけれども、今後とも引き続き、こういう事犯についての情報収集、あるいは沿岸警備に努めますとともに、海上保安庁、経済産業省、あるいは税関等と緊密に連携をいたしまして、こうした事件の摘発に最大限努力をしてまいりたいと考えております。

広中和歌子君 海上保安庁に関しましては、私も度々外務委員会などで、大変恐縮な言い方かもしれませんけれども、十分に機能していらっしゃらないんじゃないかと。防衛、保安庁、防衛庁。海上保安庁じゃない、海上でいいの。いや、これ防衛庁の方よ、海上自衛隊、海上。そのレベルの軍隊の知識しかないんですけれども、ともかく海上自衛隊が当然やるべきだというふうに、少なくとも何かの形で関与できないのかなと、絶えず御質問申し上げてきているんですが、現状はどうなんでしょうか。

政府参考人(西川徹矢君) お答えいたします。 先生の方から、先ほどこういう麻薬取締りとかあるいは不審なものの輸送、貨物船等についての取締りということですが、警察的取締りのような一次的な、防衛庁では、先ほど大臣もおっしゃいましたけれども、やらないことになっておりますが、実はこれまでも通常と警備の一環、警戒監視の一環という形で常に航空機ないしは艦船で、艦艇で日本海等の警戒監視をしております。これは実は海上保安庁とかあるいは警察等ともでございますが、いろいろ情報交換、実務レベルでいろいろやっております。

 ですから、不審船の取締りも、実は何をもって不審船というか、いろいろございますが、おかしな船があるねということがあれば、いわゆる事務レベル、官庁間でそれは一般情報として相互に提供し合うという格好でこれまでも実はやっているところでございます。

 先般、五月に入りましてそういう話があったということでございまして、それこそ報道によりますと、核開発のためとかそういうために資金を取っているというような報道もございまして、我々としては、そういうふうな警戒監視、一般的な警戒監視を通じまして、なお各警察機関とも情報連絡を密にしながら協力できることはできるだけやると、本来の安全保障絡みの任務は遂行しながらその中でやるという格好で考えております。

広中和歌子君 今までのお答えとか、今までの日本の対応というものを私たち思い出してみるだけでも、やはり万景峰号が資金とかそれから部品とか様々な形で問題を起こしている船ではなかろうかというふうに思うわけですけれども、なぜ、五月二十二日の新聞の報道によりますと、運航再開、運航の再開に踏み切るというふうに書かれておりますけれども、それは事実なんですか。

副大臣(矢野哲朗君) 御質問でありますけれども、改めて報道の事実関係を確認をさせていただきました。

 御案内のとおり、船舶が我が国の港に入港する際に際しては、バース確保等のため、事前に港湾管理者たる地方自治体に対して届出があることになっております。つまり、新潟に入るということになれば、新潟県がその届出を受け入れるということだと思うんでありますけれども、今日現在その届出はなされておりません。

 ですから、今後、運航の再開の見通しについては最大の関心を持って見守っていきたいと考えております。

広中和歌子君 ということは、運航されていないということでよろしいんですよね、今のところ。

副大臣(矢野哲朗君) ですから、今日現在の情報ですと、その届出がないということから、そういったことがないだろうというような想定ができると思います。

広中和歌子君 非常に受け身なお答えなんですけれども、禁止をするといったような、あるいはそれが望ましいというふうなお答えなんでしょうか。それとも、要するにお任せというような感じなんでしょうか。

政府参考人(薮中三十二君) ただいまの件でございますけれども、今日この時点において港湾管理者への届出がなされていないというのは、一つの事実関係でございます。

 それから、当然のことながら、これは開港なものでございますから、その入港自身についてはこれはオープンになっているということで、これを規制するということ自身は現在の法律ではできないわけでございますけれども、他方、今、委員が御指摘のとおり、いろんな問題が言われているわけでございます。当然厳しい、厳格な税関、入国管理局における審査と検査というのが行われると、そういう自治体の場合には。そういうことでございます。

広中和歌子君 終わります。 ありがとうございました。