第154回 外交防衛委員会
2002年4月25
日(木)

○外交、防衛等に関する調査
 (外務省改革に関する件)
 (非核三原則に関する件)
 (在日米軍基地に関する件)
 (防衛庁長官の訪中延期に関する件)
 (パレスチナ紛争に関する件)
 (ODAに関する件)
 (総理の靖国神社参拝に関する件)
 (有事法制に関する件)
 (国連安保理改革に関する件)
 (NGO支援に関する件)
 (日米安保体制に関する件)

☆答弁者

中谷 元防衛庁長官
川口 順子外務大臣
杉浦 正健外務副大臣
外務省経済協力局長 西田 恒夫 君


広中和歌子君 民主党の広中和歌子でございます。
 さて、防衛庁長官、五月の連休にせっかく中国に御訪問になろうという予定でいらしたのに、中国から断られてしまった。
外交的には大変失礼なことではないかなと思うんでございますけれども、どのようにお考えになっているのか、そして断られた理由は何だというふうに認識していらっしゃるか、まずお伺いいたします。

国務大臣(中谷元君) 私といたしましては、日中の防衛交流は大変重要なものだというふうに受け止めておりまして諸般の準備を進めていたところでありますが、今般の延期については残念であるというふうに考えております。しかしながら、相手国の事情や立場もあるものでありまして調整が必要でございますので、今後、都合が付く時期になりましたら実現できればいいというふうに思っております。

広中和歌子君 相手国にも事情と立場がおありでしょうというふうにおっしゃいましたけれども、理由もなくお断りになったわけですよね、あちらは。ですから、こちらとしてはどういうことなんだろうかと推測なさるんだろうと思いますけれども、どのようにお考えでいらっしゃいますか、原因は。

国務大臣(中谷元君) 中国の見解につきましては、中国政府の発表に基づくものでございます。

 我々といたしましては、この日中間の交流等につきましては、今後のアジアの安定やまた日中関係にとって大変重要なものでありまして、我が国の真意また姿勢をよく説明するということが重要でございます。特に、安全保障に関しましては、当局間の話合いの窓口は常に保ちながら対話と交流を進めていくべきものでありまして、我が国の立場や事情がよく御理解いただけるように更に努力をいたしたいというふうに思います。

広中和歌子君 防衛庁長官のおっしゃること、誠にまともなことでございまして、あちら側が理解してくださらないというのは大変残念なことでございますけれども、お断りになった理由として何かおっしゃったわけですよね。それとも、ただいきなり断って、理由もなしに断っていらしたわけですか。

国務大臣(中谷元君) 理由につきましては、二十三日に中国の国防部より在中国の日本大使館に対して、現在の中日関係にかんがみ、防衛庁長官の訪中及び中国艦艇の訪問を延期するという旨の連絡がありまして、我が防衛庁といたしましても延期を決定をしたわけでございます。

広中和歌子君 勘ぐってはいけないのかもしれませんけれども、総理の靖国神社訪問というのが直接の引き金かなというような勘ぐりをするわけでございますけれども、日本政府は総理の靖国参拝についてどういうふうにあるべきだというふうにお考えでいらっしゃいますか。

国務大臣(中谷元君) 靖国参拝につきましては、小泉内閣の考えといたしまして、総理の方からも、この問題についてはそれぞれ閣僚の中でもいろいろと考えがあるのであって、それぞれ個人の思いに従って行動をするべきだということでございます。

 総理の参拝につきましては、小泉総理の御自分のお考えでなされたものでございまして、閣僚である私も、その小泉内閣の方針から、この点についてはそれぞれの思いで行動をなされたというふうに認識をいたしております。

国務大臣(川口順子君) 総理は、所感でもお述べになっていらっしゃいますように、明治維新以降の国のために命をささげられた方々に追悼をするということで、二度と悲惨な戦争を起こさないという不戦の誓いを堅持することが大事ということをお考えで靖国神社に行かれたとおっしゃっていらっしゃるわけでして、また、終戦記念日やその前後の参拝にこだわって、再び内外に不安や警戒を抱かせることは総理の意に反するところだとお述べになっていらっしゃるわけでございます。

 外務大臣としましては、今後、日中両国の関係が未来志向型で、そういう意味では韓国も同じでございますけれども、未来志向型で協力関係を築いていけるように努力をしたいと考えております。

広中和歌子君 靖国問題について日本政府、そして各閣僚によって本当にしょっちゅう違うというのか、変わるわけでございますけれども、やはり日本として基本的な認識を持ち、統一的な行動をしていくことが必要なんではないかなと。つまり、訪問した、しない、そのたびに隣国にいろいろ意見を言われるということは、我が国の国民感情にとっても余り好ましくないことと思いますが、外務大臣、いかがでございましょうか。

国務大臣(川口順子君) ちょっと今手元に紙がありませんけれども、政府として靖国神社の参拝に関してどう考えるかということは、内閣として、あるいは内閣法制局だったかもしれませんけれども、見解が、あるいはその統一的な考え方というのは存在をすると私は思います。少なくとも現時点ではあると思います。そういう考え方に従ってそれぞれ閣僚の方が今お考えになっていらっしゃるということだと思います。

広中和歌子君 この部分については、今ちょっと思い付いて質問したので御準備いただいていなかったかもしれませんけれども、是非教えていただきたいと思いますし、我が国は主権国でございますから、もちろん周辺国に配慮しながら、きっちりとした態度を表明なさり、そして統一的な行動を今後なさる方がよろしいんではないかと思う次第でございます。

 それから、防衛庁長官は、我が国の防衛をつかさどる省庁の長官でいらっしゃるわけですけれども、戦前に亡くなった方、戦後、日本の国のために戦って亡くなられた方、その戦争がどのような戦争であるかは問わず亡くなった方がいらっしゃるわけで、その方が祭られているところを参拝なさるということに対して、防衛庁としてはどのような今まで態度を取ってこられたか、お伺いいたします。

国務大臣(中谷元君) 参拝のありようにつきましては、それぞれ防衛庁長官が対処してきたわけでありますが、私は、国のために犠牲になられた方に対する哀悼の念というものは持っておかなければなりませんし、また、心ならずも家族を失い、また友人を失い、また国のために命をささげられた方々に対して衷心から哀悼の意を行うということは必要でございます。

 今後の参拝のありようにつきましては、内閣としても懇談会を設けまして、心から内外ともにその哀悼の意が示せるような、理解いただけるような施設の在り方について現在お考えになっておられるというふうに伺っておりますので、それの検討を注目いたしたいというふうに思います。

広中和歌子君 いずれにいたしましても、内閣によって右に振れ左に振れるのではなくて、やはりきっちりとした態度を取られる、あるいはそれに対して、靖国問題に対してきっちりとした対応を取られた方がよろしいのではないかと申し上げて、この部分の質問を終わらせていただきます。

 次に、これもまた大変難しい質問なんでございますけれども、国家基本政策委員会というのがございまして、両大臣とも御出席だったと思います。

 そこで、小沢一郎自由党の党首がこのような質問をしております。
つまり、自爆テロは犯罪かということを総理に対して質問しているわけでございます。パレスチナ人の行動を総理はやはりテロ行為だというふうに認識なさるのか、あるいはパレスチナ人の自治を要求する民族の抵抗運動であるというふうに考えるのか、そのことをお聞きしますと、そのような質問に対して、総理はお答えになっていないんです。つまり、暴力の連鎖、この事態に私は大変憂慮しておりますとか、中東問題は日本にとっても死活問題である、単に言葉の定義だけではなく、細かい配慮の上にできるだけの努力をしていきたいというようなことで周辺をお答えになっているんですが、自爆テロは犯罪かということに関してお答えになっていないんですが、外務大臣はどのような見解をお持ちでいらっしゃいますか。

国務大臣(川口順子君) 自爆テロという言葉がありますけれども、基本的にはテロリズムという言葉の定義というのははっきりしたものが存在しているわけではないと思います。国際的にも様々な議論がこの点についてはありまして、一般的には、特定の主義主張に基づいて国家等にその受入れを強要したり、社会に恐怖を与える目的で人を殺傷する、人の殺傷行為を行う、これを指しているというふうに考えられているわけでございます。この場合、個人が一般人を無差別に巻き込んで殺傷をするというのが自爆行為でございますから、自爆テロと言われているものですから、そういう意味では、これはテロと言われてもやむを得ないものであると思います。

 したがいまして、我が国の立場というのは、この過激派のテロ、一般人を無差別に殺傷する過激派のテロというのは容認できないという立場でございまして、そういったことをやめるように、パレスチナに対しては過激派テロを取り締まるようにということを言っているわけでございます。したがって、犯罪かどうかということでいえば、これは犯罪であると思います。

広中和歌子君 それをパレスチナ側にも伝えていらっしゃるということでございますけれども、アラファト議長は一応、テロをやめるようにと同胞の方々に呼び掛けたわけでございますけれども、テロは依然として続いて、自爆テロは依然として続いているという現状、これについてどのような見解をお持ちでいらっしゃいますでしょうか。アラファト氏の統治能力そのものに問題があるのではないかというような考え方は単純過ぎるんでしょうか、お伺いいたします。

国務大臣(川口順子君) テロをやめるようにということは、私はパレスチナ側の人とお会いをするたびに、あるいは電話でお話をするたびにお伝えをしているわけでございます。

 委員がおっしゃられましたように、この前、アラファト議長が自爆テロをやめるようにということを発表をしたわけでございまして、その後、私はゼロになったかどうかということはちょっと確認していませんけれども、自爆テロは相当に減ったというふうに認識をしています。

 アラファト議長の統治能力ですけれども、この方に統治能力があるかどうかということを日本政府として公的に申し上げる立場にはないと思いますけれども、アラファト議長が選挙によって民主的に選ばれたリーダーであるということに違いはないわけでして、これは、この認識は国際社会で共有をされていると思います。

広中和歌子君 日本は、新聞報道によりますと、パレスチナに緊急人道支援として三百三十億ドルという非常に大きな額のお金の支援をなさるようでございますけれども、そのような戦闘が続いている中におきまして、焼け石に水というんでしょうか、ざるで水をくむような、そのような支援になるんではないかなというようなおそれを持っておりますが、いかがでございましょうか。

副大臣(杉浦正健君) 先生のおっしゃりたい気持ちは一面よく分かりますが、パレスチナの状況を報道等であるいは現地からの報告で見ておりますと、極めて悲惨な状況でございます。被占領地域においては食べ物も手に入らない、医薬品もない、水道の施設も破壊されて水の供給もままならないという地域がかなりあるようでございます。

 そういう惨状にかんがみまして、全く人道的支援から食糧、あるいは仮設住宅も含んでおりますが、一部水道施設復旧等も緊急復旧等もございますが、国連、これはUNDPが窓口になっておるわけですが、各国協力して緊急の人道的支援をやろうということでございます。最低の支援ということで協力いたすわけでございます。金額は三百三十万ドル、日本分担分はですね、そういうことでございます。

広中和歌子君 今回に限らず、イスラエルというのは、少なくともあの中東地域で絶大なる圧倒的な軍事力を持っている国でございます。
 判官びいきという言葉がございますけれども、判官びいきというのは日本人だけではなくて、世界じゅうの人がやはり判官びいきになるという傾向はあるんではないかと思います。

 イスラエルの首相のシャロン氏の行動のために、非常に強引だという声が世界じゅうから上がっているわけですけれども、再び反ユダヤ主義というのが台頭するんではないか。ユダヤ人というのは何もイスラエルだけに住んでいるんじゃなくて、世界じゅうに住んでおります。そういう中で、かえってユダヤ系のアメリカ人、ユダヤ系のヨーロッパに住んでいる人たち、そういう人たちに対する何というんでしょうか、反感が高まるんではないかなといったような心配もなされるわけでございます。

 先ほど、フランスで大統領選挙が行われて、最終的には決選投票になったんですけれども、シラク大統領とともに候補に残ったのはジョスパン氏ではなくて、ラパン氏というんですかルパン氏というんですか、ラパン氏であったと。この方は極右というふうに言われておりますけれども、反ユダヤ主義であり、そしてまた移民政策に対して非常に批判的である、そのような方が少なくともフランスの中で大きな支持を得て大統領候補の決選に残るということ。それはやはり憂慮すべき、よその国のことではありますけれども、事態ではなかろうかと思うんですが、外務大臣の御見解をお伺いできたらと思います。

国務大臣(川口順子君) まず、イスラエルの今度の動きをめぐって世界の人々の中に反ユダヤ感情が高まるのではないかというお話がございましたけれども、そういうことになるかどうか、ちょっと私はよく分かりませんが、いずれにしても、今度のパレスチナ、イスラエルの紛争をめぐっては様々な立場、意見が既に表明をされていますし、それが今後の国際的な政治、経済、あるいは各国の選挙、その他に影響を与えていくというふうに私も思います。

 フランスの右翼と言われるルペン氏が第二位になったということでございますけれども、これもよその国の選挙のことでございますので、私の立場で何か申し上げるというのは適切ではないと思いますけれども、やはり現在、いろいろ世界の各国で、経済にせよ、それから社会的な問題にせよ、様々な問題があるわけでございまして、そういった問題を背景にそれぞれの国の国民が選択をしているのかなと思っております。

広中和歌子君 それから、ジェニンというパレスチナの領土で虐殺が行われたんではないかということで、国連のアナン事務総長のイニシアチブでジェニン調査団というのが派遣されることになったのをイスラエル側の都合で延期されたことについて、日本側としては何らかの意思表示をなさいましたでしょうか。三人の調査団の中には我が国の緒方貞子さんが含まれているわけですが、これはどういう形で解決されるというふうに思っていらっしゃいますでしょうか。お伺いいたします。

国務大臣(川口順子君) ジェニンの虐殺調査のための国連調査団が、イスラエル政府が受入れについてまだ調整が必要だとしているということにつきましては、私どもとしては、一日も早く調査団が現地に赴くことができる、そして調査をし、真相が明らかになるということを望んでいるわけでございます。

 昨晩、私は緒方さんと電話で話をさせていただきましたけれども、ジュネーブで今後どういうことでやっていくかという国連の中での打合せをやっているということでございまして、だれがどういう担当になるとかそういうことを、国連の方としては、調査の具体的なことを決めながら、同時にイスラエル政府との間で調整を行っているということだと理解をしております。

広中和歌子君 多分、人数を増やすことによって解決していくんではないかと思いますけれども、しかしながら、こうした調査は一日も早く行われなければ、瓦れきの下にまたどういう、生き埋めになっている人もあるかもしれないというようなことを考えたりすると、やはり一日も早く実行されることを望んでおりますので、我が国としても何か外交ルートを通じてのプレッシャーを掛けていただきたいとお願いする次第でございます。

 では、テーマを変えまして、外務省の改革に絡んでの、一連の改革に絡んでの御質問でございますけれども、鈴木宗男議員の問題などでODAに対する関心が再び盛り上がっているというんでしょうか、そういうことになっているんではないかと思います。

 それで、ODA改革についてお伺いいたしますけれども、これはもう非常に歴史が古くて、議員の中からも議員立法で、例えば田英夫さんを中心として、あるいはその後、鹿野道彦さんとか、いろいろな議員立法も出ておりますし、そしてまた、経団連の方もODA改革ということを言っているわけでございます。そういう中で、我が国のODAというのもいろいろに形を変えながら、何というんでしょうか、非常に、実効性というのか、高まっているというふうに私は理解しておりますけれども、やはり、これからより効果的なODAを行っていくための改革というものを今日この場で議論させていただければと思う次第でございます。

 まず第一に、一元化の問題ですね。それについては、外務省としてはどのようなお考えでいらっしゃいますでしょうか。

政府参考人(西田恒夫君) お答えをいたします。
 委員御指摘のとおり、これまで、ODAにつきましていろいろな点からの、改善をめぐりまして国会におきましてもいろいろ御議論をいただいております。そのような論点の、主要な論点の一つが、例えば日本の技術協力というものが非常に各省にまたがっていて一貫した一つの統一的戦略がないんではないかというような観点から、今御指摘のような一本化というような指摘がこれまでずっとされてきたというふうに理解をしております。

 御案内のように、現在の、例えば本年度の予算につきましても、全体のODA予算一〇%カットがございまして、約九千億円でございますが、外務省がそのうちの五割強でございまして、財務省が三割、それ以外は、文部科学省以下他の省庁にまたがって技術協力が行われております。

 ただ、文部科学省の場合に、多くの場合、留学生という形でございますので、これをちょっと外させていただきますと、各省庁さんがやっておられる技術協力は実は量的にはそれほど大きいものではないという実態がございまして、JICAが行っております、つまりJICAを通じての技術協力が、現在、日本の技術協力の全体の過半を占めているという状況になっておりますので、一般的には状況は改善をしているというふうに考えております。

広中和歌子君 それぞれの省庁が、農林省であるとか経済企画庁、今何というんだっけ、経済産業省とか大蔵省であるとか、それぞれが得意の分野でODAをするというのは一見非常にいいことであるし、また、人材はそういうところから提供していただくということに対しても、私は決して反対するものではありませんけれども、やはりそれをまとめるような援助庁あるいは援助省でもよろしいですけれども、そこに専門の大臣なりあるいは長官なりを置くことによって、要するに、きっちりと我が国のODAの姿が見られるような、そういう形に整えていくという方向を取られることが必要なんではないかと思いますが、外務大臣、どのようにお考えでいらっしゃいますでしょうか。

国務大臣(川口順子君) 私は、ODAについて今大事なことは、ODAのお金がきちんと使われている、効率的に透明性を持って使われているということを確保するということであると思っております。それで、また同時に、ODAを実施するときに、ODAがその問題を熟知している人間によって実施をされるということも大事だと思っております。その二つを踏まえて考えますと、大事なことは、各省が連携をきちんとし、かつ、どこがやるにしてもその効率性、透明性が確保されるようなルールがきちんとあるということが大事であると思います。

 一つの組織にまとめた方がその点が確保されるかどうかということでございますけれども、私は個人的には必ずしもそう思っていないわけでございまして、例えば、私は環境省で環境関係の国際協力を若干やりましたけれども、やはり環境の分野で何が必要である、どういう例えばNGOの人がいるということは環境省が一番よく知っているということもあるわけでして、それが一つの省庁に、一つの組織にまとまったときにそういったことがきちんとよりよく確保されるかということは、これは議論をしてみないといけない、かなりきちんと議論をしないといけないと思います。

 ですから、先ほど申しましたように、連携がきちんとあるという、これはきちんとやらないといけませんけれども、ある形で解決をしていくのか、一つの組織でまとめてやっていくのか、これは議論をする必要があって、当然の話として一つの方がいいということは必ずしも言い切れないのではないかと思っております。

 それから、もう一つ申し上げたいんですけれども、外務省がODAをやるのか国際協力庁のようなところがODAをやるのかという、これもかなり長い古い問題があるわけでございまして、いろいろな議論がずっとなされているわけですけれども、私は、外務省に来まして外務大臣としてODAを見る立場に立って今考えておりますのは、やはり外交をやる目的、今度のパレスチナの援助等を考えていただければよくお分かりいただけると思うんですが、外交をやる立場の人間がODAについてかなり発言権を持ってできるということが確保されることが大事だと思っております。

 例えば、先般、三百三十万ドルという緊急人道援助を発表させていただきましたけれども、こういうことは、それが外交の観点から必要であると考えたときに直ちにできるということでないと意味がないわけでございまして、それを外務省でなくて国際協力庁のような全部のODAを一つにまとめたところに持っていった場合により効果的にできるかというと、私はそれはそうではないんだろうと思っております。

 そういう意味で、国際協力庁構想については、若干の正直申し上げて議論をもう少しする必要がある、あるいは一部についてはその方でない方がいいではないかというような感想をただいま持っております。

広中和歌子君 この議論は非常に長いこと行われているということをまず指摘したいと思いますし、よその国といっても先進国ばっかり挙げて恐縮ですが、イギリスの場合でもフランスの場合でもカナダの場合でもアメリカの場合でも、皆それぞれ国際開発省とか対外協力省とか、そういうふうなものを持っていらっしゃるわけですね。我が国だけがそれぞれ別々にやった方がいいと。我が国は、こんなことを言っては失礼ですけれども、正に縦割り行政ということでは今まで、少なくとも今までは有名でございまして、そういうところでそれぞれに分かれてやる方が効果的だと。それぞれの省庁のアイデアは直接出るかもしれないけれども、結果として、総合的に日本の援助として見た場合にそれが効果的であるかどうかということでございます。先ほど大臣は、透明度があっていい効果が出ればいいとおっしゃいましたけれども、小さな効果であるのかより大きな効果であるのかというようなことも問題でありますし、効率的な、効率性ということも問題であると思うわけです。

 今、私が何も申し上げるまでもなく、グッドガバナンス、良い統治ということが求められているわけでございますけれども、そういう視点に立ちまして、今、十三省に分かれているODA予算であるとか、そしてその執行体制、そういうものも考える必要があるんではないかと。つまり、効率化ですよね。

 例えば、JBICとJICAがもっと協力してもいいんじゃないか。仮に一つにならなかったとしてもその協力体制というのは十分行われているのか、一つの屋根の下に入った方が協力しやすいんではないかというのはもうだれでも思うわけですけれども、JBICとJICAの協力、それから民間の人材の登用と連携、それから人材育成、それから開発シンクタンク。例えば、アジア開発銀行、ADBと日本開発銀行、JBICがそれぞれシンクタンクみたいなのを持っていると。もちろん、それぞれ独立してやってもいいんですけれども、同じことをたまたま研究しているということもあるかもしれないし、そういうようなことで、限られた予算を有効に使う、より有効に使う、有効ではないと申しませんけれども、これから更に有効に使うという意味では、やはりコーディネーションをつかさどる機能として国際協力庁みたいなもの、あるいは省でもいいです、設置を是非積極的に緊急に検討していただきたいと思う次第ですが。

政府参考人(西田恒夫君) お答えをいたします。
 委員御指摘のとおり、やはり一つのところで全体を総覧するという機能が必要だということは御指摘のとおりだろうと思います。

 大臣からも御説明しましたように、それが国際協力庁でやるかどうか等については慎重に御議論をお願いしたいと思っておりますが、一つ二つ、ちょっと事実関係だけを申し上げたいんですが、委員の方から御指摘のございました、ほかの国においては独立したいわゆる援助庁というものがあるんではないのかということにつきましては、確かにイギリスのようなのは非常に顕著な例でございますし、ドイツもそうでございます。

 しかしながら、例えばアメリカの国際開発庁は、組織としては確かに独立をしたという形になっておりますが、実際上、これは法律にも明記されているとおり、国務省、国務長官の指揮命令下に入っておりまして、アメリカのやっております外交政策と機動的に連携し合うというのが仕組みの上からもこれは確保されております。

 それから、フランス、イタリー、カナダも、これは皆それぞれ向こうの方はかなり内閣が替わったりしますと制度がかなり柔軟に変わっていくということもございますが、現在の時点では基本的に外務省ないしは外務貿易省がODAの政策企画立案に主たる役割を担ってきておりまして、そうでない非常に独立性の高いのがイギリスとドイツということは御指摘のとおりだろうと思います。

 それから、JICAとJBICと、今、経団連の御提言も、政策部分の一本化と同時に執行部分でも一本化したらどうかということで、その執行部分を一本化できないかという御指摘だと思うんですけれども、これにつきましては、御案内のように、JBICがかつてのOECFと輸銀が一緒になりまして、広い意味での資金協力を行うという団体として九九年にでき上がりまして日が浅うございますが、その中で、資金協力をやっていくJBICとそれから技術協力に専念しておりますJICAとの間の連携はそれ相応に進んできておりまして、JBICがやっております経済協力案件の相当数を実は事前にJICAのスキームを使って調査あるいは評価等も行っておりますので、このような協力は更に進めてまいりたいというふうに考えております。

広中和歌子君 だれが頭になるかと。事実上外務省であることも私は当然だろうと思いますし、それから総理の直属としていろいろ外交政策の一環としてODAが行われるということも大変結構だろうと思いますけれども、少なくとも今のままのやり方であっては余りにもちょっとばらばらという印象を持つわけでございます。

 それから、ODA基本法なんですけれども、協力法と言ってもいいんでしょうか、これも私どもこの国際問題調査会などで小委員会でも議論いたしまして、こうした基本法を出すの出さないのということで、出す方向で決まったわけですけれども、いまだにそれが具体化していないことについて、外務大臣、お考えをお聞かせいただければと思います。

 その中には、今でも透明度を高めるために努力はしていらっしゃると思いますけれども、やはりODA予算の使った後ですよね、使う前だけではなくて使った後もやはり国会議員の、何というんでしょうか、がそれを審査するというんでしょうか、そういうふうなこともたしか基本法の中に入っていると思うんですが、どのようにお考えでございますか。

国務大臣(川口順子君) ODAの今の仕組みについて、委員がおっしゃられますように、様々な観点からこれは不断に改善をしていくための努力が必要だと私も思います。

 基本法の制定でございますけれども、これは、ODAの透明性を確保して国民の理解を得るための一つの方法といたしまして、今までおっしゃったような御提案も、お話も含めまして、国会の場で議論をされてきているというふうに承知をいたしています。

 それで、ODAを進めていくときに考えていかなければいけないこととして、先ほど申し上げたような外交上の判断であったり、それから機動性であったり、いろいろな要素があるわけでございます。そういったODAの性格をきちんと認識をし踏まえて、この基本法の制定については慎重に検討をしなければいけない部分があると思いますので、やはり対応としてはこれは慎重に考えていくべきものではないかと私は思っております。

 それから、ちょっと話が前に戻って恐縮でございますけれども、一番冒頭の御質問で、内閣の靖国についての見解について法制局で見解があったと思うということを申し上げましたけれども、これはきちんと申し上げないといけないんですが、私が頭に置いていた内閣として考えていることというのは、憲法との関係で靖国をどう考えるかということの官房長官談話のことが頭にありまして、それを申し上げたわけでございまして、現在の考え方ということで申しますと、これは基本的に中谷長官が先ほどおっしゃったような形でございまして、総理の談話があって、あと閣僚がそれぞれの立場で判断をしていくと、そういうことであると思います。ちょっと訂正をさせていただきます。

広中和歌子君 どうもありがとうございました。
 じゃ、ODAに話を戻させていただきます。

 二〇〇二年の三月に国連開発資金国際会議というのが、たしかメキシコで開かれたと思います。外務大臣は御出席になれなかったわけですけれども、これは九月十一日、昨年の九月十一日のテロを受けての大きな会議でございまして、貧困がテロを生み国際社会を不安定にしていることが確認されたということでございますが、日本からはだれが御出席になって、どのような御発言をなさって、どのような印象を受けて帰られたか、まずそれをお聞かせいただきたいと思います。

国務大臣(川口順子君) ちょっと具体的なことを今確認をさせていただきたいと思いますので、しばらくお時間をこの点についていただければと思います。

広中和歌子君 そうですか、はい。
 いずれにしても、私が聞いているところによりますと、貧困がテロを生み国際社会を不安定にしていくことが確認されたと。したがいまして、ODAに対してというか、貧困の解消に向けて世界各国が協力をしようと、そういうような方向に、方向付けがなされたんではないかというふうに理解しているんですが、それでよろしいですか。

政府参考人(西田恒夫君) 御指摘のとおりだというふうに理解しております。

広中和歌子君 その結果として、その前からもやっているんですが、EU諸国やアメリカはODA予算を増やしておりますよね。日本はODA大国だからこれ以上増やす必要はないんだということなんだろうと思いますけれども、しかしながら、減らしていく方向というのはどうなのかなというような感じがいたしますが、我が国の今後のODAに対する考え方、方向性はどうなるんでしょうか、お伺いいたします。

政府参考人(西田恒夫君) お答えをいたします。
 正に委員御指摘のとおり、それまで経済協力についてはどちらかといえば慎重だったブッシュ政権が非常に大胆なイニシアチブを発揮しましたし、EUの方も、いわゆるこれは質の方のあれでございますが、〇・数%目標についてこれも大胆な提言をしたということで、ほかの欧米のかなりの国においては援助疲れの時期を脱しつつありまして、むしろODA予算についても質、量ともにこれをもう今後増やしていくという姿勢がかなり強く鮮明に出ました。

 御案内のように、日本側は、現時点におきましては、正にこの前御審議をいただきました今年度予算につきましては、大変に厳しい状況で一〇%カットとなった中で、何とか質の面でより中身の充実したサービスあるいは協力を提供するという形で、日本型というんでしょうか、アジアで成功してきておりますものですから、この辺、日本型の援助というものの経験を踏まえてどういう協力ができるかということで、知恵を絞らせていただいているところでございます。

広中和歌子君 額も私は増えた方がいいと思っておりますけれども、増えないような現状であるならばもっと質を高めるということが非常に大切だと思っております中で、小規模支援ということについてお伺いいたします。

 これは、自助努力を助けるという側面が非常にあるわけでございますけれども、また同時に、非常に人手が掛かるわけですよね。言ってみればレーバーインテンシブという、そういう感じじゃないかと思います。今の日本のODA体制ではとてもじゃないけれども手が回らないからと言っては悪いんですが、大規模支援ですと、ばんと上げてそして大きく見守るということでいいわけですけれども、小規模支援というのはなかなか人手が掛かる。

 私があるとき、世銀のマクナマラ総裁、もう今お辞めになって大分なる方ですけれども、何で小規模支援というのは少ないんでしょうねと、あるいは小規模ローンですよね、そうしましたら、やっぱり人手が掛かるからだと。そして、特に世銀などのトップにいる人は、小さな支援、つまり同じ百億ドルを一つのところに渡すのと百口に分けて渡すのでは、手間が非常に掛かるし、また問題も起きやすいと、そうすると問題が起こるようなところを支援したがらないんだというようなことを個人的にお話ししてくださったことがあるんですけれども。外務省のODAもちょっとそんなところがあるんじゃないかなと思います。

 そういう問題、人手を増やせないという、人手が足りない、人手を増やせないというような状況があるんだったらば、ほかにもやり方があるんではないかと、それがNGOとの協力体制だろうと思うんですけれども。

 今、少なくとも今までは日本での小規模支援に割く金額というのは非常に少ないんではないか。今どのくらいというふうに把握していらっしゃいますか。

副大臣(杉浦正健君) 小規模無償は今、今年度予算で百億円でございますが、急激に増えてまいりました。この小規模無償については、先生のおっしゃるような問題点、ほかにもございます、幾つかございまして、西田局長とはやっぱり改善するようにしなきゃいかぬなという話をしております。

 諸外国の小規模無償と日本の小規模無償と違いますのは、要請主義という枠が外れておるんですね、日本のは。諸外国はたしか要請主義のところにも少額無償は使えると思うんですが、そこのところが一つ問題点があります。

 要請主義じゃないというところは非常に強みでございまして、向こうの政府の要請がなくとも、私どもがいろいろと考える支援はきめ細かくできるという長所がございます。長所がございます。反面、もう少しその点緩めてもいいんじゃないかという議論もあるわけでございまして、当初、先生がおっしゃった人手が足りないという、人手は掛かります、自前でやるわけですから。要請主義の場合は向こうがやるので、それに対してお金を付けるわけですから向こうの人手をうんと使えるわけですが、こちらがやる場合には、もちろん相手がおりまして協力も得られますけれども、相当こっちのマンパワーも要るという点がございます。

 ですから、最近の少額無償の傾向として、私は大艦巨砲主義だと言っているんですが、少額でも物すごく有効な支援があるにもかかわらず、金額が大きくなっていく、一件当たりの。例えば一千万円ぐらいのものもある。例えば百万円でも物すごく効果が上がるのがあるんですね、向こうの実情に応じて。細かくすると人手は掛かると、もう一千万円も百万円も変わらないぐらい掛かるわけですね。そうすると、どうしても大使館は、予算が増えると人手が足りないから金額が大きいものになるという傾向があるんじゃないかということは、経協とは話しておるんです。

 そういった様々な問題点がありますが、非常に意味のある事業でございますんで、先生のおっしゃったNGOとの、NGOに供与しているのもあるんですよ。NGOと協力してやっている部分もございますが、これはいろいろな面で検討していかなきゃならない分野だというふうに私は思っております。局長、何かあれば。

政府参考人(西田恒夫君) 一言だけ、事実関係の御報告でございますが、今、副大臣から御説明いたしましたように、平成元年度にできてわずか十年ちょっとでございますが、当初三億円だったものが百億円まで伸びております。それから、確かに人手が足りないというような実情ございまして、これについても現地の、ローカルの人を雇って言わば大使館のお手伝いをしてもらうというような予算の手当てというのもするように努力をいたしてきております。

 それで、非常に評判がいいスキームでございまして、そういう意味では、一つの援助の額が増えているのはいろいろな事情ございますが、そのうちの一つは、やはり先方の方の希望というものが、どうしてもより小さめのより、より大きなものがという要請が、希望が寄せられてきているという面もあろうかと思います。

広中和歌子君 百億円に増えたというのは非常に日本にとってはすごい達成感があるのかもしれませんけれども、本当に残念で、ODA予算の一%前後ですよね。ちなみに、米国では一七%、ドイツでは七%、ノルウェーでは二〇%。いずれにしても、比較にならないぐらい大きな額を小規模支援に割いているということでございます。

 そのほか、日本の仮にNGOを通じての支援というものをこれから増やしていくにいたしましても、非常に使い勝手が悪いということが指摘されております。補助金を与えられたNGOはそれを現地で直接使うことになっておりまして、国内経費だとか人件費、そういうものに使えないわけですね。だけれども、これはお金だけ与えて無駄にしろと言っているようなものでして、やはりそうした陣容というんでしょうかスタッフ、ロジスティックスとか、そういうものがしっかりしていないところにお金を上げても、正に無駄遣いになるんではないかと思います。

 イギリスでは、プロジェクトの一〇%を、そうしたものに、まで割いてもいいということになっておりますし、それから、ちょっとこれは話が違いますけれども、例えば政府のいろいろな援助、例えば学術研究の費用なんかでも、アメリカの場合だったらオーバーヘッドという、そういうものが三〇%、四〇%、多いところでは五〇%。そういうスタッフの支持、支援がなければ研究も進まないということでして、ODAの場合も、やはりそうしたサポートとかすばらしい人材がいなければいいプロジェクトは進まないんではないかと思いますが、この点についてどうでしょう。

政府参考人(西田恒夫君) 御指摘のとおりでございます。NGOの方々からこれまでの累次にわたりそのような希望が表明されてきております。政府としましても、JICAを含めいろんなスキームでこれに対応するよう努力はしてきておりまして、現時点でも、現地における活動との関連におきます人件費あるいはある種のオーバーヘッドを認めるという努力はいたしてきております。

 このような考え方に基づきまして、今年、本年度におきましては、NGO支援には前年度比四十数%実は予算をたくさんいただくというような成果も出てきておりますので、これを更に使いやすい形にどこまでできるかということを今財務当局と一生懸命議論をしているところでございまして、そのような中で、何とかNGOの方の御希望により積極的にこたえられるような努力をしておりますが、現時点でも全くできないということではないということだけちょっとお話ししておきたいと思います。

広中和歌子君 それから、単年度主義というのも問題なようですけれども、いかがですか。つまり、一つの支援というのは数年掛かりでやらなきゃならないのに、やり始めたけれども、次の年予算が付くかどうか分からないというようなことがございますよね。その点について、どうでしょうか。

政府参考人(西田恒夫君) これは日本の財政制度全般にかかわる話でございますので、一ODAの観点からのみ議論すべきことではないと思いますが、ODAが対象にしておりますいわゆる開発という観点から申し上げれば、これは開発というものが単年度でできるはずのものでは元々ございませんので、開発という観点からすれば、よりフレキシブルな、柔軟性に富んだ形での仕組みというものが望ましいと思われますので、現在、その単年度主義という大きな枠の中でどういう形でこれに対応できるかということについては、これも財務当局とは一生懸命今議論をしておりますが、単年度主義そのものが直ちに変わるということは今の時点ではちょっと見通せないというふうに考えております。

広中和歌子君 それから、先ほどちょっと触れられましたけれども、要請主義が非常に問題だというふうに言っていらっしゃいました。要請主義は、ある意味でいい部分もないわけじゃないんで、それはミックスして使っていただきたいわけですけれども、やはり日本の場合には、その現地の国、当事国か国連が要請しない限り動けないと、緊急の場合、動けないなんというようなことがあって、例えばルワンダの場合、一九九四年でございますか、難民がコレラにかかって、そして急速な、すぐにその予防体制を組まなきゃならないといったときに、対応ができたのは国境なき医師団という世界的なネットワークを持っているNGOでございまして、日本がわざわざ到着したときは二か月後で、問題の多くは解決していたなんというようなことで、本当にもったいないなと。
 気持ちはあり、そして組織もないわけではないのに、結果的には余り有効に使われていないというようなことは非常に問題だろうと思いますが、この点についていかがでしょう。

副大臣(杉浦正健君) 先生のおっしゃる御指摘は、そのとおりだと思います。
 ですから、要請主義に基づく無償供与の部分、あれ何ぼでしたか、三千億ぐらいあるんですね。いわゆる少額無償、要請主義外れているのは百億。ですから、そのボーダーラインのところをもう少し要請主義の方からずらして機動的にやれるようにするという工夫はできると思います。

 先生の御指摘は正当でございますので、できるだけ早く要請を出してもらうように努力しながら、そこ非常に微妙なんですけれども、いろいろ関係者努力しておるんですが、相手国の政府側がかかわりますと、向こうの政府の非効率、非能率というような面が絡んでまいりましてなかなか敏速にいかないという面もございますので、そこのところは工夫する余地は、いずれにしても出す方はこちら側ですので、まだまだあると私は思っております。

広中和歌子君 あの阪神大震災のときでもそうでしたけれども、ぱっとすぐに反応できるのは民間であったといったようなこともございまして、やはり当時からも話題になっておりました民間緊急援助隊みたいなもの、あれを作ろうという考え方なんかが数年、かなり前から出ているわけですけれども、今は、例えばそうした大きな支援に対して、メキシコに地震があったとかなんとかというようなときに、どういう形で動いているんですか。例えば自衛隊であるとか何かに限られるわけですか、お伺いします。

政府参考人(西田恒夫君) 一つには、今、委員御指摘のような自衛隊が持っている輸送能力等をより機動的に使うというような点も、これは先般のインド等の対応で若干手間取ったというような反省も含めて今政府部内で検討しております。

 それから、いわゆる民間の方々の力、特にNGOの、緊急人道をやっておられるNGOの方と連携を強化せよということは全くそのとおりで、その意味で、政府としましては、ジャパン・プラットフォームという、日本のNGOと政府との関係では非常にユニークなものを何とか立ち上げて、今アフガンに移って、実際の活動でも、先般のアフガンの地震のときにも、政府が持ち込みました支援物資を実際に運んでいただいたのはNGOの方でございましたし、NGOの方の倉庫にも使わしていただくというふうに、現場での協力というのは目に見える形で出てきているんではないかなと思っておりますが、今後とも、そういう意味で、そのような緊急人道という、NGOが非常に活躍のしやすい、あるいは非常に得意としておられるというような分野においての協力というものはもっともっと広げていく可能性あろうというふうに考えておりまして、アフガニスタンにおいても、そういうようなことを目指しているところでございます。

広中和歌子君 ジャパン・プラットフォームという言葉が出て、ちょっと笑ってしまったんですけれども、ともかく、せっかく大事に育てようとしていらっしゃるNGOを、あのアフガニスタンの支援会議にボイコットすると。仮にどのような圧力が掛かったとしても、そのようなことをなさる外務省の見識というのはやはり疑われていいんじゃないかなと思ったりいたします。ちょっと意地悪なコメントになりましたけれども。

 それから、人材でございます。私は現地でいろんなJICAの方、それから現地で手伝っていらっしゃる方、民間の方もいらっしゃいます。本当に頭が下がる活躍をしていらっしゃるわけですけれども、ちょっと一抹の不安を抱えていらっしゃる。それは、日本に帰って、これをやめて日本に帰ったときの再就職の問題です。

 私は、今、日本がグローバリゼーションの中で、そうしたJICAのような中で海外で活躍した人たちというのはすごい人材だと思うんですね。単に言葉ができるとかできないとか、そんなレベルじゃなくて、全く訳の分からないところへ行って現地の人と直接交渉をしながら、緊急の場合、いろいろな行動を起こしていくという、そういう対応能力みたいなもの、すごいものを持っているんですが、日本の社会というのはそういう人たちを評価しないシステムになっている、あるいは雇用しないようなシステムになっているということは非常に残念なんですけれども、有効に継続的に受け入れたりという、そういう何というんでしょうか、連携ですよね。それは是非経団連なんかの方々と話し合ってやっていただきたいと思うわけですけれども、こういうJICA、青年海外協力隊の人材を有効に使うような宣伝ですよね。これ是非PRしていただきたいんです。ただ口で、こういう人がいますよだけじゃ足りないと思います。こういう人こそこれからの人材なんですよといったようなことをPRしてくださらなければ増えないと思いますが、いかがでしょうか。

○委員長(武見敬三君) 時間でございますので、次の質疑者に移ります。

広中和歌子君 ちょっと、それだけは答えてくださいよ。非常にいい質問をしたんだから。

○委員長(武見敬三君) これは極めて厳格にやると前々から申し上げておりますので、申し訳ございませんが、御了解をください。