第154回 外交防衛委員会
2002年4月9日(木)
○オゾン層を破壊する物質に関するモントリオール議定書の改正(締約国の第九回会合において採択されたもの)の
受諾について承認を求めるの件
○オゾン層を破壊する物質に関するモントリオール議定書の改正の受諾について承認を求めるの件
○残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約の締結について承認を求めるの件
○外交、防衛等に関する調査
(民間人大使に関する件)
(パレスチナ情勢に関する件)
(国際捕鯨に関する件)
(日朝関係に関する件)
(不審船引揚げ問題に関する件)
(沖縄米軍基地問題に関する件)
(地雷除去支援に関する件)
(ミサイル防衛に関する件)
(有事法制に関する件)
☆答弁者
川口 順子外務大臣
中谷 元防衛庁長官
杉浦 正健外務副大臣
環境省 地球環境局長 岡澤 和好 君
外務省 総合外交政策局国際社会協力部長 高橋 恒一 君
経済産業省 製造産業局次長 増田 優 君
環境省 環境管理局長 西尾 哲茂 君
環境大臣官房廃棄物・リサイクル対策部長 飯島 孝 君
外務省 経済協力局長 西田 恒夫 君
外務大臣官房審議官 奥田 紀宏 君
海上保安庁長官 縄野 克彦 君
外務大臣官房審議官 佐藤重和君
○広中和歌子君 おはようございます。民主党・新緑風会の広中和歌子でございます。
環境問題というのは、正に最近は、最近といいましても過去十数年にわたりまして正に外交問題でもあるということで、環境大臣を経験なさった川口大臣が外務大臣に御就任になったこと、正に適役かなというふうにお喜び申し上げております。
最初、まず、オゾン層に関するモントリオール議定書について御質問させていただきます。
まず、モントリオール議定書の成立、それが一九八七年以降のことでございますが、その後度々改正がされ、成層圏におけるオゾン層の破壊、ガスの濃度がどのように変わったかということについて御質問させていただきますが、実際はどの程度削減されているのか、お聞かせいただければと思います。
○政府参考人(岡澤和好君) オゾン層の状況あるいは今後の予測等につきましては、UNEP、国連環境計画の科学アセスメントパネルにおきまして四年に一度科学的な評価を取りまとめているわけでございますけれども、そこの一九九八年の最新の報告によりますと、対流圏における主なオゾン層破壊物質の濃度は九〇年代以降ほぼ横ばい又は減少傾向を示しておりまして、二十一世紀中ごろには成層圏中のオゾン層破壊物質の濃度は一九八〇年以前のレベルまで戻るというふうに予測されております。
○広中和歌子君 そういった状況の中で、実際にオゾンホールの状況というのはどういう状況なんでしょうか。数年前まで、ほとんど毎年オゾンホールが南極あるいは北極で拡大しているという報告がなされたんですが、それは、そういう状況は止まり始めているんでしょうか。
○政府参考人(岡澤和好君) オゾンホールにつきましては、二〇〇〇年に史上最大の面積を記録するということがございましたし、また二〇〇一年にも史上三番目となるオゾンホールが観測されておりまして、深刻なオゾン層破壊が続いているという状況でございます。これは、オゾン層破壊物質の濃度は低下しつつありますけれども、オゾン層破壊の方はそれに遅れて生じてまいりますので、そのタイムラグがありまして、まだオゾンホールの破壊はしばらく、回復はしばらく望めないのではないかというふうな状況でございます。
○広中和歌子君 しかしながら、あれですか、今その前の質問でお答えいただいたように、こうした対策が着実に世界的な規模で行われればオゾンホールは確実に小さくなると、そのように理解してよろしいでしょうか。
○政府参考人(岡澤和好君) 大体UNEPの、先ほどのUNEPの予測では、二〇二〇年ごろまでがオゾン層の破壊のピークを迎えるであろうというふうに言われております。
○広中和歌子君 我が国は八八年以降モントリオール・プロトコールに参加しておりますが、我が国の遵守状況についてお答えいただければと思います、特に附属書AとBについて。
○政府参考人(高橋恒一君) 我が国では、モントリオール議定書の削減スケジュールを遵守するために、昭和六十三年に特定物質の規制等によるオゾン層の保護に関する法律を制定いたし、オゾン層破壊物質の段階的な削減を実施しております。
その削減実施の結果、オゾン層破壊物質のうち、議定書附属書AのTフロン及びBのTクロロフルオロカーボンにつきましては、一九九六年以降、これは議定書の締約国会議の決定におきまして不可欠用途等として認められております研究分野の用途を除きまして、生産が全廃をされております。また、同附属書AのUハロン、BのU四塩化炭素及びBのVメチルクロロホルムにつきましても、それぞれ一九九四年、一九九六年及び一九九六年以降、不可欠用途として認められております研究分野の用途を除き、生産が全廃されている状況でございます。
○広中和歌子君 生産が全廃されましたけれども、既にストックとして、在庫として持っている部分がたくさんありますよね。特にこうした議定書の発効に際しまして、かなりたくさん輸入をしたりあるいは生産を増強したりといったようなことがあったんではないかとかすかに記憶しているんですけれども、使用というのは依然として続いているわけでございますか。
○政府参考人(増田優君) モントリオール議定書に従いまして、クロロフルオロカーボンにつきましては既に生産を中止をしているということでございますが、これに代わりますいわゆる代替のハイドロクロロフルオロカーボン、いわゆるHFCにつきましては、クロロフルオロカーボンに代わる代替物質として、冷凍空調機の冷媒あるいは断熱材の発泡材等に広く現在でも使われております。しかし、このHCFCにつきましては、議定書に従いまして二〇二〇年までに全廃をするということになっておりまして、これに従いまして段階的に今生産量、消費量の削減を図っているという状況であります。
さらに、HCFCの代替物質というのも更に必要になってくるわけでございますが、これにつきましては、現在HFCが開発をされ、HCFCからHFCへの代替ということが進みつつあると、こういう状況でございます。
○広中和歌子君 私はHCFCの以前のCFCについてお伺いしているわけですけれども、既に在庫もあり、製造は禁止し、多分輸入も禁止したかもしれないけれども、依然として使われているし、使っていいはずですよね。そしてまた、いろいろな製品の中にそれが存在すると、自動車の例えば冷媒とか。
そういうことをお伺いしているんですが、その管理というんでしょうか、はどういう状況になっているか。そして、ついでにお伺いすると、その廃棄処理の、例えば冷蔵庫とかなんかが廃棄されるときの回収状況というんでしょうか、それはどうなっておりますでしょうか。非常に大切な問題だと認識しております。
○政府参考人(増田優君) CFCの、今、先生御指摘のとおり、CFCにつきまして生産は終わっておりますけれども、先ほど申し上げました冷凍空調とかあるいはカーエアコンとかいうところでまだ使われている状況であります。
これらをいかに減らしていくかということにつきましては、昨年、フロンの戦略というのを作りまして、その削減というものに努めているわけでございますが、加えまして、先般フロンの回収破壊法というものができまして、それに基づいて四月一日以降、冷凍空調機について施行されまして、より的確に回収、破壊というものを進めるということによってオゾン層の保護というものを更に進めていきたいということで進めているところでございます。
○広中和歌子君 CFCというのが非常に便利な、何というんでしょうか、化学物質であり、使用する、したいというインセンティブは働くわけですけれども、働いて当然だと思うんですけれども、依然として、いわゆる何というんですか、マーケットメカニズムの中で利用されているんでしょうか。
例えば、再生されたもの、あるいは既にストックのあるものは積極的に使うことを、通産省でいらっしゃいますか、奨励というのか、禁止はしていらっしゃらないわけですね。
○政府参考人(増田優君) モントリオール議定書におきましてもこのCFCの生産の中止ということは決められておりまして、それにのっとって生産を中止してきたということでございますが、それまでに作られて既に使われていたものにつきましては、車のカーエアコンを始めいろいろな用途で大変広い分野で使われているという事態もございまして、議定書上もこれの使用を禁止をするということにはなっていないわけでございます。
そういう中で、今申し上げたような用途の中で詰め替えをするなりなんなりという形でニーズがございますので、それに対応する形で再生品とかこういうものが扱われているということでございます。
○広中和歌子君 ある専門家から聞いたんですけれども、つまり、マーケットメカニズムで非常にCFCの値段が高くなればリサイクルも進むんではないかというようなことで、余り神経質になる必要がないというようなことも伺ったわけですけれども、しかしながら、あれですね、規制を掛けながらリサイクルも十分行っていらっしゃるという、リサイクルされたものは破壊する方向なんですか。
○政府参考人(増田優君) 最終的にオゾン層への影響というのは大気中に放出されるということをもって起こるわけでございますので、先ほど御紹介をさせていただきましたように、先般、フロンの回収破壊法というものを御制定をいただきましたので、これを的確に施行することをもちましてオゾン層への影響というものを減らしていきたいというふうに考えている次第でございます。
○広中和歌子君 それから、先ほどちょっと、既に触れられましたけれども、今度の条約の改定にかかわるCFCの代替物質として使われてきたHCFC、これもオゾン層破壊効果というのは、CFCよりも少ないにしても、非常に温暖化に今度はかかわるということで、これ前からやめろ、やめろというNGOの団体などの声が大きかったわけですけれども、今度それに全廃をされるということで、当然それに踏み切られた理由は、やはり新たな代替物質があるということなわけですね。それが先ほどお答えになったHFCということでございますね。これについてちょっと御説明いただけますか。
○政府参考人(増田優君) 議定書に基づきましてCFCをできるだけ早く代替をしていくというために、当時技術的に可能であったHCFCへの代替ということがまず図られたわけでございますが、今、先生御指摘のような点もございまして、更にこれを代替をしていくということで研究開発が進められまして、HCFCという塩素の入らない、水素と弗素と炭素、カーボンだけから成る物質が新たに開発をされ、これをもってHCFCから更に代替をするということで、今産業界始め動きを強めている、そういう状況でございます。
○広中和歌子君 それでは、ストックホルム条約の方に移らせていただきます。
そういえば数年前ですか、一九九六年に出版された「アワ・ストールン・フューチャー」という本がございますけれども、要するに、今安全そうに見えているものでも、それが私たちの体内、そして母乳、そして子孫に様々な化学物質の害の方が伝わっていくというようなことで、非常に世界的にショックを与えた本が出版されたわけでございますけれども、それを受けてかどうかは別といたしまして、化学物質を取り締まるストックホルム条約が結ばれ、そして、我が国がこれを批准しようと、しかもかなり早めに批准しようという動きをなされていることは大変結構なことだと思っております。
化学物質、十万種類ぐらいあると。それは当然、我々がわざわざ作るわけですから、作って利用する用途が非常にあるわけですよね。非常にプラス面があるからこういうものを利用するわけですけれども、必ずそうしたものにはマイナス面もあるということで、例えばDDTなどかなり早い時期に使用が禁止されたり、PCBも大きな問題になったと。ダイオキシンなどもその例の一つでございます。
それでお伺いいたしますけれども、ダイオキシン等の、こちらの説明文によりますと、非意図的に生成されたもの、つまり副産物として出てくるようなものの放出を禁止するということがこのストックホルム条約にも入っているわけですが、我が国の現状をお伺いいたします。
ダイオキシン問題、廃棄物処理場などから非常に多く出ているのではないかということで、この国会でも問題になりまして、地域でも住民が非常な大きな問題意識を持つということがあったわけですけれども、その現状についてお伺いいたします。
○政府参考人(西尾哲茂君) 政府におきましては、ダイオキシン類、ダイオキシン対策関係閣僚会議において定められたダイオキシン類対策推進基本指針に基づきまして、我が国におけますダイオキシン類の排出量の目録、いわゆる排出インベントリーを作成しております。
このインベントリーは、これまで、平成九年から平成十二年までのデータを取りまとめておるわけでございますけれども、平成九年にはダイオキシンの排出量、これは毒性評価をいたしました上での排出量でございますが、七千三百四十三グラムから七千五百九十七グラムTEQ一年間と、こういうものでございましたが、平成十二年には二千百九十八から二千二百十八グラムTEQ年ということでございまして、これは平成九年に比べまして、平成十二年にはおよそ七割減の排出量の削減がなされた、こういうことでございます。
政府といたしまして、この排出量は平成十四年度末までに平成九年に比べて九割削減するという目標を掲げておりますので、あと二割ということで、今取組を進めているところでございます。
○広中和歌子君 そのデータというのはどういうところから取られているんでしょうか。普通、市町村が持っている廃棄物処理場などを使っていらっしゃるんでしょうか。それとも、どういう形でそういうデータは取られているんですか。
○政府参考人(西尾哲茂君) インベントリーのデータの作成の仕方でございますが、このダイオキシンの排出の主たるものは廃棄物処理場、一般廃棄物処理場、それから産業廃棄物処理場などでございます。
これらは、先ほどの数字でいいますと大体十二年のデータが二千二百前後であるのに対しまして、産業系のものは千九百ぐらいございます。これらのものにつきましては、関係省庁から廃棄物の処理場のデータをいただきまして積み上げております。そのほかに、産業系の発生源といたしまして、製鉄でありますとか亜鉛でありますとか、そういう産業のものがございます。それぞれにつきましても、各産業のデータをいただきまして、積み上げてインベントリーを作成しているということでございます。
○広中和歌子君 大規模な企業とか、それから処理場、そういうものからデータをお取りになるのは当然だろうと思いますけれども、むしろ日本で問題なのは中小、ある規定以下の廃棄物処理、そのことが問題なんではないかと思います。
例えば、病院であるとか学校であるとか、非常にそういうところで焼却が容認されているという、それはかつて数年前にもこの有害化学物質についての問題意識が高まりましたときに国会でもいろいろ問題提起がされたことを覚えておりますけれども、その後どういう改善がなされているのか、お伺いいたします。
○政府参考人(飯島孝君) 委員御指摘の小規模焼却炉に関する対応でございますが、ダイオキシン類対策特別措置法では、焼却能力一時間当たり五十キロ以上の焼却炉について規制がなされておりまして、その法律の中で、附則でございますけれども、政府の検討課題とされた焼却能力一時間五十キロ未満の小規模焼却炉対策でございます。
これにつきましては、昨年三月、廃棄物処理法の省令を改正いたしまして、燃焼ガス温度が八百度以上で焼却できる構造であること、こういった基準を設けました。適用は、既設の施設については今年の十二月からでございますが、新設につきましては昨年から適用されております。
こういった小規模なものにつきましても、基準を強化いたしましてダイオキシンの削減に努めているところでございます。
○広中和歌子君 ということは、小規模の焼却施設というのは取り払うというふうな行政指導をしていらっしゃる、指導じゃなくて命令ですよね、それをしていらっしゃいますか。
○政府参考人(飯島孝君) ダイオキシン対策を始めましたころは、ダイオキシンの発生の少ない大型のきちんとした焼却炉を造っていただくということだったわけでございまして、学校等では自主的に焼却炉を廃止いたしまして市町村の大きな焼却炉に運ぶということだったわけでありますけれども、現実に小さな焼却炉も動いておりまして、ここからのダイオキシン問題を何とかしなければいけないということで、先ほど申し上げましたように、すべての焼却炉について焼却施設の構造の基準を作りまして、ダイオキシンが発生しにくいようにしたということでございます。
○広中和歌子君 ということは、違反をすれば罰則があるということでございますね。
○政府参考人(飯島孝君) はい。小型焼却炉の先ほどの基準を違反すれば当然これは改善命令の対象になりますし、命令を聞かなければ罰則が掛かる、廃棄物処理法の処理基準が掛かるということでございます。
○広中和歌子君 日本では、廃棄物処理だけじゃございませんけれども、規制があったり罰則規定があったりしても実際にそれが執り行われないということに大いに問題があって、やり得みたいなところがあると。例えば、産業廃棄物処理場かあるいはリサイクル場か見分けが付かないようなところが平気で放置されていて、何かたまり過ぎると自然発火かなんかで燃えてしまうと。
そういうようなことが非常にあると思うんですが、ともかく廃棄物処理の体制そのものが、非常に抜本的に変えなければならないんではないかという問題意識を持っているんですが、それについて御意見をお伺いしたいと思います。
○政府参考人(飯島孝君) 委員御指摘のように、リサイクルという名目で実際には廃棄物を不法に積み上げてしまうとか野積みをしてしまうとかいった事例が後を絶たないわけでございます。
こういった問題につきましては、実は法律でいろいろ基準は決まっていてもその施行が十分できていないんじゃないかという御批判もあったところなんですが、概してこれまでは行政指導という形で、都道府県が中心なんですが、事業者に対して指導を行ってきたわけですが、これに対してきちんと行政処分をするように、法律に基づく改善命令あるいは命令を聞かなかった場合に勧告、措置命令、こういったものを掛けるように、昨年来、環境省の通知によりまして指導をしてきているところでございまして、最近は行政処分の件数が非常に高くなってきております。
○広中和歌子君 私は、一歩も二歩も前進したと評価申し上げますけれども、まだまだ十分ではないんじゃないかと。つまり、地方自治体に任せたとしても、その人数というんですか、それを監視する人員が足りないとか、もちろん知事さん、行政の長の問題意識にもよると思いますけれども、そういうようなことで、やはりもうちょっと国のこういう廃棄物に対する体制というものを、何というんですか、近代化というんでしょうか、する必要があるんではないかなと。
それぞれの国で廃棄物処理というのは大きな問題を抱えておりますけれども、例えばドイツのような国を視察いたしますと、もっと大型の焼却炉というんでしょうか、それが発電もし地域に冷暖房を与えるといったような、つまりサーマルリサイクルというような形で廃棄物を大規模に処理をしていると。ちなみに、ドイツでは六十か所ぐらいで、日本の人口の半分よりちょっと多いぐらいの人数で六十か所ぐらいでやっているわけですよね。
日本では千八百です。それは、いわゆる一定のレベル以上で千八百もあり、そして個人的にというか、小さな施設でやられているのを含めると、ともかく幾ら行政が監視の目を強めようとしてもできないんではないかと、そういう状況じゃないかと思いますが、こうした廃棄物処理の施設への公共投資、そういったものに関して具体的な話合いなりプランなりがございましたら教えていただきたいと思います。
○政府参考人(飯島孝君) 廃棄物処理施設の高度化あるいは集約化、大型のものに集約するという考え方についてはダイオキシンの排出削減の観点からも大変重要なことでございまして、現在まで各都道府県において広域化計画というものが策定されております。集約化、広域化しようということでございます。
また、そういった大型の優れた炉という意味で、ガス化溶融炉などの新技術を活用した施設につきましても性能指針に基づきまして国庫補助を行っているところでございまして、委員御指摘のような形で、近代化した廃棄物処理システムを構築していきたいというふうに考えております。
○広中和歌子君 私は、国の公共事業費というような言い方をいたしましたけれども、PFIなんというのも活用できるんじゃないかと思います。ともかく日本全体を視野に入れて、やはり廃棄物処理というものをもっと近代化するように是非環境省がリーダーシップを発揮していただきたいと思う次第でございますが、最後に一つ、私のところにNGOから寄せられた問題についてお伺いいたします。
日本で禁止されている使われなくなった農薬など、臭化メチル系も含みまして、そうしたものは海外に輸出されるということがあるのかどうかということをお伺いいたします。輸出じゃなくて、ODAとかなんかで供与されることがあるのかどうかということをお伺いいたします。
○政府参考人(西田恒夫君) お答えを申し上げます。
モントリオール議定書等々で規制対象になっている農薬につきまして、ODAでそれを供与しているという事実はございません。
○広中和歌子君 引き続きまして、今度は一般、外交問題について質問させていただきます。
このいただきました貴重な時間、中東問題、そして不審船問題、そして沖縄の基地の問題について三点に分けて伺わせていただきたいと思います。
最初に中東問題でございます。パレスチナ自爆テロに対するイスラエルの行っているパレスチナ自治区への侵攻、そして議長府のアラファト議長の包囲、そして暗に亡命を求めている、こうしたイスラエルの行動に対する日本政府の基本的な立場について、まず外務大臣にお伺いいたします。何らかのアクションを示されているのでしょうか。
○国務大臣(川口順子君) 我が国のイスラエル・パレスチナ問題についての基本的な立場は、両当事者が交渉によってイスラエル、パレスチナの二国家が安全が保障され、かつ相互に承認された境界の中で平和裏に共存をすることに合意をするということでございまして、この紛争が解決されることを希望するということでございます。
○広中和歌子君 そんなことはだれでも希望しておりますよね。
世界じゅうがこの中東地域における平和ということを願っているわけでございますけれども、それが非常に複雑であると。そういう中で我が国がどのようなイニシアチブを発揮できるんだろうか、あるいは、もしその行動が単独でできないのであればどのような形で世界と協調してやっていくかと、そういうことが問われているんではないかと思いますが、もう一度御答弁をお願いいたします。
○国務大臣(川口順子君) 先ほど申し上げたのは基本的な立場でございますけれども、具体的に何をそのためにやるかという御質問につきましては、これは、私は三月の下旬、二十九日でございましたけれども、お招きで来日をしたアブ・アラ立法評議会議長とお話をいたしました。また、三月の三十一日にはペレス・イスラエル外務大臣とお話をいたしまして、更に今月の一日にパウエル国務長官ともお話をいたしました。そして、二日には前イスラエル大使の茂田大使を現地に派遣をいたしまして、茂田大使は今までにパレスチナサイド、イスラエルサイド、それから現在、調停のための作業を現地で行っていらっしゃる米国のジニ特使とも会談をいたしております。
こういったその一連の動きを通じまして、我が国は、パレスチナの過激派によるテロの行為及びそれに対する報復としてのイスラエル側のパレスチナ自治区侵攻及びアラファト議長府包囲といった暴力の悪循環を止めるよう、イスラエルがパレスチナ自治区から即時撤退をするようメッセージを発して、それを求めているわけでございます。
○広中和歌子君 いろいろな御努力をなさっていることは分かりますが、現地の情勢が非常に重大な局面にある中にありまして大使が不在であると。駐イスラエル大使が空席のままになっているという状況があるようでございますね。これの理由は何でございますか。
○国務大臣(川口順子君) 現在、イスラエル大使につきましては手続中でございまして、できるだけ早く現地に派遣をしたいと思っておりますけれども、空席になったというのは、いろいろな、国会開会中に人事異動を行うということが非常に困難であるということ、及び様々な、はっきり申し上げて不祥事等がございまして、外務省の中の人事異動にいろいろ円滑でない部分もございまして、そういった関係でただいま現在は空席になっているということでございます。
○広中和歌子君 それから、アラファト議長が幽閉されていると、幽閉という言葉が適当かどうか分かりませんけれども、こうした現状に対しては我が国は何か行動を起こしていらっしゃいますか。
○国務大臣(川口順子君) アラファト議長が現在、幽閉という言葉が適切なのか、あるいは監禁されていると言うことが適切なのか、いろいろな言葉の使い方はあると思いますけれども、このことにつきましては憂慮いたしております。この観点から、先ほど申し上げましたいろいろな取組の中でイスラエル側に働き掛けているということでございます。
いずれにいたしましても、イスラエル側に対しましては、アラファト議長の監禁状態の解除、それからパレスチナ自治区からの撤退、即時撤退といったことを含め、最大限の自制を求めているわけでございます。
○広中和歌子君 我が国は欧米に比べて、こう言ってはこの言葉も適切かどうか分かりませんけれども、アラブ諸国についてより緊密な関係があると。そしてまた、我が国も中東への石油依存度というのが非常に高いわけでございますけれども、何か積極的にアラブカードを切れる、切るといったようなことがあるんではないかなというように想像いたしますけれども、いかがなものなんでしょうか。
○副大臣(杉浦正健君) 先生の御指摘になる点は、そのとおりだと思います。
ただ、今度のこのイスラエル・パレスチナ紛争のキープレーヤーは、これを収めていくやはりアメリカだと思います。イスラエルに対して最も影響力の強い国であります。EU代表団は、この間行きましたが、シャロン首相に、追い返されたと言うと失礼ですが、会えなくて帰っております。怒った声明が出ておりますが、EUも我々ももちろん大臣がおっしゃったような努力はいたしますけれども、やはりキーはアメリカであって、したがってアメリカのパウエル長官に大臣からもよく話をしていただいているわけでございます。
将来、復興プロセス、ピースプロセスと復興のプロセスがあるわけですが、そうなった場合には、我が国はもちろんその共同の主役の一人になり得ると。それこそ、アラブや周辺国や当事者と協力をしてお役に立っていけるというふうに思っております。
○広中和歌子君 先週の時点で、パウエル国務長官が先週の時点で、来週早々にもと、この現地を訪れるということだったんですけれども、今日は火曜日で、もう既に中東のどこかにいらっしゃるんでしょうけれども、まだ現地に入られていないということで、何か、こんなことを言ってはあれかもしれませんけれども、時間をイスラエル側に与えているのではないかといったような勘ぐりもあるわけでございますが、それについてはどう思われますか。
○副大臣(杉浦正健君) アメリカのブッシュ大統領とシャロン首相は直接電話でやっておりますし、ブッシュ大統領は再三にわたって即時完全に撤退するということを強く言っておられるようであります、これは報道によりますが。 パウエル長官は、これも報道ですけれども、金曜日ぐらいに入ると。その間、モロッコ等のアラブ各国を回って入るという日程だと聞いておりますが、周辺の国の反応といいますか、を見ながらイスラエルへ入るという段取りは、それはアメリカの判断から出ていることで、ちょっと何とも申し上げようがございませんが、いずれにしても、一刻も早く入っていただきたいというふうに私どもは思っておる次第でございます。
○広中和歌子君 このイスラエル・パレスチナ問題というのは、もう長いこといろいろなプロセスの中で、平和に近づき掛けると、そうすると自爆テロであるとかそれに対する報復だとかといって、いつもぶち壊す勢力も同時に存在しているわけですよね。
それは、恐らくパレスチナ側にも存在するし、そしてまたイスラエルにも強硬派がいるということで、本当に繰り返しになっているわけでございますけれども、イスラエル側が期待するアラファト議長の統治能力というんでしょうか、要するに自爆テロも含めてテロをやめさせてほしいという、そういう要求に対して次から次へと自爆テロがやまずに出てくるわけですが、統治能力についてはどのように考えていらっしゃいますか。
○副大臣(杉浦正健君) アメリカ側は統治能力に非常な疑問を持っているような、記者会見等、パウエル長官とかブッシュ大統領の会見等を見ますと、そう見ておるようでございます。
正直に申して、私も昨年夏、選挙の後、イスラエル、パレスチナを訪問し、その周辺四か国、全部回らせていただきました。アラファト議長にも、当時はまだ幽閉されておりませんでしたが、テロをやめればシャロン首相は即時話合いに応ずると言っているんだから、鶏が先か卵が先かじゃない、ともかく民間人に対するテロですから、それはやめてほしいということを申し上げたんですが、彼はそれに対してイエスともノーとも言いませんでした。ただ、国際社会が関与してほしい、そうじゃなければ収まらないということを繰り返すだけでございました。
ただ、アラファト議長は民主的手続によって選ばれた指導者でございます、議長でございます、パレスチナの人々から。そういう立場は変わっておりませんので、統治能力の有無が疑われるとしても、しかし、私どもも国際社会もヨーロッパもそうですが、アラファト氏に主役を演じてもらうという立場でやっておるわけでして、アメリカもそこまで否定するという考えではないようでございますので、引き続きアラファト議長に役割を果たしてもらう。大臣のお手紙にもそういうことを触れていただきましたが、そういう立場で責任を果たしてもらうということで話をさせていただいておるところでございます。
○広中和歌子君 イラクが石油の、原油の輸出というんでしょうか、それを一か月停止するとか、石油に絡みまして中東というのは我が国にとって非常に大切な国なんでございますけれども、そこへ加えて九月十一日の、昨年九月十一日のテロ問題もあったりして、要するにこのイスラエル・パレスチナ問題がより大きな中東戦争の火種になるのではないかと、本当にそういう危機意識を多くの人が持っているのではないかと思いますけれども、外務省としてはどのような考えでこの問題に当たっていらっしゃるんでしょうか。
ともかく、根っこが深いということと、周辺への波及ということを考えますと、本当に、不祥事の問題もいろいろあるでしょうけれども、外務省は総力を挙げてこの問題に、取り組んでいただかなければならない問題というふうに私は認識しておりますけれども、それについてお考えをお伺いいたします。
○副大臣(杉浦正健君) 歴史的にも紀元前五百年代からの根深い問題でありますし、宗教問題も絡んでおりますし、非常に根深い問題でございます。 先生の御指摘の点は非常に憂慮してやっておるわけでございますが、周辺国との関係などの状況は審議官から報告させます。
○政府参考人(奥田紀宏君) 中東和平問題でございますが、ただいま焦点になっております西岸に対するイスラエルの侵攻という現象は、それ自体大変憂慮すべきことでございますけれども、先生御指摘のとおり、この中東の問題が、中東の問題、中東全体への問題として広がっているということは確かでございます。
イラクは、必ずしもすべての原油を輸出停止するということではございませんが、たしかトルコに対して三十日間石油の停止ということを言っておりまして、それは我々としても気にはしているところでございます。
他方、ついせんだってカイロで行われましたアラブの緊急外相理事会では、必ずしも石油の問題までは議論がされていなかったようにも承知しておりますので、多少まだ余裕があるかなという感じでございますので、この多少の時間の余裕のある間に我々としても全力を挙げてこの問題に取り組んでいきたいというふうに考えております。
○広中和歌子君 それでは、中東問題についてはこれくらいにいたしまして、不審船問題に移らせていただきたいと思います。
これまで行われている調査は、まず位置確認、そして実態、状況を調べるという、そうした調査、そして最終的には引揚げに至ると、そのように理解してよろしいんでしょうか。
○政府参考人(縄野克彦君) 私どもとしましては、不審船がどのような行動目的で出没したのかということについて解明をするために、最終的には引き揚げたいというふうに思っております。
これまで、今お話ありましたように、二月末に不審船の位置あるいは船の特定の調査を行いました。この後、潜水船による調査を行いまして、引揚げが可能かどうかという船体調査を行いまして、その結果を踏まえて、引揚げが可能であれば中国と調整をした上で引揚げを図りたいというふうに思っております。
○広中和歌子君 この事件が起きてからの中国、中国の排他的水域で沈没しているということで、当然、中国がどのような考え方を持っているのか、それに対して注目が集まっているわけでございますけれども、私ども日本人からすると非常に何か不可解な感じがするわけでございます。
唐家セン外相の発言、ともかく状況を更に悪化させ複雑化させる可能性のある行動を取らないようにといったような、そのような発言があり、そしてその後、李鵬首相が日本に来日されますと、今度は全く違ったメッセージを与えるということで、非常に困惑しているというんでしょうか、分からないんですけれども、それをどのような形で受け止めていらっしゃるのか。外務省あるいは防衛庁あるいは海上保安庁、どのようなお考えでいらっしゃるのか、お伺いいたします。
○政府参考人(佐藤重和君) ただいま委員御指摘がございましたとおり、この事案が発生をいたしましてから中国側とは緊密に情報交換を行ってきておるわけでございまして、中国側は当初から、この不審船が中国側の経済水域内に沈没をしたということ、また、そしてそれに基づいて、その中国側のその関係の権益とその中国側の重大な関心を十分に尊重すべきであるということを一貫して表明をしてきているわけでございます。
先ほど御指摘がございました唐家セン外交部長の発言、それから今回、李鵬全人代委員長が訪日をいたしましてからの発言ということでございますが、こうした発言について、私ども日本政府の方から、これはこういう意味であろう、これはああいう意味であろうと解釈をするというのは必ずしも適当ではないかもしれませんが、私どもといたしましては、唐家セン外交部長の発言あるいは李鵬全人代委員長の発言、これも一貫をしておりますのは、先ほど申し上げました、中国側として、この船が中国側の経済水域内に沈没をしておると、それを前提にいたしまして、中国側の経済水域にあるので、中国側はその経済水域の海洋法上の主権的権利であるとか管轄権というものがあるんだと。そうしたものを前提として中国側の権益とか関心というものを尊重をしてほしいということは、これは全体、その中国側の発言の全体を貫くその基調になっている、ベースになっているものだというふうに考えております。
○広中和歌子君 いや、本当に分からなくて、単なるメンツの問題以上のものがあるのかななんてちょっと勘ぐってしまったわけでございますけれども。 それで、引揚げをするといたします。そうすると、いろいろなことがその船から分かるんではないかと思うんですけれども、仮にどこかの国のスパイ船だと分かった場合にどういう行動を日本政府としてはお取りになるのか、お伺いいたします。仮定の質問にはお答えできませんといったようなお答えは願い下げに、よろしくお願いいたします。
○政府参考人(縄野克彦君) 仮に、引き揚げた場合に捜査機関でございます私どもとしてやるべきことは、海上保安官に対する殺人未遂という犯罪で捜査をしている立場でございますので、その背景にあったその犯罪の動機は何であるか、つまり不審船の活動内容は何であるかということについて、その事実関係を船内を調査することによって解明をしたいということでございます。
それによりまして、いろいろ想像で言われておりますけれども、新たにあるいは想像どおりのいろんな事実が確認できた場合には、私どもの国内法令に照らしまして捜査を実施するということになろうと思います。
○広中和歌子君 外務大臣、お伺いいたします、今の私の問いに対してでございますけれども。
そうした殺人罪云々ということ以上に、どのような装備がされていて、その装備はどこから来ているのかとかいろいろなことが絡んでくるんではないかと思いますけれども、それに対して徹底的に究明をなさり、そして一つの国として、我が国として毅然たる態度でその関係する国々に対応していくのか、対処していくのかどうか、お伺いいたします。
○国務大臣(川口順子君) 委員が先ほど、先のことは先のことということではいけないと言われましたけれども、やはり現在やっていますのは鋭意調査をしているということでございまして、次の段階というのは、先ほど海上保安庁からお答えがありましたように、今の状況を踏まえて次の段階に進んでいくということでございます。
したがって、それぞれ、その段階でどういう事実関係が明らかになっていくかということによって更にその先の対応が決まってくると私は考えておりますので、今の時点で、先、こういうふうにしますということは申し上げにくいわけですけれども、この調査、解明についてはきちんとやっていく必要があると私は考えております。
○広中和歌子君 ともかく、箱を開けてみたらどうにもならないような状況が起こり得るかもしれないと、ある程度の予測をしながら調査を進められているんではないかと思います。その中身につきましてはお答えできないということなのかもしれませんけれども、本当に正に、何というんでしょうか、私ども日本人としても非常に関心のあるところでございますので、非常に慎重に、かつ、やはり日本の国益を損なわないような対処をしていただきたいと思うわけでございます。 それで、これまでもいろいろなこうした不審船のような活動があったのではないかと思います。その数とか推定国籍について今まで分かっている部分について、海上保安庁、お答えいただければと思います。保安庁長官、お願いいたします。
○政府参考人(縄野克彦君) 今まで私どもが承知しております不審船の隻数は全体で二十隻ではなかったかと思いますが、その中で国籍が特定をしておるというものは入れておりませんで、例えば高知沖で覚せい剤の犯罪にかかわって立件の段階で北朝鮮の船から覚せい剤を受け取ったというものがございますが、これは特定されておりますのでその不審船では数えておりませんけれども、それ以外のいわゆる行動目的、国籍が明らかでないもの、これらにつきましては、私どもの今の統計ですと、前回の東シナ海の不審船を除きまして二十隻、能登半島は二隻と数えてございますが、二十隻でございます。
○広中和歌子君 その船というのは、いわゆる追い掛けても逃げられてしまった船、つまり捕獲してないわけですね。
○政府参考人(縄野克彦君) この二十隻、昨年のものを入れると二十一隻でございますが、捕獲したものはございません。
○広中和歌子君 海上保安庁の現体制におきまして、不審船発見能力はどのようなものだと自己査定していらっしゃいますでしょうか。
○政府参考人(縄野克彦君) 私どもは、巡視船あるいは航空機によりまして、あるいは私どもだけではなくて、一つは関係機関の監視活動から得られる情報によりまして、さらには、これは特に海の場合には不審な行動をする船というものを漁業活動あるいは海運活動に従事する人から情報を得ることによって、いろんな目で監視のための支援もいただきまして、情報を私どもとして得て、その上で対応をするということに努めておるところでございます。
○広中和歌子君 我が国が、外国と国境を陸上で接していないで海に囲まれているということ、それは我が国の国防上非常に有り難いことだと思うんでございますけれども、同時に、ちょろりちょろっと我が国の領海の中に入られたり、あるいは密輸船が来たり、あるいは拉致されたりと、いろいろなことが起こり得るようなそういう状況の中で、私は日本の海域を守るということ、非常に大切なことだと思います。
海上保安庁が非常に頑張っていていただいていることは十分理解するにいたしましても、今後、このような不審船が来ると、そしてあるいは武力行使に至るかもしれないというようなことを考えたときに、私は、海上自衛隊とそれから保安庁との連係プレーというんでしょうか、それがもっともっと密になる必要があるんではないかと。起こってから一緒にやりましょうというより前に、共同で、例えば日米安保で一緒に共同、アメリカ軍とやっているように、保安庁と一緒に、何というんでしょうか、共同作戦的なものをやっていらっしゃるのかどうか。もしやっていらっしゃらないとしたら、今後、是非それをやる必要があるんではないかと思います。
それができないんであれば、海上保安庁そのものの体制をもっともっと強化する必要があるんではないかと思いますが、御意見をお伺いいたします。
○国務大臣(中谷元君) 海上自衛隊と海上保安庁との連携につきましては、これまで共同対処マニュアルを作成をし、また現実に共同訓練も実施をいたしておりまして連携をしているところでございますが、今般の事案等も参考にいたしまして、現在、海上保安庁との連携の在り方につきまして必要な検証、また協議を行っているところであります。
具体的には、不審船情報に関する海上保安庁との連携、連絡の在り方、これは不確実であっても早い段階から不審船情報を連絡、共有をすること、また不審船対処における自衛艦、艦艇派遣の在り方、これは武装工作船の可能性のある不審船に対して、なるべく早い段階から海上自衛隊艦艇を派遣できないかなどについて検証を行っているところでありまして、このような検討を踏まえて防衛庁としても適切に海上保安庁との連携を対処してまいりたいと考えております。
○広中和歌子君 海上保安庁。
○政府参考人(縄野克彦君) 今、防衛庁長官からお話があったとおりでございまして、不審船というのは正体が分からないという意味で不審船というものでございまして、私どもとしましては、海上保安庁は警察機関でございますので、政府の対応方針としましては一義的には警察機関たる海上保安庁が第一に対処いたします。
ただ、海上保安庁ではいろんな意味で対処することが不可能あるいは困難という場合には、海上警備行動、警察行動としての海上警備行動を総理の承認を得て防衛庁長官が発令をするという仕組みがございますので、それによって海上自衛隊が、自衛隊が対応するということになろうかと思いますし、それに至らない段階でも、私どもの求めに応じて自衛隊に必要な協力をもらうということを私どもと自衛隊との間で共通の認識にしておるところでございまして、今お話ございましたように共同訓練も実施しておりまして、今回の事件を教訓にして更にその連携体制を強めたいというふうに思っております。
○広中和歌子君 やはり守りなければ、憂いなしで、不審船がちょろちょろするような状況というのは、こちら側の体制がしっかりしていればもう大幅に減っていくんではないかと、そのように予想しておりますので、今後とも防衛庁、海上保安庁と海上自衛隊の連携をよろしくお願いいたしまして、次の質問に移らせていただきたいと思います。
次は、沖縄なんですけれども、SACOの最終報告を受けて九二年に、普天間飛行場が返還されることになった、これはすばらしいことでございまして、なわけですけれども、移設に関するその後の政府の方針などずっと見ておりますと、非常に問題があるんではないかなと。
返していただいて代替地を差し出さないのはいけないということで慌てて、多分普天間──じゃなくてどこでしたっけ、名護市に移転を決めたんではないかと思うんですが、その後いろいろ問題が出ていますよね。例えば、受入れの条件として十五年の使用問題というのもあります。それから、協議会、第八回代替施設協議会によりますと、リーフ上であり、軍民共用であり、工法は今後検討するというふうになっている。リーフ上であるということで、環境の問題もございます。
それから、軍民共用ということはどういうことかといえば、最初は普天間基地というのはヘリポートですから、小さいものがひゅっと沖合に浮かんでというようなイメージを多くの国民は受けたと思うんですけれども、軍民共用となりますと二千八百から三千メートル級でございます。
私も普天間基地にも行ってまいりましたし、それからキャンプ・シュワブにも行ってまいりまして、彼らが意図しているのはやはり二千八百から三千メートル級のものを造りたいと。それは軍民共用であろうとなかろうと、そういうことを意図しているわけでございまして、米軍が意図しているものと、それから沖縄県民が期待しているものと、それから日本全体として沖縄の発展がどうあるべきかという視点から考えましても非常に問題があるんではないかというふうに思っているわけでございますが、防衛庁長官、まず、私のこうした疑問に対してどのようにお答えいただけますでしょうか。
○国務大臣(中谷元君) この移設の問題につきましては、地元と常時協議をしつつ進めているわけでございますが、これまでの経緯によりまして、平成十一年の沖縄県知事による移設候補地の表明、名護市長による受入れ表明を受けて、同年末に閣議決定をいたして、その場所についてはキャンプ・シュワブと決定をしたところでございます。
この決定において地域住民生活及び自然環境に著しい影響を及ぼすことがないよう最大限の努力を行うものとされているところでもありますし、またこの規模、工法、具体的場所、基本計画等に必要な事項につきましては代替施設協議会において鋭意協議を行っているところでございまして、現在、このキャンプ・シュワブ周辺内の名護市、辺野古沿岸域ということで、この計画に沿って協議を続けているところでございます。
○広中和歌子君 私は、やっぱり最初からやり直さなきゃいけないんじゃないかといったような問題意識を持っております。
まず第一に、アメリカは、森総理のときもそうでしたし、小泉総理にも人為的期限があり得るとは思えないというふうに言っていらして、十五年の使用期限を決めて普天間からキャンプ・シュワブの沖合にというようなことを想定していないので、まずそこに誤解があるんではないかと思います。
それから、防衛庁長官、キャンプ・シュワブの海岸に立たれたことございますか。非常に美しい海岸線がございます。そこにどのようなものが建とうとも、仮にサンゴを、というか、サンゴだけではなくて自然に、自然環境に非常に配慮をして何かが仮に建ったといたしましても、三千メートル級の空港があそこにできるということを想像してみただけで正に私はこれはもうクライムだと、もう犯罪行為だと思うわけでございます。
沖縄というのはどういうところかと。亜熱帯の、日本では珍しい亜熱帯の島でございます。沖縄はこれからの観光、じゃなくて産業振興の目玉に環境を据えております、環境と観光を据えているわけでございます。そういうときに、幾らいろんな国の人々を、いろんな地域から人々に来てもらうためであれ、ああいうところに、海上に空港を造るといったようなことはもう正に自己否定にもつながるんではないかと、そのように思います。
だから、沖縄県民の立場からいっても、それからアメリカの立場からいっても、十五年の期限を区切ってあの大きな埋立て工事を、飛行場を造るということは間違いではなかろうかと。むしろ新たに陸上に飛行場を造り、それは軍民共用でもどちらでもよろしいわけですけれども、是非そういう方向で検討をし直していただきたいという要望を持って今日質問しているわけでございます。いかがでございましょうか。
○国務大臣(中谷元君) 本件につきましては、地元である沖縄県また名護市、また地元の関係者の方々と密接に協議をして、手順を踏んで、御了解をいただきながら推進をいたしておりまして、現時点におきまして、必要な対策を講じつつ、地元の御理解と御協力をいただいて実施をいたしておりまして、これの早期実現につきまして沖縄県民の皆様方の御理解をいただきたいというふうに思っております。
○広中和歌子君 ただ、最初の出発点が間違っていれば、どんなに協議をしても、どんなに努力をしてもうまくいかないということはあり得るんではないかと思います。
こんなことで石垣島の例を出しては大変恐縮なんですけれども、あの空港を造る際にも、埋立て案というのが地元で決まりまして、もうほかにはあり得ないと言い続けていたわけです。もちろん、環境の視点から埋立ては反対だということでNGOや政治家やいろんな人が声を掛けたんですけれども、結局、陸上の代替案については不可能だ不可能だと地元の人は言い続けていた。いったん決まったことをやめるということは非常に、メンツのことだけでもなくやはり利害関係も絡みますから大変なことだと思います。
しかしながら、結局そこにある種の問題が絡んでいるということが分かって、それだったら空港を造らないという状況が出てきたときに、ちゃんと陸上に新しい飛行場の場所が提供されて、そしてそれが造られたということもあるわけでございまして、この沖縄本島のキャンプ・シュワブ沖ということしかあり得ないと、そこでの、何というんでしょうか、小さな話合いで問題が解決するとは私は到底思えないし、沖縄の将来の発展のためにも、そして本来の軍用施設としての適正さからいっても、十五年という期限が限られるような、そういったものをキャンプ・シュワブ沖に造るということに関しては是非是非考え直していただきたいと御要望申し上げて、私の質問を終わらせていただきたいと思います。
|