第153回 外交防衛委員会
2001年11月8日(木)

○テロリストによる爆弾使用の防止に関する国際条約の締結について承認を求めるの件
○テロリストによる爆弾使用の防止に関する国際条約の締結に伴う関係法律の整備に関する法律案

☆答弁者

田中 眞紀子 外務大臣
中谷 元 防衛庁長官
森山 眞弓 法務大臣
杉浦 正健 外務副大臣
外務大臣官房審議官 林 景一 君
警察庁 警備局長 漆間 巌 君
法務省 刑事局長 古田 佑紀 君
防衛庁 運用局長 北原 巖男 君


広中和歌子君 おはようございます。民主党の広中和歌子でございます。
 きょう、略称爆弾テロ防止に関する条約とそれから爆弾テロ防止条約関連関係法律整備法案、この二つについて御質問させていただきます。

 もう既に衆議院ではこれが全会一致で可決されたという法律でございますけれども、しかしながら素人ではございますけれども、この件に関して素人ではございますが、いろいろ勉強させていただき、質問させていただきます。

 二十世紀というのは戦争の世紀というふうに言われておりますけれども、二つの世界大戦、そしてその後の冷戦、冷戦のさなかに世界各地でさまざまな、大小そして長短はございますけれども地域戦争が起こった。しかも、その間をテロが多発したと。そういう中で、国際社会としてはテロ防止に関する条約を数々つくってきたわけでございますけれども、今回の法律は、我が国としては、一九九七年に作成された法律に対して署名が九八年四月、そしていまだ締結がされていないと、そういう状況にあるわけでございます。

 このテロ防止に関する十二の法律、条約があるわけでございますけれども、こうした条約の意義について、まず外務大臣、お答えいただければと思います。

国務大臣(田中眞紀子君) 意義につきましては、それぞれの十二の条約がございますけれども、もちろんそうした必要性があるからでございますけれども、簡単に申しますれば。ですが、その中でもって幾つかにつきましては国会提出がおくれておりまして、今回の九月十一日のテロがございまして、その中で早めて審議をしていただかなければいけないというような事情になったことも率直に認めなければならないというふうに思っております。

 国際社会は国際的なテロリズムと戦うために、テロ防止の関連条約の作成に当たりまして、テロリストの定義というものを設けることなく、典型的ないわゆるテロ行為というものに該当する一定の行為類型といいますか、それにつきまして、これを犯罪として処罰のための法的枠組みを設定するということの対応を着実に積み重ねてきております。

 その中で、少し積み残しといいますか、それがあるということについても率直に認めたいというふうに思います。

広中和歌子君 この法律、署名をしてから、何ですか、作成されてから三年が経過したというその理由についてはどういうことなんでございましょうか。

国務大臣(田中眞紀子君) 爆弾テロ防止条約についてでございますね。

広中和歌子君 はい、そうです。

国務大臣(田中眞紀子君) それにつきましては、現在、G8の中でもってこれを締結しておりますのはイギリスとフランスとロシアの三カ国だけでございまして、であるからのんびりしていたわけでは決してございませんけれども、この条約が五月に発効したことにかんがみまして、G8の諸国の中の動向というものにも留意をいたしておりました。

 そして、実質的には次期通常国会にこの条約を提出することを念頭に置きまして作業を進めてきております。そして、先ほど申しましたように、今回の九月十一日のテロ事件というものがございましたので、作業を一層加速化させているということでございまして、今次臨時国会に提出する運びとなりました。

 そして、三点目といたしましては、九八年の四月の十七日にこの条約に署名を行いまして、その後、これを実施するための国内法について関係省庁間で鋭意検討作業を行ってきております。

広中和歌子君 いただいた資料で、作成日・発効日、我が国の署名日、我が国の締結日ということで十二の法案のリストがあるわけでございますけれども、ここで気がついたことですが、十二の法案のうち七本、我が国は署名をしていないんですね。そういう理由というのは何なんでしょうか。

国務大臣(田中眞紀子君) 七本でございますけれども、これが国際的に発効した後に日本が署名したものでございますけれども、具体的に申しますと、民間航空不法行為の防止条約、モントリオール条約と言われておりますもの。それから、もう一つモントリオールの議定書というのがございます、空港の不法行為防止議定書であります。三つ目が国家の代表等犯罪防止処罰条約です。四つ目は核物質の防護条約。五つ目が海洋航行不法行為防止条約。六つ目が大陸棚のプラットホーム不法行為防止議定書。そして、最後がプラスチック爆弾探知条約でございます。

 こういうものがございますけれども、九月のその先ほどのテロの話でございますが、これはもう人類に対する極めて卑劣な行為でございまして、国際社会が一致団結して断固として強い決意を持って取り組むべきものであるということは今さら申し上げるまでもございません。

 そして、こうしたテロの重要性というものに、テロ対策ですけれども、テロ対策の重要性ということにかんがみまして、テロ防止関連条約の締結促進に向けた国際社会との協力、及びG8ですけれども、その場を利用した呼びかけを行っております。

 そして、所要の国内法の整備を行う必要がある場合もございますので、御指摘も踏まえまして、政府は、そのための関係省庁間、これはやっぱり縦割りになっておりまして、それが今回加速化なかなかできなかったということの一因でもあるというふうに存じますけれども、関係省庁間での検討作業を遺漏なきよう期して関連する条約を可能な限り早期に締結するように今努力中でございます。

広中和歌子君 私の御質問したことは、署名をしていないということ、そして締結をした場合でも非常に年月がたっているものが多いわけでございますけれども、こういう事例から見ますと、我が国はこうした国際条約に対して積極的に動いていないんではないかという印象を持つわけでございますが、外務大臣、数カ月前に外務大臣になられたばかりなので過去のことは責任がないわけでございましょうけれども、外務大臣として、日本のリーダーシップですよね、こういう国際条約に対して積極的に署名し、そしてできるだけ早くその締結をしていくという、これまでの外務省の態度についてどのようなお考えをお持ちでしょうか。

国務大臣(田中眞紀子君) 国内法との関連がいろいろございますから、技術的な、テクニカルな面でいきまして国内法の整備との整合性というふうなことに手間取っていたということ。それから、先ほどから申し上げていますように、省庁間の調整ですとかそういうふうなことで時間がかかっていると思いますけれども、やはり常日ごろ、備えあれば憂いなしということをよく総理がおっしゃっていますけれども、既に署名したものにつきましても見直しをするとか、それから、委員御指摘のように、先を見通して必要なものにつきましては内閣主導で、小泉内閣だけではございませんけれども、そうした危機管理といいますか意思を持ってやってきていればもっと速やかに、こうしたテロにいたしましても、また今後もどういうことが起こるか予測がつきませんので、そうした国際間の問題についてやっぱり外交的な意識というものを高く持ってきていればよかったし、今後も持つように心がけたく存じます。

広中和歌子君 ありがとうございます。
 いずれにいたしましても、国内法にいたしましても条約にいたしましても、それが効果を持たなければならないわけでございます。さまざまなこうした個別の条約がテロに関してできましても、テロは依然として起こっている。特に、今度のニューヨークを中心として起こった、アメリカで起こった同時多発テロ、これに関しても予防する、プリベントできなかった、防止することができなかったということで、条約の限界あるいは国内法が整備されたとしてもその限界というものがあるのではないかということを素人ながら考えるわけでございますけれども、この条約が結ばれたことによってどのような効果があったのか、あるいはこの条約がなければもっとテロがふえたのだというような考え方もあるのかもしれませんけれども、一向にテロは減っていないということに関してどのようなお考えをお持ちでしょうか。

国務大臣(田中眞紀子君) これは、私はこの夏にG8に参りましたとき、それからそのほかの国際会議に出ますたびに出ることとして、紛争予防、これをどうするべきかということが必ずテーマとして挙がってまいります。

 今おっしゃったような法整備は、条約なり法律なり、今ここに法務大臣もいらっしゃいますけれども、法律も大事ですけれども、その法律以前の段階として紛争予防をそれぞれの国、国家なりあるいは団体とかあると思いますけれども、民も官も自分の問題として、事が大きくならないように、あるいは発生する前からそうした話し合いといいますか、それから法律を離れて人間社会の努力といいますか、お互いの紛争が起こらないようにする、理解を深めるといいますか、よく言われている文明の衝突、そんな大きなものではなくても、紛争、衝突が発生しないような、そこまで至らないような努力、そういう心がけがやはり政治家もないといけない。政治家っていろんな意味の政治家がありますけれども、そのように考えております。

広中和歌子君 この条約に伴って国内法の整備がいろいろ求められているということで、新しい爆弾テロ防止条約関係法律整備法案というのができたわけでございますが、この国内法はどのような点において意義があるかということを法務大臣、お話しいただければと思います。

国務大臣(森山眞弓君) 国内法全体についてという御趣旨でございましょうか。

広中和歌子君 はい、そうです。結構です。

国務大臣(森山眞弓君) 条約を批准いたしますときには日本の場合は非常にまじめに考えておりまして、日本の国内の法律がその条約の言うところをきちっと実際に実効を上げることができるかどうかということを子細に点検をするというのが今までの習慣でございます。

 関係の法律、関係ありそうと思われる法律を、たくさんありますものを全部点検いたしまして、このたびようやくまとまったものをここへお出ししたわけでございますが、爆発物取締罰則、生物兵器禁止法等関係の七法律、七つあるわけでございますので全部申し上げると細かくなり過ぎましょうか。

 それらを改正いたしまして、第一に、生物兵器及び毒素兵器の使用罪、生物剤、毒素及び毒性物質の発散罪等の罰則規定を新しく新設したわけでございます。また第二に、核燃料物質をみだりに取り扱うことによる放射線の発散罪等について、その対象物質を特定の核燃料物質から核燃料物質全般及び核燃料物質によって汚染されたものに拡大いたしました。第三に、放射性同位元素を装備している機器等をみだりに操作すること等による放射線の発散罪について、人の財産に危険を生じさせた場合にも拡大いたしました。第四に、所要の国外犯処罰規定の追加などの改正を行おうとするものでございます。

広中和歌子君 一つは国外犯にも広げたということ、そして生物剤、毒素の発散にかかわる罪などの処罰を重くしたということに意義があるんではないかと思いますけれども、こうしたテロ行為というのはどちらかというと確信犯だろうと思います。ですから、罰則を重くしたからといって、そして国外犯も世界各国協力して犯人を捕らえることができるというようにしたことは進歩だろうとは思いますんですけれども、果たして効果があるかということについてはどのようなお考えでしょうか。

国務大臣(森山眞弓君) 先ほど外務大臣もお答えになりましたように、条約があればすべて解決するわけではないとおっしゃいましたし、法律も同様だと思います。

 しかし、何もそういうルールがないというのに比べましたら、やっぱりぎりぎり最小限のところの歯どめは必要でありましょうし、その前に、国民あるいは世界の人々全部が平和なうちに穏やかに話し合って事を解決するというふうにみんなが思うようにならなければ、それは基本的には全部解決するわけにはいかない。それは残念ながら認めざるを得ないと思いますが、法律の役目、果たすべき役目だけはしっかりとしておこうというのが趣旨でございます。

広中和歌子君 今回の同時多発テロの後、アメリカはアフガニスタンに対して首謀者とされるオサマ・ビンラディン氏の引き渡しを求め、しかし拒否されたわけですよね。アメリカもアフガニスタンも、ハーグ条約というんですか、このテロ防止条約の中の一つ、ハイジャック防止に関する条約に署名もし、そして締結もしているわけですよね。しかしながら、引き渡しがされていないということがあるわけです。

 つまり、条約があっても履行されるかどうかという問題について、本当に複雑だろうと。もちろん、私はなくてもあっても同じと言うつもりはございませんけれども、こういうように実行されないようなケースというのが非常に、これはたまたま一つの例なのかもしれませんけれども、テロという非常に複雑な種類の犯罪に関してはそう一本縄ではいかないようなそういう印象を持ちます。外務大臣はどのようにお考えでしょうか。

国務大臣(田中眞紀子君) それぞれの事案によってケース・バイ・ケースの理由があるというふうに思いますけれども、政治的な残念ながら駆け引きでありますとか、それから何か法律的な枠組みといいますか制限というか、不備であったために引き渡されないケース、それらがいろいろ相まっているというふうに思いますけれども、より具体的な説明が必要でございましたらば参考人から御答弁を申し上げますが、よろしゅうございますか。

政府参考人(林景一君) 先ほど冒頭に大臣からもちょっとお話しございましたとおり、このテロの関係の国際条約というのは、今十二本作成されておりますけれども、これは、日本が入りますと十一本目でございますが、この考え方というのは、まさに典型的なテロ行為に該当する一定の行為類型を犯罪として、その処罰のための法的枠組みを設定することを国際社会のできるだけ多数の国がやっていこう、そういうことによってテロ対策における国際協力の輪を広げるということでございます。

 御指摘のように、じゃそういう条約の中で、犯罪とされた行為について締約国は訴追ないし引き渡しの義務を一般的に負うわけでございますけれども、引き渡し義務を履行しないという例が、それはあり得るわけでございますが、であるから意義がないのかというと、そこはそういうことではないんではないかなと。

 まず、それは少なくともこういう一定の行為類型について、これは犯罪だというふうに、いわば法規範といいますか、として世界じゅうの非常に多数の国が受け入れるということがございます。

 例えば、この爆弾テロの条約については実はまだ二十九カ国でございますけれども、御指摘のヘーグ条約のような場合ですと、世界の百七十四カ国もの、いわばもう大多数の国が参加しているわけでございます。こういう条約について重要な義務の違反というものが起こります場合には、当然のことながら国際社会の非常に強い非難を受けるということになりますし、場合によっては、それは安保理の制裁というようなことまであり得るわけでございます。

 そういう意味での不利益をこうむるようなことがございますし、やはり道義的にも非常に受け身の立場に置かれるということでございましょうし、そういう意味で、普通の国の間ではやはり義務の履行が期待される、そのことによってそのテロ犯罪というものが抑止される、あるいはその起こったものについての取り締まりが強化されるというようなことで意義があるのではないかというふうに考えております。

広中和歌子君 どうもありがとうございました。
 要するに、起こってからどうするかという問題よりも、起こる前にどうするかと。つまり、未然防止ということが非常に大変大切だろうと思いますけれども、例えば我が国ではサリン事件というのが起こって、そしてあのサリン法というのができましたよね。例えばこのサリン法ができたために、この前起こったサリン事件のようなことが再び起こらないというようなことは警察としては断言できるのでしょうか。

政府参考人(漆間巌君) サリン法はできましたけれども、そのサリン法ができた結果、いろいろな化学物質に関して、その管理に関してきちっと届け出をするとか、そういう義務づけはされております。これをきちっと履行していただいてうちでチェックするシステムはできたわけでございますが、ただ、これによって化学テロが起きないかと言われますと、我々としては起きないようにいろいろな対策を講じたいと思っておりますけれども、全く起きないということはこの場では申し上げることはできません。

広中和歌子君 テロ、どういうところから起こってくるのかわからないわけですけれども、まず薬物ですよね、毒物というんでしょうか毒物、そして、今度の法律では核とそれから化学物質、そして生物剤と、そういうものが対象になって、日本の、我が国の国内法でもそういうものを取り締まろうということがされるわけでございますけれども、そういうものを使っているところ、管理しているところ、大学等研究室、いろいろあると思うのでございますけれども、その管理方法については、これまでとそして今後、これまではどういう方向でやってきたのか、そしてこれからどういう方向に変わっていくのか、そういう対応についての変化があれば教えていただきたいと思います。

政府参考人(古田佑紀君) 生物剤あるいはいろんな化学物質、この管理を直接私どもの方からお答え申し上げるのはいかがかとは存じますけれども、例えば生物剤につきましても、これは今御指摘のとおり、それぞれの目的に応じまして、文部科学省あるいは厚生労働省、農林省その他関係省庁多岐にわたって、それぞれの目的に応じましていろんな管理体制、こういうようなものをきちっとするということでこれまでも行われてきたように承知しておりますし、特に現在のような生物剤の悪用、あるいは先ほど御指摘がありましたような、サリンのような化学物質の悪用と、こういうような事態が現実化してまいりますれば、当然ながらそういう面についての、実際の取り扱っておられるところの管理体制とか、そういうのもきちっと整備されていくというふうに今私どもとしては考えているところでございます。

広中和歌子君 これまで予想がつかないような犯罪というのを犯人たちは考え出すだろうと思いますけれども、ですからこれまでの縦割りの行政ではできないと、つまり横の連絡をとりながらこういったテロ犯罪に対して対応しなければならないんではないかと思いますけれども、これからの取り組みについて、特にテロが発生した場合と、それから発生する前と後についてどのような体制がとられるのか、それについて教えていただきたいと思います。これまでどういうことをやっていらしたのか、そしてこれからどういう取り組みをしなければならないと思っていらっしゃるのか。

 生物兵器への対処に関する懇談会報告というのがあります。要するにまだ本格的な研究は行われていないし、生物剤に対する検知、防護等の能力は欠落または未検証の状況にあると報告されているというふうに言われているんでございますけれども、いかがでしょうか。

政府参考人(北原巖男君) お答え申し上げます。
 ただいま先生御指摘の生物兵器への対処に関する懇談会の報告書、これはことしの四月に防衛庁長官に提出されたものでございますが、一年前に、防衛庁といたしましても、この生物兵器というものが大変安価かつ製造が容易ということで、その移転、拡散が喫緊の課題になっているといった認識に基づきまして、特に医療分野を中心とした学識経験の方々に専門的観点から提言を得るといった観点でお願いをしたものでございます。

 先生御指摘のように、その中で、まだまだこれから整備をしていく必要があるといったことが十項目にわたって指摘をされております。これを受けまして、防衛庁といたしましても、現在、四月に報告を受けまして、五月に防衛庁の中に生物兵器対処に係る連絡会議を設置をいたしまして、生物兵器対処の体制整備について現在鋭意検討をしているところでございまして、私どもといたしましては、この検討をことしの十二月にはまとめたいということで、今、急いでといいますか、慎重かつ急いで作業を進めているところでありまして、この作業の中で、いろいろ懇談会でも御指摘をいただいたようなさまざまな検討を行っているところでございます。

 いずれにいたしましても、私どもこの会議での検討を早く取りまとめましてやっていくことが、生物剤によるテロが起きた場合の私ども自衛隊の部隊運用のあり方に大変資するものと考えておりまして、今、我々といたしましてはこうした作業を鋭意進めているところでございます。

 また、これにあわせまして、現下の炭疽菌その他の事案が発生しておりますので、私どもといたしましては補正予算でもいろいろ前倒しして体制の整備等に全力を尽くしていきたいと、そのようなまた努力をしているところでございます。

広中和歌子君 想像力を働かせながらシミュレーションをぜひしていただきたいと思うんですが。
 今度は、テロが実際に起こった場合、この前のサリン事件もそうですし、炭疽菌事件、日本に発生しなければいいと思いますけれども、そういった事故、それから原子力発電所等原子力に絡む事故、テロじゃなくても事故が起こった場合、そうした場合にこれまでの、一元的には、警察あるいは消防が対応するんだろうと思いますけれども、それだけでは対応し切れないようなこともあるんではないかと思いますが、消防、警察、自衛隊の連携というのはどういうふうになっているんでしょうか。

 そのことは非常に大切だろうと思います。政府全体としての体系づくりをぜひお考えいただきたいと思いますが、どういう体制が組まれようとしているのか、ぜひ教えていただきたいと思います。

国務大臣(中谷元君) 御指摘のように、防衛庁、また警察機関、消防の連携は大変重要だというふうに思っております。そういう意味で、ちょうど本日でありますけれども、夕刻、官邸でNBC対策関係閣僚会議が開かれまして、そういった事態における省庁間の連携、連絡、対処等を緊密に強化していこうということで、政府全体の連携体制のより一層の強化という対策が図られております。

 また、警察との連携関係も、治安出動に関する出動の要件につきましてかねてから協定等を結びまして、中央のレベル、また現場レベルでの相互の連絡調整を迅速にできるための処置を行っておりますし、また、いざ治安出動の場合の閣議決定の要領等につきましても、迅速に閣議決定がなされるように、今般、内閣において申し合わせ等を行っておりまして、警察並びに消防等と相互に協力しつつ、救援活動が迅速に行うことができる体制づくりに努力をいたしております。

広中和歌子君 今おっしゃった……

政府参考人(北原巖男君) 済みません、一つ付言をさせてください。
 今、大臣が御答弁しましたとおりでございますが、それに加えまして、治安出動にいかない状況のもとでのいわゆる災害派遣出動といった段階でも警察庁との間で平成八年に協定を結んでおります。さらにまた、消防庁との間でも同種の協定を結び、連携を密にし、遺漏なきを期していくということで今やっております。

広中和歌子君 大変いい御指摘だろうと思います。テロかテロでないかということも当初はわからないわけでございますから、ともかく事件が起こったときにいち早くそうした協力体制ができるという、そういうシミュレーションをしておくことは非常に大切だろうと思います。

 それから、最初、防衛庁長官がおっしゃったNBCというのは、核と生物剤と化学兵器、化学物質ですね、毒性のある。ありがとうございました。

 それから、これまでの国内法で、何でしたっけ、現行の原子炉等規制法では特定核燃料物質以外の、人々の生命、身体等に危険な核物質が対象になっていないということで、この法律で、放射線、放射性物質を発散する兵器または装置が加えられたということでございますけれども、そういう中で劣化ウランも今回の法律の対象に含まれることになったということが報告されているわけですが、前回、前々回だったか、私は劣化ウランについて防衛庁長官にお尋ねしたことがございます。劣化ウラン弾というものですね、劣化ウラン弾というのは今回の法律とどのようなかかわりがあるのかということでございます。

 自衛隊は劣化ウラン弾は所持していないときっぱりとおっしゃったわけで、それでは在日米軍はどうかというふうに重ねて私がお伺いいたしましたところ、調べてみるとおっしゃって、それでとどまっているわけでございますけれども、仮にアメリカがそれを所持しているとしたらば、これはどういう扱いになるんでしょうか。核兵器になるんでしょうか、それとも非核兵器なんでしょうか。

国務大臣(田中眞紀子君) 前回の広中先生からのお尋ねでも劣化ウラン弾のことが大変御熱心でございましたし、またそれに関する御本もたしかアメリカからのものをちょうだいいたしまして、全部は読み切れませんでしたけれども、拝見させていただきました。

 その関連のお尋ねというふうに思いますけれども、今回、アメリカの方への問い合わせにつきましては、劣化ウラン弾の管理に今後とも万全を期するようにということの申し入れはかつてもしておりますが、今回、十月の十日に北米局の審議官から在京米大使館の政務担当の公使に対しまして申し入れを行いました。

 そして、アメリカ側から、その十月十日に、弾薬の具体的な保管場所や数量等については軍の運用にかかわる問題でもあり、また施設及び区域の保安上の要請もありまして公表しないとの基本方針を有しているという従来からのお返事がございました。

 これは前も、共産党さんの小泉先生からも前回お尋ねがありまして、今いらっしゃいませんけれども、大変御関心があるので、私もまたこの今国会が始まると多分お尋ねがあると思いまして、事務方、おしりをはたきましてお願いした結果が、結果的にはこういうふうな結論でございますけれども、劣化ウラン弾が厳重な管理基準のもとに安全な場所で管理をされていると、そしてその安全管理、確保というものに万全を期しているのだという説明を受けて今来ております。これが今一番直近のお返事でございます。

広中和歌子君 核兵器とは考えられないんですか。

国務大臣(田中眞紀子君) いわゆる核兵器ではございません。

広中和歌子君 ということは、核の持ち込みということには当たらないと、そういうことでいいですか。

国務大臣(田中眞紀子君) 当たりません。

広中和歌子君 ありがとうございました。
 では、条約に関しましてはこれくらいにいたしまして、少し幅広く現在の国際情勢についてお伺いしたいと思います。特に、今アフガニスタンで行われている空爆とそれに付随するところのさまざまな問題でございます。

 私は飢餓議員連盟という議員連盟の事務局長をしているという関係で、関係もあって、国際機関、WFPとかそれからユニセフとかいろいろな国際機関からお訪ねをいただいて陳情を受けるわけでございますけれども、WFPの御報告によりますと、今アフガニスタンでは既に難民の数、既にこれまでの戦争によって難民の数が、パキスタン側では二百万人、それからイラン側では百五十万人いるということでございまして、これ以上パキスタンにしてもイランにしても難民を受け入れられないということで国境を閉鎖しているということでございますけれども、これから難民の数というのは今後どのくらいにふえるというふうに予想していらっしゃいますでしょうか。

国務大臣(田中眞紀子君) 難民の問題は、私もこの前も、今御指摘のありましたパキスタン並びにイランの外務大臣とか関係の方たちとお目にかかったりしますときに数字を伺っておりますけれども、確実に何人ということは掌握はなさっておりません。それからまた、日に日に、流動的なことでもございますから、それはやむを得ないというふうに思いますけれども。

 現在の難民の、アフガニスタンの場合ですけれども、この規模でございますと、十一月六日にUNHCRが発表いたしました数字によりますと、パキスタンに流入しているアフガン難民というものは十三万五千人に上るというふうに言われております。そしてまた、イラン、タジキスタン、ウズベキスタン、トルクメニスタンですけれども、そちらへの流入は、流出はほとんどないというふうに聞いております。

広中和歌子君 それは新規でございますよね。

国務大臣(田中眞紀子君) はい、そうです。

広中和歌子君 新規に受け入れるには、どなたがおっしゃったのかともかく、パキスタン側のトップの方、ムシャラフ大統領なのかそれに近い方なのか、CNNテレビで、私自身は確認していないんですけれども、一人百ドルというのは、これ一月なのか数字はよくわからないんですけれども、ともかく地獄のさたも金次第というような感じで、やはり難民を受け入れるには非常にお金がかかるということを指摘していらっしゃるんではないかと思うんですけれども。

 日本がアメリカを後方から支援するといったときに難民支援ということは大きなテーマになってくると思うんですが、日本はどれだけの難民受け入れを、金銭面で、資金面でどのような見積もりというのか、覚悟をしていらっしゃるのか、お伺いしたいと思います。

国務大臣(田中眞紀子君) 資金面でのことということはまた閣内でトータルで総理や財務大臣とも御相談をしていかなければなりませんし、今、正確なことは申し上げかねますけれども。

 ただ、今おっしゃった一人引き受けるに当たって百ドルかかるというふうな報道を、CNNとおっしゃいましたか、おっしゃっておられましたけれども、これは十月にUNHCRのルベルスという弁務官がおりまして、この方は大体一人につき年間四十米ドル以下の予算での活動が可能になっているんだというふうな数字を示しておられます。

 ただ、お尋ねの日本でどのぐらいの予算枠があるかにつきましては、何でしたらもう一回正確に調べてからお答えを申し上げた方がよろしいかというふうに思います。

広中和歌子君 WFPの方たちとの話し合いの中でなんですけれども、WFPにいたしましてもそれからユニセフにいたしましても、これまでも難民とか飢餓問題についていろいろ経験があると、実績があるというようなことを言っていらっしゃいました。そして、これ以上の難民を発生させないように、つまり現地にとどまってもらって、そして難民化しないような支援というのが非常に大切だということを言っていたわけです。彼らはアフガニスタンの国内に入っていくルートを持っているということなんですけれども、今、空爆が始まっている。そういう現状の中でどういうふうにこの支援を続行できるかというのが問題であろうと思います。

 私も、難民となって出てくるよりは、現地にとどまって、そして生活を続ける、農業を続ける、そのほか商売を続けられる方がよっぽどいいと思いますけれども、しかしそのような方向が非常に難しいといったときに、二つの方法が考えられるんではないかと思います。

 一つは、こんなこと可能であるということと実際にできるかどうかは別ですけれども、日本がアメリカと連携をとりながら、安全な地域、空爆が行われない地域というものの情報を、ちょっと不可能かもしれませんけれども得て、そして彼らをエスコートできるということ。あるいは、自衛隊がこういう国連機関とともにそういう支援に当たるということ、警備も含めまして。そういうようなこともあり得るんではないかなと頭で想像しているわけでございますけれども、その可能性についてコメントをいただければと思います。

国務大臣(田中眞紀子君) 大変、今、広中先生のおっしゃったことは重要なことで、現実を直視しながら、まずこの空爆のある中で何ができるかということを真剣に考えられた結果、今二つのことをおっしゃっているというふうに思います。

 それを実現するためにも、ちょっと前段がございまして、それだけではなくて、まず輸送のルートとかあらゆることを考えなければいけませんけれども、あの地域が地政学上非常に厳しいところで、七千メートル級の山が九つもあって、そして、この間も黒柳徹子さんが、私の私的な懇談会にいらしたメンバーに入っていてくださいまして、あの方はユニセフ大使ですし、アフガンに、その地に何度も以前からいらしたことがおありになりました。そうした輸送とか、今まさしく委員がおっしゃったような、日本とアメリカが協力して安全地域へエスコートするとか、あるいは自衛隊が参画することについて、まずルートの確保というものがないと。

 特に、今これから雪が降ってくるということはしょっちゅう国会で、衆参で、あらゆる委員会で言われておりますけれども、この間おっしゃったのは、たしかロバを、バスでもって例えば救援物資も運んでまいりますよね。バスで持っていくんだけれども、バスの運送業が結構発達している国だそうでして、パキスタンにしろアフガンに行く、そういうものが結構近隣の国にある。しかし、実際は八千頭のロバで、五百人と言われましたか、五百人だか六百人、ちょっとノートを見ないと正確でございませんが、そのオーダーの人たちが実際に人力でもって運ばざるを得ない。なぜかというと、ルートが、道が狭くなって、どんどんどんどん先が細くなっていくために、奥地にいる方たちに届ける手段が非常に限られてしまっているということをおっしゃっていました。

 したがって、そういうような実情からいきまして、しかもどんどん寒くなって雪が降るわけですから、その残っている方は残念ながら経済的にも窮乏している方たち、そういう方たちが国外に出られず、避難民になれずに中にとどまっておられる、その実態はなかなか掌握どこの国も今できていないわけですが。それを踏まえましても、今、先生がおっしゃったようなことを実現するのは、今すぐまず道路をつくる。こういうことも私たちも内部で、役所でも議論しておりますけれども、あの周辺の北の部分の国、そうした国々と一緒に新しく道路を本当にインフラの整備みたいにつくっていくとか、そういうことをしないとならない。

 したがって、今現在のことをおっしゃっていますが、この後のアフガン復興について考えるときにも、そうしたまずアクセス道路といいますか、そういうことから考えなければならない。ましてや、今ドンパチありますから自衛隊がぽんと行くこともできませんし、知恵が要るところだというふうに思います。

広中和歌子君 防衛庁長官は自衛隊の後方支援について、そうした人道面の、どのような構想をお持ちでいらっしゃいますでしょうか。

国務大臣(中谷元君) 本件の場合は人道的な支援ということで、被災民救援活動ということでこの新しい法案にもそれが位置づけられているわけでございますけれども、三つの条件が加わっておりまして、まず戦闘行為が行われている場所ではできませんと。それから、UNHCRなどの国際機関から要請があった場合に限りますと。それからもう一点は、当該国の受け入れの同意が必要ですということで、アフガニスタンの状況はタリバンと北部同盟という二つの勢力がございますが、事実上その二つの勢力があるものの、外交的にはその二つも日本国は承認をしておりませんので、受け入れ国の同意という点で、受け入れ国が認定できないという、事実上不可能でございますので、この状態で外務省等が国の認定をしていない限り同意を得るというのは難しゅうございますが。

 ただ、この同意をどう考えるかということで、例えば国連等が信託統治をしている場合は、これは同意とみなすということとか、現行のPKO法も五原則がございますが、この五原則の中で同意ということが書かれておりますが、この同意についてもそういう国連が事実上コントロールした場合は同意があるとかいうようなことでそれにみなすとか、現状においてはまだ五原則の議論が各政党間で行われておりますので、こういったことにおいてお認めいただくならば自衛隊の活動が実施することができますけれども、こういった制約がかかっている現状を考えたら、アフガニスタン国内での被災民支援の自衛隊の活動ということは事実上現時点ではできないというふうに思っております。

広中和歌子君 いや、非常に複雑な問題を抱えているなということで、本当に考えさせられました。
 今、ラマダンも近づいてき、そして冬も近づいてくる中で、非常にアフガニスタンの戦況というんでしょうか、それが先が見えないような状況でアメリカも苦労していると。そういう中で、日本は少なくともモラルサポートをして、そしてまた後方支援をするということ、それは我が国、同盟国としてのコミットメントであるということはよくわかります。

 わかった上であえてお伺いするわけですけれども、このアメリカの戦略について日本はアメリカに対してどのぐらいのインプットというんでしょうか、アドバイス、忠告、そういうものをしていらっしゃるんでしょうか。現状をお知らせいただければと思います。

国務大臣(田中眞紀子君) アメリカにインプット、アドバイスという以前に日本で最大限情報を収集しておりまして、それは外務省以外のところももちろんございますし、私も外務大臣としてあらゆる機会に情報はもちろん集めております、電話会談もありますし、バイのこともありますし、あらゆる機会があるわけですけれども、要するに役所トータルでもやっておりますし、そうしたものをすべて勘案していて、復興するために、それから復興以前に今現在の中で先生がまさしく関心がおありのようなことを私も興味がありますし、やらなければ、興味というよりもやらなければいけないことですね、絶対、人道上も。

 それから、今後のアメリカの作戦の展開でありますとか、そういうことについて自分たちなりに問題意識があって分析していて、それでできることからやっていくと。それが国家、国のあり方でありますし、今回のテロ撲滅ということがきっかけでありますけれども、引きずり回されるのではなくて日本が主体的というのであれば、まさしくこちらのプロポーザルはしなければならないというふうに思っておりますが、なかなか直接アメリカのパウエル長官にしろブッシュ大統領にしろ親しくこういうことをお話しする機会に遭遇できないでいるということは大変極めて残念に私は、そのことが極めて残念に思っておりますけれども。

 ただ、分析した情勢は、私、きのうの夜、委員会が終わってからソラナというEUの代表が今回国連に行かれるものですから、電話でお話をいたしまして、私の問題意識を申し上げました。そして、この間、数日前ですけれども、トニー・ブレア首相がロンドンに欧州の代表をお呼びになって、そして自分たちの問題意識を整理し、もう一回団結をし、国連が始まる前にどのようなことがこのアフガンでできるかということで意見集約をなさったんです。そのことの二点、私が申し上げたい、聞きたいことが一つ、もう一つはロンドンでの会合の中身、この二点について伺いました。

 それがまさしく、私は自分が行けなくなった場合でも、日本のこうした私の思いも伝えてほしいということをソラナさんにお話ししましたし、きょうまた委員会が終わりましてからジャック・ストローというイギリスの外務大臣、これも大変アクティブで、イギリスは特にパーティシペートしておりますから、大変今回の問題にはいろいろな観点を持っておられます。したがって、ストロー外務大臣ともきょうこの委員会終わってからお話をすることになっておりまして、アポイントがとれておりますけれども。

 その中でソラナさんがおっしゃったことが、御質問とぴったり合いませんけれども、一番直近の情報でございますから申し上げさせていただきますけれども、軍事行動の中では北部同盟の役割の重要性というものを欧州の中で、この間のロンドンでの中では確認をしているということが一点。

 二つ目は、人道支援。これはシラク大統領がしょっちゅう、フランス人は中でも特にそうですけれども、フランスだけではありませんが、非常にシラク大統領が主張なさったということを聞きました。

 それから三つ目、これはまさしく私が今申し上げていたポスト・タリバンですけれども、これも私が一番言ったら、まさしくそれだそれだとソラナさんが電話で言っておられたんですが、権力の空白をつくらないためにはどうしたらいいだろうかという視点です。しかし、それも大国のエゴでありますとか周辺国のイスラムの国家の思いが微妙に違っていますので、それではなくて、アフガニスタンの人たちが、アフガニスタンの意思によって、国民の意思によって、周囲の国々もなるほどねと思えるようなコンセンサスを、最大公約数を得られるような形で自分の国に住める状態をつくるにはどうしたらいいか、これがポスト・タリバン。

 四つ目は、中東和平でして、これも新しいモメンタムが必要ではないかということで、これはもうG8のときもそうですし、それから私はパレスチナのシャアス長官でありますとかアラファトさんとも電話で話をし、この中東問題が非常にキーの一つだというふうに思っております。

 ペレス外務大臣は、イスラエルですが、しょっちゅう電話をくださいます。今回もこの問題について電話でばかり話しているものですから、ペレス外務大臣がニューヨークでじかに会ってあなたの意見を聞きたい。私も中東和平の問題も、アフガン和平もそうですが、東京で中立の立場で会合はいつでも開かせていただきますと、胸襟を開いて話をしたいということを何度もペレスさんにも言っていますし、アラファト議長にも申し上げました。それは、両方は外交辞令ではなくて本当にウエルカムなんですね。したがって、その話もニューヨークでしようということになっていました。

 ですから、行けないで残念ということよりも、そうした問題意識は結構収れんされている。四点、軍事行動の問題、人道支援、ポスト・タリバン、中東和平、これらが欧州で出てきていまして、特に人道支援とポスト・タリバンをどうするかということが私たち外務省のもう強い意思でもありますので、そうしたことについてこれはもう初めてきょうは先生に、きのうの晩をきょう初めて申し上げさせていただいて、こういう機会があってありがたいと思っていますけれども、こういうことをまさに話をすること、そしてアメリカにそれを言い、またアメリカからもそういうことに対する意見を聞いて国際社会に日本が入っていくということだろうと思いますが、宮澤総理がお出かけくださるので、何か、元総理ですけれども、そういうふうな場がつくっていただけるとありがたいと思っていますので、何とか私が持っているこういう情報といいますか、皆さんのこうした危機感、たくさんの御意見をポジティブに少しでもアメリカで生かせるように宮澤総理ともお話をさせていただけるといいというふうには思っておりますが、何といいましても時間の制約がありまして、なかなか厳しいのであります。

広中和歌子君 外務大臣というのは、少なくともテレビなどで見ておりますと、よその国の外務大臣ですけれども、しょっちゅう外国を飛び歩いていらっしゃる、国際会議も非常にいっぱいあると。全部出席できないかもしれないけれども、せめて主要な国際会議ぐらい出なければ外務大臣としての役割も務まらないんじゃないかなと思っております。

 私は今野党の立場におりますけれども、いずれ与党の場に、立場に立ったときでも、やはり日本の大臣はこのグローバルな時代の中で国際的な立場で活躍する、発言する、リーダーシップをとると、そういうことが非常に大切だと思っておりますので、今の田中外務大臣のお言葉に秘められたフラストレーションというんでしょうか、お気持ちはよくわかるつもりでおります。

 それで、できるだけ今与えられた場の中で大いに御発言をしていただきたいし、国内でも国外でもリーダーシップをとっていただきたいと思いますが、これまで外務省はアフガニスタン情勢を初め中近東の問題に関してリーダーシップをとっていらしたという実績があると伺っております。

 まず一つは、アフガニスタン和平復興構想というんですか、これはまだ今の紛争が起こる前のこと、テロ事件が起こる前のことでございまして、九六年からの構想で、しかしながらまだ実現していないというふうに聞いておりますけれども、何を目指し、どのような成果を期待していらっしゃるのか、実現しなかった理由は何なのかと、お伺いいたします。

国務大臣(田中眞紀子君) これは、細かい経緯につきましては事務方からお許しいただければお答えしますが、私が承知しておりますのは、当時の小和田国連大使が国連でスピーチをなさったそうでございまして、私もその経緯、なぜそういうスピーチになったか、その後のフォローアップがどうなっているか、事務方に聞いております。そして、人材育成がないと、アフガン問題というのは極めて多岐にわたりますし、根が深いといいますか、そういう問題でございますから、したがって、どれだけ外務省が私なんかが着任する以前からやってきているか、人材というこの面からまず申しました。

 そうしましたら、あれからもう五年たっているわけですけれども、一名の専門家の名前が挙がってきまして、だけれども、残念ながらその方は今国連の方に行ってしまっていて、いざとなるとすぐこれをフォローアップできるような人材もいないということですし、役所になかなか手ごたえがなくて、残念ながらこうしたことが起こる前に、関心はあったもののきめの細かい確実な積み上げは残念ながらなされていなかったのではないかというふうに思っておりますが、でも何か計数的なものでございますとかお知りになりたければ、事務方はきょう来ていますか、大丈夫ですか。副大臣、何か御存じでいらっしゃいますか。じゃ、副大臣からでよろしいですか。

副大臣(杉浦正健君) アフガニスタンの将来についての復興会議の話が始まったのは、委員御指摘のとおり、九六年ぐらいでございます。おっしゃったとおりでございます。大臣も申されたとおりなんですが、パキスタンの大使館が中心になりまして当事者を呼んで話をしたこともございますし、それから昨年ですか、東京へ当事者を呼んで国連に立ち会ってもらって話をしようということを呼びかけたことがございますが、タリバンの方が国連の立ち会いは嫌だということで流れた経緯がございます。水面下で努力しておりました。日本が最も手を汚していない立場なものですから、双方とも非常に好意的で話し合いに応じていたわけであります。

 それに、6プラス2という国連の場にあります周辺、国境を接している六カ国と米ロですか、これが加わって、これは今のところ開店休業状態なんですけれども、アフガンのことを考えていこうという国連の枠組みがあったんですが、それとも連絡をとりながら、東京で復興会議をやりたい、国連も入れて6、2プラスアルファですか、の会議をやったらどうかという構想で進めておったわけですが、今度の事件でそれはもう全くアクションとしては停止ということになっておるわけでございます。

 私ども外務省としてはその構想は持っておりまして、今いろんな形でポストタリバンの話が国連の場でも各国、米英ロ等々、いろんな立場で話が出ておりますが、そういう中でも、日本はそういう考えでおりましたので、役割を果たしてもらいたいということはあらゆる場で申しております。

 その後の一番新しいことを申し上げますと、ザヒル・シャー元国王、今ローマにいらっしゃるんですが、八十歳を超えた御高齢の方なんですが、この方とは今までも緊密な関係を維持しております。ローマの大使館が中心になりましてその関係者とも緊密な関係を持っておりまして、今月の一日と二十二日に林イタリア大使が元国王と会見をしておりまして、そこで我が国としてもアフガン和平について引き続き今までどおり積極的な役割を果たしたい、関与していきたいということをお伝えをいたしております。──失礼。今、申し上げたのは十月でございます。先ほど申し上げられました、東京招聘を打診したけれども実現しなかったのは、ことし四月でございます。

 昨年の三月には、アフガン各派を個別に東京へ招聘いたしまして、協議も実施いたしております。それから、ことしの六月には、中東アフリカ局の幹部が出張いたしまして、各派代表と会談もいたしております。
 水面下のものがございますが、さまざまに努力をしておるところでございます。

広中和歌子君 水面下であろうとなかろうと、本当にこれまでの御努力というのは多としたいと思うんでございますが、やはりこういう問題で強力なリーダーシップを発揮するには、やはり顔の見える外交が必要だと思いますし、また周辺諸国、国際社会からリーダーとしての資質があるというふうに思われなければならないだろうと思います、国としてですね。

 また、そうすると、やはり日本がこれまで中近東に対して、仲がいいかどうかは別として、非常にニュートラルな立場、戦争など紛争を経験したことがないというようなこともプラスの要素でございますが、そういうことを考えますと、今度の後方支援も含めまして、アメリカの同盟国としての日本の役割によっては、日本がこうした中東和平問題にどれくらいリーダーシップがとれるかということにかかわってくるのではないかというふうに思ったりもいたします。

 そういう視点から、やはりアメリカに対しての支援と、それからアフガニスタンに対する復興後をにらんだ、あるいは復興に至る過程において、日本がリーダーシップをとれるために、日本の外交はどうあらねばならないかというようなことをもしビジョンとしてお持ちでいらしたらば、大臣、お答えいただきたいと思います。

国務大臣(田中眞紀子君) 顔の見える外交と言うのは簡単なんですけれども、それは、過去の積み上げが、費用がどうであるとか、どういうふうな接触をしたとかというふうなことよりも、やはり私は外交というのは人を得なきゃいけないということがあると思いますし、それから信頼関係ですね、それから実績だと思います。

 今おっしゃった中で一つちょっと違うというところは、アメリカを通じてアメリカに対する支援とおっしゃいましたが、今回の支援は対テロでございまして、もちろん日米同盟は基軸でございますし、大切です。ですけれども、やはりこのテロリズムに対して、私どもは憲法の枠内でぎりぎり武力行使と一体化しないでどこまで協力ができるかということなんですね。ですから、そこのところをやっぱり国際社会の枠組みの中で日本が主体的に取り組むと。よく総理がおっしゃっていることなんですけれども、これに尽きます。

 それは別に置きまして、外交ということですけれども、ややこしく考えればややこしいですけれども、シンプルなことであると私は思います。それは、基本的に信頼関係と実績だと思います。言葉は、国際社会の中で言葉ができるとかできないとかそういうことよりかも、本当に信頼ができる人、それから実績を積んでくれるパートナーであるということ、それは別に対米だけではありませんで、このアフガンだけでもないし、中東問題でも、私はつくづくその中東の関係者、先ほど申し上げた方々、ペレス外務大臣にしろ何にしろ、すべてそうですけれども、再三再四話をしていると、電話かけて、ハロー、マキコ、ぱっと言ってあいさつした後、もうすぐですね、今回のイシューは何という感じで話が入ってきますね。こちらも、きょうはこれとこれがプロポーザルで、聞きたいと言いますと、すぐこう言ってきます。非常に早いですよ。そうして、いろんなことをフリーハンドで話ができます。そういう関係をやっぱり結実させていくと。

 私、特に欧州は言語の問題も地理的な問題もあると思いますが、しょっちゅう会っています。それから、ASEANもそうですね。今回、総理もいらして多分そうお思いになったと思うんですけれども、ASEANプラス今度は3ですが、ASEANの中で、私もこの間WTOも行きましたりほかの会議で行って、極めて緊密ですね。しょっちゅう会っています。それは、イスラムの国が多いというふうなベースもあると思いますが、そうした中でもって日本がイニシアチブをとるとか、顔の見える援助をするとか、過去幾らこれを上げたとか、これからも予算の計上をこうします、それはもう不可欠なんですが、プラス何が足りないかといったら、先ほども申し上げたような人間関係、実績、これと思いますよ。

広中和歌子君 それから、大臣の任期もあるんじゃないんですか。

国務大臣(田中眞紀子君) 私のことを言っているんじゃないですよね。

広中和歌子君 いえ、任期です。いや、一般的に……

国務大臣(田中眞紀子君) 任期。ターム。

広中和歌子君 タームです。

国務大臣(田中眞紀子君) ターム。メディアが喜ぶのは間違いありません。マスコミが頑張って、書くことができてよかったと思っているんじゃないですか。

広中和歌子君  それは外務大臣だけではなくて、どのような分野でもやはりある程度実績を積むためには時間をかけなければならないということもあるんではないかと思います。

 それでは、私たち、大臣もそうですし、森山大臣もそうですし、すべてここに出席している政治家はそれぞれビジョン、どういうことをやりたいかと、ビジョンを持っているんじゃないかと思います。

 私自身といたしましては、日本のこれからの外交政策というのは、これまで日本も既にやってきたことですが、やはり平和というものを基軸にした人道的な支援というのでしょうか、それを進めていくことが非常に大切だろうと思います。

 特に、二十一世紀の世界というのは、環境の世紀などと言われておりますように、環境問題を中心とした支援というのが必要であろうと思う。環境問題も、かつては環境というと公害というふうにすぐに思われていたわけですけれども、次第次第に地球規模の問題になり、それも単に川が汚染されたとか、それから木がなくなったとか砂漠化したとか、そういったことだけではなくて、貧困、難民、経済、つまり経済的な問題ですよね、それと環境との悪循環、そういうようなものも非常に大きいんではなかろうかと思います。

 そういう中におきまして、地球憲章という憲章がミレニアム、二〇〇〇年の六月にでき上がりまして、これはゴルバチョフ元ソ連邦大統領と、それからリオのサミット、一九九二年のサミットの事務局長をしていたモーリス・ストロングさんのリーダーシップによって、今、ルベルスさんはUNHCRの弁務官ですが、彼がかつてオランダの首相であったときに、彼の何というのでしょうか、彼のイニシアチブによって、このゴルバチョフ、モーリス・ストロングなどなどがオランダのハーグのピースパレスに集まって地球憲章をつくろうということになって、そしていろいろな世界じゅうの人の意見を集めてでき上がったのが地球憲章というものでございます。

 そこにうたわれていることというのは、今、私が申し上げたような、つまり平和を基軸として、この人類の唯一の住みかは地球であり、そして人類というのはこの地球上の何百、何千、何万、何億とある種のたった一種類にすぎないと。そして、多くの種によって生かされている存在であり、そしてまたそういう地球を保全するために、平和であるとかそれから民主的な公正な社会をつくっていくことであるとかといったようなことをうたっている大変いい憲章だろうと思っております。

 これについて、ぜひ田中大臣あるいは外務省にリーダーシップを発揮していただきたいわけでございます。これができ上がりまして、希望しておりますことは、ヨハネスブルグのリオ・プラス10の地球サミットにおきまして、これがエンドースされるということは無理といたしましても、少なくともサポート・アンド・アクノーレッジメント、支持とそれからそれを認めると、承認するといったような方向に向けて日本がリーダーシップをとっていただきたいと。

 そのようなお願いを今この場でさせていただきたいんですが、まずそのためには、今度の十一月の二十七日にカンボジアのプノンペンで開かれますこのリオ・プラス10のヨハネスブルグ・サミットに向けてのエイジアン・リージョナル・プレコンという、準備会議というのがあります。そこに向けてぜひ、日本国としてはこの地球憲章のことを発言していただき、そしてこういう方向で日本がそれをサポートしているのだという、そういう発声をしていただくということは、我が国にとって大変すばらしいリーダーシップではないかと手前みそながら申し上げます。私自身もこの地球憲章にかかわってきたといういきさつもあるものですから、とりわけ熱い思いで申し上げさせていただきたいんですが。

国務大臣(田中眞紀子君) 今、リオ・サミットのこと、それからオランダのルベルス首相のお話もなさいましたり、それからリオ・プラス10のお話ですね、そして今後のカンボジアのことも踏まえまして御意見開陳がありまして、まさしく日本の外交だけではなくて世界じゅうが一人一人のマインドセットアップ、心の問題として取り組んでいく問題ではないかというふうに今思いながら伺っておりました。特に、先生のおっしゃった平和、民主、公正、これはどこの国でも、人間であれば、地球のいかなるところでどのような政治状況、社会環境にあってもこれは一番大事なことであって、何人も否定しないことだと思います。

 そして、私はこうしたことでもって一番いつも感じていることは、議員になる前からずっと感じていることというのは、きっかけは父が病気になったこと等もありますが、人権ということですね。それから、国家というもの、国家が何ができるか、ポジティブに国家がどのようにして人の人権を守るか。これは、前沖縄県知事さんいらっしゃいますけれども、一つ一つのことをこの外務省マターだけで聞きましても、あるいはそのほかの経済にしても文化も社会問題もすべてですね、それはやっぱり政治が包含すると思いますけれども、それは人権と国家がどうあるかということ、それを発展して収れんしていくものが外交だと思います。逆に言えばツールかもしれません。

 そういうものを使いながら話をしていく、信頼関係を築く。それは実行することであり、決断をして実行をしてそれを得る人、しかもその人の、さっきおっしゃったその任期、ターム、期限、余り長けりゃいいというものじゃありませんけれども、また腐敗しますけれども、短過ぎては話にならないわけでして、予算的な裏づけがあって、そして政治的な指導性があって、その発言をする人、実行する人が責任を持ってやるかどうかと。それがある程度の任期を持ってやれば、それが結果としてリーダーシップにつながり、よい結果を生むし、世界の平和に貢献するものであるというふうに思っております。

 今おっしゃったカンボジアで行われるリオ・プラス10、私も参加したいと思いますし、またこうした、今、広中先生がおっしゃったようなことを広くあらゆる機会をとらえて、ともに、及ばずながらですけれども、メッセージを発信させていただきたいというふうに思います。ありがとうございます。

広中和歌子君 ぜひ地球憲章のことをサポートする種類の発言をしていただければ大変ありがたいというふうに思っております。
 それから最後に、ちょっと時間がまだございますので、日本におけるインターナショナルスクールについて御質問させていただきます。これは、長年問題でありながら解決しないまま今日に至っていることでございます。

 インターナショナルスクールといっても大学以前のものでございまして、小学校、中学校、高校でございますけれども、日本におけるインターナショナルスクールを出ましても、例えば高等学校まで出ましても、日本の大学に進学する権利というんでしょうか、資格がございません。逆に、外国にあるインターナショナルスクール、例えば我が国日本の例えば慶応義塾がニューヨークなどに学校ありますね。ああいうところを出ましたらばアメリカの学校に行くことができます。それからまた、日本の高校を出たらアメリカの大学に行くことができます。それなのに、なぜ日本にあるインターナショナルスクールを出た子供たちが日本の大学に行けなくて、結果的に海外に行ってしまうのかと。これは大変残念なことだろうと思っておりますし、それからフェアではないと思います。

 相互主義の視点からいいましても、ぜひそうしたことを改めていただくためにこれはリーダーシップをとっていただきたいと思うわけです。例えば寄附金控除、それから資格、単位ですね、これをやはりインターナショナルな基準をとっているのであれば日本の資格として認めていただくということで、ぜひこれは、文部省にかかわることかもしれませんけれども、文部省にはたびたび陳情いたしました。

 今、通産省の方々が非常に熱心にこの問題を取り組もうとなさっております。その理由は何かというと、日本の国際学校の整備ができていないために、つまり、非常に数が少なくて月謝が高くてといったような理由で、海外から日本に滞在しようとしても単身赴任になりがちであると。そうすると、いい人材が来ないというようなこともありまして、日本が国際化していく上にこのインターナショナルスクールの問題というのは大いに障害の要素になっているわけでございまして、これも外務省それから通産省そして文部省と一緒になって、この問題の解決に努力をしていただけないでしょうかというお願いでございます。お答えをいただければと思います。

国務大臣(田中眞紀子君) 時間の関係で簡単に申し上げますが、おっしゃる意味は非常によくわかります。
 と申しますのは、私は都内にある某有名インターナショナルスクールからお願いされまして、まさしく今、委員がおっしゃったようなことでございました。そういう社会のやっぱり流動性といいますか、そういうことのため、人材を生かすというためにも必要なんだという現場からの声でして、当時の文部大臣、森山文部大臣ではございませんでしたけれども、御安心ください、陳情いたしました。よくわかったとおっしゃって、ずっとフォローしましたけれども、結果的に動きませんでした。

 これはやっぱり、今通産ということを伺ってああなるほどねと思いましたけれども、縦割りをやめて、外務省も、このペーパーの中を見ますと、これからは人的、物的交流のために国際交流の一層の推進に努めると書いてございますから、これを実現するために最善の努力をさせていただきますし、また御協力を諸先輩からも仰ぎたく存じます。よろしくお願いします。

広中和歌子君 どうもありがとうございました。
 質問を終わります。