第154回 金融問題及び経済活性化に関する特別委員会
2002年7月19日

金融問題及び経済活性化に関する調査

☆答弁者

竹中 平蔵 経済・財政担当大臣 
柳澤 伯夫 金融大臣
塩川 正十郎 財務大臣
村田 吉隆  内閣府副大臣
中小企業庁次長 小脇 一朗 君


広中和歌子君 民主党の広中和歌子でございます。民主党にいただいた一時間のうち前半を私が受け持たせていただきます。

 バブル崩壊後の十年間、グローバル化の中で経済が目まぐるしく変化し、非常に難しいかじ取りを金融・経済・財政運営において求められている中で、三大臣の御出席をいただきまして質問させていただくことを大変有り難い機会ととらえております。

 まず最初に、平成十四年六月二十五日、「経済財政運営と構造改革に関する基本方針二〇〇二」を出されました。これは実を言うと昨日いただいたんですけれども、読ませていただいて、非常に多岐にわたって問題を提起をなさっていることに気が付くわけですけれども、特に「経済活性化戦略」というところで、六つの戦略、人間力、技術力、経営力、産業発掘戦略、それから地域力戦略、グローバル戦略というように書かれているわけでございます。

 これについて詳しくお述べいただくことはできないわけでございますけれども、竹中大臣、特にこの分野におきましてタイムスパンというのはどのくらいに考えていらっしゃるのか、それから実行の御決意を伺いたいと思います。
特に、その実行が、私たちとしては本当にそれが実行されることを見守りたいわけでございますけれども、実行されないとしたら、難しい課題があるとしたらそれは何であるか、それについても併せてお答えいただければと思います。

国務大臣(竹中平蔵君) 広中委員から御指摘をいただいた基本方針二〇〇二、いわゆる骨太第二弾というふうに申し上げておりますけれども、予算プロセスに入っていく前の段階で改めて構造改革を進めるための基本的な方向について取りまとめを行ったものであります。その中には、税制の改革の話、来年度の財政運営に向けた話等々ありますが、一つの大きな柱として、経済活性化戦略というのを入れております。経済活性化戦略の中には、今正に御指摘いただいたように六つの分野での戦略、人間力、技術力、経営力というのは、実は資本、労働、技術というその生産側、サプライ側の三要素に着目してこれを強化する、さらに加えて、需要的な側面にも配慮して、産業の発掘、地域力、グローバル化というような戦略を立てているわけであります。

 お尋ねのタイムスパンと、それと実行への決意という点でございますけれども、基本的には、昨年は基本方針を作って、それに基づいて工程表というのを作りました。実は今回の六つの戦略の中に三十のアクションプログラムがありますが、その中に、非常に緩やかではありますけれども、いつごろまでにどう、だれだれが、ないしはどこどこの省がいつごろまでに何々をするということをかなり明記したつもりであります。

 その意味では、昨年の工程表をも一部兼ねたものにしているということで、その実行のしたがってタイムスパンはそれぞれ異なってくるということだと思います。直近に、今年度中にやるものもあれば、少し長いスパンでやるものもある。それは、それぞれ三十のプログラムによって異なるということになろうかと思います。

 これを実行していくに当たっての仕組みでありますけれども、どこどこの省が何々をするというふうに責任を明記したことによってその実効性を担保するというのが一つの特徴であろうかと思います。

 加えまして、これ、各省庁間にまたがる横断的なものについては、特にその実行の仕組みについてもその中に明記をしております。非常に分かりやすいものは明記している、ないしは別の場で発表しております。分かりやすいものは構造改革特区でありまして、これに関しては内閣官房に特区の推進室を作るということで、これはもうその基本方針二〇〇二の翌週にこれを発足をしております。さらには、技術を市場化させるために新たなプランを作るというようなアクションプログラムもございますけれども、これについても内閣官房にそのプロジェクトチームを作るというような形を取っている。

 その意味では、その実効性も含めて担保するためのものを総合的にその中に書き込んだつもりでありますので、諮問会議においても引き続いてこの評価、点検を行うという姿勢を強く持ってその実現に努めていきたいと思っているところでございます。

広中和歌子君 民間の技術者や学者などとお話しいたしますと、その持っている技術、すばらしい技術がなかなか、諮問会議とかいろいろなところまでは上がるんだけれども、それがなかなかアクションに結び付かないといったようなお話を伺うことがございまして、そういう中で、議員の役割というんでしょうか、それも非常に大切なんではないかなと思っているところでございます。

 ですから、ここにいらっしゃる議員も含めまして、そういう民間の声というのを政治に直接つなげるというような形を是非、私、一議員としても取りたいと思っておりますし、そういうものをエンカレッジしていただく、耳を澄ませていただくということを心からお願いしたいわけでございます。

 今日いただいた貴重なお時間で、ちょっとマイクロクレジットについてお話しさせていただき、また御意見を伺いたいと思っているわけでございます。

 マイクロクレジットというのは、私が十年前に初めてこの存在を知ったわけでございますけれども、その存在は一九七三年に、一番最初に、既に御存じの方多いと思いますけれども、バングラデシュでドクター・ユニスという経済学者が設立したものでございます。

 それは、普通の銀行ですと、例えば担保があるかとか、あるいは保証人が必要であるかとか、それから手持ちの資金があるかとかというようなことで、なかなかお金が貸してもらえない。つまり、銀行が相手にしないような本当に極貧層の人にお金を貸す、無担保でお金を貸すと。そして、実験的にそれをやってみたらば、回収率が非常に良かった。少なくともグラミンバンクの場合は九八%から九六%ぐらいの回収率がある。実を言うと、こういう貧しい人たちの方がまじめにきっちり返すんではないかと。そういうことを肌で感じたこのユニス博士というのがグラミンバンクを始めて、今では二百四十万人の人がこの銀行に、このプログラムに参加している。

 その参加者は主として女性であるということでございます。女性が特にまじめにお金を借りたら返すということ、そしてもうけたお金というのは、それは家族に使う、地域に使う、貯金をすると。そういうようなことで、地域の開発、発展というんでしょうか、そういうものにも役に立っているという話を私は十年前、環境会議か何かで伺って大変感銘を受けました。

 その同じ話をクリントン大統領がかつてアーカンソーの知事であったときに聞いて、わざわざユニスさんをアーカンソー州に呼んで、アメリカでも貧困層が一杯いますし、それに当時のアメリカというのは非常に経済も沈み込んでおりましたから、アメリカの国内でこういうことができないかということを模索なさったようで、その結果として、NGO支援の、あるいは直接そういう金融機関も、貧しい人を対象とした、地域を対象とした金融というものがどんどん広がっていくと、そういうことがあったようでございます。

 それで、一九九七年にはニューヨークでマイクロクレジット・サミットというのが開かれました。不肖私もオーガナイザーの一人としてその会議に、オーガナイズする側に回ったわけですけれども、何と驚くなかれ、そのテーマというのが、一億人の極貧層の家族を救おうと、そういったようなものでございまして、非常に野心的なものでございました。当然、いろいろな三千人ぐらいの方がいらした中には、ルービン財務長官、当時の、方もいらしていましたし、それからミセス・クリントンも大統領夫人としてスピーチをなさるというようなことであったわけですけれども、それ以後、このマイクロクレジットが非常に世界的にも知られるようになっている。

 ちなみに、我が国日本では、一人でしゃべっていて恐縮です、ちょっと知っていただきたいので演説しているんですが、かつてのOECF、今のJBICも三十億、このマイクロクレジットのために支出をしている。特に、このグラミンバンクには三十億を出していて、そしてそれは非常にうまく運用されているということでございます。

 私の理解といたしましては、このマイクロクレジットというのは途上国支援のすばらしいツールであるというふうに思って、今まで外務委員会などで盛んにこのような形の海外支援というものをした方がいいんじゃないかといったようなことを言っていたわけですけれども、ふと考えますと、このマイクロクレジットというのは我が国にとって決して無縁のものではないと。

 昔、頼母子というのがあったり、様々な形で講というのが存在いたしましたよね。頼母子、それはお金を貸し借りする地域グループであったり、あるいは労働をお互いに分かち合うと。これは多分、江戸時代からずっと続いていて、特に大阪、塩川大臣のお地元などでは非常に盛んだったんではないかと思います。私の夫の田舎の山口でも戦後までそういうものが存在しておりまして、こういう地域での助け合いというものが信用金庫になったり信用組合になったりということで、地域を支えて現在に至っているんではないかと思うわけでございます。

 そういう地域金融というもの、これは今の日本、経済力が非常に大きくなりましたから、マイクロクレジットというような小さなものではないかもしれない。しかしながら、やはりこうした考え方というのは非常に大切ではないかと思うわけでございます。

 それで、金融大臣にお伺いしたいんでございますけれども、このマイクロクレジット的な発想で地域金融を活性化していこうという考え方そのものについて、そのことについて御所見がございましたらお伺いしたいと思うわけでございます。

副大臣(村田吉隆君) バングラデシュのグラミン銀行のことにつきまして、広中先生がかねてより大変御研究なさっておられて、かつて小渕外務大臣にもそのことを御質問なさった、そういう経緯も私ども承知しておりますが、そして、今先生御指摘になったように、グラミン銀行に対しましてOECFから支援がなされていたということも、私も勉強させていただきました。

 実際、私も、NHKでこのグラミン銀行についての番組がございまして、それを拝見いたしまして、本当にマイクロベンチャーみたいなところに、おっしゃるように、女性でありましたけれども、そういうところにグラミン銀行がお金を上げるんじゃなくてお金を融資しまして、連帯保証は付くらしいんですが、融資をして自立自助の精神でもって起業をする、こういうのを助けると。こういう番組を見ておりまして、開発途上国、経済の発展段階で大変なかなか立ち上がれないような貧困層にお金が行く、そういう銀行の存在というものを改めて知りまして、大変感銘を受けたのも事実でございます。

 一方において、日本の場合には、社会あるいは経済の発展段階を考えるときに、このようなマイクロクレジットのようなものが即類似のものが日本で発達するかどうかということについてはまた別の考え方があろうかと思いますけれども、公的金融としては国民金融公庫のマル経というのがありまして、これが割合簡単に借りられるという、そういう融資の内容になっておりますし、私どもが担当いたします民間金融の場合にでも、個人あるいは中小企業に対しまして無担保無保証でクイックローンという、そういう制度がございます。

 先生が御指摘なさったように、互いに助け合う無尽とか頼母子講みたいなそういう経緯があって、第二地銀は無尽から発展して第二地銀になったということでございまして、経済の発展によりましていろいろ地域金融というのも変遷を遂げていると、こういうことだろうと思います。

 民間金融という立場に立った場合には、私どももそうした零細な事業者に対しまして民間銀行が適切なリスク管理の下にお金を貸す。無担保無保証になるならば、そのリスクの審査あるいは管理というものを適正にやって貸付けを行うということは我々としても大いに期待しているわけでありまして、そうしたところにもリスクマネーあるいは中小企業の運転資金なんかも含めて資金が円滑に流れるということは我々としても大いに支援しなきゃいけないというふうに考えているわけであります。

広中和歌子君 今のお答えの中にお考えがにじみ出ていたのかもしれませんけれども、例えばアメリカなんかでも、地域金融が地域を育てる、そして地域から集めたお金は地域に還元しなければならないといったような考え方がございますし、そしてそれが一部法律化され、最初はマイノリティーに対する支援であった、例えば女性であるとか少数民族であったり、あるいは高齢者であるとか。つまり、公民権法に基づいたそうした考え方から出てきたものだと理解しておりますけれども、次第に、やはり地域を活性化することがアメリカ経済、アメリカの社会全体を安定化させると、そういう考え方で最近特にそういうのが盛んになってきているわけでございます。

 CRA、地域再投資法についてどのような考え方をお持ちでいらっしゃるのか。そして、我が民主党といたしましては、地域金融に関する円滑化法、これは私も提出した者の一人に名を連ねさせていただいているんですけれども、こういうことは非常に大切だろうと思う次第でございます。

 現在の地域金融の現状はさておき、新たにでもこういったような地域金融が活性化するような方策を講じなければいけないんではないか。アメリカのことばかり申し上げて恐縮でございますけれども、どんどん新しい金融機関が、つぶれるものはつぶれ、新しいものが立ち上がっていますよね。そういうような形も望まれるんじゃないかと思うんですけれども、お考えをお聞かせいただければと思います。

国務大臣(柳澤伯夫君) CRAについてどういう評価をしているかということでございますが、これにつきましては、今、広中委員からのお話にありましたように、公民権運動の背景を持ちまして地域というとらえ方をしているんですけれども、やはりマイノリティーの方とかあるいは人種的な一つのグループというのが、歴代大統領の中には思い切ってそれを分散させて伝統的な多数派と混住させるというような試みをした方もいらっしゃいますが、事実問題としてはやっぱり一つの地域に集住をなさっていると、こういう背景があると私は思っております。

 そういう中で、地域というとらえ方をして、そしてそこに融資をするということを勧奨していく、こういうことでこの試みが始まったようですが、その結果は、トータルでどうだったかというと、いろいろな機関のリポートが出ているようですけれども、総じて、これは金融機関、そうしたことに志向した金融機関に思わぬというか予想していなかった収益機会を与えることにもなったというようなことで、そういう収益機会を与えたという意味合いでもこれがむしろ金融機関の側からも、自主的にもそうしたところに資金の供与をしていくということはいいことだと、こういうことが出てきたようです。

 そういうようなことで、CRAの施行というものについては全体として積極的な評価が行われているということを私どもも承知をいたしております。

 その上で、日本の場合にどうかということでございますが、私どもは、日本の場合に、別にそうした人種的な背景というようなものもこれはもう全然アメリカとは異なるわけでございますので、そうした意味合いでの似通った機関を設ける、あるいは行為規制を設けるというようなことは、私ども、必要ではない、マーケットメカニズムでその点は十分カバーをされるというように考えております。

 今回、私の私的懇話会がいろんな議論をしていただいたわけですけれども、最後に委員がおっしゃった、金融機関というものが新陳代謝をしていくということがアメリカではあるということでございましたが、この点については日本も同様ではないかと。つまり、ちょっと今の現状からすると飛躍があると言われるかもしれませんけれども、何でもっと日本人は、おれは銀行業をやるぞというようなことで新しい金融機関を立ち上げるというような行動が全くないんだろうか、何か銀行業の免許などというものは物すごい手の届かないところにあって、そういうようなことをもう考えることすらしないというのは一体どういうことなんだろうかというような議論を実はしておりました。

 そういうようなことで、私どもとしても、今最後に委員のおっしゃった点については、このリポート、懇話会のビジョンというんですか、そういうようなところでも、そうした、やや論争的かもしれませんけれども、そういうようなことも書かせていただいていると、こういうのが現状でございます。

広中和歌子君 お言葉に悪乗りするつもりはございませんけれども、今朝のある新聞で「大機小機」、「歴史は二度繰り返す。一度目は悲劇として、二度目は喜劇として」というテーマで書いているんですけれども、今、政府の政策として、小さな、不良債権を抱えたような銀行同士が合併するというようなことがあります。ただ、何というんでしょうか、そういう銀行を二つ併せても、マイナス銀行とマイナス銀行を併せても決してプラスにはならないと。掛け算じゃない。

 ということで、ともかく、やはりそういうところで淘汰とそれから再生というものをもうちょっときっちりなさるというような方向で進まれるというのは、私はすばらしいことだと思います。

 それから、またお言葉を返すようでございますが、日本の中には差別がないから必要ないと地域金融についておっしゃいましたけれども、例えば女性に対して差別というのは厳として存在いたします。私は、小さなビジネスとして、例えば一村一品運動みたいなものをちょっと見てみたんですが、あれはほとんど女性がやっているんだと思ったらば、やっぱりやっているのは男性だそうでございまして、下働きは女性がするかもしれないけれども、肝心の経営というんでしょうか、そういう面では女性は排除されている。女性が銀行に行ってお金を借りてくるということはほとんど難しいと、そういうことでございますので、是非この点御理解賜りたい。

 最近は、女性がきっちりお金を返すというのは途上国だけではございませんで、日本の女性もなかなかいいんではないかと、そのような評価を持っていただくこともあろうかと思います。

 ちょっとそれはさておきまして、時間の制限もあるんですけれども、マイクロクレジットを広めていくためには、やはりある程度の保証制度というものがあれば有り難いなと思うわけでございます。数年前でしたか、日本、貸し渋り、貸しはがしが非常に大きかったときに三十兆円枠の大きな信用保証枠というのが作られ、それがその後どうなっちゃっているんだろうかということでちょっと御質問させていただけたらと思います。

政府参考人(小脇一朗君) お答えを申し上げます。 お尋ねの特別保証制度でございますけれども、平成十年当時の未曾有の金融システムの不安の状況の中で創設をされたものでございます。臨時かつ異例の措置として導入したものでございますが、担保、保証人なしで最大五千万円まで保証をすると、こういった制度でございます。

 昨年の三月末に終了いたしましたけれども、本制度は、全体で百七十二万件、約二十九兆円の実績に達しておりまして、平成十年当時の未曾有の貸し渋りに直面する中小企業の倒産の急増等を緊急避難的に回避するのに効果的であったと、このように考えているところでございます。

広中和歌子君 それはそれで評価するわけでございますけれども、それから先、また貸し渋り、貸しはがしというのが生まれているわけですけれども、そういった中小企業を守るというんでしょうか、そういうための新たな保証制度というものはどのような状況になっているか、教えてください。

政府参考人(小脇一朗君) お答えを申し上げます。 特別保証制度は昨年の三月に、今御答弁申し上げましたとおり終了いたしましたけれども、それ以降も中小企業を取り巻く金融経済情勢、大変厳しいものがあると、このように認識をいたしております。取引先の企業の倒産とか、あるいは金融機関の破綻に直面した中小企業の方々に対しましては、連鎖的な破綻を防ぐという観点から、私どもセーフティーネット保証制度というのを用意をいたしております。この二月のデフレ対応策の中でも、利用可能な中小企業の範囲を拡大する等々、制度の拡充を行ってきているところでございます。 さらに、加えまして、不動産担保主義からの金融の脱却を目指しまして、中小企業がお持ちの売り掛け債権を担保として民間金融機関が融資をする際に保証をするという、売掛債権担保融資保証制度を昨年の十二月に創設をさせていただきました。

 私ども、制度の普及浸透のためにいろいろ制度改革、手続の簡素化等々を行いまして、先週末現在でございますけれども、一千三百件、総額六百八十億の融資実行に結びついておるところでございます。

 今後とも、私ども、こうした施策を始めとして、保証制度を通じまして、中小企業の資金の円滑化に万全を期してまいりたい、このように考えているところでございます。

広中和歌子君 こうした制度が新規のマイクロクレジットと、日本版ですよね、そういったものに支援をしていただけないかなと思うわけでございまして、そういう中で、NGOのグループがそういうことを始め掛けております。例えば、東京市民バンクでは女性の起業家を支援していると。これは無担保でございます。面白いんですけれども、みずほ銀行が融資機関で、そして査定をするのがNGOでございまして、元銀行員だった人、それから有識者などが集まって、その人の、起業家の人物を見ると。担保力とかそういったものではなくて、その人の人物を見ながら、やる気とかなんかですよね、お金を貸している。銀行がそのような形で動き始めているということを是非御認識いただきたいと思います。そのほか、労金を使ったNPOサポートローンの事例なんかもございます。

 こういうことはまだまだ本当に始まったばっかりなんでございますけれども、こうした新しい女性起業家支援みたいなものをいろいろやっていただければ随分世の中変わってくるんではないか。GNPに反映されるような大きな経済力になるとは思いませんけれども、今、地域通貨であるとか、大蔵大臣はお嫌いだと思いますけれども、地域通貨であるとかNGOによる、要するに一般の会社、企業のレベルから見れば収入は低くても、しかしながらアウトプットは非常に大きいとか、満足度が高いとか、そういったようなことで地域が活性化していく、そうしたシステムをこの日本で、やはり成熟社会となっている日本で作っていかなければならないんではないかなと、そのような思いがするわけでございますが、塩川大臣、最後に御感想を伺えればと思う次第でございます。

国務大臣(塩川正十郎君) 今、広中先生のお尋ねの用件の中に、地域金融にそういう女性の声とかあるいはNPOの声を反映させいと、こういうことだと思っております。

 実は、国民金融公庫、政府関係機関でございますが、これが尾崎総裁が始めましたので、全国の主な支店を中心にして、六か所だったと思っておりますが、御意見を聞く会を作って第一回をやったんです。これは非常によかったと私は報告聞いておるんですが。

 それは、いろんな経営者を呼びまして、融資を受けた方、それから受けようとして受けられなかった方、そういう方集まっていただいて、意見聞いて、それを参考にして貸出しに生かしたいと、こういう具合にしておりまして、私は、これはいいと思いまして、各支店ごとにそういうようなの作って、要するに支店の評議員みたいな制度ですね、それを作ったらどうだろうと、こういうことなんです。これ一点ございます。

 それから、女性の方の実業界における活動に対して金融、どう支援するかということでございますが、ちょうど一か月ほど前でございましたけれども、女性ばっかりの経営者集まってもらいまして、私もそれから小泉総理も一緒に出席して懇談をいたしました。そのときに、特徴は、女性の経営者の、今、人材派遣業が一番多いですね。それと、一部の特殊な流通関係の人が多い。

 そのときに、金融機関の話でどんなのが一番難しいかと聞きましたら、金融機関は情報公開をおっしゃるんだけれども、私たちのやっている、つまり人材派遣であるとか流通とかいうのが、要するに売り先が、お客さんが不安定なところが非常に多いのでそういう計画書を出しにくい、それが非常に金融上困っているんだと、こういうことでございました。ですから、そういうものに対する、情報公開の検査というものをある程度勘案してもらえぬだろうかと、こういう意見ございまして、私は、このことは国民金融公庫等にお伝えしておいたので、考慮してもらいたいと、こういうことを言っておりました。

 いずれにしても、やっぱり金融を活用している人の意見というものを、それを聞かないと、どうも政府系機関だとか一般の金融機関は机に閉じこもって聞いているのが多いと思いますので、そういう点のないようにいたしたいと思います。

広中和歌子君 竹中大臣にもちょっとコメントをいただいて、私の質問を終わらせていただきたいと思います。

国務大臣(竹中平蔵君) 広中委員お尋ねのポイントは、要するに、市場メカニズムに基づくグローバルな規模でのバンキングといわゆるリレーションシップバンキングというようなものがやはり両方必要であって、それの両方の位置付けをしっかりすることが重要ではないかという点に恐らく集約されるのではないかと思っております。

 これは、地域通貨というのも、考えてみたらリレーションシップを大切にしようということから出てきた発想であると思いますし、恐らく市場化が物すごい勢いで進んでいるからこそ、人々の間には市場に任せるだけではなくてやっぱり別のシステムが必要だという暗黙の認識が急速に広がっている、それがボランティア、NPO、NGO等々になってきているのだと思います。

 これを政策のシステムとしてどのように形にしていくかというのは、これはまた大変難しい議論しなければいけない問題はたくさんあるというふうに思いますが、リレーションシップの部分、それをやはり市場のメカニズムを活用しながら両立させていくという仕組みをこれはもう本当に真剣に考えないと、むしろ事実の方がそれに先行していろいろ動きつつあるというのが現状ではないかというふうに思っております。

広中和歌子君 どうもありがとうございました。