164 - 参 - 文教科学委員会 - 2号
平成18年03月16日
○広中和歌子君 民主党の広中和歌子でございます。
小坂文部大臣、御就任おめでとうございます。
所管大臣として過日所信を述べられましたけれども、文部行政というのは本当に幅が広く奥が深い。そういう中で、どういうことに焦点を当てて大臣個人としてはやっていかれるかということ、当然そういう関心があるわけでございますけれども、今朝、同僚議員が質問なさいましたので私はあえて質問いたしませんけれども、そのときのお答えとしては、受け手の側に立った文部省改革をしたい、それから明るく活力のある学校現場、それからスポーツを振興したい、それから安全というようなこともおっしゃいましたし、科学技術もちょっとおっしゃり、そして国際社会の中で誇れる日本人像を打ち出したいと、そういうこともおっしゃっていました。
ただ、私がいささか意外だったなと思ったのは、大臣の非常に得意分野であるところのICT、インフォメーション・コミュニケーション・テクノロジーというんですか、それについてお触れにならなかったので、後ほど私、時間がございましたら伺わせていただきます。
さて、トリノ・オリンピックの熱気が冷めやらぬ中、パラオリンピックが行われております。日本選手、五個のメダルをもらって、特にノルディックスキー、バイアスロン女子視覚障害の小林深雪選手が金メダルを取られたこと、すばらしいと思いました。それをテレビで見守る我々日本人も我が事のようにうれしかったのではないかと思います。
そこで気が付いたんですけれども、選手たちが試合前などにインタビューを受けているんですが、そのときに、自分のために、あるいはすばらしい体験をしたいから頑張るんだというような言い方をしておりました。そして、国のため、日の丸のためという人はほとんどいないというんでしょうか、一昔前のがちがちになっていたあの選手たちとは随分違うなと感じたところでございます。
しかし、荒川選手が金メダルを取られたとき、日の丸が揚がり君が代が流れると、テレビで見守る私たちも本当にうれしい気分になります。そして、荒川選手が緊張した顔で、そして君が代を歌っているその姿を見て、更に感激したものでございます。スポーツは人々の心を一つにし、またオリンピックのような国際的なゲームでは、人は自然に自分の国を意識し、愛国者になってしまいます。私は素直にそう感じた次第です。
そこで、大臣に御質問いたします。今、教育基本法を改正し、その中に教育の目標として国を愛する心を定めると報道されております。大臣は教育の基本は何だと考えられるのか、愛国心を導入するかどうかということも含めてお答えいただければと思います。
○国務大臣(小坂憲次君) 広中委員には日ごろから教育行政に大変関心をお持ちいただきまして、以前にともにICTの推進を図ったこともありましたし、いろんな活動をともにさしていただきました。この文部科学行政、この委員会を通じての中でもまた引き続き御指導賜りたいと存じます。
私の所信に対しての考え方といいますか、まず、この大臣になって取り組みたいこと等については午前中の委員の質問に答えたことで御理解をいただいたということでございますが、その中でも申し上げたと思うんですが、教育の基本というのは何かと言えば、おぎゃあと生まれて、そしてこの地球に生まれ、そしてこの国に育ち、ふるさとの懐に抱かれて育っていく我々が人間としてのあるべき姿、いわゆる人格というものの完成を目指して努力をしていく、それを教育を通じて実現をしていくということだと思いますので、教育というのは、そのような大変に、国と社会の構成員たる人間の人格を形成していくと、大変崇高なかつ最も重要な国策の一つだろうと考えております。
そういった意味で、教育の基本は、ただいま申し上げたこととともに、個人というものに対して我々がどのような認識を持つかということもこれまた大変な視点、重要な視点だと思っております。それぞれ教育を受けられる側、また教育を実施さしていただく、実施といいますか、まあ施すという言葉が私好きじゃないものですから言い換えようと思ったんですが、そういうふうな教育をさせていただく側に立った者も、そういった視点で人格の完成へ向けて努力をともにするということで取り組んでまいりたいと存じます。
○広中和歌子君 教育というのは本当に幅が広いと思います。私はアメリカに長く住んでいて、そして子育てをしていたわけですけれども、日本に戻るたびに教育は大変だ、子育ては大変だってお母さん方が言っていらしたので、私としては非常に不思議に思ったわけです。子どもをどういうふうに育てるかというのは大体親が決めることではなくて、子どもが自分の力でいろいろな他からの力をかりながら育っていくものだと思いますけれども、親が少なくとも見守らなければならないこと、あるいは教育者が見守らなければならないことは、社会性を身に付けるということ、それから手に職を持つ、つまり働くという、その二点だろうと思います。その働き方というのはいろいろあるし、しかし、人間として、社会人として、この世の中でみんなとうまくやっていかなければならないというのは本当にそれほど難しいことではないはずなんですけれども、大変に教育を難しくひねって考えている人が多いんではないかなと、そんなような気がするわけでございます。
私、この教育基本法、読みましたけれども、日本国憲法にのっとっているせいもあり、つまり国際性ということ、国際社会ということを見据えておりますから、今の正にグローバルな時代にもマッチしておりますし、なかなかいいことが書いてあるなと思うわけでございますけれども、大臣としてはこの教育基本法を変えるという議論にどのような形で参画され、また変えるとしたらどのような方向で変えた方がいいと思っていらっしゃるか、お伺いいたします。
○国務大臣(小坂憲次君) 今回、中教審の答申を十五年に賜りまして、以来、教育基本法の改正についての議論を、政府内においてもまた与党及び野党の皆さんの中においても、議論をされているわけでございます。
現行の教育基本法について、それではなぜ改正を必要とするのか、何が欠けているのか、また何をより強めて強調すべきものなのか。それは今日的な課題として指摘をされておりますのは、一つは、制定以来半世紀が経過をして、その間に社会情勢は大きく変貌を遂げております。また道徳心、公共の心、あるいは自立心といいますか、自分がしっかり社会の中で生き抜いていくという力、そういったものが欠けてきたんじゃないかという御指摘がございます。教育についての様々な議論がある中で、こういった根本がおろそかにされてきているんではないか、もう一度その原点に返った議論をして教育基本法を根本から見直す必要があるんではないかという議論が生じております。
そういった中で、現行法に定める個人の尊厳、人格の完成、あるいは平和的な国家及び社会の形成者としての役割等普遍的な理念はそのままにしつつも、そのままというか今後とも大切にしつつも、今日極めて重要と考えられております公共の精神、郷土や国を大切にしまた愛する心、また生涯学習の理念等、こういった新たな課題を明確にし、そして国民の皆さんの理解を促進するためにこの教育基本法を改正する必要がある、このように御提言もいただき、今私どもはそのような立場から教育基本法の改正に向けて準備を重ねているところでございます。
○広中和歌子君 いつごろをめどに国会に提出なさるおつもりでいらっしゃいますか。
○国務大臣(小坂憲次君) 現在、与党の中においては協議会、検討会という形でこの問題について取り組んでいただいております。また、各党の中における議論も進行していると聞いております。これらの環境の変化をしっかりと受け止め、そして議論の深まりというものを認識した上で、私どもとしてはできるだけ早い時期に国会に提出したいと考えておりまして、皆さんの議論の進捗状況をしっかりと見極めて、その中で私ども準備を進め、提出に至るように努力をいたしたいと存じます。
○広中和歌子君 先ほどお触れになった中央教育審議会答申の中で、教育基本法に示された理念や原則を具体化していくためには、これらの教育に必要な施策を総合的、体系的に取りまとめる教育振興基本計画の策定が必要だというふうにされておりますけれども、普通、基本法があると大抵具体的な政策っていう、そういう実施法みたいなものができるのはそうだと思いますけれども。ということはあれですか、教育基本法はそのままにして、そして基本計画だけを作って具体的な形で方針を示すという可能性もあるんでございましょうか。
○国務大臣(小坂憲次君) 現在、教育基本法の改正を検討していただいておりますが、それでは指摘された課題をそのままにしていいかといえば、そうではございません。それぞれに指摘された課題にはそれぞれの形の中でそれに取り組んでいくことが必要でございますが、教育振興基本計画というのは、いわゆる中教審答申において、教育の目標とその目標を達成するための教育改革の基本的方向を明らかにした上で具体的な政策目標を設定し、施策の総合化、体系化と重点化を行うというふうにされておりまして、答申で示されました政策目標の例などを参考にしながら、計画に盛り込む具体的な施策の内容を検討しているところでございまして、この教育振興基本計画を速やかに制定をしてまいりたいと思っております。
また、この基本法の改正作業に向けてしっかりと取り組む中で、改正後の基本法の規定に基づいてこの計画というのはなされるべきであろうと思いますので、そういう時系列的な流れも踏まえた中で、ただ私としては、この答申の中で指摘をされたことについては現状での改革の中で取り組めるものからしっかり取り組んでいきたいという、こういう姿勢で日々の努力をさしていただいているところでございます。
○広中和歌子君 愛国心を入れるか入れないかということも含めまして、基本法というのはそうしょっちゅう変えるものでもないと思いますんで、やはり慎重にお取り扱いいただくと同時に、他党の意見も取り入れて慎重にやっていただきたいということをお願いいたします。
それでは、せっかくのスポーツでございますんで、私ども、多分与野党超えてスポーツをもっと振興させたいという思いは共通なのではないかと思います。政府としては、何もオリンピックに勝つことがすべてではございませんけれども、しかし、まあ勝てばうれしいというようなこともあり、スポーツ振興にどのように取り組んでいかれるか、まずお伺いいたします。
○国務大臣(小坂憲次君) スポーツ振興のこれからの取組については、まず予算面の問題が大きな問題だと認識をいたしておりますが、これにつきましては十分な振興策が実施できるような予算を確保したいと考えておりまして、生涯スポーツの普及振興、そして世界のひのき舞台で活躍できるトップレベルの競技者の育成など、スポーツ振興のために平成十八年度の予算においては百六十七億円をまず計上いたしております。また、こうした取組の中で、ナショナルトレーニングセンター、いわゆる中核拠点の施設につきまして、これも十九年中の完成に向けた予算を計上するなど、いわゆる所要のスポーツ関係予算の確保に努力をしているところでございます。
広中委員が御指摘になりましたように、スポーツを通じて国に対しての帰属意識というものを再認識していただくとか、あるいは競技スポーツにおけるトップ選手の活躍ぶりというものを見て自分もあのようにスポーツに親しんでみたいという心を起こす。今回、非常にトリノ・オリンピックで多くの例が出てまいりました。先ほど御指摘をいただきました荒川選手のすばらしい活躍ぶりを踏まえて、フィギュアの練習をしたい、また衣装を買い求める人も増えたと聞いておりますし、また、カーリングのチームの活躍ぶりを見て、各地でカーリングについての新たな認識が増えて、そして競技場を造りたい、またそれを自分でも一回でもいいからプレーをしてみたいと言って、親しむ人口が増えたという例も報告されております。
そういったスポーツ選手が活躍できるその下地をつくるために、どこに生まれても、そしてどのような環境にある人も、才能があればそれが伸ばせるような環境をつくるというのは理想でございます。その理想に一歩でも近づけるように努力をしたいと思っております。
○広中和歌子君 パラオリンピックも多くの人々に勇気を与えたんではないかなと思います。それも含めまして、スポーツ振興、もっともっと予算があればということで、たしか数年前でございましたか、政府の予算だけではなくて、もっと民間の参加によってスポーツを振興させようということで、サッカーくじが導入されたわけでございます。
当初、約二千億円を見込んでその売上げの一部をスポーツ振興にということでございましたけれども、スタートした平成十三年からの推移を教えていただきたいと思います。
○政府参考人(素川富司君) お答え申し上げます。
スポーツ振興くじに係ります助成額の推移と御質問でございますけれども、十三年度からスタートいたしましたので、助成は十四年度から開始されているわけでございますけれども、十四年度は五十八億円、十五年度は二十四億円、十六年度は約六億円、十七年度は約二・五億円という状況でございます。
○広中和歌子君 ということは、当初の予定、もくろみは外れたというふうに見ていいんじゃないかと思いますけれども、平成十三年、六百四十億円ですよね、で、今年は百四十三億円。ということになりますと、コストとしていろいろ掛かりますね、七十億円、それは開発費を五年間で返す、そのために毎年七十億円払わなきゃならないとか、それから委託費、銀行に委託しなくちゃならない、その費用が八十億円。それだけで百五十億円ですから、今年度などはもうマイナスになってしまう。そこへもってきて、それすべてが、何ていうんでしょう、そのうちまた日本スポーツ振興センターの人件費の一部も払わなきゃならないというようなことで大変にマイナスだと思うんですけれども、これからどのような形でこのスポーツくじ、取り組んでいかれるのか、お伺いいたします。
○政府参考人(素川富司君) お答え申し上げます。
御指摘のように、売上額につきまして、当初の十三年度でございますけれども、六百四十三億円が、十六年度につきましては百五十七億円、十七年度はまだ確定しておりませんけれども、今先生シーズンで数字をお述べになったと思いますけれども、ということで、そういうことで助成額は減っている。
さらに、運営費につきましてもその対応というものが難しい状況になっているわけでございますが、今は、いわゆる初期投資といいますか、スタートする段階でのいろんなソフトの整備又は端末機のハードの整備で三百五十一億円が掛かっておりまして、それを毎年度、変動ありますけれども償還を続けておりまして、十六年度末で二百二十四億円になっているわけでございます。それを除く他の年度年度のコストにつきましては、累積しているということではございませんけれども、三百五十一億円については十六年度末で約百三十億円は償還したけれども残っているということで、そういう財務状況になっているわけでございます。
今後につきましては、そのくじの第一期中の評価をいたしますと、当たりづらいとか買いづらいとか、いろいろ購入された方の御意見もあります。そういうことで、いろんな商品を、ラインナップといいますか、ニーズに合わせて御購入といいますか買っていただける、より親しい、親しみやすいくじにするというようなコンセプト、又はいろんなコストについてもより低減できる方法で売上げの拡大を図り、その目的が達成できるように努めてまいりたいと考えているところでございます。
○広中和歌子君 ということは、スポーツくじが導入されるときに非常な世論が、反対の世論もあったわけですけれども、せめてスポーツ振興に寄与すればということでそれを受け入れた人も少なくなかったんだと思います。だけど、そういうふうに経済的にそれほどプラスでもないのになぜ続けるのかなと。そうすると、ちょっと一般の人は分かりかねるんですけれども、やはりメリットというのはあるんですか、今後。
○政府参考人(素川富司君) やはりスポーツ振興は、基本は一般会計といいますか、国の予算で措置するということが本筋であるということではございますけれども、それに加えまして、いろんな財源といいますか、助成財源があるということは、いろんな方面に配慮する、気配りをするといいますか、マルチリソーシーズというような観点からも優れているものであると思います。
そういうことで、スポーツを愛する人たちによって支えられる助成財源というものが、存在意義というものはやはりあると思うわけでございまして、その本来の目的が達成できるような形で努力をしていきたいということでございます。
○広中和歌子君 いろいろな取組、独立行政法人という形でなさるということで、変なげすの勘ぐりかもしれませんけれども、何か天下りのためにといったような疑いが持たれるようなことになってはいけないわけでございます。
今、衆議院の調査によりますと、文部科学省の天下りは国土交通省、厚生労働省に次いで多い二千二百六十人というふうにされていますけれども、これはどういう理由でこのように多くなっているのか、お伺いいたします。
○政府参考人(玉井日出夫君) お答え申し上げます。
ただいま委員御指摘の衆議院内閣委員会の予備的調査でございますが、ちょっと数字が、正確に申し上げますと、文部科学省所管の公益法人等への再就職している国家公務員出身者の数という形であの調査は出ておりまして、それによりますと、非常勤の者を含めて二千六百二十七人、うち役員が千二百七十三人でございます。
それで、多いのではないかという御指摘でございますけれども、ちょっと順次御説明いたしますが、一つは、元々、文部科学省自体の定員、今は二千二百八人でございますけれども、十六年四月の国立大学の法人化以前は全部で十三万五千人。この予備的調査は、そもそも国立の大学の教員を除いておりますので、除いた上で見ても実は定員は六万二千人でございますので、その中から再就職した者もあるということでまずごらんをいただければというふうに思うわけでございます。
それから、これは先ほど申しましたとおり国家公務員出身者全員ということで見てまいりますので、したがって、文部科学省以外の他省庁の者も含まれているわけでございます。この予備的調査におきましては、職員全体については数だけでございますけど、役員については出身省庁までこれは表しておりますので、そこで見ますと、役員、非常勤を含めまして一千二百七十三人でございますが、うち文部科学省出身者は六百九十九人ということでございます。
また、先ほど来、私、非常勤を含めてという言葉を重ねているわけでございますけれども、この中には非常勤の役員、つまり理事とか評議員等が含まれているわけでございまして、財団法人や社団法人の非常勤の理事の役員もこの中に入っているわけでございまして、多いところの十法人を改めて抽出して見てみますと、約七八%が非常勤の理事でございます。
したがって、委員もよく御案内のとおり、文部科学省というのは教育、文化、スポーツ、学術、科学技術と大変広い分野でございますので、これに携わった者がその経験や知識をそこから請われて、そういう財団法人やあるいは社団法人の非常勤理事に就任している者が多いということでございますので、そこはよく公益法人の活動をよく御存じの委員は御理解いただけるのではないかなと、かように思っております。
それが今の実態でございます。
○広中和歌子君 いや、私も同感でございますけれども、ただ、文部省が持っていらっしゃる補助金や設置許認可権ですよね、そういうものと、何というんでしょう、連動しなければそれは大変結構なことだと。非常に文部行政に携わってきた方、教職に携わってきた方々の中にすばらしい人材がいらっしゃるわけでございますから、そういう方がいい働き場を得られるということはすばらしいことでございますけれども、決して本末転倒にならないようにと、ただ老婆心までに申し上げるわけでございます。
一昨日でしたか、新聞に萩国際大学の民事再生終了の記事が出ていたわけです。団塊ジュニア世代が大学を卒業した現在、少子化の影響で大学間の競争はますます激しくなっているわけですけれども、大学が切磋琢磨するのはいいことですが、一方で私学は税金から助成が出ているわけです。こうした萩国際大学の例を見ますと、開学費用に六十億円掛かっている。そのうち四十億円が山口県と萩市の補助というふうに聞いております。
今後、こうした例が増えていきますと、結局国民の税金が無駄になりまして、そして一方で、そこに天下った方も当然いらっしゃるわけだろうと思いますけれども、給料とか退職金、そうしたものが支払われるわけですけれども、やはり税金からということになると、もうちょっと慎重に注意してやっていただかなければならないんではないかなと、そのように思うんですが、大臣、コメントいかがですか。
○政府参考人(金森越哉君) お答えを申し上げます。
少子化などの影響もございまして、学校法人の経営は大変厳しくなっているのが実情でございます。私どもでは、昨年五月に少子化などによる私学の経営困難問題への対応といたしまして、対応方針を取りまとめたところでございます。この対応方針では、私学の自主性の尊重と学生の修学機会の確保、この二つを基本といたしまして、学校法人が経営困難に陥らないための事前の指導、助言の在り方や、また仮に経営困難に陥った場合の対応方策などについて、現時点における考え方を整理したところでございます。また、学校法人の健全な経営の確保に資するため、学校法人運営調査委員制度というのがございますが、こういった制度を活用して指導、助言を行いますとともに、文部科学省内に学校法人経営指導室を設けまして、経営の相談体制の充実にも努めているところでございます。
私どもといたしましては、今後とも、この対応方針に基づきまして、経営困難な学校法人に対して自主的な経営改善努力を支援いたしますとともに、各学校法人に対し経営困難な状態に陥らないよう、不断の経営改善努力を促していきたいと考えているところでございます。
○広中和歌子君 そういう御答弁は大変結構なんでございますけれども、例えば萩大学の場合、四、五年で駄目になっているわけですよね。で、しかもそこには経験者であるところの文部省関係の方もいらっしゃっているんじゃないかと思いますけれども、そういうことが平気で行われているということはやはり問題ではなかろうかなと。今後このようなケースが増えませんように心から祈っている次第でございますけれども、大丈夫なんでしょうか。
○国務大臣(小坂憲次君) ただいま答弁させていただきましたように、これは経営のまずプランニングの段階から厳正な審査を行うことが必要だと。経営の計画が甘いようなものであってはならないということと、それから学生の需要というものの変化というものを的確に見極める中で、地域社会との結び付きというものも考え、そして資金的な需要についての正しい認識と、それに対しての手だてというものを立てて経営というものに参加していただけるように、この計画段階でのより厳正な審査というものを踏まえながら、こういうことの繰り返しのないように努力をさせるよう、私としても指示を出してまいりたいと存じます。
○広中和歌子君 どうもありがとうございました。
それでは、今、マスコミで盛んに取り上げられております、日本の誇るべき学力が低下しつつあるんではないか、だからカリキュラムなども含めて検討し直さなければいけないんではないかといったようなことが新聞紙上などをにぎわしているわけでございますけれども、その現状についてどのような認識をお持ちか、教えていただきたいと思います。
○政府参考人(銭谷眞美君) 日本の子どもの学力の問題でございますけれども、一昨年の十二月に二つの国際的な学力調査の結果が発表されました。
一つがOECDが実施をしておりますPISA調査というものでございまして、その結果、特に読解力を中心に学力の低下傾向が見られたと。もう一つは、IEAというところが実施をしておりますTIMSSという調査でございますが、これは数学、理科を中心とした経年の学力調査でございますが、日本の子どもの学力、かつては一位とか二位だったわけでございますが、順位がやはり少し下がりまして、これも低下の傾向が見られるという状況が分かったわけでございます。
同時に、日本の子どもたちが数学とか理科、そういう教科が好きか、あるいはそういう教科を勉強したいかという意欲の面でも各国と比較をして必ずしも高くないと。それから、家庭での学習時間、これが必ずしも多くないと。逆にテレビ、ゲームなどをする時間が多いといったような、学習意欲、それから生活習慣というところに課題も見られたということで、もちろんまだ国際的に見ますと上位の方にはあるわけでございますけれども、全体として低下傾向にあるということと、学習意欲、生活習慣において課題があるということで、私ども、この問題についてしっかりと考えていかなければいけないというふうに認識をしているところでございます。
○広中和歌子君 どういう課題があるというふうに、そこの課題のところを知りたいわけです。
○政府参考人(銭谷眞美君) 幾つかあるわけでございますが、まず一つは、子どもたちが何のために勉強をするのか、どうして勉強をしなきゃいけないのか、そういう学習に対する姿勢といいましょうか、学習意欲といいましょうか、そういうところが日本の子どもについて一つ課題があるのではないかということがございます。
それから、二つ目には、日本の子どもたちの国際的な学力調査における結果を見ますと、いわゆる記述式の問題といいましょうか、そういう問題について答えを書かない、こういったような子どもがかなり見受けられると。また、いわゆる論理的な文言解釈とか、そういうところについて課題が見受けられるといったようなことがございます。
それと、もう一つ、これはPISAの調査で非常に分かったわけでございますが、良くできる子それから余りできない子と言うと、平たい言い方でございますけれども、良くできる子は前と余り割合は変わらないんでございますけれども、余りできない子が前に比べると少しずつ増えているというところで、子どもの間に少し学力差が見られるんではないかといったようなことも課題として挙げられるかと思っております。
○広中和歌子君 それは教育法を変えればいいというような問題になるんでしょうか。
○政府参考人(銭谷眞美君) 先ほど申し上げました二つの学力調査、国際的な学力調査は若干性質を異にしておりまして、最初に申し上げたPISAの調査は、どちらかといいますと、学校で習ったことをそのまま知識として問うということよりは、いろいろな知識を総合化いたしまして、ある課題とかに対してその知識を活用していろいろ考えてその結果を問うような、こういう問題でございます。その中で特に論理的なところが非常に弱いということが分かりましたわけでございますので、やはり授業の中でしっかりと物事を読んで解釈をして、そしてそれについての考え方をきちんと表現できるといったような、そういう授業がこれからは必要になってくるのかなと思っております。
○広中和歌子君 それは結構前から言われていましたよね。日本はメモリー中心であって、考えさせないというような。受験もそうでございますし。
様々な学校現場で、どちらかというと、先生の言うことをよく聞いて、それをきっちり覚えて試験に書けばいいというような種類のことであったとしたらば、変わる可能性というのはあるんでしょうか。
○政府参考人(銭谷眞美君) 正に今先生が御指摘をされたところがずっと我が国の教育における一つの課題であったわけでございます。二つの国際学力調査のうちのTIMSSの方は、基礎的な学校で習った知識を問う問題でございますので、順位は若干下がったりしておりますけれども、かなり上位にあることは間違いないわけでございまして、PISAのような、そういう考えさせる問題ですね、ここがやっぱり依然として課題であると。
むしろ、私どもとしては、現在の学習指導要領でも、子どもたちがやはり課題について自分で考えて、あるいはその課題解決のためにはいろいろな材料を集めて、そうして多角的に問題を検討して自分なりの答えを見いだすということをねらいとして今の教育を展開しているわけでございますが、そこが必ずしも十分成果を上げていないということは、私どもとして、指導法を含めてやっぱり課題として持たなきゃいけないというふうに思っております。
○広中和歌子君 私も、メモリーというんでしょうか、記憶をすることが必ずしも悪いわけではないと思っております。特に低学年のときには、いい文章を暗記するとか、あるいは九九も含めて、そうしたかなり自動的にできるような部分に関してはもっともっと詰め込みで結構だと思うんですけれども、さらに、よりこれから多様化する、そして先行きが分からない世界の中で生きていく子どもたちに自分で考える力というものを付けていくことは、釈迦に説法でございますけれども、必要だと思いますので、是非いい形で進展させていただければと思います。
学習塾というのが日本でははやっております。韓国などにもあるらしいですけれども、どちらかというとオリエンタルな傾向で、西洋社会、欧米では余り聞いたことがないわけでございますけれども、公教育というのが塾の存在をどのように評価し、どのような連携、あるいは、それとも連携しない、塾なんて要らない状況をつくっていくのか、文部省の御方針をお伺いいたします。
○国務大臣(小坂憲次君) 委員御指摘のように、公教育の果たす役割として、公教育のみで学力がしっかり付いて、そして親の経済的な事情にかかわりなく、だれもがひとしく同等の水準の教育を受けられる、それが無償で行われるということが義務教育を通じて、またその先の公教育の使命であろうと考えております。そういった意味からすると、今日の塾に依存をしているような実情というものが決して好ましい状況ではないと思いますが、しかし、一方では、親が学力、子どもの学力低下を心配して学習塾に通わせたいと思うのも、これもまた理解できるところでございます。
では、今後どのようにしていくかということでございますが、学習塾自体が学校教育の補完的な役割を担っているものでありまして、確かな学力を確立するためには、あくまでも公立学校における教育水準を向上させると、そういったことが必要でありまして、平成十三年から十七年の五か年計画で教員定数の改善を図ってまいっておりました。少人数指導や習熟度別指導などのきめ細かな指導ができるような充実を図るとともに、理数教育や国語教育、それから外国語教育の充実などの確かな学力向上のための総合的な施策、学力向上アクションプランというものを実施してきたところでございます。
さらに、義務教育の質を保証する観点から学習指導要領の見直しを今進めておるわけでございますが、また同時に、全国的な学力調査の実施ということを昨年決めまして、十九年の実施に向けての今準備段階に入っておるわけでございます。
教育の成果の検証ということをしっかりとしてまいりたい。その意味で、PDCAサイクルとよく言われます、プラン・ドゥー・チェック・アクションという、このサイクルを教育現場に持ってまいりまして、国がしっかりとした目標設定をし、その枠組みをつくり、そして地方、市町村、そして学校現場がしっかりその実施主体としてそれを目標に向かって創意工夫をもって努力をしていただくと。そして、その状況をしっかりとチェックをして、どのレベルにあるのか、目標に向かっているのか、水準に達しているのか、そういったことを把握した上で、それに対応したアクションを取っていく。これもまた国の責任だと思っておりますが、そういったサイクルによって学力の向上を図っていくことが必要だと考えております。
○広中和歌子君 幸か不幸か人口減少社会ということで、子どもの数が減っております。そういう中で、第八次公立義務教育諸学校職員数の定数改善計画というのがございますけれども、もしそれが通っていればもっともっときめ細かな対応ができ、落ちこぼれの人たちなどに、落ちこぼれと言うとあれですけれども、特別に数学のこの部分ができない子に関してはちょっとわきに来て教えてあげるとか、そういった補助的なこともできますし、また、多少いろいろな部分で遅れている子に関して、身体的に、そういう子どもに対しても対応ができるということで、教育予算というのはただでさえそれほど先進国の中では多いわけではないので、是非減らさずにやっていただきたいと思うわけでございますけれども、現状のままいきますと、教員の数は、子どもの数が減ると同時に教員の数も減らさなくちゃならないという方向なんでございましょうか。
○国務大臣(小坂憲次君) またこの後、局長から答弁させますけれども、基本的には、第八次の定数改善計画を策定しなかったということは定数改善計画自体が要らないというわけではございませんで、この第八次という名前を冠した長期的な視野に立った定数改善計画は今後ともその方向を検討していくといたしまして、単年度の問題として十八年度どうするかという中で、当面の課題であります少人数教育、それから特別支援教育、そして食育教育と、こういった課題に対応できるような、定数配分はしっかり改善できるようなことをしっかり確保いたしまして、六百二十九人というその数を、一方では合理化によってこの数を出してまいりますが、失礼、三百二十九名のですね、訂正をさせていただきます。三百二十九名の増員数というものを合理化によって出してくる。本来ならば、合理化をしますとその分吸い上げられてしまいますけれども、これをしっかり現場に張り付けていくということで今必要とされている課題に対処できる教員数を確保してまいると、こういうことでございまして、決して定員が削減する方向にならないように私どもも努力をしてまいりたいと思っております。
○広中和歌子君 それから、地域によってはもう既に実行されていると思いますけれども、是非、習熟度別学習というんでしょうか、それもやっていただければ有り難いなと。すべての人を同じレベルで教えるというのは、ある子にとっては退屈ですし、ある子にとっては苦痛であると、そういうようなこともあるわけですから、こういう方向も工夫をしていただく。同じようなレベルの子でしたら同じクラスにたくさん入っていても進度はどんどんはかどっていくと、そういうようなことでございますんで、工夫していただければ有り難いと思います。
私の地元は千葉なんでございますけれども、こういう、何というんでしょう、新聞をもらいました。「多忙!多忙!多忙!」って三つ書いてあるんですね。退勤時間、一番真ん中で多いのが十九時三十分、二十時、二十時三十分。非常に遅く帰る先生方が多いと。それだけお忙しいということだろうと思います。
フィンランドという国は大変に教育レベルが高いというふうに言われておりますけれども、子どもの数、一クラス当たりの子どもの数は少ないんですが、同時に、一クラス当たりの教育時間ですね、教育時間も少ないと。つまり、やたら長く詰め込めばいいというものでもないし、先生だって人間ですから、能力の限界もあります。長い時間、親もそうですけれども、余りにも忙しかったりするとヒステリーを起こすというようなこともあります。
ですから、やはりそういうところはもうちょっと節度のある働き方をまず先生から始めていただくと。日本社会全体がもうちょっとゆとりのあるものに変わっていけばいいと思いますけれども、企業に影響力を与えることは文部省としては難しいとしたら、せめて子どもたちが、そして学校の先生をしていらっしゃる方が子どもたちと夕食を食べられるようなそういう社会に、家庭生活も持てるようにしないと、子どもにとっていい影響がないんではないかなと、そのような思いをするわけでございますけれども、大臣はどのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(小坂憲次君) 御指摘のように、フィンランドにおいては少人数教育を実施するとともに、教育の時間そのものも短い中で効率よくやっているように見受けられます。そういった外国の例も参考にしながら我が国の効率化を図ってまいりたいと存じますが、一方においては、現場の教員に課せられるいろいろなレポート、それから新たな教育の取組に対する資料の作成等非常に大きな負担が掛かってきておりまして、教員の皆さんも必死の努力をされていると認識をいたしております。
教員の質の問題がよく問われます。その中で、一生懸命やっている人ほど、また、より充実したものを目指す人ほど余計時間が掛かって、準備に掛かる。また、きめ細かく不登校児童対応をしたいと、そういって考えれば家庭訪問の回数も増やさなきゃならぬということになります。そういった努力をしているけれども、ただ忙しくてどうにもならないという教員の実態をしっかり踏まえながら、軽減できる内容のレポートについては軽減化を図る。それから、時間的に急がないものについてはある一定の期間的な猶予を持ってレポートの提出あるいは報告を求める。会議についても、その会議のメンバーを厳選して必要なメンバーの会議に絞っていくとか、そういった工夫をしながら教員の現場の負担を減らす努力をしつつも、また教員の皆さんの努力が実るように、そして教員の皆さんが自分の子どもと一緒に夕御飯が食べられるような、これは本当に、先生の御指摘のように、できれば本当にそうしたいということでございますから、まあなかなか現実的には、学校と住宅の距離もありますし、学校での安全の取組もありますし、なかなか難しいのが現状でありますが、そういった先生の御指摘の考え方に向けて努力をするということにおいては私も同感でございます。
○広中和歌子君 大変前向きな御答弁、本当にありがとうございました。
特にペーパーワークに関しましては、なるべくない方がいいんじゃないかなというふうに、必要最低限に減らすようなことで御指示いただければ教員の先生方は大変助かるんじゃないかなと思いますので、よろしくお願いいたします。
それから、教員の質という言葉が出ましたけれども、そのために大学院教育を義務付けるということなんですが、それは教員になる前に大学院の資格を取らないと先生になれない、なりにくいということなのか、それとも、学校の先生を何年かして、そして経験を積んだ後で、その経験をベースにして更に一年、二年勉強してくると、そういうことなのか。どちらの方向に行くのか、お伺いいたします。
○政府参考人(石川明君) 今の広中先生のお尋ねは、現在検討が行われております教職大学院のことについてではないかというふうに受け止めておりますけれども、御案内のように、教職大学院につきましては、教員の方々に実践的な力を付けてもらおうと。やはり、今の教員の方々はそういったところが足りないんじゃないかという認識の下に今検討が行われているものでございます。
そういった意味では、基本的には、学部で免許を取った、学部教育を終えて免許を取った方々、そういった方々を対象にして更なる実践的なトレーニングをするとか、あるいは現場で免許をお持ちの先生方を実践的なトレーニングをしていただくと、こういったことが基本的には念頭に置かれているわけでございますけれども、幅広いやっぱり人材というものを教育現場あるいは先生としてお迎えするということは大変大事なことだというふうに考えております。そんな意味では、他学部を出身をして来られた方、こういった方々の入学というのも念頭に置く必要があろうかと、こう思っております。
ただ、その方々がこの教職大学院の在学中の二年間で免許まで一緒に取るというのは実態上なかなか難しゅうございます。そういった意味では、この教職大学院で例えば長期の在学コース、三年、例えば三年ですとか、そういったものを設けていただきまして、学部レベルでの学習に基づいた免許取得と、それからこの教職大学院での実践的な学習、こういったものを併せてやっていただくと、こんなことも今構想として考えているところでございます。
○広中和歌子君 自分の経験から話してはいけないかもしれませんけれども、私も一応、教職員、高等学校を教える免許はいただいたんですね。恥ずかしいことでございますけれども、まだ自分のことに一生懸命で、小さい子ども、少年心理とか青年心理とか、そんな心理学みたいなのを一つの科目として取ったりいたしましたけれど、余り分からないんですよね、ぴんとこないんですよね。ですから、やはりある程度、先生になって、あるいは子どもを産んで、ある程度体験を受けてからこういうことを再び勉強すると海綿に水がしみ通るように分かるんじゃないかなというような気持ちを持っているんでございますけれども、そういう意味では非常に、何というんでしょう、社会人が教職を取って、さらに、余り難しい、三年なんておっしゃらずに、もうちょっと短くてもいいと思うんですけれども、いろいろな方が教職に携わることによってその子どもたちにもプラスになるでしょうし、また周りの先生にもいいプラスの刺激になるんじゃないかなと思っているところでございまして、新たな取組への御努力を期待申し上げます。
続けて、今度は環境教育についてお伺いさせていただきます。
国連持続可能な開発のための教育の十年というのは、国内のNGOの提言を受けて我が国政府が二〇〇二年に、ヨハネスブルク・サミット、これはリオ・プラス10と言われる大きな環境の国際会議でございますけれども、ここで提案したものでございます。国連総会で決議をされました。
日本としては、これは言い出しっぺでございますし、日本は環境の技術において非常に先進国であるわけでございますので、是非この環境教育についても先進的な役割を果たしていただきたいと心から期待しているわけでございますけれども、その取組などについてどのようなことがなされているのか、まずお伺いいたします。昨年十二月に内閣に関係省庁連絡会議がつくられたと、そして実施計画を定めているようでございますけれども、どのような方向に行っているんでしょうか、現状をお伝えください。
○副大臣(馳浩君) 先生御指摘いただいたとおりに、実施計画の策定に取り組んでいるところであります。文部科学省としては、教育関係者への普及啓発や学校教員の資質の向上のための研修の実施などに取り組んでいくつもりでございます。
○広中和歌子君 ただ、この国連環境教育の十年というのは、ほとんどの人が知らないんですよね。新聞も余り書いてくれてないし、文部省も大きく旗を振っていただいているようにも思えないし、何とかならないんでしょうかね。もうちょっと積極的な取組をお願いできないかと。
環境というのは、私が申し上げるまでもなく非常に総合的な学問でございます。よその国では、例えばアメリカなんかを例に取りましても、環境を一くくりにした学部が大学の中に、あるいは大学院の中にできているほどでございますけれども、日本は高等、高等教育のレベルでも遅れているだけじゃなくて、下の小学校の教育の中にもさりげなく環境問題を取り入れるということに関して、やはりもうちょっと積極的な取組が必要なんではないかと思うんですが、いかがでしょう。
○政府参考人(銭谷眞美君) 環境教育のお尋ねでございますけれども、現在、小学校、中学校では主として社会科や理科におきまして、自然とかあるいは社会とのかかわりの中で環境問題を取り上げております。そして、それを総合的学習の時間で、文字どおり体験的にこの環境の問題を子どもたちが理解できるようにカリキュラムを組んでいる学校が多いわけでございます。
いずれにいたしましても、文部科学省としては、環境教育につきまして、教師用の指導資料というものを小学校版、中学校版作っておりまして、現在その改定の作業を行っているところでございます。今回の持続可能な開発のための教育の十年といったことが提唱されているわけでございますので、私ども、今その改定の作業の中でこのことについてもきちんと触れていくようにしていきたいなというふうに思っているところでございます。
○広中和歌子君 どうもありがとうございます。
私、皆様方にお配りしている「地球憲章」というものでございますけれども、これは一九九二年のリオ・サミットのときに、他の条約、温暖化防止条約であるとか砂漠化防止条約であるとか生物多様性条約とかの条約だけではなくて、地球憲章を結ぼうという、そのような提案がなされたんですが、実現しなかった。その後、モーリス・ストロングさん、リオのサミットの事務局長でございましたが、その方やゴルバチョフさんなどが中心となって地球憲章というのが作られ、持続可能な開発の総合的な原則をまとめたものがこの「地球憲章」でございます。
世界じゅうから、日本も含めまして、多くの人々の意見を取り入れながら作られたものでございますので、是非これも参考として使っていただければ有り難いなと思う次第でございます。
それと同時に、先ほどおっしゃっておりましたように、総合学習の中で是非様々な環境への取組をしていただきたいと思うわけでございます。
先日でございましたか、私の属しておりますGLOBEという、議員連盟でございますけれども、国会の中の議員連盟ですが、その総会におきまして、板橋区立板橋第七小学校が「緑のカーテン」ということで、木を育てながら直射日光を避ける、その美しい自然をつくり出すという、創造するという、そういう作業をして多くのことを学ばれたという例を実際にお子さんの口から聞いたわけでございますが、本当にすばらしいことだと思った次第でございます。
是非この環境教育に対して前向きなお取り組みをお願いしたいと大臣に、どちらでも、お願いいたします。
○副大臣(馳浩君) 国会におきましても、環境の保全のための意欲の増進及び環境教育の推進に関する法律、これが成立したことを受けまして、環境教育推進グリーンプランというものを作りまして今推進しているところでございますので、また広中先生の今日の御提言もいただきまして、しっかりと取り組んでまいりたいと思います。
○広中和歌子君 ありがとうございます。少しにっこりいたします。
ICTについてお伺いいたします。
私は専門家ではございませんので、私の後、鈴木委員が続けて鋭い質問あるいは御提言をしていただけるんじゃないかと思いますけれども、情報リテラシーはこれからのグローバル社会を生きるために不可欠な資質だと思っております。ICTの利用、活用による教育、学習の推進は是非進めていただきたいと思っているわけですが、その前提として情報インフラ、その整備が必要ですし、学校LANの整備など、本年度が最終年度であるe―Japanの目標達成は可能なのでございましょうか、お伺いいたします。
○国務大臣(小坂憲次君) 時間も限られておりますので手短に申し上げたいと思いますが、平成十六年に策定をいたしましたIT戦略本部の決定に従って、学校内LANの整備率を一〇〇%を目指して努力しておりますが、現在四八・八%というのが、これは十七年九月現在の数字でございました。小中高、それぞれの差はありますけれども、特に小学校において低いものですから、この三月を私は、昨年就任いたしまして直ちにこの問題に着手をいたしました。総務大臣とも連携を取りながら各学校に対して、ICTの利活用がどれだけ教育の面で利便性があるのかということの体験的な学習をしていただけるようなことが必要だろうと。
それから、校内LANの構築に当たって技術的な障害等が生じた場合には、総務省のネットワークも使いながら、この具体的な指導をしてほしい、そして業者等の協力も得るようにしてほしい。
また、もう一方では、インターネットのスピードを、ブロードバンドであることによって非常にインターネットの利活用が促進されますけれども、学校現場においては英語教育というものも今後視野に入れていかないと、日本人がインターネットを利用しているといっても、それは日本語のウエブページの話でありまして、英語のウエブページというのが世界においてはその大半を占めているわけでありまして、その大きな情報源の大半の部分を日本人は目をつぶりながら、自らの世界でインターネットを活用してやっているという認識を持っている。私はこの辺に大きなギャップがあるように思います。
今後の社会の中で、英語の利活用というものも含めて、このICT全体の利活用なり、教育現場における活用、また教育現場においてインターネットのいい光の面を十分に活用し、そしてまた影の部分に対する対策を取っていく、これが必要だと思って、この三月、総務大臣と二人でビデオのメッセージを録音して、全国くまなく配れる体制を取って、そして皆さんにいかに今それが必要であるか、そしてそれのために我々はどのような決意を持っているか、またどのようなサポートの体制を取っているか、これをアピールしているところでございまして、今後とも機会を見ながら全力で取り組んでまいりたいと存じます。
○広中和歌子君 どうもありがとうございました。
終わります。
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