162-参-文教科学委員会-12号 平成17年07月07日

○広中和歌子君 民主党の広中和歌子でございます。
  私どもはこの学校教育法の一部改正に対して基本的には賛成でございますし、ただいま有村議員から幅広くかつ適切な御質問をなさいましたので、それに敬意を表しながら、重複を避けて質問をさせていただければと思います。また、時間が余りましたらば、他の分野についても御質問させていただきたいと思っております。
  この学校教育法の改正の理由として、学位について、国際的な動向を踏まえということと教育活性化の観点からとなっておりますけれども、まず、国際的な動向ということにつきましてはどういうふうに具体的にとらえていらっしゃるのか、お伺いいたします。

○政府参考人(石川明君) 今回の学校教育法の改正理由についてでございますけれども、例えば一つ今回のお願いを申し上げている内容につきましては、短期大学を卒業した者に短期大学士の学位を授与するという内容があるわけでございますけれども、これにつきましては、短期の高等教育機関を卒業した者についてもアメリカや例えばそれからイギリス等で学位を授与するといったような最近傾向になってきておるわけでございまして、こういったものとレベルを合わせる、あるいはそれぞれの相互交流を活発にするといったような側面を重視して我が国においても対応していく必要があると、こういった観点があるわけでございます。
  そしてまた、例えばもう一つのお願いをしております重要な要素として、助教授あるいは助手に代えまして、准教授あるいは、助手はまた新しく残りますけれども、助教といったような教員の職を新設するわけでございますけれども、こういった例えば助教の職を設けるということにつきましては、若手の教員の職としてきちっと位置付けるということでそれぞれの国との相互交流、研究者の交流といったようなことにも役立つわけでございますし、また、こういった位置付けをきちっとすることによりましてこのような大学教員の職について国際的な通用性といったようなものが持ちやすくなると、このように考えているところでございます。

○広中和歌子君 基本的には理解するわけでございますけれども、国際的といいましても、それぞれ国によってディグリーの名前とかそれから役職など違っているんじゃないかと私は理解しておりまして、例えばイギリスなどではチューター制度みたいなものもございますし、それからアメリカでは、私は知らなかったんですが、短期大学卒業者にはディグリーはなかったような気がいたしますし。
  そのようなことで、どのように例えば翻訳をしていくのか。教授はプロフェッサーですよね。それから、准教授はアソシエートプロフェッサー、これはアメリカのに準じているんだと思いますけれども。それから、助教というのはアシスタントプロフェッサーですか。そうすると、ディグリーの方ですけれども、PhDというのが博士ですよね。それから、修士がマスタースディグリーですよね。それから、学士がバチェラー・オブ・アーツですよね。そうすると、短期大学はどうなんですか。今朝、ちょっと字引、和英で見たんですけれども、なかったものですから、古い辞書だったのかもしれません。新しいのはどういう、先ほど同僚議員の質問でアソシエートということを使っていらっしゃいましたけれども、アソシエート・バチェラー・ディグリーというふうになるんですか。

○政府参考人(石川明君) アメリカにおきます学位の呼称についてのお尋ねでございますけれども、アメリカにおきましても、先ほどちょっと触れさせていただきましたけれども、短期の高等教育機関、いわゆる短期、こちらで言います短期大学でございますけれども、それの卒業者に対しまして学位を授与するというような積極的な動きが出てきております。そして、それに対する学位の名称につきましては、ただいま先生からお話ございましたけれども、アソシエートディグリーと、こういった呼び方をしているようでございまして、我が国の短期大学士につきまして、先ほどちょっと有村委員の方からも御質問ございましたけれども、どういうふうに呼んでいくかということにつきましては、公定訳といったようなものを設けるような世界ではございませんので、これからの慣例といいましょうか、熟度を待ちたいと思っておりますけれども、こういった名称がやはり一般的には分かりやすいのかなと、こんなふうに考えているところでございます。

○広中和歌子君 それから次に、教育活性化の観点からもこの法律の改正が求められたというふうに言っていらっしゃいますけれども、今までの助教授がこれはすべて准教授になるんでございますか。

○政府参考人(石川明君) 今回の准教授につきましては教授に次ぐ職として位置付けられておりまして、従来、助教授につきましては学校教育法上も教授を助けるという職務の位置付けをしておりました。それをこのたびは教育研究に従事すると、教育研究を職務とするというようなことに変えるわけでございます。しかしながら、今回導入をいたします准教授の職につきましても、その内容といたしましては教授に次ぐ職といった位置付けを考えているわけでございまして、その意味では、実態上は現在助教授に就いていらっしゃる方がかなり多く准教授に移っていくといったようなことになるものと、このように考えております。

○広中和歌子君 そういたしますと、日本のこれまでの助教授というのは、年齢の点でもいろいろな御活躍の点でも非常に幅広かったんだろうと思います。それから、人数もかなりの方がいらしたと思うんですけれども、それがすべてオートマティックに准教授に持ち上がるのか、そこで振り分けが行われるのか、振り分けが行われるとしたらそれはだれが決めるのかについてお伺いいたします。

○政府参考人(石川明君) やや繰り返しになるかと思いまして恐縮でございますけれども、基本的には教授に次ぐ職として准教授といったようなものを今回設けるわけでございまして、その位置付けにつきましては、先ほども申し上げましたように、実質的にはこれまでの助教授と同じような方々を念頭に置いているわけでございます。そういった意味では、今回の新しい制度、位置付けにのっとりまして、これから、もしこの改正法がお認めいただけるんであれば、各大学におきましてそういった発令といいましょうか、准教授への任用についての御検討、御準備をいただくことになろうかと思っておりまして、それにつきましてはそれぞれの大学において適切に行っていただきたいと、こう思っております。

○広中和歌子君 それから、いわゆる英語で言うとアシスタントプロフェッサー、つまり助教という新しい職がつくられますね。それは今までの助教授とは違うということになりますと、アシスタントプロフェッサー、アソシエートプロフェッサー、助教並びに准教授で、非常に数としては増えてくるんでしょうか。そして、この方の、こういう方たちのいわゆるその地位でございますけれども、任期制なのか、あるいはどこから任期制なのか、それから給料についてはどのような設定がなされるのか、これは大学に任されているのか、あるいは大学設置基準で何か決めていらっしゃるのか、お伺いいたします。

○政府参考人(石川明君) 今回新しく設けます若手教員あるいは若手研究者を念頭に置いた職として設けさしていただきます助教につきましては、御案内のように、これまで助手の世界の中で教育研究に主として携わっておられた方、これらの方々につきましてその職務内容といったようなものを改めて考えまして、助教という形で若手教員、若手研究者として位置付けようということでございます。そういったことでございますので、職の数としてはこの助教が一つ増えるということにはなろうかと思います。
  それから、こういった若手研究者の方々、こういった方々の流動性ですとか、あるいはそういった研究の世界の活性化といったようなことを図っていくということは大変大切でございまして、今回の中央教育審議会の答申をいただくに当たりましても、その中でも、そういった任期制については、できるだけといいましょうか、活用をしていくといったようなことを積極的に考えていくことが望まれるというようなことも提言をされているところでございます。
  それから、給与についてでございますけれども、これは基本的にはそれぞれの各大学で御判断、お決めになることであろうと、これが基本的な原則でございますけれども、先ほど申し上げましたように、例えば助教につきましては、これまで助手をなさっていらっしゃる方の中からそういった方々を切り分けていく、分かりやすく言えばそういったことでございますので、その仕事の内容が例えば同じような内容でございますれば、同じような基本的には処遇がなされるということになろうかと思っております。

○広中和歌子君 若い方々に大学での、あるいは研究者としてのチャンスが与えられるということはすばらしいことだと思っておりますんで大賛成でございますけれども、大学が非常にこれから、何ていうんでしょう、経営の点で非常に困難な状況を抱える中で、数がやたらに増え、それがすべてパーマネントジョブというようなことになると、これから随分大変なことが予想されるんじゃないかなと思ったものでございますから、そのような質問をしたわけでございます。
  大学のこういう採用でございますけれども、それはもう大学の中で決めるんでしょうか、それとも公募などで決めるのか。そして、卒業生から採るのか、卒業生は原則として他の大学に行くことにするのか、つまり他流試合ですよね。そういうことで御方針があればお聞かせいただきたいと思います。

○政府参考人(石川明君) こういった助教ですとか准教授などを採用するあるいは任命する場合の考え方あるいは採用方法についてのお尋ねかと思います。
  大学の教員としてどのような者をどのような手続によって採用してどのような教員組織を編制するかということにつきましては、公募制を採用するかどうかということも含めまして、国公私立大学を問わず、各大学が判断する事柄でございまして、大学として個々の教員の採用をそれぞれ決めていくということになろうかと思っております。
  また、助教や准教授に限らず、一般に大学教員の採用等に当たりましては、その責任の所在を明確にするということとともに、手続の透明性を確保するといったようなことが大変大事だと思っております。そして、ふさわしい資質、能力を有するか否かについて公正かつ厳格な教員評価を行うということが大変大事であろうと、このように考えております。
  そういった意味で、公募制のお話、ちょっとございましたけれども、このような方策の一環として、例えば各方面から広く優れた人材を集めるために公募制を一層積極的に活用するといったようなことが大変重要になってくるわけでございますし、また、選考委員会に例えば学内外の関連分野の教員の参加を求めたり、あるいは学外の専門家による評価とか推薦を求める、こういったことをしてそういった意見を参考にする、こういった方法などによりまして総合的な判断をしていくと。そして、客観性、透明性の高い任用、採用の仕組みを設けるといったようなことがこれからも有効であり、また大切になるというふうに思っております。
  いずれにいたしましても、こういったことを踏まえまして、各大学がそれぞれの教育研究方針、組織運営の方針に沿って適切な教員採用、任用を行うといったようなことが大変大切になってくると、このように考えております。

○広中和歌子君 ありがとうございました。
  今お話を伺って、助教というのが何となくやはりなじみがないもんですから、なぜ助教授になさらないんですか。大臣、いかがですか。

○政府参考人(石川明君) 具体的なお尋ねでございますので私の方からお答えをまずさしていただきたいと存じますけれども、助教ではなくて助教授の方が適当ではないかと、助教という言葉、耳慣れないというふうなお話でございます。
  今回、助手のうちで教育研究を主たる職務とする者にふさわしい職として新たに設ける職の名称につきましては、いろいろな観点から検討が行われたわけでございますけれども、特に大事なポイントだとそれぞれ委員の中で認識をされておりましたことを幾つか挙げますと、例えば、若手教員の職であるという位置付けをやはり表すことができるような名称がいいだろうと。それから、助教授や講師など従来のほかの職名との間で混乱や混同を起こさないということも大切ではないかと。そしてまた、国語的、文化的な面から見ても、歴史的、社会的に一定の用例があるといったようなことなどが必要となるんじゃないかというようなことが考えられ、議論をされておったわけでございます。
  ただいま先生からお話がありましたように、この新しい助教につきましては、助教授とした方がいいのではないかというようなお話もございましたけれども、確かにアシスタントプロフェッサーの直訳というようなことであれば助教授という方が通りがいいのではないかと思われますし、事実そういった御意見もございました。
  しかしながら、既に助教授の職といったようなものが学校教育法上に規定をされておりまして、概念も定着をしておるわけでございます。そして、現行の助教授を准教授に改めた上で、同時にこの新しい職について助教授というような名称にいたしますと、例えばこの人については講師よりも上位の職であるというような誤解が生じかねず、混乱が生じる可能性が高いといったようなことで、特に常勤の講師をたくさん置いております医学部ですとか歯学部、歯ですね、歯学部などの分野においては大変強い反対があったところでございます。
  そういったようなことなど様々に総合的に検討いたしまして、助教といったような名称が適切であるといったような御結論をいただいたわけでございまして、私どもも、これを受けまして、今回の御提出しております法律案につきましてはこの助教という名称でお願いをいたしているわけでございます。
  なお、この助教という名称は全くの新造語ではございませんで、古くは律令の時代あるいは明治期にもこういった教員の職制を示す言葉としての実際の用例があるところでございます。

○広中和歌子君 結構でございます。そのうちに定着いたしますでしょう。
  それで、次のテーマでございますけれども、二〇〇五年の六月に出された科学技術白書によりますと、少子高齢社会を迎える中、経済産業の活性化のためには人を重視する政策が必要であるとうたわれ、特に総合的な人材育成、それから女性や外国人の登用ということを言っております。そうした政策の背景には、これからの先端産業である、様々な分野があるでしょうけれども、ナノとかIT、情報通信の分野での人手不足ということも考えられるんではないかと思います。理科系の大学院の中で女性の研究者の割合がどのぐらいなのか、お伺いします。それから、外国人の割合はどうなのか。
  時間がもったいないので、私がもし間違っていたら御指摘いただきたいんですけれども、女性の研究者は一一・六%、外国人は一・四%と非常に少ないんですね。これは科学分野に限っているのか全体のか分かりませんけれども、いわゆる研究者と称する人たちの中で女性の割合が非常に少ない。これを国際的と言う、文部省が国際的であらんとするんであれば、余りにも非国際的でございまして、女性の研究者も是非増やすことが必要なんではないかということも思いますし、外国人の研究者も必要ではなかろうかと思います。
  ちょっと余談になりますけれども、ソ連邦が崩壊したときに様々な混乱が起こった。その中で、諸外国、特にヨーロッパやアメリカではすばらしい研究者をどんどん引っこ抜いたと言っちゃ言葉が悪いんですけれども、来ていただいて、そしてそれぞれの国の学問のレベルを高めたということもあるわけでございまして、そうしたエスタブリッシュした人だけではなくて、若い外国人、そしてまた女性もどんどん研究者として育てていただきたいと思うのでございますけれども、これまで女性のこうした努力がなされているかどうかという現状、そしてこれについての大臣のコメントをお伺いいたします。

○政府参考人(有本建男君) 事実関係について私から御説明申し上げたいと思います。
  今、先生御指摘のとおり、女性研究者あるいは外国人の研究者につきましても、諸外国、先進国に比べましてかなり低いと。特に、女性の研究者につきましては、御指摘のとおり、全体に占める割合は一二%でございますけれども、先進国では三十数%、二〇%のところが多うございます。
  こういうところを踏まえまして、今、御存じのように、世界的に人材あるいは知識、技術の大競争時代を迎えている。一方では、我が国は少子高齢化の時代を迎えているという中で、科学技術系の人材を多様に、それからその質と量、これを確保するということが非常に重要な時期を迎えているというふうに考えているところでございます。
  そういう意味で、女性研究者につきましては、特に研究の助成であるとかフェローシップでありますとか、あるいは出産、育児に配慮した措置とか、こういったものをしっかり今後措置をしていくということが非常に大事になっていくんじゃないかというふうに思ってございます。特に、現在、第三期の科学技術基本計画の議論が進んでおりますけれども、その中でもこの件は非常に重要な施策になっていくというふうに理解をいたしてございます。
  それからもう一つの外国人研究者の割合につきましても、少しずつは増えておりますけれども、まだまだ低い状況にあるということでございまして、大学の国際化でありますとかあるいは外国人研究者の招聘と、こういった制度をしっかり充実していくということを考えてまいりたいというふうに考えてございます。

○国務大臣(中山成彬君) 今、広中委員の御指摘のようなことは今年の白書等にも指摘されているわけでございます。私も、総合科学技術会議等におきまして、女性研究者をもっと増やすべきだ、あるいは外国人の研究者ももっと増やすべきだということを再三にわたって主張しているところでございます。特に女性研究者、出産その他でハンディキャップもあるわけですけれども、能力において決して男性に劣っているとは思えませんので、これからも幅広く支援をして、できるだけそういったことで活躍できるような女性が増えていくように支援してまいりたいと考えております。

○広中和歌子君 ありがとうございます。
  それで、是非お願いしたいことがございまして、受皿としての様々な研究所とかそれから大学とか、いろいろあるわけでございますけれども、そこに是非年齢制限というのを撤廃していただければ有り難いなと思うわけです。
  例えば出産、育児で中断して、また、何というんでしょう、積極的にそうした活動に、職業活動に参加したいと思うときでも年齢制限で引っ掛かったり、あるいは例えば研究費をもらいたいと思っても何歳までというそれに引っ掛かるということがございますので、女性の立場からは是非これから、何も科学技術の分野だけで、学問分野だけではなくて、あらゆる職業についてそうだと思いますけれども、年齢制限に対して配慮をすると、配慮をするというんでしょう、撤廃するといったような、つまり人物本位、能力本位、そしてやる気ですよね、それから将来性、そうしたものを視点に人を是非選んでいただきたいと心からお願いする次第でございます。
  次に、もう一つ別のテーマでお伺いいたします。
  フルブライトのプログラムで、戦後非常に日本が貧しかった時期に、フルブライトのプログラムでアメリカに留学したり、あるいは別のプログラムでフランスなどに留学したりということで、多くの日本人が外国から学ぶというすばらしい経験をいただいたわけでございますけれども、日本も豊かになりお返しをする時期になったということで、一九九六年ですか、フルブライト五十周年を記念して海外から日本に来ていただくという、そういうプログラムが始まりました。それが一九九七年以来、今年で九年目に入るわけですけれども、だれを招くかといったときに、このプログラムにおきましては学校の先生を招いているわけですね。学校の先生を招くということ、そして三週間ぐらい日本に滞在して日本の様々な文化や制度を学んでいただき、また風物を見ていただく、人とのコンタクトもあると。そういう中で、国にお帰りになって、それをまた生徒に還元していくと。すばらしいプログラムだと思い、これの継続と発展というんでしょうか、更なる密度の高いものになることを期待しております。
  私もちょっとそのプログラムに参加したことがあるのですが、大変にいいプログラムだと思いました。是非これを継続してほしい。予算が年々減っているそうでございまして、初期の段階から比べまして約半分ぐらいになっているということを聞いているわけでございますけれども、今後このフルブライトプログラムをどのように扱われるのか、是非お伺いしたいと思います。

○国務大臣(中山成彬君) 戦後のフルブライト留学生、日本に帰りましてから日本の経済社会の発展に大変な貢献をされた、これ事実でございますし、また今御指摘ありましたように、一九九六年ですか、橋本・クリントン会談におきまして合意されました日米国民交流の一環として、平成九年度から毎年六百名程度の米国の初等中等教育関係の教員等を日本に招聘している。三週間ほど我が国の学校あるいは文化、社会、教育施設、日本人の家庭等を訪問する機会を提供して、我が国の教育及び社会事情に関する理解を深めてもらうことを目的として実施してきているものでございまして、これまで約四千六百人の教員を招聘してきておるということで、日米間の教育交流あるいは相互理解の推進に多大な貢献を果たしているこれは有意義な事業と認識しているわけでございます。
  最近は大体年間五億五千万ほどの予算で推移しておりますけれども、非常に厳しい財政事情の中でよく一生懸命頑張って予算を獲得しているというのが実情でございまして、この事業の意義を十分踏まえた上で今後とも適切な実施に努めてまいりたいと、このように考えております。

○広中和歌子君 どうもありがとうございました。
  ちなみに、私がアメリカに住んでおりましたときに、日本の先生方もアメリカにいらっしゃって、いろいろな学校訪問をしながら、現地の学校制度について、あるいは在り方について、あるいはまた一般のアメリカの文化、社会について勉強をなさると、そういうプログラムに出会ったことがあるんでございますけれども、それはいまだに続いているのか、ちょっとお伺いいたします。

○政府参考人(銭谷眞美君) 先生お話のございました日本の小中学校等の教員を海外に派遣をする事業でございますけれども、これは昭和三十四年度から始まってございます。これまで累計で約十万六千人の教員を海外に派遣をして、国際的な視野に立った識見の獲得とか実践的な指導力の向上を図っていただいているところでございます。
  現状でございますけれども、平成十六年度の実績で申し上げますと、約十六か国へ千人の教員を派遣をいたしてございます。このうちアメリカにつきましては約二百三十人の教員の方が派遣をされておりまして、アメリカの学校視察あるいはアメリカの方々との交流を行っているところでございます。
  引き続き教員の海外派遣の機会の確保ということには努めてまいりたいと思っております。

○広中和歌子君 これは、一時、何という、短期間訪問するというプログラムでございますけれども、今度は、逆JETと言うんでしょうか、日本の学校の先生がアメリカの学校に行って日本語を教えつつ、何年間か、一年か二年、そういったプログラムが西岡大臣のときにスタートしたことを私は覚えているんですが、そのプログラムというのは、出発点というのは日本がジャパン・アズ・ナンバーワンと言われるぐらい非常に経済的に伸びている時期で、日本について学びたい、日本語を学びたいというアメリカの人たちの要望にこたえてそうしたプログラムを、私も提案した者の一人なんですけれども、その後のこのプログラムはどうなっているか、お伺いしたいと思います。

○政府参考人(銭谷眞美君) ただいまお話のございました逆JETプログラムでございますけれども、これはREXプログラムというふうに呼んでおります。日本名で言いますと、外国教育施設日本語指導教員派遣事業ということでございまして、お話がございましたように平成二年度に創設をいたしました。
  これまでにアメリカを含む十一か国に約三百名を超える教員を派遣をしているところでございます。これは約二年間派遣をいたしまして、海外における日本語学習需要に対応するとともに、学校の国際化、あるいは地域レベルの国際交流を推進をするということを目的に、我が国の中高等学校の教員を海外の学校へ派遣をして日本語教育に従事をしていただくという事業でございます。本年度も実施を予定をいたしておりまして、毎年大体二十人前後の教員を派遣をしているところでございます。
  このプログラムは、派遣国での日本に対する理解の促進に貢献をするとともに、教員自身の語学力や国際感覚を高めるといった効果もございまして、非常に意義のある事業だと思っておりまして、今後とも推進を図ってまいりたいと考えております。

○広中和歌子君 どうもありがとうございました。
  今も続いているということ、大変心強いことでございます。
  ついでと言っては恐縮ですが、JETプログラムですよね、今度は。アメリカやヨーロッパや、ともかく英語圏の人たちに日本の学校で語学を教えてもらうと。そのプログラムはどういう形になっているんでしょうか。もっともっと、日本人の英語力というのが少しずつは良くなっているんでしょうけれども、余り国際的に通用しない人が多いというふうに言われて久しいわけですが、効果は上がっているというふうに評価していらっしゃるのか、お伺いいたします。

○政府参考人(銭谷眞美君) JETプログラム、外国青年招致事業でございますけれども、この事業は外国語教育の充実と地域レベルでの国際交流の進展を図ることを主たる目的とする事業でございます。昭和六十二年に開始をされまして、本年度で十九年目を迎えたところでございます。当初は千人弱の人数で始めたわけでございますけれども、本年度、平成十七年度におきましては、四十四か国から五千八百五十三人を招致することといたしております。そのうち五千三百六十二人が外国語指導助手として主として中学校、高等学校で語学指導に従事をするという予定になってございます。
  このプログラムは、趣旨で申し上げましたように、我が国の外国語教育の充実、それから国際化の促進ということに非常に大きな貢献をしている事業と考えておりまして、文部科学省としては引き続きこの事業の充実を図っていきたいというふうに思っているところでございます。

○広中和歌子君 私自身、英文科を出まして、日本の大学で英文科を卒業いたしまして、ですから英文科卒業生について、そして特に教員になった方についてとやかく言いたくないわけでございますけれども、やはり英語教育というのが、あるいは英文学、米文学にいたしましても、非常にドメスティックな視点でなされていたような気がいたします。そういう意味で、現在、中学や高校、これから小学校にも英語教育などという、国際語としての英語教育ということが言われているわけですけれども、こういう外国の若い人たちがむしろ生徒じゃなくて先生を教えるような、そういうようなことをしたらば先生のプライドが傷付くかどうか分かりませんけれども、私は必要だと思っておりますが、いかがでしょうか。

○政府参考人(銭谷眞美君) 実は、私も昭和六十二年にこのJETプログラムが開始をされたときの担当をいたしておりまして、当時は外国人の方、つまり英語を母国語とする方が学校に来るということで、むしろ日本の英語の先生が戦々恐々としたという方もいたというふうに承知をいたしております。
  ただ、先ほど申し上げましたように、この事業、もう十九年目を迎えて、これまで約四万四千人の外国人の青年の方が日本各地の学校教育現場に配置をされておりますので、随分様相は変わってきたと思っております。また、教育委員会に配置をして先生方の語学研修等のお手伝いをするという動きをしている英語指導助手もいるわけでございまして、先生方の研修それから子供たち自身の英語の実践力の向上、双方の面でこの事業は効果を発揮しているというふうに受け止めております。

○広中和歌子君 期待しておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
  それでは、テーマを芸術文化の振興について、二十一世紀の文化戦略、これは私ども民主党の有志に文化庁からレクをいただいたその結果として大変すばらしいプログラムだという印象を持ちましたので、この点について質問させていただきます。
  二十一世紀、文化芸術で新時代をということで、芸術は豊かな社会をつくるということでもあり、また日本から海外に発信していく大きな手段でもあるわけでございます。是非この文化芸術の振興に文部省、文化庁、国を挙げて頑張っていただきたいというふうに思うわけでございますけれども、文化予算について、日ごろよく言われることでございますけれども、日本の予算は余りにも少ないんではないかというふうに言われておりますが、現状と認識についてお伺いいたします。

○国務大臣(中山成彬君) 文部科学省といたしましては、この文化芸術につきましては、最高水準の活動の重点支援によりまして頂点を高めるという面と、もう一つは地域における活動の振興を図ってすそ野を広げていくと、その両面で振興に努めているところでございます。さらにこれに加えまして、文化遺産の保存、活用、文化芸術の国際交流、美術館、博物館等の文化拠点の整備などを推進してきているところでございます。
  平成十七年度の文化庁予算につきましては、極めて厳しい財政状況の下でありましたけれども、文化芸術振興基本法等に基づきまして、心豊かで魅力のある社会を目指した文化力の向上を図るための施策を重点的に推進することといたしまして、対前年度千二百万円増の一千十六億五百万円を確保したところでございます。私、平成二、三年ごろ文部政務次官をしておりまして、そのころはまだ文化庁予算は五、六百億だったと思うんですけれども、もう倍になっているということで、驚いたといいますか、大変うれしい驚きだったわけでございますが、今後とも、厳しい財政状況の下ではありますけれども、文化芸術振興基本法を踏まえまして、文化芸術大国の実現に向けてこの文化予算の更なる充実確保について努めてまいりたいと考えております。

○広中和歌子君 各国と比べますと、日本が約一千億ということでございますけれども、イギリスが約二千億、フランスが三千億、ドイツも一千億ちょっとと。アメリカは私はもっと低いかと思っていたんですが、千五百五十三億円と、円に換算してでございますけれども、そういうオーダーになっております。
  ただ、日本の場合は外務省の予算の中で国際交流みたいなもので文化予算というものも持っておりますので、それで三百億ぐらい足しますと一千三百億ぐらいなのかなと思いますけれども、まだまだトータルとして非常に低いんではないかなと。文化発信をもっと盛んにするにはどうしたらいいかと、元大蔵省にいらした大臣でございますけれども、大変御苦労なさってここまで来たということでございましょう。
  そういう中で何ができるかということなんですが、予算を増やすことも一つでございますけれども、アメリカの例なんかを見ますと、個人寄附が十四兆、十四兆円あるんです。遺贈というんですか、亡くなってから寄附する人の総額が一・五兆円、財団関係が二・二兆円、企業、財団一・一兆円、計年間十九兆円のお金が寄附をされ、そのかなりの部分が文化、学術、そういったものに使われているんではないかというふうに思います。
  そういうことを見ましても、日本がこれからできることは、もう既に各地域で箱物などはかなりできているわけでございますから、あとは地域参加、地元の人の参加によって、それはお金の面でも人材の点でも参加していただきながら文化を地方から発信する、そういう時代になっているんではないかと思います。
  そういう中で、寄附文化を育てるために文部省がリーダーシップを取っていただきたいと思うわけで、なかんずく中山大臣にはそのリーダーシップを取っていただきたいと思うんでございますけれども、コメントをお願いいたします。

○政府参考人(加茂川幸夫君) お答えをいたします。
  各地方にございます文化会館を活用した文化芸術活動の活性化のためには、各地域における多様な文化芸術活動が活発に行われることが重要だと考えております。その際に、国や地方公共団体によるいわゆる公的な財政支援だけではなくて、委員御指摘の、個人でありますとか企業でありますとか、例えば寄附といったことも考えられるわけでございます。そういった民間からの支援、様々な形での財源の導入等、新しい支援方策を促進していくことは大変大事だと、こう思っておるわけでございます。
  税制について申し上げますと、現在、芸術分野の分野におきましては、いわゆる特定公益増進法人の制度、あるいは認定NPO法人の制度を活用しまして、公益法人等に対する民間からの寄附金について優遇措置が講じられておるわけでございます。特に、芸術文化分野について申しますと、いわゆる企業メセナ活動を促進する上で、社団法人企業メセナ協議会を通じて行われる寄附金が大きな課題といいますか、注目を集めておるところでございます。この制度の活用が図られますよう、既に十四年度におきましては対象範囲を拡大を図ったこと、十五年度におきましても都道府県の文化振興財団等との連携を進めることができるように相談窓口を全国に配置するなどの改善が図られたところでございまして、例えばこういった活動を一層活発化する、活用していくことによって委員御指摘のような寄附文化の充実の道筋が開けるのではないかと思っておりまして、私どもこれらの活用に意を用いてまいりたいと思っておるところでございます。

○国務大臣(中山成彬君) 御指摘のように、箱物というのはもう随分整備されたなと、こう思っていまして、先ほど答弁いたしましたように、地域の文化力といいますか、文化芸術を振興するためにはやはり人々がこぞって参加するというふうな風潮が、これが非常に大事だろうと思っています。
  そういう意味で、日本はなかなか寄附文化というのが発展しにくい、してないんですけれども、今答弁いたしましたように税制面からの支援をしようということでかなり充実してまいったと、こう思っていますが、今後とも、そういった意味でもっともっと地域ぐるみの、国民ぐるみのそういった文化芸術振興という面でもっと努力すべき点があると思っていますので、一生懸命支援してまいりたいと思っております。

○広中和歌子君 ありがとうございます。
  最後に、環境問題について、環境教育について御質問させていただきます。
  二〇〇二年のヨハネスブルク・サミットにおきまして小泉総理が提案をなさった。それは、ディケード・オブ・エデュケーション・フォー・サステーナブル・ディベロプメント、つまり環境教育の十年、持続可能な開発教育の十年ということで、二〇〇五年九月からそれが国連のリーダーシップによって始まるわけでございます。日本の文部省といたしましては環境教育につきましてどのような取組をなさっているのか、どのようなコミットをなさっているのか、お伺いいたします。
  時間の制約もありますのでちょっと言わせていただきますと、環境のように非常に学際的な分野でございますよね、それは非常に総合教育に適しているんではないかと思います。今朝もNHKで総合学習のすばらしい点が映像によって放映されたわけでございますけれども、これは新しい試みでございますから、総合学習というのは、教師の、先生方にとっては非常に大変なことだとは存じますけれども、例えば高齢化の問題にしても環境の問題にしても、本当に身近な問題を様々な角度から総合的に取り組んでいくという、そういうことは非常に必要だろうと思うわけでございます。
  特に環境に関しましては、日本は、京都議定書の締約国の中、京都で発生した京都議定書、それを現在守れていないという状況にありますし、環境問題は、御指摘するまでもなく、ここ数年の異常気象なんかもかなり温暖化その他によってもたらされているんではないかと危機感が迫ってくるわけでございますけれども、そういう中におきまして是非環境教育を推進していただきたいと思うわけでございます。
  大変僣越ながら、ここに「地球憲章」というものをお回ししております。これは私も参加して、世界じゅうの国々の人々の意見の集約によってでき上がったものでございまして、日本からも、一部でございますけれども、意見を取りまとめてここの中にインプットしているわけでございます。是非これも一つのテキストとして使っていただきたい。
  一つのサゼスチョンでございますけれども、オリジナルは英語でございます。日本語に翻訳されたものもございますけれども、是非英語の授業などでこれを使っていただく。翻訳をするという過程の中でばっちり頭の中にインプットしていただくというようなことも一つのやり方でございますので、是非、ここに一つ見本がございますけれども、これをサンプルといたしまして、是非、何というんでしょう、教科書に取り入れていただく、あるいは副読本に取り入れていただくという形で環境教育というものを推進していただきたいと心からお願いする次第でございます。
  環境というのは、とかく分別収集すればそれで済むといったようなものではなくて、非常に幅広い、国際的なものでございまして、もちろんこうした温暖化の問題もございますけれども、人権の問題、今サミットが行われております、アフリカの貧困の問題等々、いろいろな角度から学ぶべきテーマでございますので、是非文部省としてはリーダーシップを取って推進していただきたいと心からお願いする次第でございます。
  以上です。