第155回 外交防衛委員会
2002年11月28日
(木)


○独立行政法人国際協力機構法案
○独立行政法人国際交流基金法案


☆答弁者

川口 順子 外務大臣
矢野 哲朗 外務副大臣
外務省 経済協力局長 古田肇君  
参考人  国際協力事業団 副総裁  東 久雄 君
      国際交流基金   理事長  藤井 宏昭 君

広中和歌子君 民主党の広中和歌子でございます。
 行政改革の大きなうねりの中で、政府の持っている特殊法人、それを民営化する、あるいは合併する、あるいは独立行政法人化すると、そういう大きな流れが大分前から始まっているわけでございますけれども、関係する団体にとっては大きな問題だろうと思います。

 一般の人たちにとりましては独立行政法人になったらどう変わるのと、特殊法人がどのような独自性を、自由度を発揮できるんだろうかと、そういった疑問もありますし、またどのような効率化、そしてまた予算の節約、そういったものにつながるんだろうか、あるいは今まで言われていた天下りの問題とかそういうものがどうなるんだろうか、いろいろ疑問がございます。先ほど山本委員が大変専門的な視点から御質問になりましたけれども、私はそういった素朴な疑問から質問させていただければと思います。

 今日は、お二人の参考人、JICAの方そしてまた国際交流基金の理事長、本当に御出席ありがとうございました。

 衆議院におきましては、この独立行政法人化法四十六法案を一括して特別委員会で審議したわけでございますけれども、私どもこの外交防衛委員会におきましては、本当にこの二つ、JICAと国際交流基金をじっくり質問させていただくと、それについて新しい方向を教えていただくということ、そういう機会をいただいたことを大変いいことだと思っております。

 この特殊法人改革でこれまでの組織を解体して独立行政法人化をすると、生まれ変わってこれまでとどう違うのか、それぞれの、東副総裁、JICAの副総裁と、それから基金の藤井理事長に御説明いただければと思います。

参考人(東久雄君) まず、JICAでございますが、独立行政法人制度という下におきましては、効率的なかつ成果の上がる事業の実施ということがまず求められ、またその事業実施についての透明性が強く求められるというふうに考えております。さらに、JICAといたしましては、この新しい法律の下で、国民により開かれた事業の展開、また平和構築支援事業、先ほどちょっと山本先生からお触れになられた事業でございますが、こういう展開ということを求められております。

 他方、独立行政法人化いたしますと、御存じのとおり、予算、人事の両面で自主性が強まるということでございますので、こういう状況の下で、JICAとしては独法化に向けて国民に広く開かれた効率的な組織ということになるべく、また事業面、人事面、両方から種々の改革の努力を行いたいと考えております。

 もう少し具体的に申し上げますと、まず一点目の成果重視とか効率性という問題でございますが、これはとかく予算の執行ということに目が向きがちだったということでございますけれども、そこのところにつきましての自由度を活用いたしまして成果を重視するということ、それからコストを重視するということを主体にして事業展開をしていくということで、今もう既に行っておりますが、そういう見地からの事業、組織の徹底的な見直しということを実施していくということにいたしております。

 それから、第二点目の透明性の問題でございますが、これはJICAの経営なり事業なりをガラス張りにしておくということでございまして、常に国民及び識者の批判を求めて、それにこたえられるような事業展開をしていく、それに向けての透明性をより明確にしていくということで、これも独法化に伴い更なる透明化についての具体的な検討に入っております。

 それから、第三番目の国民参加の問題でございます。これは最近、地方自治体、NGO、大学等の国際協力に対する取組というものが活発になってきております。そういう方々と先ほどお話がございましたパートナーシップというような形での、それらのプレーヤーの方々と一緒になった形で国民各層のいわゆる国民参加という形での事業を進めていきたいというふうに考えております。

 四点目は平和構築の支援でございますが、これは御承知のとおり、緊急支援とそれから開発支援とのギャップを埋めていくということで、より活発に平和構築の事業に国際的に取り組むことができるように、先ほどちょっと細かい、細かいというか具体的なことに触れましたけれども、そういうことがより機動的にできるように検討をしております。

 最後に、人事の面、ちょっとお触れいただきました。一言で言いますと、適材適所の観点、それともう一つは、非常に重要な点だと思いますけれども、業績主義の方向という方向で人事運用ということを考えていくということで、これまたいろいろな形での、外の方も含めた御意見も求めながら、来年の十月に向けて備えていくという構えでおります。よろしくお願いしたいと思います。

参考人(藤井宏昭君) 国際交流基金といたしましては、この独法化、大変な試練でございますけれども、大変な好機であるというふうに考えております。

 それで、一つは戦略性、より戦略性の導入ということ、当然、それから効率性、透明性ということでございます。

 戦略性と申しますのは、従来、ともすれば予算で決まりましたことを、いろんなプログラムを世界全体の国に対して、これは廉潔性と公平性を一生懸命保つように努力しながらでございますけれども、行ってきました結果、どちらかというと官僚的というか、あるいはこちらのサイドからの観点というものがどうしても出てきてしまうと。しかし、今日、国際文化交流が諸国民の理解、特に近隣諸国との理解増進、それから日本の文化を更に豊かにする絶好の機会、それから文明間の対話等、世界の中での外交の中で文化交流が貢献できる分野が非常に大きくなっているということ、これは諸外国においてもその認識が強まっておりますし、日本でも強まってきつつあると思いますけれども、そういう際に、こういうことではいけない、むしろ戦略性と申しますのは、一番大きなのは、諸外国別にどういう層にどんなことを働き掛けたらいいかと。そこが正に独法化におきまして、外務省が中期計画を作り、それで基金が中期目標を作るわけでございますけれども、その過程におきまして国別に外務省の長期の外交の見地からの考え方とすり合わせまして、そういうものを導入していきたいと思います。

 そういう目標がかなり明確になってくると、今度は効率性、つまり具体的なプログラムの再編とかそういうことが、それから評価ということがよりできるようになってくると思います。と同時に、職員のその範囲の中での自由度の向上ということも可能になってくると思います。

 そういう、それから、もちろん透明性でございますけれども、この透明性との関連で一つ私ども非常に重要視しておりますのは情報ということでございます。この情報と申しますのは、例えば国際文化交流においては非常に多くのプレーヤーが生まれております。NGOそれから企業、地方等々、そのプレーヤーがそれぞれいろんなことをなさっておるわけでございますから、それをある意味ではその情報を総合してそれを皆様に提供していくと。国際協力基金は、また皆さんができないこと、また本来すべきであるができないこと、それは何かということを見出して、そこに力を入れていきたいというふうに思っております。すなわち、多様な国際文化交流のプレーヤーとのパートナーシップの強化ということを努力していきたいと思います。

 人事につきましては、理事の数が五人から三人に減ります。この中で、今申し上げたような新しい体制、ちなみにこの体制に向かって事業それから機構の抜本的な今見直しをしております。それにふさわしいような適材適所の人材を登用したいと思っております。

広中和歌子君 今、本当に両独立行政法人化に向けて大変すばらしい御答弁をいただいたわけでございますけれども、ちょっと具体的に入らせていただきたいと思います。

 まず、予算でございますけれども、独立行政法人化することによって予算はどのように変わるんでしょうか。総額についてまずお伺いいたします。

政府参考人(古田肇君) 御答弁申し上げます。
 予算につきましては、運営費交付金という形で新しい独立行政法人に交付されまして、それをどのように使っていくかにつきましては、中期目標に基づく中期計画の中でかなり自主的、裁量的に新しい独立行政法人として対応していけるということになるわけでございます。

 予算額そのものは、私どもの方で現在来年度要求ということで要求させていただいておりまして、国が交付金について予算要求し、政府原案をもってこれが成立すれば運営費交付金ということで独立行政法人に渡されると、こういうことでございます。

広中和歌子君 差し当たってその額というのは、前年度に比べてどのくらいになるんでしょうか。

政府参考人(古田肇君) 今年度予算がざっと千七百億でございます。現在、来年度予算については要求中でございます。十二月中に政府原案をまとめることになろうかと思いますが、現在の要求額でございますが、千八百五十六億円要求いたしております。

広中和歌子君 私は、この二つの独立行政法人、誕生すればすばらしい役割をしていただけるものと思っておりますので、予算面で非常に活動が収縮するようなことがあってはいけないんじゃないかなと思っておりますので、よろしくお願いしたいわけですが。

 それでは、先ほど基金の方では、トップ人事について少し縮小しながら更に自由度を加えるとおっしゃいましたけれども、JICAの方はいかがでございますか。

参考人(東久雄君) 先ほど、ちょっと簡潔に申し上げましたけれども、人事面では適材適所の観点ということでございますが、役職員ともに、その人選というものにつきましてはふさわしい人材を選ぶということで、そういう観点から適材適所でやっていく。それは、理事長にその事業の効果というものが、責任が来るわけでございますから、それが最もふさわしくやれるような形で理事長がその適切な選任をしていかなければならないというふうに思っておりますし、またその事業経営を行っていくに当たりましては、先ほどもう一つの業績主義ということを申し上げました。こういうインセンティブを与えながらやっていくという必要がございます。

 これに向かっての、どちらかというと今まで硬直的な人事だったと思いますが、それを柔軟性を持たせた人事制度という形へ持っていくという考えでおります。

広中和歌子君 伺うところによりますと、総裁というのはいつも外務省からで、副総裁お二人が農水省と経済産業省と、そういう形で、理事もそれぞれ各省庁から御参加になっているというふうに聞いたわけですけれども、今後こういう形が変わるのか。それから、よく国際機関や例えば大学とか、そういう重要なポストになりますと公募をすることが多いわけですけれども、先ほどから幅広い人材、適材適所ということをおっしゃっていますけれども、そういう方向を御検討になることはございますでしょうか。

参考人(東久雄君) 理事長の選任は外務大臣がおやりいただきます。それで、理事長に副理事長以下理事の選任ということが任されるわけでございます。理事長につきましては外務大臣の方からお答えがあるかと思いますが、私の方の理事長が今度は理事を選ぶに当たりましても、やはり適材適所ということが大変重要なことでございます。そういう観点で選ばないと、今度は評価のときに理事長自身の問題が出てまいります。そういう観点で、相当重い責任の下で理事長が選ぶことになるというふうに考えております。

 それから、ちょっと公募制について先生からお話ございました。これは私の手元に、片山総務大臣が総合的に衆議院の方でお答えになっているんですけれども、だれが来るのか分からないとか、それから応募数が多くて効率が悪いといったそういう点もあると、したがって、公募制に限らずに幅広く人材を選ぶということを御答弁なさっております。私どもも全くそのとおりだと思います。

 公募制といいますのは、やはり社会的なバックグラウンドという、要するに労働の流動性というような社会的なバックグラウンドの下で成り立つような点もございますし、そういう社会的な背景その他を十分勘案しながら進めていかなければならない。それよりももっと、極端な言い方をしますと、なかなか動きたがらない方に逆にやっていただきたいときは三顧の礼をもってでもお願いしなければならぬ点が出てくるんじゃないかと思います。

 そういう形で、できるだけ幅広く人材を選ぶという形で進めていくという方針、この片山総務大臣の御方針と全く私たちは同じ形でやっていくことになるというふうに思っています。

副大臣(矢野哲朗君) 理事長並びに二人の監事は外務大臣が指名することになっております。ついては、機構が行う事務及び事業に関して高度な知識及び経験を有する方、又は機構が行う業務を適正かつ効率的に運営することができる方を外務大臣が選任するということでありますから、適材適所ということで対応させていただきたいと思います。

広中和歌子君 是非、よろしくお願いしたいわけです。
 藤井理事長にお伺いいたします。重点項目として文化交流と文明間の対話ということを御指摘になったわけですけれども、大変その方向、すばらしいと思いますが、具体的にもうちょっと、今までと違った、何というんでしょうか、ビジョンみたいなものがもしおありでしたら、是非自由に語っていただきたいと思います。

参考人(藤井宏昭君) 今までと違ったということにはならないかもしれませんが、今までも我々考えておりますことでございますが、十分果たせておりませんが、今日、日本の文化、これはライフスタイルを含めまして、伝統文化も含めまして、特に今日の日本の文化、これの魅力が世界じゅうに広がっております。これはもう本当に、中国始め近隣諸国、それから中南米、ロシア、ヨーロッパ、アメリカ等に特に若い人たちに広がっております。これは日本の大変な今チャンスであるというふうに思っております。

 他方、日本の経済等についてのネガティブな考え方というのが世界に広まりつつあると同時に、そういう日本の魅力というものが発信されつつある、これを更に強化していきたいということが私どもの一番の願いでございます。

 例えば、そのうちの一つでございますが、日本語が近年、これは来年調査いたしますので正確なところは分かりませんが、五年前の調査では相当増えている。その後も実は相当増えておるわけでございます。増えているのは、どこで増えているかと申しますと、世界じゅうなんですけれども、例えばアメリカなんかでも非常に増えているようで、増えているのは、七割は、今やっている七割ぐらいは中学校、小学校、高等学校と、子供たち、若者でございます。そういうところにどんどん日本語、これは日本語を使おうというんじゃなくて、日本の広く言うと文化の魅力というか、そんなものが今大きなチャンスで世界じゅうに、そこに一つの大きな焦点を当てていきたいと思いますし、それは、例えば中国を始めとする日本の近隣諸国との更なる国民同士の友好と申しますか、そういうものに非常に大きく貢献すると思っております。

広中和歌子君 私も日本語教育、押し付けにならない形で、しかし多くの世界じゅうの人たちが日本語に興味を持ち、日本文化に関心を持ってくれる、そのような状況が基金のリーダーシップで行われることを期待しておりますので、よろしくお願いいたします。

 それから、ODAなんでございますけれども、これも私ども、日本の国にとって大切な外交のツールだと思います。特に、技術支援であるとか草の根支援であるとかといったような非常にきめの細かい、日本の文化なり、それから技術なり制度なりの特徴を生かした支援というものをこれからどんどん進めていかなければならないと思いますけれども。最近聞くODAの戦略性ということについてですが、この戦略性というのはどのようなことなんでしょうか。外務大臣、お伺いいたします。

国務大臣(川口順子君) 日本のODAについて、戦略性を増すことが大事であると私たちは考えています。その戦略性というのはどういう意味かということですけれども、例えば、我が国の近隣諸国が平和で経済的に発展をしていくということは重要であるという考え方に基づいて、アジアの地域を重点的にするというのが一つです。

 それから、アフガニスタンや東チモールや、そういった国が戦乱の被害から立ち直っていい国になっていく、このための支援、平和構築と呼んでいますけれども、それも一つの戦略的な発想に基づく援助です。

 それから、人間の安全保障ということを考えています。これは、個人個人の人間がきちんと、最低限のものがあって暮らしていける、健康であって暮らしていけるという意味で、人間という単位で安全保障を考えよう、そういう考え方です。

 それからもう一つ、日本の国民が援助に参加するということも大事だと思います。そういうことを、したがって日本の国益に資するようなそういうことに援助を集中的に使っていきましょうと、そういう考え方をODAの戦略化と呼んでいるわけです。

広中和歌子君 ビジョンに基づく戦略化ということであれば大変結構なことだと思います。ただ、戦略的に、重点的にというようなことのために、かえって、しかも緊急性が求められるようなアフガニスタン支援のような場合には、どちらかというと今までやってきた地元の、あるいは草の根レベルのそういったきめの細かい支援に比べて、どっとお金が出てプロジェクトのばらまきにならないかといったような声も聞かれないわけではないんですけれども、その点について是非注意していただきたいと思うんですが、外務大臣のお答えをお願いいたします。

国務大臣(川口順子君) 委員が危惧をしていらっしゃる点というのは理解できますけれども、それは矛盾することでは全くないということを申し上げたいと思います。

 戦略化、先ほど申し上げたような、そういったような目標に基づいて、考え方に基づいてと言った方が正確だと思いますが、具体的な実施面で、委員がおっしゃったようにNGOの活動等が必要になってくる、NGOの今までの活動した実績、それに基づいた知見、それが必要になってくるということです。

 例えば、アフガニスタンを例に取りますと、アフガニスタンで末端の活動の担い手、これはもうほとんどNGOです。ですから、戦略的な考え方を共有して、実際にやる段階ではNGOの方々にやっていただくと、そういうことでございまして、決して矛盾するものではないということです。

広中和歌子君 先ほど、戦略性の中に、ベーシック・ヒューマン・ニーズということをおっしゃったわけですけれども、是非この中にウィメン・イン・ディベロプメント、WIDですね、そのことも、もう既に入れていらっしゃるんだろうと思いますけれども、是非御配慮いただきたいと思うし、その部分における草の根支援というんでしょうか、を減らさないように、むしろ増やすことはあっても減らさないように私の方から要望させていただきたいのですけれども、いかがでしょう。

国務大臣(川口順子君) 女性の視点、ジェンダーの視点というのは我が国としても非常に重要に考えておりまして、先ほど申し上げたアフガニスタンの例でも、これはきちんとそういうことを重要なこととして考えてやっております。

広中和歌子君 南南協力支援というのに最近ちょっと関心を持って、ヨハネスブルク・サミット以降、ネリカ米のこととかいろいろ伺っているわけですけれども、九六年から二〇〇一年の五年間に、総予算というのは二千四百七十四万ドル。つまり日本円にすると六億円、年間約五百万ドルということですね、ということは五億円ですね。

 非常に小さい支援で非常に大きな成果を上げていると思いますので、そういう点でも、こういう草の根支援、小さな支援、ベーシック・ヒューマン・ニーズの予算というものはどんどん増やすような方向で是非お願いしたいんですが、全体で草の根支援関係は現段階でODA予算のどのくらいになりますでしょうか。

政府参考人(古田肇君) 草の根無償という無償協力のパターンがございますが、これの予算が今百二十億円でございます。それから、NGOが約三十億このほかにございます。

広中和歌子君 年々少しずつ少しずつ増えていくのは大変うれしいことでございますが、是非その方向でお願いしたいと思います。
 それから、NGO、NPOとの連携、そして彼らの活躍が非常に大切だということを御指摘なさっているんですが、なぜ十三条の三項で、「特定非営利活動法人その他民間の団体等の奉仕活動」と、奉仕活動というような言葉をお使いになったのか。御本人たち、つまり活動していらっしゃる方々は非常に重要なプロフェッショナルとしての国際協力活動をしている。そのような認識を持っていらっしゃると思うんですが、何か奉仕活動というと、その辺のと言っては失礼ですけれども、奉仕活動はどんなものでも大切なんですけれども、ちょっと言葉の使い方に神経を使っていただきたかったと思うんですが、いかがでしょう。

政府参考人(古田肇君) 御答弁申し上げます。
 御指摘のように、NGO等の専門的、プロフェッショナルな知見を活用していくというのがこの十三条一項第三号ハの規定しております草の根技術協力の基本的な考え方でございます。それをJICAの技術協力として大いに活用していくという考えで書いておるわけでございますが、ここで今御指摘のあった奉仕活動、そういう考え方の下ではございますが、ここで奉仕活動という言葉を使用しましたのは、この条項の対象が、NGO等が見返りを期待せずに行うボランティア事業であるという性格のものであることを法律的に規定させていただいたということでございます。

広中和歌子君 ということは、見返りを期待しない無償のということですか、とおっしゃいましたか。

政府参考人(古田肇君) 厳密な意味で、一切有償であってはならないとか、そういう厳密な意味ではございませんが、この活動の性格として、営利目的ではなくて正にボランティアであるということを条文上書くといたしますと、法制局とも御相談をしまして、ボランティアという言葉よりは奉仕活動という言葉の方が適当ではないかということでこういう文言にさせていただいたわけでございます。

広中和歌子君 ただ、アフガニスタンとかチモールとか、ああいうところで草の根支援の方々が活躍するに関してはいろいろな形でコストが掛かるわけですから、要するにそういう点では是非、JICAあるいは外務省と様々な連携して仕事をする場合の御配慮というものはきちんとしていただかなければ、日本のNGOというのは本当に育たないし、また大きく活動できないんではないかということも申し添えたいと思います。

 そして、次にですけれども、時間も足りなくなりましたので急ぎますが、十八条三項では、国民等の協力活動について、それをJICAが委託して行う場合、あらかじめ関係行政機関の長に協議しなければならないと。これについて先ほど迅速にやるから大丈夫だとおっしゃいましたけれども、やはり何かせっかく独立行政法人化したのに、更に規制が強まるというんでしょうか、いろいろな関係省庁を含めて許可が必要になるということで、独立行政化の方針に反するんではないかということをお聞きしたいと思います。

国務大臣(川口順子君) 先ほどお答えを別な委員の御質問でいたしましたので、ちょっとはしょりますが、許可をするということではないということです。これは外務大臣が関係の省庁と協議をするということでして、許可ではないということをまず申し上げたいと思います。

 そういう意味で、規制的なという意味ではございませんで、これの意味はJICAは元々、政府ベースの技術協力をする機関で組織であるということです。したがって、草の根の方から提案をいただいたことをJICAが実施を委託するという形になるわけですけれども、その提案を政府ベースのものとして位置付けるために相手国の政府と外務大臣は協議をするということになっていまして、したがって政府ベースのものになる。

 その内容は、各省にいろいろまたがるもの、環境問題だったり福祉だったり、いろいろするわけですから、そういう意味で、関係の省庁の行っている政策と整合性が保たれるということを確保するために協議をするということでございまして、決して許可とかそういうことではなくて、そもそもJICAの行う技術協力が政府ベースのものだというところからスタートをしているということです。運用は、先ほど言いましたように簡素化、効率化、これは丁寧にやりたいと思います。

広中和歌子君 これからODAの形というのはすそ野が非常に広がっていくと思いますけれども、先ほどからも御説明にありましたように、国際機関、国連の組織、例えばUNDPやユニセフなど、JICAを始めODAに深くかかわっているんではないかと思います。

 ところが、ODA予算というのが全体として少しずつ減っていく中で、特に国連関係ですね、任意拠出金を我々が出しているそういう機関に予算のしわ寄せが行くんではないかなと危惧しているわけでございますけれども、そうした国連機関への予算の配慮というものについて、私は数年前、やはり同じような状況が起こったときに国会議員の署名を集めまして当時の大蔵大臣と外務大臣に陳情したことがあります。多くの方が私の動きに対して賛成してくだすったんですけれども、今度もそのようなことがないようによろしくお願いしたいんですが。

政府参考人(古田肇君) 御答弁申し上げます。
 御指摘ありましたように、UNDPあるいはユニセフを始め国際機関が様々な分野で取り組んでおられるわけでございまして、私どもとしてもこれと密接な連携を取りながらきめの細かい援助をやっていく必要があるということについては全く御指摘のとおりだと思います。

 私どものODA予算でございますが、この五年間で二二%減少という流れの中で御懸念のようなことが生じているんではないかと思っておりますし、来年度についてはこれから十二月末に向けて政府原案作成作業に入るわけでございますが、私どもとしてもその国際機関が果たしております役割でありますとか、それからこれまでにもたらされた成果といったようなものを十分吟味して、厳しい中ではございますが、めり張りのある予算配分に努めてまいりたいというふうに考えております。

広中和歌子君 じゃ、一言だけ。ODAは総体として、先ほども申しましたように大切な外交ツールであります。国民の理解と協力が得られるよう情報開示、PRなど、是非積極的に行っていただきたいことを要望いたしまして、私からの質問を終わります。



広中和歌子君 私は、ただいま可決されました独立行政法人国際協力機構法案及び独立行政法人国際交流基金法案に対し、自由民主党・保守党、民主党・新緑風会、公明党及び社会民主党・護憲連合の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。

 案文を朗読いたします。

    独立行政法人国際協力機構法案及び独立行政法人国際交流基金法案に対する附帯決議(案)

  政府は、両法律の施行に当たっては、次の諸点に留意し、その運営に遺漏なきを期すべきである。

 一、国際協力事業団及び国際交流基金の独立行政法人への移行に当たっては、自律的、効率的に運営を行うという独立行政法人制度の趣旨が充分発揮されるよう、その運営に万全を期すること。

 二、独立行政法人への移行後においても、民間に委ねられるものは民間に委ねるなど、事務・事業や組織の見直しを行い、経営の一層の合理化、効率化と経費の削減に努めること。

 三、独立行政法人の理事長の選任においては、当該分野に造詣の深い適切な人材を広く内外から起用するよう充分配慮すること。その他の役員の選任についても同様とすること。

 四、独立行政法人の役員の報酬及び退職手当については、独立行政法人通則法の趣旨を踏まえ、法人及び役員の業務の実績を的確かつ厳格に反映させること。また、外務大臣は、独立行政法人の役職員の報酬及び退職手当の水準を、国家公務員及び他の独立行政法人の役員と比較ができる形で分かりやすく公表し、国民の理解を得るよう努めること。

 五、独立行政法人が所期の成果を挙げるためには、的確で厳正な業績評価が重要である。このため、明確かつ具体的な中期目標や評価基準を設定することとし、また、公正で客観性のある厳格な評価を確保するよう、評価者の人事及び評価の方法には細心の配慮を払うこと。

 六、独立行政法人への移行に当たっては、これまで維持されてきた国際協力事業団及び国際交流基金の職員との雇用の安定を含む良好な労働関係に配慮すること。

 七、独立行政法人国際協力機構法に定める国民等の協力活動のうち、草の根技術協力(第十三条第一項第三号ハ)の助長・促進については、国民の主体的な発意が最大限尊重されること及び迅速かつ円滑に事業が行われることが重要である。本法の運用に当たり、政府は次の点について適切な措置を講ずるべきである。

  1 政府は「中期目標」において、当該事業についての国の基本的な方針を可能な限り具体的に示し、同機構を通じて提案を行おうとする国民にあらかじめ分かりやすく提示すること。

  2 第十三条第一項第三号ハ及び第十八条第三項に基づく外務大臣及び関係行政機関の長の関与については、可能な限り手続を簡素なものとし、迅速な対応に努めること。

   右決議する。

 以上でございます。
 何とぞ、委員各位の御賛同をお願い申し上げます。