「新しい希望のミレニアムへ向けて」

社団法人環境生活文化機構
会長  広中 和歌子 

 謹賀新年、西暦二千年、新しいミレニアムを迎えます。皆様にとってよい一年であることをお祈り致します。

 二十世紀は戦争の世紀であったのと同時に、経済発展、科学技術や医学の進歩に代表される世紀でもあったと思います。人々の生活は物質的には比較的豊かになりましたが、その負の遺産として近年、環境問題が浮上。大量生産、大量消費、大量廃棄型社会活動をこのまま続ければ、人類、生物の生存に欠かせない地球環境の破壊や資源エネルギーの枯渇という危機的状況を招くでしょう。

 昨年の秋、中国、ベトナム、カンボジアを訪問し、環境問題は貧困問題とも深いつながりがあることを実感しました。いまや環境問題は国境を超えた課題となり、持続的発展を通して途上国の人々の生活水準が向上し、貧富の差が減少しなければ、環境問題が南北間の紛争の種になるとも考えられます。戦争は最大の環境破壊です。貧困、戦争、環境破壊の悪循環を絶たなければなりません。世界の資源エネルギーの大部分を消費している先進国として、私たちが持っている資金や知識、技術を途上国の人々と共有することは、私たちの義務であり責任であると思います。

 国内的には、本年の最大の環境政策課題として循環型社会の構築があります。これまでにも、廃棄物処理やリサイクル等、各省庁が問題別に対策をとってきました。しかし今後は、問題解決型の部分的なシステム作りだけでなく、包括的な法律整備やインセンティブを含む経済的手法等によって問題を予防できるように、システム全体を構築しなければなりません。

 二十一世紀は、二十世紀の負の遺産をプラスに転換していく時代です。負の遺産を如何にチャンスとして捉えることができるか、そこに新たな環境産業や雇用を生み出す鍵があるはずです。私たちが先祖から受け継いだこのかけがえのない地球を、市民、産業、行政のパートナーシップによって二十一世紀を生きる次世代に引き継ぐことができるように、創造力と想像力を働かせながら政治の場で努力してまいりたいと思います。