164 - 参 - 文教科学委員会 - 14号
平成18年05月30日
○広中和歌子君 民主党の広中和歌子でございます。
ただいま林議員から現役の母親としても真剣な御質問があったわけでございますけれども、私はどちらかというともう卒業して、もう大分年を取っております。そういう中でこの法案につきまして審議させていただくわけですが、私の時代というものは、保育所というのは、正に官庁用語なんでしょうけど、保育に欠ける子供たち、つまり母親が経済的理由で働かなくちゃならない、したがって、そうした子供たちを面倒を見るのが保育所であり、幼稚園というのは学校に上がる前の子供が図工やお遊戯やその他の遊びを通じて社会性を学ぶ場所であったと、そういうことであるわけでございます。しかし、時代が変わって、保育所は家庭も仕事もと願う男女共同参画時代の女性たちにとって必要欠くべからざるものでございます。しかし、新しい時代のニーズに体制が追い付いていない、そうした中で幼保一元化の法律が出されたと。
幼保一元化になるとどういうふうになるんだろうか。これまで幼稚園は文部科学省、保育園は厚生労働省の管轄という縦割りの弊害を超えてこれを一元化して、保育所でも幼稚園教育が受けられ、幼稚園でも保育所のサービスが受けられる、そうなれば、ゼロ歳から小学校に上がるまでだれでも預けられ、これまでのように待機児童の数が減っていく、大変結構な法律とだれでも歓迎するはずでございます。この法律ができれば、これからは働くお母さんも、これから仕事を探すお母さんも、また将来のために資格を得るために勉強したいお母さんも子供を預けることができる、歓迎すべき法律だと思ったわけでございます。
しかし、よくよく検討してみますと、分からない。何がどのように変わるのか。変わった結果は親にも子にも、この認定保育園ができることで施設の数が増えるのか。子供たちは保育の良さと保育園の良さを両方とも享受できるようになるのか。そのための法律なのか。現在、保育園でも子供に幼稚園的教育を行っているというふうに聞いております。幼稚園でも時間外に子供を預かってくれる。一体何が変わるのか。幼稚園は保育所機能を持てば予算が増えるんでしょうか。保育所が幼稚園的機能を増やせば補助金が増えるのか。その補助金はどこから出るのか。補助金が増えず、経済的メリットもないのに認定こども園の数は増えるんでしょうか。仮に十分に認定こども園の数が増えれば、少子化に歯止めが掛かるんでしょうか。女性たちは、子供を産み育てる喜びと仕事を続ける生きがいの両立ができるんでしょうか。
こうした思いの中で今日は質問させていただくわけでございます。具体的に質問させていただきますが、非常に素朴な質問をさせていただきます。きっちり答えていただければと思います。
まず、そちらの、つまり行政の立場からいいまして認定こども園制度の趣旨は何か、お答えいただきたいと思います。
○国務大臣(小坂憲次君) 広中委員におかれましては、子育てを経験された立場からも、また今日的ないろいろな課題を踏まえて問題意識をお持ちの立場からも、今回の認定こども園制度というのはどういう意味合いがあるのかという御質問でございますが、まず第一に、全国を見渡しますと、地域によりましては、保育所はあるけれども幼稚園がない地域、こういうのもございます。また、幼稚園はあるけれども保育所のない地域も当然あるわけでございます。
また、保育に欠けるという言葉はちょっと分かりにくい面もありますが、すなわち家庭で保育の体制のないそういうお子さん、これを預かる保育所というものが厚生労働省の児童福祉法の下に設置をされておるわけでございますが、保育に欠けない、すなわち親御さんが面倒を見ていらっしゃるお子さんが保育所しかない地域に住んでいらっしゃった場合、保育所に通おうと思っても基本的には通ってはならないわけでございまして、認定を受けられないことになってしまいます。
したがいまして、現在では市町村が特別に認定をして、運用の中で認定をして、その本当の必要性があるかどうかを認定して保育所に通うような枠組みを作ったりもしておりますけれども、基本的には保育に欠けないお子さんは保育所ではなくて幼稚園へ行っていただくということになっておるわけでございます。
こういった制度上のいろいろな課題というものを踏まえますと、できれば、いろいろなところに幼稚園と保育所がそれぞれあって、保育に欠けるお子さんは保育所へ、保育に欠けないお子さんは幼稚園へとそれぞれ通っていただければいいんですが、少子化という流れの中で人数が十分にそろわないために幼稚園を設置したくても認可を得られない、あるいは保育所をつくりたくても認可を得られないということになります。
したがって、幼稚園のあるところに十人、保育に欠けるお子さんがいる、そういう場合には、ではその十人で保育所の認可をしましょうと、こういうことにするのが今回の連携型の、幼稚園と保育所の両方を認定をするという形の一つの類型になるわけでございまして、これによって幼稚園と保育所両方がそこにできることになるわけです。本来ならば、単独であれば十名では保育所を設置できませんけれども、幼稚園に併設することによって十名でも保育所の認可をするということになります。
また、保育所があるけれども幼稚園がないところで幼稚園児の皆さんが一定数いると、この場合、何人にするかということは若干検討を要する部分でありますが、私としては、幼稚園が十人いれば保育所を設置できるんであれば、逆の場合も十名で幼稚園を設置できるようにすべきだろうというふうには私も考えているところでございまして、今検討を指示しておりますが、基準を最終的に明確にさせていただきたいと思っております。
こういう中で、連携型、幼稚園型、保育所型というものが、またこの人数に満たない場合等、これが出てくるわけでございますし、また地域の地方自治体が認定する形の第四類型というものをつくって、全部で四つの類型をつくっていくことを考えているわけでございます。
これらによりまして、パートに出ていらっしゃるお母さんが保育に欠ける状況を補うために保育所にお子さんをお預けになる、しかしパートを辞めたら本当は幼稚園に変えなきゃいけない、しかし同じ園に通うことの方がお子さんのためにはいいということで、この認定こども園制度を採用していただくことによって、保育に欠ける状態にあろうと保育に欠けない状態であろうと、同じ園に通っていただくことができる、そういうメリットがこの認定こども園にはあるわけでございまして、ある意味で子供さんの立場からこの制度の運用というものを考えていると。
必ずしも、委員御指摘になりましたように、保育所あるいは幼稚園、それぞれの経営の立場からこういうものを考えているわけではないということも御理解いただきたいと思います。
○広中和歌子君 幼保連携型、幼稚園型、保育所型、これらはいずれも従来の幼稚園制度と保育制度を前提としているわけですけれども、教育と保育を一体としてとらえた新たなサービスを提供するということであるんならば、民主党案のように行政も一元化するべきではないんでしょうか。まず、お伺いいたします。
○国務大臣(小坂憲次君) 私どもは機能面に着目をして、そしてこのこども園制度というものを考えたわけでございまして、行政面から考えますと、幼稚園、保育所、そして幼児の保育環境、幼児教育環境を全体的に考えると、じゃ保育に欠けるのはなぜかといえば、これは労働環境というものも影響してくるわけで、働き方の改善によってもっと子供たちを面倒見られるような環境ってつくり出せるんじゃないかと、こういうこともありますから、労働行政というものもここにかかわってくるわけですね。
文部行政、それから福祉行政、労働行政、こういったものが絡み合ってまいりますので、そういう点からすると、一元化ということを考えた場合に、単に幼児教育だけじゃなくて、小学校、義務教育段階を経たその先までも教育というのは考えていくわけですから、そういう意味で、両省が一本化したような形で行うよりも、現行の制度の活用の中からそれぞれの地域のニーズに合った形、すなわち先ほど申し上げたように保育所しかないところ、幼稚園しかないところ、あるいはそこに何人ぐらいのお子さんがどういう振り分けでいるかと、こういったことも踏まえた上でニーズに合った形を選定していただくという方が、選択肢が、新たな選択肢を提供することになって、地域のお母さんたちの保育あるいは教育の、幼児教育のニーズを的確に把握できると、私どもはそう考えたわけでございまして、それを補うために両省がより連携をすることが必要と考えて連携推進室等をつくって両省の連絡を密にし、窓口等の一本化を図る中で、手続面でも配慮をしてこの制度を設計したところでございます。
○広中和歌子君 保育所型というのは、保育に欠けない満三歳以上の子供を保育できるようになるということですけれども、待機児童がたくさんいる中で果たしてそれは可能なんでしょうか。
○政府参考人(白石順一君) 待機児童の状況のことに関係すると思いますが、これは同じ市町村の中でもかなり地域によって違いはありますが、地域における保育需要によりまして、保育に欠けないお子さんを受け入れる枠の設定が容易でないというふうな場合もおっしゃられますとおり確かに想定をされるわけでございます。
ただ、こうした場合でありましても、例えば小規模の幼稚園を増設して幼保連携型の認定こども園をつくったり、あるいは保育所の空きスペースがある場合にこれを活用するというふうなことも、それは確かに理屈の上では可能ではございますけれども、待機児童が大変いらっしゃる地域ということで当てはめて考えますれば、その自治体は、その地域の優先順位ということであれば、当然その認定に当たってもやはりまずは待機児童の解消が優先されるべきではないかというふうな判断もされるというふうに想像をしておるところでございます。
それから、理屈の上では可能でございますが、実態的には、そういう待機児童がたくさんいるところはまずはそちらに力を入れるという対応を当該自治体は取るであろうというふうに考えております。
○広中和歌子君 待機児童というのは非常に数が多いと思います。特にゼロ歳児から二歳児までの待機児童が非常に多いというわけですということを伺っているわけですけれども、今度の新しい改正でそういうものは解消できるのかどうか、お伺いいたします。
○政府参考人(白石順一君) おっしゃられますように、いろいろその具体的な数というのを私どもも考えてはみたんですけれども、まず前提となりますのは、認定こども園となる場合につきましては、まず認可基準で六十人が原則の保育所につきまして、幼稚園と一緒にやる、つまり連携型の場合は合計定員が六十人でも認可対象とする、すなわち保育所の定員が十名でも認可対象にするという措置。
それから、例えば幼保連携型施設につきましては、施設主体が学校法人であるとか社会福祉法人であるとかということによる今までの制限を取り払って、特例的な対象にするというふうなこと等々をやることによって今よりたくさんの受入れは行われるであろうというふうなことではございますけれども、実際にそれが地元地元の当てはめによってどの程度、定量的に幾つになるかということは、申し訳ございませんが、ちょっと数字的には何とも申し上げられない段階でございます。
○広中和歌子君 そもそも、定員ということでございますけれども、なぜ六十人、認可定員が六十名ですよね。それを今度は五十名に引き下げてもよろしいということなんですけれども、こうした保育所にしても幼稚園にしても、もうちょっとフレキシビリティーがあってもよろしいんではないでしょうか。実際に保育の質に関係するのかどうか、それを助成金などでいわゆるコントロールするというのはどのようなものかと、いかがなものかと思うわけですが。
○政府参考人(白石順一君) ちょっと言葉足らずな点もございまして、付け加えさせていただきますが、保育所は従来五十人を、へき地とかそういうところは除きまして、原則としておるわけでございます。それは、経営の点もございますけれども、そのほかに、やっぱり子供の育ちというふうなことも考えての大きさということでございますけれども、さすれば今度、幼稚園と保育園が一緒になるならば、何もお子さんに色は付いていないわけでございますので、一緒にして何人ということであればよいのだから、足して十人でも幼稚園と一緒であるならばというふうなことでございます。
従来は六十というふうなことでございますけれども、足して六十であれば、片っ方で六十なり五十なりを求めるということじゃなくて、足した数で考えればいいではないかということで、保育所の定員が十人でも幼稚園が一緒であればいいではないかと、こういうふうなことでございます。
○広中和歌子君 今、待機児童の数はどのくらいありますでしょうか。
○政府参考人(白石順一君) 昨年、平成十七年四月一日現在、いつも四月一日現在で把握しておりまして、まだ今年は集計中でございますけれども、その段階で二万三千三百三十八名でございます。──二万三千三百三十八名でございます。
○広中和歌子君 待機児童をどう定義するかでございますけれども、遠くの保育所に通っていたり、やむなく無認可の保育所に行っている子供たちがいることを考えれば、実際はもっとたくさんいるんじゃないんですか。
○政府参考人(白石順一君) 待機児童の定義のお話でありますけれども、保育に欠ける児童ということについて、保育所における保育を希望した保護者が入所を市町村に申し込みます。申し込んだにもかかわらず保育所に入所していない児童のうちで、例えば保育ママのような事業であるとか、あるいは地方自治体の単独保育施策がございます、そういうもので保育されているお子さんであるとか、あるいは、もうこの保育所がどうしても気に入っているのでそこ以外は嫌だということで、ほかの保育所をあっせん、紹介されているんだけれども入所しないという者は除くというふうな計算をしております。
例えば、したがいまして、地方自治体の認証を受けない認可外の保育施設にやむなく通っており、早く認可保育所が空けばそちらに行きたいというふうなお子さんについては待機児童というふうに数えることになっております。
○広中和歌子君 それから、保育に欠けるという言葉、厚生労働省の言葉なのかもしれませんけれども、余りいい言葉じゃないんじゃないんですか。ちょっと気になるんでございますけど、いかがでしょう。
○政府参考人(白石順一君) 確かに、法律の言葉でございまして、ちょっと硬いような表現もございますが、経緯的なことを申し上げれば、やはり例えば、どうしても農作業をするので両親とも子供をほったらかしにせざるを得ないというふうな状態、あるいは共働きでどうしても子供を見る人が周りにいないようなケース、そういうふうな児童福祉の観点から発生した法律でございますので、ちょっとこういうふうな昔からの言い方をそのまま使わしていただいておるところでございます。
○広中和歌子君 冒頭に申しましたように、経済的にどうしても働かなければならないといういわゆるかわいそうなお母さんたちの子供、それを保育に欠ける子供というふうに定義したんじゃないかなと、その昔ですよ。もう時代も変わっておりますので、やはりこれは考え直さなければいけないんじゃないかなというふうに思います。
それでは、認定こども園については保育料は設置者が決め、届け出ていいということですけれども、これは事実でしょうか。
○政府参考人(白石順一君) 認定こども園の認定を受けました保育所についてのお尋ねと思いますが、そういう保育所につきましては、従来と異なりまして、市町村ではなく施設が決定するというふうなことは今お尋ねのとおりでございます。
ただ、法律上、決めるに当たりましては、保育サービスの提供に要した費用を勘案すること、あるいは保護者の家計に与える影響を考慮すること、また児童の年齢等に応じて定めることというふうな一定の縛りがございます。
また、現在の認可保育所の利用料につきましては、市町村が保育費用が家計に与える影響を考慮して児童の年齢に応じて定めるというふうにされておりまして、市町村の条例で定められていることを参考に申し添えさせていただきます。
○広中和歌子君 認可保育所は従来どおり自治体が保育料を決定するということですね。同じ認可保育所にこのような違いを認める、なぜ認めるのでしょうか、お伺いします。
○政府参考人(白石順一君) 認定こども園の認定を受けました保育所の利用料は、おっしゃられますとおり、施設が定めることになるわけでございます。
これは、利用料につきましては、やっぱり幼稚園の方がそのような形を取っていることとの兼ね合いを考えたことの結果でございますが、ただ、法律上、繰り返しになりますけれども、保育サービスの提供に要した費用が家計に与える影響等を考慮して定めるという点におきまして、現在の保育所と同様でございまして、そこら辺の利用料の均衡を図るということは当然行われるわけでございますが、その一方で、繰り返しになりますけれども、幼稚園の利用料の設定との、裁量との兼ね合いでこのように考えた次第でございます。
○広中和歌子君 認可外保育はどのくらいありますのでしょうか。
○政府参考人(白石順一君) ちょっと時点が少し不明確でございますけど、七千百七十六というふうなデータは今手持ちでございます。
○広中和歌子君 そこに通う児童の数はどのくらいでしょうか。
○政府参考人(白石順一君) 同じ時点、ちょっと時点が不明確で申し訳ございませんが、十七万八千八百五十二名というふうに承知しております。
○広中和歌子君 そのうち自治体が認証しているのはどのくらいありますか。
○政府参考人(白石順一君) ちょっと全部を把握しておらないのでございますけれども、東京都の認証の例でいいますと二百七十一か所、これは昨年の四月現在、それから横浜の保育所が百三十七か所、ちょっと全部ではございませんが、例示で言えばそのような数字を把握しております。
○広中和歌子君 認証されるとどのくらいの補助金が出るんでしょうか。
○政府参考人(白石順一君) 認可外でございますので、保育所の運営費は支給することはございません。
○広中和歌子君 ということは、あれですよね、非常に個人に負担が掛かるということですよね。よろしいでしょうか。
○政府参考人(白石順一君) 地方単独で何らかの助成をしていない限りは、その費用は利用者の負担ということになります。
○広中和歌子君 働く女性というんですか、いわゆる保育に欠ける立場とされる女性たちは認可保育園に預ける資格がございますよね。一方、しかし、働く女性が子供を産んだ場合、その七割の人が職を辞さなければならないと、そういうことを承知していらっしゃるでしょうか。先ほど大臣が、女性の働き方を変えること、女性だけではなくて社会全体の働き方を変えることが必要だというふうに触れられましたけれども、この七割の人が職を辞さなければならない、そして保育に欠ける立場というところから外される、そして家庭に居続けなければならないと、子供のために、という現状を御存じでしょうか。
○政府参考人(白石順一君) 厚生労働省が平成十三年に、いわゆるミレニアムベビーに関します縦断調査というのを継続してやっておりますが、その第一回、平成十三年の調査のデータによりますれば、今御指摘ありますように、出産の一年前にそのミレニアム調査の対象になった、つまりミレニアムベビーの対象になった方のお母さんの七三%が職を持っておりましたが、その方が出産後六月を経た段階ではおっしゃられますように六七・四%、およそ七割が無職になっておるという実態があることはその調査で承知しております。
○広中和歌子君 いったん職場を辞めた女性の再就職先は非典型労働の職場が多いということを認識していらっしゃいますでしょうか。
○政府参考人(白石順一君) 男性と女性の間の比較をいたしますと、女性においてそういう非正規の労働に従事される方の比率が多いということは承知しております。
○広中和歌子君 ともかく、今、格差社会ということが非常に問題になっております。正規雇用、非正規雇用、これには男性も女性もあるわけでございますけれども、特に女性の場合は二重に差別されているということで、子供を産み育てる喜び、そうしたものを感じる、自分の手で育てたいと思うのはすばらしいことなんですけれども、その後の人生が、働き続けた人と続けない人との格差というのが非常に……(発言する者あり)機会費用と言うそうでございますけれども、それが非常に大きいということ。これは将来大きな、将来というか現在もそうですけれども、大きな社会問題になると、そのように思いますけれども、厚生労働省の立場からどのようにお考えでしょうか。
○政府参考人(白石順一君) 女性が安心して妊娠、出産をし、また子育てしながら働くことができるようにというふうなことで、再就職の支援ということは取り組む必要があるというふうに厚生労働省として認識しております。
その際に、今御審議ありますように、保育の確保ということも一つの課題でございまして、この点につきましては従来から、まず働いていないと保育に欠けないというふうなことではないと、つまり休職をしてもまた職場に復帰したいんだというふうなことでも保育所への入所申込みはできるようにというふうなことを私どもは従来からやっておりまして、この点についてはこれからも周知してまいりたいというふうに考えております。
それと同時に、まだ二万人を超えます待機児童が都市部を中心にいらっしゃいます。そういうことであれば、全国どこでも休職中の保育所利用を可能とするためにも、引き続き受入れ児童の増加、つまり待機児童のゼロ作戦というふうなことで、この三年で十五万人以上、十五万六千人の受入れ児童の増加ということを保育所を中心にしてまいったわけでございますけれども、それでもなお二万人を超える待機児童がいらっしゃるというふうなことがございますので、その点に留意すると、これからも頑張ってまいりたいというふうに考えております。
また、この法案に即して付言いたしますれば、先ほど大臣の方からもお話がありましたように、保護者が就労を中断していったん子育てに入ってその後再開したということになれば、じゃ幼稚園から保育所に行くのか、あるいは産休に入ったらば今は保育に欠けないから保育所から出ていってくださいというふうなことがあってはいけませんので、そういう一貫した教育、保育を受けるというメリットがこの認定こども園制度にはあるというふうに認識しておりますし、また待機児童ゼロ作戦という観点からいえば、先ほど具体的な効果の人数は、なかなかうまく数字を今のところ想定できないということは御答弁申し上げましたけれども、しかしながら、いろいろな施設基準の特例であるとか認可定員の特例をすることによりまして、特に幼保連携型の認定こども園を中心に保育サービスの拡充というふうなこともあろうかと思います。
このように、いろいろな手段を講じて、働きたい女性におきまして妊娠、出産がハンディとなることがなくなるような努力ということは、私ども、いろいろな雇用均等行政も含めまして、これからも続けてまいりたいと考えております。
○広中和歌子君 非常に熱心に、また誠意を持って答えていただいたんだろうと思いますけれども、こうした不公平を是正するために今回の幼保一元化はどのように本当に役に立つんだろうかと。そのためには、認定保育園で預かる子供の数は増えるんだろうか、トータルで増えるんだろうかと、そこのところを確認したいと思うんですが、もう一度よろしくお願いします。
○政府参考人(白石順一君) ちょっと繰り返しになりますけれども、就労を中断、再開することによって施設への入所の資格が変動することがないということが今回の認定こども園の一つのメリットであるというふうに考えておりますし、また、これも繰り返しになりますが、保育所の認可定員であるとか、あるいは施設設備基準の特例、あるいは補助の特例というふうなことを活用することによりまして待機児童の減少、つまり受入れ児童の拡大というふうなことに役に立つというふうに考えております。
○広中和歌子君 予算なんでございますけれども、要するに一元化されて、そして幼稚園が保育所の機能を持つとか保育所が幼稚園の機能を持つとかということ、そのこと自体を目指していらっしゃるんだろうと思いますけれども、肝心の予算でございますけれども、やはり先ほどの類型でありました、幼稚園型は文部科学省、そして保育園型は厚労省というふうに縦割りになっておりますけれども、その予算そのものが来年度、再来年度とどのように増えていくんでしょうか、それとも現状のままなんでしょうか。
○政府参考人(銭谷眞美君) ただいま先生からお話ございましたように、認定こども園に係る国の財政措置は、既存の幼稚園、保育所の予算を活用して対応することといたしております。
主な幼稚園の予算といたしましては、いわゆる私学助成というものがございます。それから、就園奨励費の補助というものがございます。今年の場合、十八年度については、私学助成については前年度比約三億円増の三百三十七億円の措置をいたしてございます。それから、保育所の予算といたしましては、運営費の負担金というのが大きいわけでございますが、これにつきましては、十八年度、対前年度百八十六億円増の二千九百八十二億円というふうに承知をいたしております。
認定こども園の実施に当たりましては、幼稚園、保育所の予算の枠内で執行されることになるわけでございまして、今後、認定こども園として、十九年度以降の予算におきまして、認定こども園の認定を受ける施設も含めまして、幼稚園、保育所、認定こども園のニーズの状況を踏まえた適切な予算の確保に努めてまいりたいというふうに思っている次第でございます。
○広中和歌子君 それで、今一番足りないのはゼロ歳児から二歳児ということですけれども、これを預かる保育園あるいは幼稚園ですよね、幼稚園は三歳児からはどうぞどうぞということなんですけれども、ゼロ歳から二歳までの子供を預かる保育園を、あるいは幼稚園を、あるいは認定こども園を増やすために特別な、何というんでしょうか、計画をお持ちでいらっしゃるんでしょうか。特に都市部においてです。
○政府参考人(白石順一君) 先ほど待機児童ゼロ作戦について御説明申し上げましたが、御指摘のように、特に都市部におきまして待機児童多うございます。その中で、特に一自治体当たり五十名を超えるような自治体を中心にして私どもは保育計画を策定していただきまして、そういうところにつきましては、特に重点的に保育所増築あるいは新築をしていただくというふうな形で保育所の定員を増やすように努力をしてまいっておるところでございます。これはこれからも続けたいと思っております。
○広中和歌子君 これから、今申し上げることはこの法案を超えることかもしれませんけれども、私も日本でゼロ歳児から一歳児の子供が保育されている状況を見ました。とても一生懸命やっていらっしゃるし、そのこと自体全然問題ないわけでございますけれども、同時に、同時に、せっかく産んだ子供ですから、ゼロ歳から一歳ぐらいまでは自分の手で育てたいという母親、父親がいても決して不思議じゃないと思うんですよね。そのために厚生労働省が果たす役割というのは非常に大きいと思うんですね。
官庁であれば男性も女性も育児休暇を取ることができます。男性が取る場合には、私はある方の手記を読んだんですけれども、不可能ではないけれどもかなり勇気が要るということでございました。やはり長年の偏見というのがあると思います。しかし、制度上は、官僚の場合には、公務員の場合は取ることができる。しかし、一般の企業ではそれが難しいわけですよね。また、雇う立場としてもそう簡単に休まれては困るということもあるんじゃないかと思います。
そういうところで、育児休業を取ることに対する、従業員が育児休業を取ることに対する企業側の理解ですよね、それを増すためにどのような役割を厚生労働省としては今後取っていくおつもりなのか、もうちょっとPRが必要なんじゃないかと思います。
○政府参考人(白石順一君) 確かに、育児・介護休業法と略している法律ございます、それによりますれば、労働者は申し出ることにより原則お子さんが一歳までに達するまでの間育児休業をすることができるというふうになっておりまして、その間の育児休業のいろいろな保障もあるわけでございますけれども、ちょっと記憶で答弁して申し訳ないんですけれども、男性の場合、一%はまだ取得していない状況にたしかあったかと思います。非常に男女の格差があるところでございます。
これにつきましては、啓発活動というのは今後ともしていかなければならないわけでございますけれども、そのほかに、次世代支援の育成というスキームの中で、それぞれの、特に大企業、三百人以上の企業でございますけれども、次世代育成の支援のための行動計画をそれぞれ作ってくださいと。その中には、そういう育児休業はどういうふうにするかとか、そのほかに子供の病気のときの休暇をどうするかとか、いろいろなことを記載して、その方向でやってくださいというふうなことにはなっております。なっておりますけれども、まだまだ実行面においていささか劣る面があることは御指摘のとおりでございますので、厚生労働省といたしましても、きちんとそういう育児休業、権利としての育児休業が、きちんと取るということの職場環境づくりということ、あるいはそれを支援するいろいろな仕組みというものを今後とも活用してまいりたいというふうに考えております。中小企業でございますけれども、今年度予算におきまして、育児休業を最初に取得した場合、それを支援する企業に対しまして百万円を限度とする助成をするというふうなことも今年度からスタートいたします。
そういういろいろな知恵と工夫を取りまして、今後とも育児休業の普及、あるいはお子さんをやっぱり小ちゃいころは一緒に育てたいというニーズにこたえてまいりたいと思っております。
○広中和歌子君 答弁席にせっかくお二人の副大臣、政務官がいらっしゃるわけで、コメントをお伺いできたらと思うんですが、いかがでしょう。
○副大臣(中野清君) 委員の御質問にお答えいたしますが、育児休業支援といたしまして、一つは、地域における子育ての相談とか、それからまた親子の集いの広場、そういうものが今は欠けておりまして、これについては今一生懸命やろうとしております。
それから、先ほど来大臣のお答えございましたけれども、先ほど委員も、一、二歳の待機児童が多いというのは、これはもう本当に率は、たくさん、多くございまして、それを解消するというために、人員の問題も、幼稚園においても十人いればそれを認めようというふうなことも考えておるわけでございますし、またその中で、例えば幼稚園、そういう小規模な幼稚園におきましては、調理室等も作らなきゃいけないというのが、これはもう常識でございますけれども、それを、例えばそういう小さいところについては、この辺についてのいわゆる外部からの搬入も認めるとか、そういう意味で今実験をといいましょうか、そういう意味でのことをできる限りしろということが今の、現在における対策で考えております。
○広中和歌子君 ありがとうございます。
ただ、女性の方に答弁していただきたいと思ったものですから、よろしくお願いいたします。
○大臣政務官(西川京子君) ありがとうございます。
広中委員の、実際は自分の子供はできれば一歳ぐらいまでは自分の手で育てたい、私は本来そうあるべきだろうと思っております。そのために育児休業制度というのを整備を一生懸命厚生労働省としても整えているところでございます。現実に公務員の方々あるいは大企業ではかなり進んでいるわけですが、その中で特に男性の方がまだまだ少ないという現実もあります。
そういう中で、確かに次世代育成支援法ができましたときに、大きな、百人以上の企業にはある程度の行動計画を作って、三百人以上のところにはそういう行動計画を作って育児休業をなるべく取りやすい環境整備に企業が努力せよという義務も課しました。そういう中で、今現実に景気が厳しい中で、厳しい状況が続きましたが、ややそういう方向が、いい方向に少しずつ改善している方向は事実だと思います。
その中で、厚生省としても、そういうふうに企業が、子育てしやすい環境を頑張っている企業を表彰すると、そういう制度も今設けまして、毎年そういうことも行っております。
そして、いわゆる専業主婦の人も一時的に預けられる、そしてその次にまた再就職を目指す女性にもという、そういう制度は今後、これから一生懸命、本当にそれが本来の私は姿だと思いますので、働き方をフレキシブルにしていく、そういう方向で厚生労働省も頑張りたいと思います。
○広中和歌子君 どうもありがとうございました。
大変前向きな御答弁だと思いますけれども、女性が一時中断してもまた働き続けるためには、やはり育児期間中でも様々な形で社会とのコンタクトを取る必要があると。そういった状況があるにもかかわらず、保育に欠けないという理由で保育所からシャットアウトされるというのは、そしてまた、今の日本ではベビーシッターなどというのはなかなか得られない。そういう状況の中で本当に子育てを選ぶ、それは非常に大切な、すばらしい体験だと思いますけれども、そのために被らなければならないいわゆる機会費用というのが何億円にも達するといったような状況、これはやはり是正していかなければならないんではないかと、そのように思う次第でございます。
何かありますか。
○政府参考人(白石順一君) おっしゃるとおりでございまして、この認定こども園の中におきましても子育て支援機能というのを必須の機能にしたというのは、そういう点も踏まえたものと御理解いただければと思います。
ある調査によりますれば、子育てでの悩みというものは逆に専業主婦である御家庭のお母さんの方が多いというふうな事例もございますので、そういう施設に通って、施設というのは保育所、幼稚園に通っておられるお子様以外のお子様、特に親御さんも一緒にこういう子育て支援機能の方を是非活用していただければということもありまして、これを必須の機能というふうにさせていただいております。
それから、ちょっと、一つ申し訳ございません。私の答弁で三百人以上と申し上げましたが、ちょっと念のため確認します、三百一人以上でございました。そこは訂正させていただきます。
○広中和歌子君 ちょっと話題を変えます。
日本では一歳から四歳児の死亡率が非常に高いと。先進十四か国中最も高いという調査結果がございます。これは事実なんでしょうか。なぜ子供の死亡率が高いのか、お伺いいたします。
○大臣政務官(西川京子君) 様々な、日本は、子供、要するに死亡率が非常に少ない、言わば先進国の中でも医療の分野で大変進んでいるという、自負しているのは事実なんですが、なぜか不思議に、確かに一歳から四歳までの間の死亡率が高いのは事実でございます。
要するに、この中で日本の医療制度が不備だからという御批判はちょっと当たらないように思うんですね、それはそれ以外の年齢のところは圧倒的に日本は他国より優れているわけですから。だから、この一歳から四歳までが非常に低いという原因が、いろいろな調査をしておりますが、正直申し上げると決定的な理由は分かりません。
それが、その中で、お医者様によると、ゼロ歳児の死亡率は、また今度圧倒的に日本は少ない、低いんですね。非常に大きな、ある程度医療費を掛けて、未熟児その他ゼロ歳児を徹底的に救うと。そういう結果として、その後の、一、二年遅れてその結果がここの一歳から四歳に出てくるのではないかという意見もあります。
そういう中で、大きなはっきりとした原因は正直申し上げて分からないのが現実です。今後、一生懸命探ってまいりたいと思います。
○広中和歌子君 原因はいろいろあるのかもしれませんけれども、小児科医が不足しているということも原因ではないかと言われております。
米国との比較したデータがあるんですけれども、日米の人口の違いによる調整をした上での話でも小児科医は米国の半分しかいないと。ちなみに、産婦人科も米国の八割の水準であります。少子化が叫ばれる中、産婦人科や小児科医を増やす必要があるんではないかと、そういうふうに思いますけれども、いかがでしょう。
○大臣政務官(西川京子君) 実は、単純に人口比で比較した調査では確かに非常に半分ぐらいという数字が出ているんですが、実は十五歳未満人口比ですね、子供、十五歳以下の人間を対象にした人口比ですと、日本の場合、米国の要するにお医者様が一人で米国の場合一人の患者を診るのに対して、日本人は一・三人を診るぐらいの差であって、米国の人が例えば百人の患者に対して百人の小児科医が診る場合、日本人は二十二の小児科医が二十九人の患者を診る程度の差なんですね、十五歳以下の人口に比較すると。
ただし、今現実として小児科医の不足と産婦人科医の不足が非常な問題化していることは事実でございます。小児科医に関しては、毎年少しずつですが増えております。なぜこうなのかというと、やはり地域の偏在、きちんとうまく需要と供給が、バランスが合っていないというのが最大の課題でございまして、産婦人科医に関しては、やや、少し減っております。
そういう中で、今厚生労働省としても、この医療制度改革、今回の改革の最大のテーマがこの問題でございまして、周産期医療の充実と小児科医の体制、あるいは救急医療の体制ということですが、これはお医者様の、今回の研修医制度によってお医者様の意識の変化ということも大きな原因の一つであることは事実です。研修の二年間をいろんな科を研修することによって、できれば楽な方に行きたいという、ちょっと嘆かわしい風潮もあるのは事実ですが、現実にそういう中である程度集中化することによって充実していくという方向を取りあえずの方策として考えております。
○広中和歌子君 研修医の制度がどのようなインパクトを与えているのか、私は専門家じゃないから分かりませんけれども、やはりある程度、内科医であるとか婦人科医であるとか小児科医であるとか、なくてはならないお医者様が地方に余りいないという、そうした医師の偏在というのはこれはもう是正していかなくちゃならないと思うんですね。もちろん、強制的にできないのであれば、もうちょっとインセンティブをつくっていくことが必要なんではないかと思います。
今年の医師国家試験では、私立大学の、私立医大の合格者は二千九百十五人、国立大卒は四千八百七人といるわけですけれども、その私立大学、私立の医学部を卒業するのに掛かる費用というのは二千万円を超えます。それから、国立の場合でも三百五十万と、非常な費用が掛かると。
そういう中で、卒業したらできるだけ、楽という言葉をおっしゃいましたけれども、多分収入が多いということをおっしゃっているんじゃないかと思います。そういうようなことはもっと国の政策で変えられるんではないかと。特に、文部科学省も、大臣にお伺いいたしますけれども、大学、特に私立大学の医学部の学生に向けての奨学金、それを検討なさる必要があるんではないでしょうか。
そして、かつて女性の場合でしたけれども、教師になるために高等師範とか師範学校に行くと学費が免除になり、しかしその後働くことが義務付けられているという制度があったわけですけれども、医学部に関してももうちょっと寛大なというんでしょうか、そうした奨学金制度、しかし卒業後は必要な分野で働いてもらうという一筆を書いてもらうと。これは是非必要なんではないかと思います。
アメリカの場合も、そういった奨学金が州であったり、あるいは自治体であったり、あるいは私立というんでしょうか、財団などでの奨学金がございまして、そして人が行きたがらないインナーシティーというんでしょうか、非常にスラム街であるとか農村であるとか、そういうところに医師を派遣するというような工夫もしているわけでございますけれども、日本も平等社会から格差社会に、地域と都市の格差が広がっている中において、このような工夫もそろそろ始めていかないと遅過ぎるんではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(小坂憲次君) 広中委員が御指摘のように、今日の医師不足というのはもう本当に真剣な深刻な問題なんですね。たまたまお嫁に行った先のところに産婦人科医がいないためにお産すら安心してできないという状況は、これは直ちに解消をする努力が必要だと思いますが、一方では、以前に比べて、言ってみれば訴訟リスクというような言葉で表現される場合もありますが、医療事故が起こりやすいとかそういう科目を避けるとか、あるいは技術的に時間の掛かる、習熟が非常に必要な科目を避けるとか、いろいろな事情で小児科とか産婦人科を始めとした医師が不足しているという現状にあるわけで、私は、一つは、今委員のおっしゃったような奨学金制度の充実ということはこれからお答え申し上げたいと思いますが、同時に、研修制度の中で、今まではその地域の出身者を入学定員枠を設けて採るということをやっておりますけれども、そうではなくて、その地域に就職をするという、いわゆる医師としての、医師として働いていただく人を優先的に採る枠をやはり地方の大学でも作っていただくようなことを考えていただくといいかなと。例えば十年間、卒後研修を含めて十年間のうちの八年間はその地域で必ず働きますという誓約書を書いていただいて、それでその枠を提供するというような、何かそういうことも必要なのかと。自治医大等でも努力はしておるわけですが、なかなか離島等の、あるいはへき地の医療が改善しないという状況にあるので、いろんな方法をみんなで考えて、そうしてそういうところで働く方に対してみんなが感謝をしながら、そういった医師の環境を整えていくことが必要だと思います。
その一環として、今御指摘の奨学金制度でございますけれども、この医師不足の問題として、平成十五年十一月に厚生労働省と総務省と連携して地域医療に関する関係省庁連絡会議を設けて、また十六年の二月には取り組むべき課題としてこの問題を取り上げ、また十七年の八月には医師確保総合対策というようなことを三省庁が連携して取り組んでいるところですけれども、顕著な実績が出てきていない段階でございます。
地域医療を担う医師の確保につきましては、医師不足の問題を抱える地方公共団体において医学部の学生を対象とした独自の奨学金制度を設けている例も数多くあるわけでございますけれども、ほとんどの場合、卒後の一定期間、特定の地域での医療機関において医師の業務に従事することを条件に返還免除をするというような形でインセンティブを働かせているような状況でございます。
このような奨学金は、地域に貢献する医師の確保という観点からは有意義で有効なものと思っているわけですが、今後とも地方公共団体の積極的な取組を待つという形になるわけでございまして、私どもとしては、日本学生支援機構の奨学金事業について、特定の職業を対象とした返還免除を実施を以前はしておったわけでございますが、公平の観点から平成十六年度にこれを廃止しております。大学院進学のインセンティブや在学中の勉学の励みとするなどの観点から、大学院で特に優れた業績を上げたと認められる人に対して返還免除をするという制度に転換をされているわけですけれども、今日のような医師の不足をかんがみますと、こういった考え方はあながちただただ公平の観点から否定すべきでなくて、若干、この医師不足解消のためにはまた復活を含めて考えていかなきゃいけないんではないかと、このようにも考えるわけでございまして、ただ、しかしながら、この問題につきましては、厚生労働省、総務省とも連携しなければいけない問題でございますので、積極的にかつ慎重に取り組んでまいりたいと思います。
○広中和歌子君 こういうところでも縦割りを排除して総合的な政策を是非やっていただきたいと思います。
ついでにもう一つ伺うわけですけれども、やはり人材を育てるということ、国の方針として非常に大切なことだろうと思います。もちろん本人の意欲がなければできないことですけれども、上に行けば行くほどそうした教育の機会というのは、意欲のある人そして能力のある人に重点的になされるということも国の方針として必要なんではないかと思います。
平成十七年六月に経済財政運営の構造改革に関する基本方針二〇〇五の中で、高等教育の質的向上を図るため、奨学金制度による意欲、能力ある個人に対する支援を一層推進するとなっているんでございますけれども、大学、大学院への奨学金はどのようになっているのか。
今子供を産まない一つの理由として、教育にお金が掛かるということです。大学まで親が子供を送るというのはもう大変なことなんですけれども、それは何とかできるけれども、そこから先のことになるととてもじゃないけれども親は面倒を見切れないと、優秀な方がやむなくそこで学業をやめて就職するということがかなりのケースであるんではないかと思います。就職することが悪いと言っているわけじゃございませんけれども、伸びる人は、そして意欲のある人はどんどん奨学金で勉強できるような状況を準備するということは国の責任だろうと思いますけれども、どのような現状か、まずお伺いいたします。
○政府参考人(石川明君) 人材養成の重要性の観点から、大学院レベルの奨学金についてのお尋ねだと理解をしておりますけれども、おっしゃるとおりに、特に大学院生など人材育成の観点から奨学金事業を充実していくということは大変大切なことだと私ども考えております。
現在、日本学生支援機構で行っております奨学金事業につきましては、大学院生に対しましては、平成十八年度予算におきましては貸与人員約八万八千人に対しまして事業費一千六十三億円を措置して事業をしているところでございまして、貸与要件を満たす希望者はほぼ全員を採用できているという状況でございます。
また、貸与月額の水準につきましては、無利子奨学金の場合は大学院の博士課程で十二万二千円、有利子奨学金の場合は学生の希望選択制ということになっておりまして、大学院の場合は五万円、八万円、十万円、十三万円というような状況でございます。
今後ともこれについては一層の充実を図ってまいりたいと、このように考えております。
○広中和歌子君 例えばスタイペンドみたいな、何というんでしょう、お返ししなくていいような奨学金というんでしょうか、そういうものは考えられないんでしょうか。借金を背負って卒業するというのもちょっと気の毒、大変なことでございますし、例えばヨーロッパやアメリカなどでは、大学院の学生は教授のアシスタントというんでしょうか、助手というような形で要するにお金をもらう、給料をもらう、そのような制度があるわけでございますけれども、そういった種類の、無利子ということだけじゃなくて、返さなくていいそうした奨学制度というのが必要なんじゃないかと思いますけれども、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(小坂憲次君) 先ほども優秀な成績の場合には返済免除等の条件があるということを申し上げたわけですけれども、話が大分奨学金の話等になって認定こども園から少し離れているわけですけれども。
今、ヨーロッパ型とおっしゃいましたけれども、日本においても、日本学生支援機構の奨学金事業は、返還を通じて学生の自立心や自己責任などの教育的効果も期待できること、それから返還金を再度原資として活用することによって希望する学生を幅広く対象とすることが可能になること、また給与制で実施した場合、膨大な財源が必要となってしまう等々から、昭和十八年の制度創設以来貸与制度で事業を実施しているところであって、これを国費留学生並みの給与制にすることについては現状ではまだ困難であろうと考えておるわけでございますけれども。
私は、個人的な見解としては、やはり日本の学校制度の中で、もっと税制面からも多くの方々から寄附というものが得られやすい制度に変えていって、直接学校法人等が寄附を受けられるような、今でもかなりの部分は認められておりますけれども、自分の財産、全財産を寄附して自分の名前を冠した図書館や体育館を作ってもらうとか、そういったこともできるような税制というのは一考に値するだろうと思っております。
そういった枠の中から奨学金制度も新たなものをそれぞれつくっていただいて、民間の奨学金制度が一層充実するようなこともひとつ皆さんに御協力をお願いしておかなきゃいかぬなと、こうは思っておるところでございます。
○広中和歌子君 片や、外国から日本に留学する留学生というのはかなりいい奨学金をもらうことができるということを何年か前に私は知りまして驚きました。研究留学生ですと月額十七万五千円、学部留学生でも月額十三万五千円。これですとアルバイトをしないで勉強に専心できると。すばらしいことだと思います。そうであれば、日本でもそういうすばらしい方に、優秀な方に同様の奨学金がなぜ与えられないのかと。いったん与えられたら何年間でもいいというんじゃなくて、毎年その成績をチェックしながら、優秀な方にはどんどんそうしたインセンティブを与えるということは絶対にこれからの人材育成に必要だと思うわけでございますけれども。
外国人を呼ぶこと、そして彼らにいい奨学金を与えること、これはすばらしいことだと思います。だけど、日本人をお忘れではないでしょうかということも同時に申し上げたいんです。いかがでしょう。
○政府参考人(石川明君) 奨学金の給付制等に係る問題点とか課題につきましては、先ほど大臣から御答弁申し上げたとおりでございます。
今委員の方からは、留学生、国費留学生並みにその給付制、そんな形の奨学金を国内の学生にも考えるべきではないかというお話かと思っておりますけれども、国費留学生の奨学金につきましては、主としてといいますか、留学生の生活面に着目をして設定をされているという考え方でございます。そういった意味では、生活の安心、そして安心して勉強に励むことができるという観点に着目をしておりますので、その金額もある程度高くなっておりまして、そういった点で学生の、日本の奨学金の場合に返還時の負担等も考えますと、この点、なかなかにわかにそれと同じようなわけにはいかない、慎重に考えるべきかなと、こんなふうに思っているところでございます。
○広中和歌子君 難しいことはよく分かりますけれども、しかし、例えば理科系の学生にとりまして、アルバイトをしながら勉強しなくちゃならないといったような状況というのはやはり問題だろうと思います。日本の学生さんたちも、大学を出たら親から独立して暮らしていかなければならない、それは留学生とほとんど同じような状況だろうと思います。
そういう意味で、もうちょっと日本人の学生に、大学院の学生に対しても重点的にそうした奨学金、それも返さなくていいような奨学金、特別奨学金みたいな制度をつくることによって、何というんでしょうか、勉学する、研究する意欲を高めるということを是非お願いしたいと思うわけでございますが、最後に、先ほど大臣、丁寧にお答えいただいたわけですが、決意を伺いまして、私の質問を終わらせていただきます。
○国務大臣(小坂憲次君) 国費留学生は、日本を理解していただいて、そして祖国に帰って日本の理解者として活動していただく、また優秀なリサーチャー等が、その卵の人に日本に来ていただいて一緒に研究をしていただいて、日本の研究も促進できるような効果もねらって、これもまた充実をする必要があると考えているところですが、今委員が御指摘のように、日本の大学院生等についてもいろいろな支援を考えるべきだということでございます。
現在では、フェローシップやティーチングアシスタントあるいはリサーチャーアシスタントというような形で手当が支給される制度もあります。いずれにいたしましても、大学院生に対する経済的支援というものももっと充実すべきだという御提案もございますので、今後そういったものも含めながら、いずれにしても経済的な環境で自分のそれぞれの勉学意欲がありながら道が閉ざされるということのないように、優秀な科学者、優秀な研究者が育つように奨学金制度というのは常に充実を心掛けなきゃいけないと、この点については私も同感でございます。
○広中和歌子君 終わります。
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