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【参議院本会議】 2002年5月24日
気候変動に関する国際連合枠組条約の京都議定書の締結について国会の承認を求めるの件
○国務大臣(川口順子君) 気候変動に関する国際連合枠組条約の京都議定書の締結について国会の承認を求めるの件につきまして、趣旨の御説明を申し上げます。
この議定書は、先進国等が二千八年から二千十二年までの五年間において数量化された約束に従って二酸化炭素等の温室効果ガスの排出を抑制し又は削減すること、このために、一定の条件に従い、森林等の吸収源や排出量取引等を活用できること等を定めるものであります。我が国については、千九百九十年の水準に比して六%削減することを約束するものであります。
平成四年に作成された気候変動に関する国際連合枠組条約は、二酸化炭素等の温室効果ガスの増加による気候変動に対処するための国際的な枠組みを初めて定めたもので、我が国も翌平成五年に国会の御承認を得てこれを締結しました。
この枠組条約は、締約国がそれぞれ「共通に有しているが差異のある責任」等に従い、「人類の現在及び将来の世代のために気候系を保護すべきである。したがって、先進締約国は、率先して気候変動及びその悪影響に対処すべきである。」と規定しておりますが、温室効果ガスの削減について具体的な数値等による義務を定めていません。このため、平成七年にドイツのベルリンで開催された枠組条約の第一回締約国会議において専門家会合を設置することが決定され、専門家会合による検討も踏まえ、平成九年十二月十一日に京都で開催された第三回締約国会議において、この議定書が採択されました。その後、この議定書の運用に関する細目を定める文書案を作成する交渉が行われた結果、昨年十月から十一月まで、モロッコのマラケシュで開催された第七回締約国会議において、当該文書案について実質合意に至ったものです。
地球温暖化防止のための効果的な国際枠組みであるこの議定書を早期に発効させ、実施に移すことは、地球環境保全の観点から極めて重要です。よって、地球温暖化防止のための国際社会の取組の機運が失われることがないよう、我が国としてこの議定書を締結し、議定書の発効に貢献することは、極めて大きな意義があります。
以上を御勘案の上、この議定書の締結について御承認くださいますよう、お願い申し上げる次第でございます。
以上が気候変動に関する国際連合枠組条約の京都議定書の締結について国会の承認を求めるの件の趣旨でございます。
○広中和歌子君 私は、民主党・新緑風会を代表して、気候変動に関する国際連合枠組条約の京都議定書の締結について承認を求めるの件について御質問いたします。
質問に先立ち、瀋陽事件について一言申し上げます。
何はともあれ、亡命者五人が無事韓国の土地を踏めたことは人道上の視点からも多といたしますが、日本政府は、今後、類似の事件にどう対応するおつもりなのか、政治亡命者や難民問題に対する基本方針を官房長官にお伺いいたします。
京都議定書は、今から四年半前に、我が国の古都、京都の地でまとめ上げられました。人類の進歩や発展、あるいはこの文明の在り方に大いに転換を求める人類史上画期的な国際ルールであります。
京都会議、すなわちCOP3は、二十世紀に日本で開催された最大規模の国際会議でした。世界じゅうから、政府関係者のみならず、政治家、環境団体、経済人、学者、ジャーナリストなど、何万人も集まり、会議本体だけでなく京都じゅうで様々なイベントが行われました。
日本国憲法前文には、「国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。」とありますが、大木環境大臣が中心となって京都でこの議定書をまとめ上げたとき、私は、この憲法のくだりが初めて実現したのだと思いました。
ところが、京都議定書の採択から批准の国会審議までに四年半も費やしています。この間、京都議定書の詳細なルールについての国際交渉が続けられてきたわけですが、日本政府は、一日も早い合意に向けて努力する代わりに、米国などと組んで一部経済界の利益を国益という名で代弁し、合意寸前で交渉を決裂させたり、米国ブッシュ政権が離脱宣言をしてからは、それを口実に森林吸収三・九%を獲得、我が国の排出削減量を実質的に大幅緩和するなど、巧妙なる外交を展開し、国際NGOからは化石賞という不名誉な賞をもらっております。
この交渉でタフネゴシエーターとして名をはせた現在の川口外務大臣にお伺いいたします。
一部経済界の利益を国益として代弁することは、日本国民と地球社会に対する大きな裏切りであり、我が国が国際社会において名誉ある地位を占めるとはほど遠いと考えますが、いかがでしょう。
我が国は、二十一世紀の国際社会において環境を基軸にした外交を展開し、ミレニアム・サミットでも合意したように、途上国の持続可能な発展を支援することこそ最もふさわしい姿だと考えますが、御見解を伺います。
この夏には、ヨハネスブルグで地球サミットが開催されます。十年前のリオに向けては、当時、平岩さんを会長とする経団連、市民団体、青年会議所、労働界、科学者、学生団体など、そして我々超党派の政治家が、政府とも協力して、企業や団体、個人の具体的な行動を約束したり、共同して提案をまとめたり、途上国の環境資金に関する国際的な賢人会議を開催したりいたしました。
折から、東西冷戦が終えんを迎え、温暖化問題など地球環境問題が国際社会の共通の課題になり始めた時期であり、日本でも大変に盛り上がったものでございます。そして、リオの場では、我が国は世界最大の環境ODAを約束し、高い評価を得ました。
その十年後のヨハネスブルグ環境サミットにおいて、小泉総理は、日本国として何を主張し、何で貢献し、リーダーシップを発揮しようと考えておられるのか、具体的にお伺いいたします。
さて、我が国がまとめ上げ、今、参議院でその締結の承認についての審議が開始された京都議定書、その目標を達成することは我が国にとって決して容易ではないと言われています。
確かに、小手先だけの対策、対症療法だけでは難しいと思います。日本の経営者、経済界あるいは労働界の中には、京都議定書の批准が、我が国経済の国際競争力を損なう、あるいは産業の空洞化を加速化させるなどといった考え方の方もいらっしゃいます。
しかし、京都議定書は、さきにも述べたように、我々の文明の在り方の転換を求めるものでございます。すなわち、都市構造、エネルギーシステム、交通体系、産業構造などを二酸化炭素などの排出が少なくなるように変えていく、そのために、財政、税制始め様々な制度や仕組みを改革する、これが京都議定書の目指すものであり、温暖化対策であります。しかも、この過程で技術革新が生まれ、投資やビジネスの膨大なチャンスが開けるのです。つまり、経済活性化や雇用創出を約束しているのです。しかも、京都議定書には明確な数値目標がある。目標が大きいほど経済活性化のチャンスも大きいと思います。京都議定書に参加しないアメリカのことを気にすることはありません。彼らは必ず後から後れて付いてきます。我が国が環境技術開発と投資をてこに経済発展を遂げ、そして更に世界じゅうにその技術を伝える。我が国がこうした形のリーダーシップを発揮することも国際社会に名誉ある地位を占めることだと思いますが、経済財政担当大臣の御所見を伺います。
特に、二十一世紀、確実に経済大国となる隣国中国に対する環境を中心とした経済協力は欠かせません。かつて、環境問題は先進国の問題とうそぶいていた中国が、今、経済発展と環境破壊のジレンマに直面しております。我が国にとってはいつか来た道、そしてまた、情けは人のためならずでもあります。環境大臣の御所見を伺います。
政府は、この三月に新しい地球温暖化対策推進大綱を決定し、百種類を超える具体的、定量的な対策を盛り込み、これを見直しながら二酸化炭素などの排出量を二〇一〇年に九〇年度比でマイナス六%という目標を達成するとしています。この百種類を超える具体的な対策の実施は、新たな設備投資、公共投資、住宅投資、あるいは新たな消費をもたらすことになるわけですが、これらによる経済効果、雇用創出効果をどのように見ておられますか。そして、環境と経済・雇用を同時に達成するこの温暖化対策を今後の経済財政運営の基軸として積極的に活用すべきだと考えますが、いかがでしょう。経済財政担当大臣に伺います。
京都議定書の目標を達成するためには、先ほど述べたような様々な分野での改革やシステムの転換など、具体的な政策が必要です。
幾つか提案させていただきます。
まず、税制の問題です。
石油、石炭、天然ガスという化石燃料の課税を、それぞれの二酸化炭素の原単位に応じた公正な税率にすべきだと考えます。現状では、石油には石油税、揮発油税、軽油引取税など、天然ガスには石油税が課され、最も二酸化炭素の多い石炭には消費税以外の税金は課されていない、大変いびつなものになっています。化石燃料に関する税金を一度全部廃止して、化石燃料全体を炭素税の視点で公平に課税したらどうでしょう。課税の簡素化にもなります。
あわせて、その税収は特定財源として温暖化対策に充て、環境に優しい対応をした消費者に還元すべきだと考えますが、財務大臣にお伺いします。
次に、風力や太陽光発電など再生可能エネルギーの温暖化対策になる新しい技術というものは、一般的にコストが高いわけですが、まとまった需要が確保されれば生産コストが低下し、普及がしやすくなります。そこで、例えば五年後に全国の公立学校約四万校に太陽電池を五十キロワットずつ、合計二百万キロワット設置するという計画を実施したらどうでしょう。つまり、メーカーに対して五年後の二百万キロワットの需要を約束するのです。環境大臣に伺います。
また、現在、電気のない暮らしをしている二十億に上る途上国の人たちへの支援にも役立たすことができます。こうした視点での環境ODAによる太陽電池の需要拡大を推進すべきだと思いますが、外務大臣に伺います。
さらに、住宅や建物の省エネ化です。
この分野からの二酸化炭素の排出増加は著しいわけですが、日本の住宅や建物の断熱構造化は非常にお粗末です。新築のものには欧米並みの外断熱や二重窓を義務付ける、既存の建物や住宅には外断熱工法などによってどんどん断熱構造化する。公共事業が減って仕事に困っている地域の工務店などの新しい仕事になりませんか。経済財政担当大臣に御所見を伺います。
そして、何事も隗より始めよです。今後、公共の建物や学校には太陽電池、断熱仕様、屋上緑化などを義務付けていただけますか。官房長官に伺います。
さて、観点を変え、二酸化炭素などの排出を減らすためには、ソフトな社会インフラにもメスを入れなければなりません。そして、これは決して我慢することではなく、真の豊かさを実感できるものでなければなりません。
一つは、これまでも参議院の超党派の議員連盟で試みられたサマータイムの導入です。十九世紀の終わりに国際的な標準時が定められる前までは、日本では、季節に応じて日の出時刻を基準とした時刻が使用されていました。そして、現在、七十か国以上の国でサマータイムが導入されています。日本人も人間が作った標準時というものを地域と自然の摂理に応じて変更するぐらいの柔軟性を持ってもよろしいのではないか。環境大臣に伺います。
同じように、日本人はほとんど休暇を取りません。勤勉だからと言う人もありますけれども、社会的、制度的な強制が働いているのではないでしょうか。特に、今や夏の長期休暇を実現できる社会にしていくことが不可欠ではないでしょうか。
私は、これを妨げている制度の大きな一つが、政府各省の概算要求を八月三十一日までに財務省に提出しなくてはならないという予算決算及び会計令の規定だと思います。これは、単に国家公務員だけでなく、地方公務員、更には関連する民間団体や企業などにも影響してきます。概算要求の提出は十月末としたらいかがでしょうか。財務大臣に伺います。
また、交通渋滞の経済的ロスや二酸化炭素排出は相当のものです。東京都心の路上での違法駐車は八割にも達すると言われています。取締りを民営化するなど、道路交通法に従って違法を取り締まるべきだと思います。いかがですか、官房長官に伺います。
さらに、渋滞を解消する手段として、高速道路でのITを活用した料金自動支払システムであるETCの積極的導入を図ること。しかし、日本では機器が一台三万円、取付け費用が五千円、すべて個人負担です。ニューヨークの経験では、イージーパスと呼ばれるこのシステムは全額無料で、しかも、普及のため料金も割引されます。日本でも自動車関連の税からドライバーに機器の無料化を図ることができるのではありませんか。財務大臣にお伺いします。
経済社会の仕組みを工夫することによって、企業や個人から環境に優しい行動を引き出すことは大切ですが、これらの行動を起こすのは私たち一人一人です。学校や職場、地域社会などで環境意識を高めるための環境学習、環境教育が必要です。マスコミやNGOの協力も欠かせません。国としてどのように取り組まれるか、環境大臣に伺います。
さて、私たちは、元ロシア大統領ゴルバチョフ氏やリオの環境サミットの事務局長モーリス・ストロング氏らの世界の仲間とともに、十年前のリオで実現しなかった地球憲章を新たにドラフトし、世界の多くの人々の賛同を得て、今、ヨハネスブルグに向け、日本を含め、様々なレベルでこの地球憲章の普及を図っています。
地球憲章は、我々の唯一の住みかである地球に対する責任を分かち合い、お互いや他の生物への思いやりを持って、持続可能かつ平和で公正な社会をこの二十一世紀に築くための価値や原則をうたい、行動規範を述べております。
官房長官、大木環境大臣、地球憲章を読んでいただいているか分かりませんが、この本会議の場で、国民に向かって、地球を救うための一人一人の行動を御自身の言葉で呼び掛けていただけますでしょうか。官房長官、環境大臣からお願いいたします。
議員の皆さん、ひな壇の閣僚の皆さん、そして国民の皆さん、京都議定書の目標の達成に果敢に挑戦し、同時に、その過程を通じて、もう一つの大きな課題である経済や地域の活性化、雇用創出を図っていこうではありませんか。そして、それを実現し、我が国は、世界の新しい環境モデル国になり、世界の中で名誉ある地位を占めようではありませんか。
私は、このために幾つかの提案をさせていただきました。官房長官を始め関係閣僚におかれましては、明確かつ積極的な御答弁をお願いし、私の質問を終わります。
○国務大臣(川口順子君) 京都議定書に関する交渉と我が国の対応についてのお尋ねでございますけれども、昨年のCOP6再開会合及びCOP7におきまして、我が国は、京都議定書の京都会議の議長国といたしまして、二〇〇二年の発効を目指しまして合意形成に最大限努力をいたしました。
温室効果ガスの排出を効果的かつ効率的に削減するために、京都議定書で定められている吸収源や京都メカニズム、これを有効に活用することができるようにすることは極めて重要であると考えます。我が国は、このような考え方に基づきまして協議に臨みまして、最終的に各国の理解を得て我が国の考えに沿った合意が達成されたわけでございます。
このような実効的で持続可能な温暖化対策のための合意形成に向けた我が国の努力に対しては、各国からも高く評価をされたものと私は考えておりまして、御指摘の点は当たらないと考えます。
次に、二十一世紀において環境を基軸にした外交を展開し、途上国の持続可能な発展を支援すべきであるとのお尋ねでございます。
地球環境問題は、国際的な共同の取組が不可欠でありまして、人間の安全保障の観点からも早期の対応が重要だと考えます。このような考えから、我が国は、地球環境問題への国際貢献を外交の中で重要な課題と位置付けております。ODA大綱においても、環境と開発の両立を原則の一つとしています。
政府としては、今後ともこうした考えに立ち、環境関連国際約束等の策定、実施、ODAを通じた環境分野での開発途上国支援、環境関連国際機関との協力等の取組を進めるとともに、本年の持続可能な開発に関する世界首脳会議においても建設的に貢献をしていく所存です。
ヨハネスブルグ・サミットにおける我が国の対応についてのお尋ねですが、今後の持続可能な開発への取組の在り方について議論される今回のサミットでは、我が国自身の公害克服経験などを踏まえ、持続可能な開発のためには環境と開発の両立が重要であることを主張したいと考えております。また、京都議定書など、我が国の環境面での努力を十分にアピールするとともに、各国にも取組の強化を訴えていく所存です。
さらに、国際社会が戦略、責任、経験を共有することにより、持続可能な開発を実現すべく、地球規模の共有、言い換えますとグローバルシェアリングということですが、を提唱してまいります。我が国自身、水、森林、エネルギー、保健、教育などの緊急の課題に対して具体的な行動を起こす考えでございまして、我が国の知見や支援実績を生かしたプロジェクトを形成しましてサミットの成功に貢献したいと考えております。
広中議員御自身が森林等について相当の環境分野での貢献をなさっていらっしゃるということを私はよく承知をいたしておりますので、こういった森林についてもこのプロジェクトに加えていきたいと考えております。
加えて、政府のみならず、NGO、企業など幅広い主体の協力によりまして、全日本、オールジャパンとして、日本の主張、考え方、支援実績、努力成果について広報に努めまして、リーダーシップを発揮していきたいと考えております。
環境ODAによる太陽電池の需要拡大を推進すべきであるとのお尋ねでございます。
我が国は、ODAの中期政策にも記されているとおり、持続可能な開発の観点から、省エネルギーの推進、再生可能エネルギーの利用促進、環境への負荷の小さい技術の導入等の協力を実施しています。途上国において、太陽電池の活用等を通じましてエネルギーの安定的供給を確保することは、環境と開発の両立に資するとともに、保健、教育、給水など社会開発の改善を通じまして途上国の貧困削減にもつながります。
こうした観点から、我が国としては、ODAを通じ、太陽電池を活用した支援を実施する等、今後とも途上国における再生可能エネルギーの活用を支援していく所存でおります。
○国務大臣(福田康夫君) 広中議員にお答えします。
まず、政治亡命者や難民問題への今後の対応方針についてお尋ねがございました。
難民申請を希望する者の入国の問題も含めて、難民受入れの在り方等につきましては、国の内外における人道、人権に関する意識の動向、国際社会の中における日本の役割や関係国との関係等々も視野に入れながら、政府全体としてこの問題に真剣に取り組んでまいります。
次に、今後、公共建築物や学校に太陽電池等を義務付けるべきとのお尋ねがございました。
政府では、官庁施設において環境配慮型官庁施設の整備を進めるとともに、学校施設においてエコスクールのパイロットモデル事業を行うなど、太陽電池の設置や屋上緑化等を推進してまいりました。これらの施設に太陽電池の設置等を義務付けることは考えておりませんが、京都議定書の目標達成のため、今後とも率先してこうした取組を強力に推進してまいりたいと思っております。
次に、違法駐車の取締りについてお尋ねがございました。
交通流対策は京都議定書の目標を達成するための主要な対策の一つに位置付けられており、警察においても、信号制御の高度化などによって渋滞解消を図る高度道路交通システムの推進とともに、民間との連携を図りつつ、違法駐車の取締りの推進を含む路上駐停車対策をいろいろと工夫してまいります。
最後に、地球憲章についてお尋ねがございました。
地球憲章は、地球環境の有限性と人類の共同体意識に基づいて各人に行動を呼び掛ける文書でございます。国民が環境保全のための行動を主体的に取るようになるためには環境意識の向上が最も重要と考えており、政府といたしましても、環境問題に関する普及啓発等に努めてまいる所存でございます。
○国務大臣(竹中平蔵君) 広中議員から四点の質問をいただきました。
環境問題に対応した技術開発を行い、それを世界に伝えることで、国際社会における日本の名誉ある地位を占めるべきではないかというお尋ねでございます。
日本は人口と経済活動等とが高度に集中しておりまして、環境制約が世界で最も厳しい国の一つであると思います。これが結果的に環境問題に関心の高い国民のライフスタイルに影響を与え、新たな需要を喚起する契機となる、この点は大変重要であると思います。
こうしたことを踏まえまして、今年一月に示しました「改革と展望」の中では、温暖化問題を始めとします環境問題に総合的に対応することによって民間の技術開発や製品開発が活発化し、これが新たなライフスタイルないしはビジネスモデルが形成されるという考えを政府としても明示しているところでございます。この点は大変したがって政府としても重要であるというふうに考えております。
第二の、地球温暖化対策推進大綱の経済効果、雇用効果についてのお尋ねであります。
既に複数の研究機関によりまして、京都議定書の目標を達成するには経済へのマイナスの影響を伴うという試算が示されております。しかしながら、温暖化対策への取組が今後の持続的な経済成長や雇用創出などの契機となるように、環境と経済の両立に資する仕組みを整備、構築することは、これは極めて重要であるというふうに思っております。技術的に正確な効果を予測するというのは現実問題としては困難なわけでありますが、当面のマイナス効果だけではなくて、中長期のプラス効果に注目する必要があるというふうに考えております。
環境と経済・雇用を同時に達成する温暖化対策を今後の経済財政運営の基軸とすべきであるという御指摘がございました。
議員御指摘のとおり、この視点、両立の視点は非常に重要であるというふうに考えております。循環型経済社会の構築、脱温暖化の社会づくりなどへの総合的な対応によって、先ほどから申し上げているような、民間の技術開発、製品開発が活発化し、新たなビジネスが形成されて、そこに需要が生まれるというふうに考えるわけであります。
「改革と展望」の中では、この点かなり強調して、思想としては示させていただいたつもりでございます。これの仕組みを整備、構築する段階に今来ておりますので、六月の経済活性化の取りまとめの中でもそのような考え方を反映した政策を示したいというふうに思っております。
最後に、建築物の断熱構造などへの取組が雇用創出につながるというお尋ねでございます。
この目標を達成するための温暖化対策としては、過度の負担を回避して、負担そのものを公平にするように留意しながら、先ほどから申し上げているように、環境と経済の両立を目指すことが基本であると。このような視点から、省エネルギーに向けた取組が、温室効果ガス削減のみならず、日本の持続的な経済成長、雇用創出につながるよう、規制改革、産業化支援を推進していくと。
繰り返しになりますけれども、六月の経済活性化の中でこうした視点が反映されるように努力をしたいというふうに思っているところでございます。
○国務大臣(大木浩君) 地球環境問題につきまして大変に内外で御活躍中の広中議員から御体験に即した御質問をいただきましたので、逐次答弁させていただきます。
まず、中国の環境政策と我が国の協力についてでございますが、中国は、最近は工業化あるいは都市化の進行によりまして大変に環境が悪化しております。これはもうみんなが認めるところでございますが、中国自身もそのことは十分に認識しておりまして、環境保全対策の強化に努めておるところでありまして、温暖化対策につきましても、燃料の転換とか省エネ等については大変に積極的に取り組んでおります。
そこで、我が国といたしましても、我が国自体の公害経験あるいは温暖化対策についてのまた経験といったようなものを踏まえまして、中国に対しましては、環境については重要な協力国の一つとして、日中友好環境保全センターを通じた技術移転等々多くの協力を進めておりますし、今後もこれを強化してまいりたいと考えております。
次に、太陽電池の普及のことについてお話がございました。
これは、御提案のように、まとまった需要を確保すればメーカーの量産体制に導かれるということで、それは大量普及についてはそういった形でいろいろと今後も研究をすることが必要だと思っております。
学校についての太陽電池を設置することにつきましては、温暖化防止ばかりじゃなくて、またやはり環境教育の効果もございますので大いに進めたいと思っておりまして、既に文部科学省等々でいろいろと実際にも導入を促進しておられますし、環境省といたしましても、今後、こういった関係省庁とも御協力しながら、ひとつ議員の御提案も含めて、太陽電池の大量普及策を検討してまいりたいと考えております。
次に、サマータイムの問題でございますが、これは議員からもお話がありましたように、温暖化対策上も大変に有効な考え方だと思っておりまして、実は参議院の超党派の議員連盟等々で大変に熱心に導入の法案提出等も行われたようでありますが、各党の中でまだ残念ながら合意が得られていないというような状況だと承知しております。
ただ、私どもといたしましては、環境省といたしましては、今後とも、サマータイム制度の意義やその導入効果などについて広報活動を努めて、是非ともひとつ実現するように努力をしたいと思いますので、どうぞひとつ議員の方でも御協力をお願いしたいと思っております。
次に、環境意識を高めるための環境学習、環境教育が必要ということでありますが、これも当然でありまして、もうこれからは私どもも国民一人一人の環境意識を高めるために、もう幼児から高齢者に至るまでを対象とした環境教育が重要であるということで、このために、例えばですけれども、こどもエコクラブ事業などの環境教育に係る事業を推進してまいりたいというふうに考えております。
ただ、これ率直に環境行政の責任者として申し述べさせていただければ、まだまだそういった意味での環境意識を高めるためのいろいろな取組というのは十分ではないというふうに考えておりますので、その方策等につきましては、中央環境審議会でもいろいろと効果的な対策を研究していただいておりますし、また実際にNPOとの連携などについても検討してまいりたいというふうに考えております。
最後に、広中議員ももう自ら非常に御努力しておられます地球憲章についての問題でありますが、これにつきましては、私としては、地球憲章にも表されるような、いわゆる環境倫理が我が国社会に浸透して国民が主体的に環境保全に取り組んでいくこととなるように、環境教育、環境学習の推進、あるいは環境NPOの活動の支援などによりまして、国民一人一人の自主的、また具体的な活動が活性化するように努力をしてまいりたいと考えております。
以上でございます。
○国務大臣(塩川正十郎君) 私に対しては、三つの質問がございました。時間の制約がございますので、要約して御説明申し上げます。
まず最初に、税制の問題でございました。
いわゆる炭素税を作ったらどうだというお話がございまして、これは私たちも真剣に考えなきゃならぬテーマだと思っておりますが、原則といたしまして汚染者負担の原則に立って考えていきたいということと、それから特定財源のお話がございましたですが、特定財源は従来から見まして財政の硬直化を招きますのでいかがなものかと思っておりますが、なお一層の議論をしていただきたいと思っております。
それから次に、予算の編成、概算要求を八月に据えてやっておるということでございますが、もっと変更できないかという御要望でございますが、大体、財政法によりまして、予算決算の扱い方というものが前と後ろがきちっと法律で決められております。それは何かといいましたら、予算決算の会計令というものがございまして、この第八条で、概算要求を八月三十一日までに提出せいということが法律で決められておるということが一つ。それから、一月中に予算の提出を、国会開会前に提出せいということが法律で決められております。
そういたしますと、通常国会の終了が大体六、七月ごろでございますんで、予算、概算要求を編成する機会がどうしても七月、八月に集中せざるを得ないということが一つございますことと、それから、予算の提出が毎年一月でございますので、十二月中に印刷してしまわなきゃならぬということがございますので、この時間的な制約ございまして、なかなかこの変更が難しい、法律事項でございますので、御了承いただきたいと思っております。
それから次に、ETCの普及についてでございますが、私もこれはちょっと遅いなと思っております。もっと早くこれはやっぱり普及さすべきだと思っておりまして、このことにつきましては、国土交通省と協議をいたしまして、促進をいたしたいと思っております。
なお、現在、ちょっと状況を御承知いただきたいと思うんですが、五月二十日現在どうなっておるのかと調べさせました。そういたしますと、大体一日にETCを利用していただいている車が十三万台あるそうでございまして、高速道路全利用者の中の二・二%。いや、余り、ちょっとちっこいですね、まあ少ないなと思っておりますが、そのうち首都圏が割と普及しておりまして、首都圏は約三%使っておりますが、全国で見ましたら二・二%ということになりまして、一層普及に努めていきたいと思っております。
○議長(倉田寛之君) これにて質疑は終了いたしました。
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