第151回 文教委員会
2004年11月11日
161-参-文教科学委員会-4号
○広中和歌子君 民主党の広中和歌子でございます。私にとりましても、この委員会、初めての質問でございますので、よろしくお願いいたします。
先ほど同僚議員から、地震など突発的に起こる災害に、非常時のトラウマに対する心のケアの必要性ということで御質問がございましたけれども、そうした突発的な事故だけではなくて、日常的に様々な形で今現代人というのはストレスを感じている、子供たちも例外ではないわけでございます。
今朝の参考人質疑で小柴昌俊先生もおっしゃいましたように、本当に今子供たちの置かれている状況というのはかつてと大いに違うわけでございます。決して今の子が不幸だと言うつもりはございませんけれども、かつて家庭が持っていた、あるいはコミュニティーが持っていた教育力というのが非常に衰える中で、社会、なかんずく学校が果たすべき役割というのがますます増大しているのではないかと。そういうことで、教育予算の配分というものもそれに応じて変わってこなければならないし、また新たな対応というのでしょうか、新たな学部が必要であったり新たなトレーニングが必要であったりするのではないかと思います。
それで、まずカウンセラーというんでしょうか、先ほどからいろいろな言葉が飛び出しておりましたけれども、臨床心理士ですか、その現状について、まず数からお伺いいたします。
○政府参考人(素川富司君) お答え申し上げます。
臨床心理士の数でございますけれども、これは財団法人日本臨床心理士資格認定協会の指定を受けました心理学系の大学院の修士課程を修了した者などに対しましてこの協会が資格試験を行いまして、その合格した方を登録するということで活動している資格でございますけれども、平成十六年の六月現在で全国で約一万一千名がこの資格をお持ちになっておられまして、学校などの教育分野で活動している方は約五千名というふうに承知しているところでございます。
○広中和歌子君 これは国家認証制度でございますか。
○政府参考人(素川富司君) お答え申し上げます。
この財団法人が資格審査を行って認定を行っているいわゆる民間資格でございます。
○広中和歌子君 こうした民間資格のままでいいというふうにお思いでございますか。
それから、数についてでございますけれども、今、学校ですね、小学校、中学校、高等学校に配置されているカウンセラーの現状はどうでございましょうか。
○政府参考人(銭谷眞美君) 今、スクールカウンセラーという形で、主として中学校でございますけれども、配置をされております臨床心理士は約三千三十人でございます。
なお、スクールカウンセラーは臨床心理士以外、精神科や大学教授等の方もいらっしゃるわけでございまして、スクールカウンセラー自体としては約四千人の方が約七千校の学校に配置をされている状況にございます。
○広中和歌子君 済みません、七千校というのは全国に存在する中学の数でございますか。
○政府参考人(銭谷眞美君) 全国の中学校の数は約一万一千校でございますけれども、そのうちの約七千校に現在スクールカウンセラーが配置をされている。
なお、文部科学省といたしましては、平成十七年度までに約一万校、大体この数は三学級以上の公立の中学校という数になりますけれども、平成十七年度までに一定規模以上の、三学級以上の全公立中学校一万校にスクールカウンセラーを配置をするということを目標にいたしてございます。
○広中和歌子君 今のシステムで、認証制度で十分なカウンセラーを作り出すことが、輩出することができるのかどうかということと、それから、中学校というところで結構問題児が存在するわけですよね、いじめであるとかなんとか。ただ、逆にこういう芽って、そうした問題の芽というのはむしろ小学校のときに生まれるという可能性もあるわけで、是非小学校にも必要ではないかという声も聞くわけでございますけれども、それについてお伺いいたします。
○政府参考人(銭谷眞美君) 先ほど申し上げましたように、スクールカウンセラーは子供たちのいろいろな悩みに応じて相談にあずかったり心のケアを行ったりするわけでございまして、私ども大変、今の中学校の状況を考えたときに必要な方々だと思っております。
ただ、スクールカウンセラーの有資格者につきましては近年増えてきております。特に臨床心理士は、大学院で大変養成するコースが増えてまいりましたので増えてはきておりますけれども、いわゆる地域的な偏在とか、それからまだ業務経歴がまだ若い方がいらっしゃるので、更にスクールカウンセラーになられる臨床心理士の方自体も経験をどんどん積んでいただくといったような課題があることは認識をしておりますけれども、今後、スクールカウンセラーについてはそういった課題を克服しながら、きちんと有資格者の配置ができるようにしていきたいなと思っております。
それから、小学校につきましても、現在は中学校中心でございますけれども、小学校にも、スクールカウンセラーそのものの配置というよりは、いろいろそのスクールカウンセラーの指導を受けながら、スクールカウンセラーといいますか、臨床心理士そのものの有資格ではないけれども、子供たちの心の相談に応ぜられるような方を子どもと親の相談員という形で今配置を進めているところでございます。
○広中和歌子君 是非その方向でいっていただきたいと思うわけでございますが、私が子育てをしておりましたアメリカにおきましては、小学校、中学校でも必ず各校に一人ずついらしたということで、例えば不登校の子がいたり、あるいはいじめ、問題を起こした子は受持ちの先生がそういうカウンセラーのところに早めに送るわけですよね。そして、何が原因なのか、その原因を取り除くようなカウンセリングをするというようなことで、非常に日常的に、大きなことではなくて、日常的にそれが行われているし、まして高等学校に至りましては、進学指導も含めまして、私のおりました、子供が通っていた高等学校では、千二百人ぐらいのたしか高校で六人ぐらいのカウンセラーがいて、それぞれ個室を持っていてカウンセリングに当たっていたと。
そういうふうに、やはり国によっては、国によって生徒をどういうふうに扱うかというのが違うのは当たり前でございますけれども、好むと好まざるとにかかわらず、日本の現状というのがだんだんアメリカ的になっているということを考えれば、こうした新しい種類の先生というんでしょうか、カウンセラーが必要ではないかと。
それから、どういう方にカウンセラーになっていただくかということでございますけれども、私は、大学で教員資格を取りながら先生にならなかった人、あるいは先生をやっていても自分の家庭の事情で辞めた方、子育てを体験した人、そういう人たちが再び大学院に戻ってそうした資格を得る、そのような道がどんどん開かれれば、つまり、若手のそういうカウンセラーも結構でございますけれども、やはり人生経験、子育ての経験を積んだ人などがもっともっとこういう分野に参入することが必要ではなかろうかと思っているものでございます。
それについてどのようなお考えでいらっしゃるか、お伺いいたします。
○政府参考人(銭谷眞美君) 今、スクールカウンセラーの主体を、数としてスクールカウンセラーの多くの部分を占めております臨床心理士の方々は、臨床心理士資格認定協会の認定した方でございますし、非常に大学院レベルで専門的な教育を受けて、それで資格を取ってスクールカウンセラーになっている方でございます。それに加えて、スクールカウンセラーにはそれに準ずる方ということで一定の子供たちのカウンセリングの経験のある方なども登用することにいたしておりますけれども、今後のことを考えたときに、そういう幅広い専門家の方がスクールカウンセラーとして御活躍いただくということは、これは大変大事なことだろうと思っております。
なお、もう一つ、いろいろ大学院で例えば現職の先生とかあるいは教職をお持ちの方がカウンセリングについて研修を行って、そういうカウンセリングマインドを身に付け、あるいは技法を身に付けて子供たちの相談にあずかっていくことができるようにするということも、これも大切でございますので、今大学院でカウンセリングに関するコースを開設をしているところが徐々に増えてきていると思いますし、また現職の先生が特に大学院でのカウンセラー教育を受けるという機会もございますので、こういったことから、現職の先生や今先生をやっておられない方がより高度なカウンセリングに関する実践力を身に付けるような、そういう機会の充実というのが図られていけばいいなというふうに思っているところでございます。
○広中和歌子君 是非進めていただきたいと思います。
最近、再教育というんでしょうか、いったん職業に就いた方でも何年かに一度は再び自分のトレーニングを、リフレッシュすると、専門をリフレッシュするといった形が必要だという声が出ているわけです。議員の場合は六年に一度、参議院では、何というんでしょう、住民の皆さんの、有権者の皆様の信託を得て再び議員になるということがあるわけでございますけれども、学校の先生などもやはり時々はサバティカルといったような形で学校を離れて新たな研修の機会を持つような、そのような方向が本当に必要ではないかなというふうに思っております。
今、義務教育の国庫負担等々、その財政的な問題が非常に大きな話題となっているときに、まあ夢みたいな話をしていると思われるかもしれませんけれども、ともかく、やはり重点政策というのは時代とともに変わっていくんではないかということを申し上げて次のテーマに移りたいと思います。
働く母親が非常に増えていると。これに対してはいろいろなお考えのある方も社会の中にはあるかもしれませんけれども、やはりこれからの人口減少社会の中で、働き手としての女性、女性が社会で仕事を持ちながら非常に充実した人生を送ると。そういう意味でも、働く母親が安心して働けるような状況を作らなければならないんではないかと、それはもちろん子供の心の健康を含めてのことでございますけれども。
幼稚園と保育所が別々になっているということ、いろいろな、多様な施設があること自体は否定するものではございませんけれども、やはりこれから働く母親というのが増えてきたときに、むしろ幼保一元化というのが必要ではないかと思うんでございますが、その現状と、それから方向性についてお伺いいたします。
○副大臣(塩谷立君) 広中委員御指摘の幼保一元化につきましては、かなり以前から問題として取り上げられておりますが、なかなか現在までは進んでおらないのが現状だと思っております。
幼稚園につきましては、満三歳から小学校就学前の幼児を対象にして一日四時間を標準とした教育を行う学校であり、保育所は、親の就労等の事情により保育に欠ける零歳から小学校就学前の子供を対象に一日原則八時間の保育を行う児童福祉施設であります。
このように、幼稚園と保育所はそもそも目的、役割を異にしているところでありますが、幼稚園と保育所は元々就学前の幼児を対象としておりますので、今先生おっしゃったような一元化も当然ながら今後考えていかなければならない。そして、現状としては、文部科学省と厚生労働省はその連携を強化しようという努力をしているところでございます。
具体的には、施設の共用化指針の策定、教育内容、保育内容の整合性の確保、幼稚園教諭と保育士の合同研修の実施、資格の併有の促進、そして幼稚園と保育所の連携事例集の作成などの取組に加えて、構造改革特区においても、幼稚園において幼稚園児と保育所児の合同活動を行う特例など、幼稚園と保育所の連携に係る特例を設けているところでございます。
そして、経済財政運営と構造改革に関する基本方針二〇〇三年におきまして、これは平成十五年の六月二十七日閣議決定されたところでありますが、就学前の教育・保育を一体としてとらえた総合施設について、その実現に向けて平成十六年度中に基本的な考え方をまとめる、そして平成十七年度に試行事業の先行実施するなどして必要な法整備を行うことも含めて様々な準備を行い、そして平成十八年度から本格実施を行う予定であります。
文部科学省としましても、厚生労働省を始め関係各省と協力しながら、中教審の審議を踏まえて幼保の連携の一層の推進に努力をしてまいりたいと思っているところでございます。
以上でございます。
○広中和歌子君 去年視察に参りましたデンマークでも十年ぐらい前から幼保一元化ということで、ただし三歳児まで、あるいは三歳から六歳まで、そして今度は学童保育というふうに、いろいろ行く場所は違っても一貫して、子供たちが必ず寂しくないような、親がいなくても面倒を見てもらえるような環境というものを社会全体として作っているということに非常に感銘を受けたわけでございますが、日本の場合も是非その取組を急いでいただきたいと。
縦割りということを申し上げては恐縮でございますけれども、やはりこういう新しい時代でございますし、昨日開かれました経済・産業・雇用調査会におきましても新しい取組がどんどん始まっているようでございまして、期待しておりますので、是非この幼保一元化の分野におきましても取組を加速させていただきたいと心からお願いする次第でございます。
それから、もう一つ伺いたい、次に学校関係で伺いたいことは、学校施設の流動的な有効利用ということでございます。
図書館とか職業高校ですよね。職業高校というのは、私は今現状はよく分かりませんけれども、少なくとも最先端の様々な技術、機械や教育設備を整えているところだろうと思います。それを一部の学生さんだけが使うのではなくて、午後、放課後とか夜とか、そういうものを社会の中に還元することによって新しい分野の知識を、いわゆる転職にさらされている人、新しく分野を変えなければならない方々に提供するといったような、要するに職業、何というんでしょう、職業習得の場として文部省の様々な施設が使えないかということをお伺いしたいわけでございますけれども、いかがでしょうか。
○政府参考人(田中壮一郎君) 学校施設の地域あるいは大人の方々に開放するということにつきましては、平成十四年度の調査におきまして、何らかの学校の施設を地域住民の方に開放しているという学校は、小学校で九六・九%、中学校では九三・四%、高等学校は、これ職業高校だけに絞った調査はしておらないわけでございますけれども、高校全体では七三・五%となっておるところでございます。
特に、公立学校におきましては、そういう施設の開放と同時に、四割の高校におきましては学校開放講座というものを開設しておりまして、職業高校等におきましてはその有します施設なり人材を生かした講座を開設しておるというふうに認識しておるところでございます。
○広中和歌子君 是非そういう方向で進めていただきたいとお願いする次第です。
次に、大学についてお伺いいたします。
過去十年間に認可されたり設置されたりした大学の数、あるいは大学の数が減ったのであればその数字を教えていただきたいと思います。
○政府参考人(石川明君) 大学の数についてのお尋ねでございます。
まず、設置認可の数でございますけれども、過去十年間、平成六年度から平成十五年度までの間の大学新設の認可件数につきましては累計で百七十二大学となってございます。そして、短期大学につきましては三十大学の新設を認可しているところでございます。
また、大学の総数でございますけれども、総数の推移につきましては、平成七年度の五百六十五大学から平成十六年度につきましては七百八大学ということで、百四十三大学の増加となってございます。また、短期大学につきましては五百九十六大学から五百八大学ということで、八十八大学の減少という状況になってございます。
○広中和歌子君 国立大学が減っておりますけれども、それは事実でございますか。
○政府参考人(石川明君) 国立大学につきましては、この二、三年の大学の統合の動きの中で、十一大学だったと記憶してございますけれども、減少しているところでございます。
○広中和歌子君 減少したケースでございますけれども、統合されたということで、廃校になったわけではないということでございますか。
そうすると、教授の数、職員の数、あるいは生徒の数というのはどういうようなことになっておりますでしょうか。
○政府参考人(石川明君) 教職員の数等につきましては、合理化による減等はもちろん幾らかございますけれども、定員等を含めまして基本的な構成については従来の規模を維持しておるということでございます。
○広中和歌子君 じゃ、なぜ統合なさったんですか。
私も、ほかの委員会で、いろいろ独立行政法人の中で幾つかの特殊法人などの統合というんでしょうか、見てまいりましたけれども、普通、合理化のために統合するというんだったら、一足す一は二以下にならないといけないわけですよね。ところが、一足す一が二そのもので、だったら何でするんだろうなというような思いをするわけですが、教育の場合はどうなんで、大学の場合はどうなんでございましょう。
○政府参考人(石川明君) お話しのように、特殊法人の整理合理化等々、複数の機関が一つになることによって世帯をできるだけ小さくして効率化、運営の効率化を図るというような観点もございます。また、この国立大学の統合につきましては、そういった観点ももちろんある程度入ってございます。しかしながら、教育面ということで申し上げれば、例えば規模の小さな大学で、そして限られた分野しか持っていない大学というものが近隣にあるとした場合に、それぞれ関係のある大学が一緒になる、関係のあると申しますか、分野において関連のあるところが一緒になることによりまして、それぞれの関連性あるいは統合したことによる教育研究上のメリット、そういったことで新しい発展の方向が例えば求められると。こういった観点で、それまでもそれぞれの大学でこういった議論、検討はなされてきておりまして、その結果としてそういった再編統合がなされておると、このように理解しております。
○広中和歌子君 それでは、私立として新たに設置される、認可される、認可が必要なわけですよね、認可される大学の数が非常に増えているように思います。これから少子高齢社会ということで、大学に十分に生徒さんが来てくれるかという心配をしているところが多い中で、あえて認可なさっているその理由というんでしょうか、はどういうものなんでしょうか。
○政府参考人(石川明君) 先生御指摘のとおり、十八歳人口につきましては平成四年度に二百五万人という最近のピークを一回迎えておりまして、それが平成七年度には百七十七万人、それから平成十六年度には百四十一万人とかなり激しい減少傾向を見せておるわけでございます。
一方で、大学の数につきましては、先ほど御紹介いたしましたように、平成七年度の五百六十五校から平成十六年度の七百八校ということで増加をしているところでございます。
こういった少子化が進行する中で、大学の数、特に私立大学が増加している要因ということにつきましては、その理由を一概に申し上げることはなかなか難しい面があると、こんなふうに考えておりますけれども、主な原因として考えられますものは、一つは十八歳人口自体は減少しておりますけれども、大学の進学意欲というものが大変高まってきておりまして、社会人も含めた高等教育への実際の進学者数自体はほぼ安定的に推移をしてきているという、こういう状況がございました。
それから二番目といたしましては、例えば短期大学、主に大体二年制が多うございますけれども、四年制の大学への志向といったようなものが高まってきているというような背景の中で、短期大学から四年制大学へ転換をするというケースが非常に増加をしてきたというようなことが二番目として挙げられようかと思います。
それから三点目といたしましては、看護ですとかあるいは社会福祉それから情報関係、こういった新しい分野の人材需要、これに対応した形で大学が多く新設されてきたと、こんなような事情があろうかと、こんなふうに見ております。
○広中和歌子君 私は、多分、教育に携わる人たちの自助努力というんでしょうか、あるいは大学間の様々な競争があっての結果だろうと思って、これは必ずしも悪い傾向ではないとは思いますけれども、ただ、具体的に経営上成り立っていくのかどうかといったような問題、どれだけこれから助成というんでしょう、文部省の大学助成がどういう形で継続していくのかどうかと、そういうことが心配なわけでございますけれども、国立大学、そしてまた私立大学への国の助成というのはどういう現状でございましょうか。
○政府参考人(石川明君) まず、国立大学につきましては、法人化前の国立大学等の予算は、これは国立学校特別会計という形で措置をしてございました。総収入に占める国費の割合は大体約五五%という状況でございました。法人化後におきましては、先生方既に御案内のとおり、当委員会における附帯決議も十分に留意をいたしまして、平成十六年度の運営費交付金、法人化後の運営費交付金予算全体につきましては平成十五年度と実質的に同水準の額を措置をさせていただいているところでございます。
その結果といたしまして、事業費に占める運営費交付金の割合は五六・五%と、このような状況でございまして、文部科学省といたしましては、各国立大学が今後また六年間の中期目標、中期計画期間を通じまして教育研究を着実に実施していけるように、今後とも必要な運営費交付金の確保に努めてまいりたいと、このように考えております。
○広中和歌子君 私立はどう。
○政府参考人(金森越哉君) お答え申し上げます。
私立大学に対する支援についてのお尋ねでございますが、私立大学の財政基盤につきましては、我が国高等教育の質や量、両面の発展において私立大学が果たす役割の重要性にかんがみ、これらの法人が自ら努力しつつ、安定的な運営を進めていけるよう、一定の支援を行っていくことが必要であると考えております。
このため、文部科学省におきましては、私立学校振興助成法に基づきまして私学助成の充実に努めてきたところでございまして、平成十六年度予算におきましては三千二百六十二億五千万円を措置しているところでございます。
なお、私立大学における経常的経費に占めるこういった補助金の割合でございますけれども、私立大学全体で申しますと、経常的経費に占める国の補助金の割合は十五年度では一二・一%ということになってございまして、過去十年間一二%前後で推移をしているところでございます。
○広中和歌子君 多分、今の日本の財政状況とか、それから少子化の問題で、これから大学の国庫補助というんでしょうか、そういうものが減っていくのではないかという危惧があるんではないかと思います。
今、お二人の御答弁で、少なくとも次の五年間、六年間ぐらいはこの水準を維持するというお言葉をいただいたと思うんでございますけれども、そこから先ですよね、問題は。そのうちに重点化みたいな、学校によって差を付けていくといったようなこと、それがもちろん自由競争の時代に入っていく、教育も自由競争の時代に入りますから、どういう学生をどれだけ受け入れ、どういうような教育をするかということも問われるわけですが、これから先の見通しについて安心できるようなお答えをいただければと思います。
○政府参考人(石川明君) 先ほどは、一つの説明の中で今後六年間というふうなことも申し上げたところでございます。しかしながら、別に六年間で大学の世界がなくなってしまうわけではございませんので、私どもとしては、あくまで長期的な視点、展望に立って高等教育の発展のために必要な予算措置、必要な額を確保してまいりたいと、このように考えております。
○広中和歌子君 明日のことではなくて六年先のことでございますから、大変はっきりとしたお答えは無理かもしれませんけれども、ともかくこれからの日本にとりまして教育というのが、特に高等教育が非常に大切であるということを申し上げ、是非この大学の、何というんでしょう、支援に対して文部行政として前向きに対応していただきたいとお願いする次第でございます。
それから、大学院について伺うわけでございますけれども、最近非常に大学院の数がまた増えましたよね。それはどういうことなんでございましょうか。大学院が増えた分、アンダーグラジュエートというんですか、学部の学生が減ったのか、それとも、つまり総量としての学生数というのが増えているのか、そこのところをお伺いします。
○政府参考人(石川明君) 大学院の規模についてのお尋ねでございます。
大学院につきましては、平成三年の大学審議会の答申で「大学院の量的整備について」といった答申が出されておりまして、その当時、今もそうでございますけれども、欧米に比べまして大変日本の場合は大学院の全体の規模といいますか量的な規模が小さかったということがございます。そういったことで、日本の高等教育研究あるいは学術研究の発展を大きく目指そうというときにこのままではいけないのではないかという議論が行われまして、そういった意味で我が国の水準が他の先進諸国と比べて非常に小規模なものにとどまっているというような認識から、その量的な整備の必要性が指摘されたところでございます。
具体的に申し上げますと、大学院修了者に対する需要動向ですとか、あるいは社会人のリカレント教育に対する意欲、それから留学生の受入れの動向、こういったものを総合的に考えて、平成十二年度時点における我が国の大学院学生数の規模につきまして、全体としては少なくとも当時の規模の二倍程度に持っていこうと、拡大をするというようなことが必要であると、こんなふうに提言をされまして、現実問題として、実際に平成三年度の約九万八千人から平成十二年度におきましては約二十万五千人ということで二倍以上に増加をいたしておりますし、平成十五年度におきましては約二十三万一千人に増加をしているところでございます。
また、学部との関係についてのお話もございましたけれども、大学院の増加につきましては、特別に、別に学部を削ってということではございませんで、学部の規模は維持をしながら大学院について量的な拡大を図ってきたと、こういうことでございます。
○広中和歌子君 量的な拡大は結構なんでございますけれども、それに予算が伴っているかどうかということでお伺いしたわけでございます。
それで、今二十万五千人ですか、大学院の学生さんがいるということですけれども、当然卒業すればどこかに就職しなければならないということで、その受入れ体制というのはどうなんでございましょうか。
すべての方が、昔は、一昔前は大学院というと研究者を育てるということであったわけですけれども、そういう方たちの就職先というのはあるのか、あるいは企業などにその就職先が広がっているのかどうかと。日本はどちらかというと、少なくとも今までは、これからは違うかもしれませんけれども、基礎的な教育は大学でしてくれてもいいけれども、そこから先は企業に入ってから我々が教育をしますと。だから、理科系の方であってもせいぜいマスター、修士ぐらいで結構ですというようなところで、大学院、博士課程を出てもなかなか企業に就職することができなかったんではないかと思います。
田中耕一さんという方がノーベル賞をもらわれましたけれども、あの方が博士課程を持っていらっしゃるかどうか、就職どきです、伺いましたらば、持っていらっしゃらなくて、ノーベル賞をもらってから、後から博士号が下りてきたということでございますけれども。企業の要請とそれから大学院の卒業生との、何というんでしょう、連携はどのように今変わりつつあるのか、お伺いいたします。
○政府参考人(石川明君) ただいま広中先生から幾つかの、大学院の修了者についての幾つかのお尋ねがございました。
例えば、その修了した方の就職状況でございますけれども、例えば理工系というお話がちょっとございましたので理工系について見てみますと、例えば修士課程の修了者につきましては、これは平成十五年の場合は六万七千四百十二人の理工系の方の修了者がおりまして、そのうち、就職をされた方がそのうちの六四・五%という状況になってございます。それから、博士課程の場合には、同じく申し上げますと、一万四千五百十二人の修了者がいらっしゃいます。そして、そのうちの五四・四%の方が就職をしておるということです。これは、失礼しました、これは理工系でなくて全体の修了者のことでございます。
そして、理工系の方々の就職先を見てみますと、修士課程のケースで見ますと、就職者が理工系につきましては七七・二%ということでございまして、その主な就職先といたしましては、建設業ですとかあるいは製造業、情報通信業等、そういった分野の実際の企業等に七九・九%の方がいらしています。それから、博士課程につきましては、就職者の方が理工系で五二・一%ということでして、同じく建設業、製造業、情報通信業等々へいらしている方が三二・一%ということで、先生おっしゃったとおり、企業等への就職状況を見ますと、修士課程の方々はまずまずということが言えると思いますけれども、博士課程の修了者の方々がなかなか企業等へ行っておらないという状況がございます。
御案内のように、大学院の教育の目的につきましては、従来、研究者養成といったようなことが主流でございましたけれども、例えば平成元年には大学院の博士課程の目的につきまして、優れた研究能力を持って高度で専門的な職業に従事するというそういった人たちも養成するんだといったようなことになっております。そういった意味で、博士課程の方々も様々な分野でその専門的な能力を生かして活躍していただきたいと私ども思っておりますし、どうか企業の方にもそういった博士課程修了者の能力を適切に評価をしていただいて、どんどん採用していただければいいと、こんなふうに考えているところでございます。
○広中和歌子君 私は、理科系の博士課程の在籍者というのか、多いのか少ないのか、ほかの国に比べてよく分からないのでございますけれども、やはりもうちょっと増やしていく。そして、彼らがきっちりとその学習の成果を社会の中で生かせるような状況というものを作っていくことが、これから元気に日本をしていくために絶対に必要ではなかろうかと思うわけでございます。
こんなことを、またアメリカの例を出して恐縮なんですけれども、アメリカの場合には、大学院の、例えばロースクールだとかビジネススクールですと、借金をして学生が行きます。卒業するとそれに見合うだけの給料があるということで、銀行なども融資をしてくれるという状況があるわけですけれども、理科系の場合にはほとんどが奨学金で行きます。
日本の、これも数年前に調べたことなので現状を教えていただきたいわけですが、日本の場合には、博士課程の優秀な学生さんであっても、要するに月謝は免除かもしれないけれども、生活費まではなかなか見てもらえない。大学院の学生というのは二十二歳以上でございますから、当然、親元から経済的に自立していなければならない年齢なわけですが、そういう中で、なかなかこうした理科系の博士課程に進む優秀な人たちが余り出ないんじゃないかということをむしろ心配しているわけなんですが、奨学金の現状についてお伺いいたします。
○政府参考人(石川明君) 大学院の学生を主として念頭に置かれました奨学金の充実についてのお尋ねでございます。
奨学金事業につきましては、先生も既に御存じのとおり、無利子貸与事業と有利子貸与事業という大きな二本立てで充実を図っております。そういったことで、例えば大学院の学生に対しましては、無利子貸与の場合には、月額、修士課程で八万七千円、博士課程で十二万一千円というような形で奨学金の貸与を行っておりますし、この有利子事業、無利子事業、ともに併せまして、今、毎年充実を図っているところでございます。
来年の予算に向けましてもそういったことも念頭に置きまして、学習意欲のある方々が安んじて勉学に励むことができるように、この奨学金事業、引き続き充実に努めてまいりたいと、このように考えております。
○広中和歌子君 これで終わりますけれども、例えば外国人の留学生を呼ぶ場合にはかなりそれよりも多くの奨学金を出していて、しかも返済の必要がないわけですよね。日本人に対しては、無利子といっても、いずれにしても今銀行の金利はほとんどゼロに等しいわけですけれども、そういう中で借金を背負って卒業しなければならないということでございまして、やはりもうちょっと理科系の学生に対して国家的な形で支援することが必要なんではないかと思っているわけでございますけれども、最後に、済みません、大臣、一言、それについてもしお考えがあれば、お伺いしたいと思います。
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